オラリオ・ヴェンデッタ   作:壊れたドール

8 / 12
オリ主がだいぶ強めだし話も無理矢理感あるし文章下手だけど許して
あとヴェンデッタ、なんてタイトルに入ってるけどシルヴァリオ・ヴェンデッタ要素はありません
でもヴァルゼライド閣下好き



もうひとりの王族妖精-2

黄昏の館の最上階、端の端にある自室からリヴェリアを置いたまま出た私は食堂へと急ぐ。

廊下を駆け、階段を滑り降りる、屋敷の中を走ることを咎められるよりも食事がトマトだけになることの方が絶対に避けなければいけない。

 

「まに、あった……」

 

多少息を切らしながらもしれっと食堂入り込み、そしていつもの場所に何事もなかったかのような顔で座る。

ロキファミリア創設メンバーの”まだ来ていない”リヴェリアに団長のフィン、ガレスと私の4人、とたまに主神のロキが座る場所。ロキはどうやらレフィーヤ達にちょっかいをかけにいっているらしく別の席にいる。

 

「おはようシグ、やっぱりリヴェリアが行くと起きてくるのが早いね」

「今日は儂の勝ちじゃな」

 

いつもの椅子に座った途端左右から話しかけられる。右から挨拶してくる小人族は我らが団長殿、『勇者』フィン・ディムナ、左で勝ちを宣言するのは私達と同じ幹部、ドワーフの『重傑』ガレス・ランドロック。

この2人はリヴェリアが起こしに来た時に私が起きてくるのが前回よりも早いか遅いかを賭けているらしい。

ロキが起こしに来ることもあるがその時はロキが私の布団に潜り込んできて一緒になって寝るせいで2人揃ってリヴェリアの説教を食らう。

 

「そりゃぁ、起きなかったら今日1日食事はトマトだけだ、なんて言われたら死んでても起きるに決まってるでしょ?」

 

疲れた顔でそう答え机に頭を落として唸るとフィンから大丈夫かい?と心配する声が聞こえる。

 

「いつものアレ、しばらく来てなかったから油断してた……」

 

いつものアレ、というのは悪夢のこと。

二つ名の語源ともなった私の持つスキル【怨讐姫】強大な効果を持つこのスキルの唯一にして最大のデメリット、それは悪夢を見るというもの。

この悪夢こそが私が朝に弱くなった原因、同時に館の最上階、まわりが空き部屋になっている端の部屋に住まう理由。

見せられる悪夢は毎回違う場面、しかし全てが同じ事件を元にしている。

悪夢の内容、それこそがこのスキルが発現するきっかけであり【怨讐姫】と呼ばれる私の起源。

 

軍事国家ラキアによるエルフの森焼き討ち。

 

今朝見た悪夢の内容を一瞬だけとはいえ思い出した私はおそらくひどい顔をしているんだろう、フィンだけでなくガレスからも心配の声が上がる。

ここ数ヶ月は見ていなかった、とはいってももう百年以上のもこのスキルと付き合ってきている。それゆえに私はただ一言大丈夫、そう答えて顔を上げる。

事情を理解していて、悪夢を見た朝には同じやりとりをしている2人だからこそ私に対して無理はしないように、とだけ告げて話題を変えた。

 

「そういえば今日はどうするんだい?君の仕事はもう終わらせてあるだろう?」

 

フィンに聞かれ、頭の上でまとめ上げた髪を揺らしながら顔を少し上向けて天井をぼーっと見つめて考える、遠征が近く捌く書類も普段より多いとはいっても急ぎのものは一通りは終わらせてあるし何より私自身は今回の遠征には行かない、というよりも別の用事で行けない。

 

「んー、私の方は今度の準備は前日でもいいし……特に急ぎですることはないかなぁ。何かするにしても預けてある武器を受け取りに行くくらい」

 

私は双剣と魔法を使った魔法剣士の戦闘スタイルを取っている、といっても時と場合に合わせて前衛と後衛のどちらにも対応するけれど。

双剣は前の主神から与えられたもので私の魔法を強化する効果があり、何より私と私の認めた者以外は持つことすらできないというセキュリティも万全な唯一無二の相棒。

とはいっても肝心のその双剣はヘファイストス・ファミリアの主神、ヘファイストスにメンテナンスしてもらうために預けている。

 

「そうか、もし行くようであれば椿に届けてもらいたいもがあるから館を出る前に執務室まで来てくれるかい?」

 

急ぎではないから無理にとは言わないが、と付け加えられる。そう頼まれると断れない、ギルドからの依頼と被ったせいとはいえ今度の遠征に同行できない負い目もある。まぁ、深層遠征前にウダイオスを討伐するだけなら私なんていなくても大丈夫だろうけど。

 

「それじゃ後で受け取りに行く、他にあるなら一緒に済ませてくるけど?」

 

もし他にもあるなら一緒に済ませてしまえば楽ではあるし……そう思いフィンに問うも他にはないという。

それにしても、最近フィンといいリヴェリアといい私の予定を常に把握しようとする、何かあるんだろうか。

 

「それにしても……最近やけに私の予定のこと聞いてくるけど何かあった?」

 

気になって聞いてみれば苦笑いする2人。私には何のことだかさっぱり分からないと思っているところ、背後から後頭部に軽い手刀を入れられる。

 

「馬鹿者、先月行方不明になったと思ったら一人で2週間もダンジョンに籠もっていたのを忘れたのか?」

 

手刀を入れてきたリヴェリアの言葉に頭の隅に追いやっていたことを思い出す。

つい先月、一人遠征と称して37層『白宮殿』の地下にある安全地帯を拠点に『闘技場』で無限に湧き出るモンスターを延々と狩り続けていた。

『闘技場』という絶好の狩場の近くにありながらモンスターが湧かず、侵入せず、飲める水が流れ、食糧になる草木も生えるそこは私にとってまさに最高の拠点。

そしてなによりも『闘技場』には第一級冒険者でさえ近寄らない、これほど好条件の場所を使わない手はなかった。

まぁ、前の主神から与えられた相棒をヘファイストスに預けることになった原因ではあるけど。

 

「……返す言葉もございません」

 

あの時、館に帰ってきた時のリヴェリアを始めとした幹部陣の、団員の、何より主神であるロキの表情を思い出すと何も言えなくなる。

フィンとガレスも少しは自重してくれ、というような表情で私を見ている。

 

「行きそうなところを探し回った挙げ句どこにも見当たらん、最悪の事態を考えておったところでひょっこり帰ってきたからのぅ」

 

あのガレスにさえ呆れた様子で言われるとさすがに堪えるものがあるが仕方ない、やらかしたのは私なんだから。

私は俯いたままで素直にもうしない、と宣言する。

 

「じゃ、私は出かける準備でもしてこようかな」

 

伏せていた顔を上げて立ち上がればリヴェリアから何か入れておかなくても大丈夫か?と聞かれ、問題ないと答える。

 

「……だいぶマシにはなったけどやっぱり食べられる気分でもないからね、執務室に行ったときに紅茶でも飲んでから行くことにする」

 

背を向けたままで先程まで話していた3人に手を振って入ってきた時とは違い堂々と食堂から出ていく。

ヘファイストスから武器を受け取ってフィンからの用事を済ませたら何をしようか、何も言わずにダンジョンに潜ったら怒られそうだしなぁ、と人に聞こえない程度につぶやきながら。




スキル名とかデメリットとか少し出てるけどオリ主のステはそのうち
オリ主のベースとしては自分がTRPGでメインキャラとして使ってるキャラの設定とかを元にしてる


それはそうとやっぱりこういう小説っぽい文章は苦手

1話あたり短いけど許して
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