キャストリアが第五次聖杯戦争に参戦したら   作:ファンチメン

1 / 1
初投稿です。
どうかよろしくお願いします。


序章:妖精國の終わりに

「さようなら、立香、マシュ。

 恐れなく進まれますよう。貴方たちの道行きには、星見(カルデア)の灯火があるのですから」

 

 それは終わりゆく妖精國での出来事。異邦の魔術師と共に奈落の虫と戦い、これに勝利した時のことだ。

 

 私は役目を終えた。『予言の子』としても、『聖剣の騎士』としてもだ。

 

 心残りがないといえば嘘になる。何故なら、本来であれば私はここにいなかったのだから。本来消えるべきところで、その役割を代わってくれた人がいた。

 

『髪飾りは作ってやれなかったがな』

 

 消えゆく中、|鍛治師(アルターエゴはそう口にした。

 

 妖精國でずっと支えてくれたサーヴァント。異邦の魔術師とは敵同士だったというのに、味方をしてくれる義理なんかなかったというのに、命を買ってもらったからという理由だけで、命をかけて最後まで走り抜けたサーヴァント。

 

 彼が誰かを依代にしていたのは見てわかった。(アルトリア・キャスター)ではない(アルトリア)と繋がりが強い魔術師。正義の味方を志し、ただの一度も満足したことはなかった不器用な生き方しか出来ない人。

 

 本来であれば彼は彼女を召喚するだろう。しかし、もしもの話。彼が運命の夜に彼女と出会わなかったら?

 

「いいんじゃねえか? 嬢ちゃんがやりたいと思ったのならそれで。(オレ)と全く縁がねえ訳じゃねえしな」

 

 妖精國から消えゆく間際、そんな声が聞こえてきた。

 

 それが幻だったのか、それとも本物だったかは分からない。けれどアルトリア・キャスターの耳にしっかりと響いたのは事実だ。

 

「……ええ。ではその召喚に応じましょう」

 

 言葉とともに彼女は降り立つ。

 

 異聞の世界で役目を終えた彼女は、運命の夜へ。そこで彼と邂逅を果たす。

 

「——問おう。貴方が私のマスターか?」

 

 私はこの日のことを忘れることはしないだろう。月光が照らすマスターの姿を。私を助けてくれた人によく似た少年のことを。

 

 彼がかつて私の助けになってくれたように、私も彼の助けになると決めたのだから。

 

 ***

 

 かくして運命はねじ曲がる。第五次聖杯戦争。本来参戦するはずがないサーヴァントの召喚により、この戦いは大きく変動した。

 

 彼女(アルトリア・キャスター)の参戦は、数多の異聞を呼び起こすこととなる。無論、それはいつか英霊に至る少年にも。

 

 しかし運命がねじ曲がろうと、少年が志す道が変わるわけではない。聖剣に出会えずとも、聖杖に出会っても、彼は正義の味方として戦うことになるだろう。

 

 例えその道がどれだけ過酷だとしても、どれだけ苦しいものだとしても必ず。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。