號(Go)!!ゲッターロボDarkness ~世界新生の日~   作:朝陽祭

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序章

「愚かな人類よ、滅びよ。これよりこの惑星(ほし)は、我ら『恐竜帝国』が支配する!!」

 

 

――20XX年。

 

余りにも一方的な宣戦布告と共に、その侵略者(インベーダー)は現れた。

 

既存の兵器が通用しない、恐竜に似た鋼の躯体(からだ)

 

津波のように押し寄せるその無数の軍勢は、一つ、また一つと人類の生存圏たる国家を滅ぼしていき。

 

気がつけば、人類に許された生存圏はただ一つ――日本を残すのみとなっていた。

 

 

 

ここで、疑問が浮かぶ……なぜ、日本は「恐竜帝国」の侵攻に耐えることができたのか?

 

それは、唯一日本のみが、「恐竜帝国」に立ち向かえる「力」を有していたからだ。

 

外宇宙から飛来している、「ゲッター線」と呼ばれる謎の放射線。

 

まだ研究途中であるそれは莫大なエネルギーを有しており、浅間山山麓に設立された「早乙女研究所」では、その「力」を動力源とした、外宇宙探査用人型ロボットの開発が進められていた。

 

人型ロボットという、馬鹿げた夢想(ロマン)と称された「ソレ」は……今では、人類最後の希望と化していた。

 

 

3つの戦闘機(ゲットマシン)が変形・合体し、陸海空を制する、そのロボットの名は――

 

 

 

 

「チェェェェンジッッッッ!!ゲッタァァァッッッ、ワァァンッッ!!」

 

 

 

――ゲッター、ロボ!!

 

 

 

(Go)!!ゲッターロボDarkness ~世界新生の日~

 

序章

 

 

 

 

「来たかっ!!自らの手に余る力を求めた愚者の権化よ!!」

 

「相変わらず、訳のわからんことを叫んでやがるな、帝王ゴール!!いい加減、決着(ケリ)をつけようぜ!!」

 

 

アメリカ、ニューヨーク。

 

かつての栄華が見る影もなく、今では「恐竜帝国」に支配され、無数の機械竜(メカザウルス)が跋扈するその都市に、赤い悪鬼が巨大な戦斧(トマホーク)を振るいながら強襲する。

 

この機体こそ、人類最後の希望ゲッターロボの「空」を司る形態――「イーグル号」を上半身として構成する、「ゲッター1」。

 

そのメインパイロットである「流竜馬(ながれりょうま)」は、機械竜(メカザウルス)達を蹴散らしながら、その奥に居る敵の首領「帝王ゴール」の叫びに、そう言葉を返した。

 

 

『竜馬、あくまで今回は陽動だということを忘れるんじゃないぞ!?』

 

「心配するな武蔵、忘れちゃいねぇよ!いくぜ、スパイラルゥゥッッ!!ゲッタァァァッッ、ビィィムッッ!!」

 

 

ゲッター1の下半身を構成する「ベアー号」のパイロット、「巴武蔵(ともえむさし)」からたしなめるような声が響くが、竜馬はどこ吹く風といった様子でゲッター1をレバーを操縦する。

 

すると、ゲッター1の背中から外套(マント)のようなものが出現、そのままその外套(マント)で全身を覆い、機械竜(メカザウルス)の群れへと突撃。そして、ゲッター1から放たれた無数の光線が、機械竜(メカザウルス)を焼き払っていく。

 

だが、それでもなお数が減らない機械竜(メカザウルス)達は、ゲッター1へと飛びかかっていく。

 

 

『すっとろい動きだ!竜馬、俺に変われっっ!!』

 

「おうよっ!!オープンゲット!!」

 

 

ゲッター1の胴体を構成する「ジャガー号」のパイロット、「神隼人(じんはやと)」からの要請(コール)に竜馬が答えると、ゲッター1が瞬時に戦闘機(ゲットマシン)へと分離し、機械竜(メカザウルス)達の爪と牙から逃れる。

 

 

「チェェェェンジッッッッ!!ゲッタァァァァッッ、ツゥゥゥッッ!!」

 

 

隼人の掛け声と共に、3つの戦闘機(ゲットマシン)が、ジャガー号を上半身とするように合体する。

 

現れるのは、「大地」を制する白いゲッターロボ……「ゲッター2」。

 

ゲッター2は左腕のドリルを勢いよく唸らせると、目にも留まらぬ速さで次々と機械竜(メカザウルス)達を打ち砕く!

 

 

『次は俺にやらせろ、隼人!!』

 

「任せたぞ武蔵!!オープンゲット!!」

 

 

 

武蔵からの要請(コール)に隼人が答えると、ゲッター2が再び戦闘機(ゲットマシン)へと分離、ベアー号を上半身とするように合体!

 

 

「チェェェェンジッッッッ!!ゲッタァァァァッッ、スリィィィッッ!!」

 

 

現れたのは、「海」を制する黄色のゲッターロボ……「ゲッター3」!!

 

 

「喰らえ、大雪山おろし!!」

 

 

ゲッター3の両腕が伸縮し竜巻状の空間を作り出すと、近くに居た機械竜(メカザウルス)を掴み、投げ飛ばす!!

 

すると、投げ飛ばされた機械竜(メカザウルス)は、竜巻状の空間に巻き込まれた他の機械竜(メカザウルス)諸共大爆発を起こす!!

 

 

「さぁ、かかってきやがれ「恐竜帝国」!!俺達ゲッターチームは、てめぇらなんかには負けねぇぞ!!」

 

 

再びゲッター1の姿へと戻ったゲッターロボは、戦斧(トマホーク)を構えながらそう機械竜(メカザウルス)達を挑発する。

 

その言葉に激高した機械竜《メカザウルス》達を、ゲッターロボは次々と撃破していく。

 

 

(……妙だな、奴らにしては動きがチグハグすぎる)

 

 

しかしその様子に、「恐竜帝国」の支配者たる「帝王ゴール」は疑問が浮かぶ。

 

これまで、「恐竜帝国」は幾度となくゲッターロボと激突してきた。

 

だがそれは、あくまで彼らが住まう日本へと侵攻した時のみで、このようにあちら側から攻勢を仕掛けてきたのは初めてだったのだ。

最初の啖呵から、帝王ゴールは自らの首を直接取りに来たのかと勘ぐった。事実、帝王ゴールを倒せば機械竜(メカザウルス)達の統制は取れず、強力な兵器ではあるものの有象無象となる。

 

そうなれば、時間さえかければ人類でも「恐竜帝国」の撃破は可能だろう……それにしても、妙な動きではある。

 

それならば、ゲッターロボのパイロット達……特に、血気盛んな面を見せる竜馬が、こちらの首を狙おうとするはずだ。

 

しかし、実際のゲッターロボはむしろ機械竜(メカザウルス)達を相手にし、少しでも長く戦闘を続けようとしている。

 

まるで、「恐竜帝国」をこの場に釘付けにするかのように……

 

 

「……まさか、貴様ら!?」

 

 

 

 

■■■■■

 

 

 

 

――場所は変わり、日本・浅間山山麓。

 

そこにある「早乙女研究所」の最深部では、慌ただしく人々が動いていた。

 

その様子を、「ポセイドン号」の搭乗席(コックピット)で、「早乙女達人(さおとめたつひと)」は不安げに眺めていた。

 

 

『どうしたのタツヒト?貴方にしては随分緊張しているじゃない?』

 

「あぁ……まさか、戦闘用のゲッターロボを作るなんて思ってもいなかったからな……」

 

 

そんな達人に対し、「ライガー号」の搭乗席(コックピット)に乗る研究者であり達人の同僚、「ローズ・ジャコフ」から通信が入る。

ローズの緊張をほぐすような声色に笑みを返しながら、達人はこうなった事態を振り返っていた。

 

 

――それは、日本政府からの要望だった。

 

「恐竜帝国」と唯一渡り合うことの可能なゲッターロボは、まさしく人類の希望だった。

 

だが、元々外宇宙探査用だったロボットを無理やり戦闘用に改造した現在のゲッターロボは、お世辞にも「兵器」としては不適格なのだ。

 

故に、日本政府は危惧していたのだ。人類の希望となるゲッターロボが敗北する時を。

 

その為、より戦闘用に特化した新型のゲッターロボ……「開発仮称(コードネーム):ゲッターロボG」と呼ばれる機体の開発を、要請されたのだ。

 

……そしてそれは、達人にとってはあまり好ましくない事態だった。

 

無論、日本政府の懸念は理解できる。だが、今のゲッターロボは、父である「早乙女賢(さおとめけん)」が本来目指していた方向性ではないのだ。

 

 

5年前、「恐竜帝国」が人類に宣戦布告をし、最初期の試作型たる「プロトゲッターロボ」によって、「ゲッター線」が「恐竜帝国」に有効だと示されたあの日。

 

早乙女家は大事な存在を……賢にとって妻であり、達人にとっては母である存在、「早乙女美香(さおとめみか)」を失った。

 

それ以来、父は変わってしまった。ゲッターロボを戦闘用に改造し、よりゲッターロボを活かせる能力に秀でた者達を集めた。

 

それは、幽鬼とも言える変貌。たかだか5年で、その御髪が真白に染まる程に。

 

父がゲッターの研究に没頭することで、達人は必然的に家族を支える父代わりの存在となった。

 

彼にはまだ、妹である「早乙女(さおとめ)ミチル」と、弟である「早乙女元気(さおとめげんき)」が居た。

 

特に元気は、まだ9歳と幼い身だ。同僚であるローズも、今は離れて暮らしている弟を重ねたのか世話を手伝ってくれたおかげで特に歪みを見せることもなく育ってくれているが、今後どうなるかはわからない。

 

そんな状況下で更に新型ゲッターロボを作るということは、父が本当に戻れない道へと向かってしまうのではないか……そんな懸念が、達人の胸によぎっていたのだ。

 

 

だが、もはや達人の意思だけでは止められない状況となり、新型ゲッターロボの開発はどんどん進んでいく。

 

ならば、せめて最悪の場合には自分がストッパーとなろうと、達人もまた開発へと関わっていった。

 

達人は頭上を見上げ、「ドラゴン号」の搭乗席(コックピット)に座っているはずの妹、ミチルのことを思う。

 

彼女は今、ニューヨークで「恐竜帝国」を引きつけているゲッターチームの面々との交流で、元の明るさを取り戻していった。

 

今、あの子は何を思っているのだろう?そんなことを考えていた矢先。

 

 

 

『――では、これより。開発仮称(コードネーム):ゲッターロボGの起動実験を始める』

 

『了解、プラズマ炉心稼働。ゲッターロボG、起動します』

 

 

父からの通信とそれに答えるミチルの通信が、搭乗席(コックピット)に響く。

 

機械音が鳴り響くと、モニターに早乙女研究所の天面が開き、ゲッター線照射装置が展開される様子が映る。

 

……ゲッターロボGのメイン動力源となるゲッター炉心には、必要十分量のゲッター線が集まっていない。

 

その為、外部動力源となるプラズマ炉心で最低限稼働させつつ、ゲッター線照射装置で宇宙から降り注ぐゲッター線をゲッター炉心に集め、本稼働させるというのがこの起動実験の目的だ。

 

照射装置が動き出し、ゲッターロボGを可視化されたゲッター線……緑色の輝きが包み込んでいく。

 

計器を観測すれば、徐々にゲッター線が貯蔵されており、このままいけば順調にゲッターロボGが本格稼働する……かと思われた。

 

 

『っ!?タツヒト、計器の様子がおかしいわ!?』

 

「これは……っ!?ゲッター線の照射量が、急激に上昇した!?」

 

 

緑の光が、輝きを増していく。計器の針が、一気に振り切れる。余りにも急激なゲッター線の照射に、このままでは炉心が耐えきれない。

 

 

「父さん、照射装置を止めてくれっ!!このままでは、何が起きるかわからないっ!!」

 

『……いや、このままでよい』

 

「父さんっ!?」

 

 

すぐさま外部で待機しているはずの父に通信を飛ばすが、返ってきたのは求めていたのとは違う答え。

 

モニターに父の顔が映るが、その瞳には……かつての父でもなく、復讐に燃える父でもなく、まったく見たことのない父の表情が映っていた。

 

 

『ジャコフ君には済まないが……これは導きなのだ、ゲッターの。達人、ミチル、その礎に、お前達がなるのだよ』

 

「何を……っ!?」

 

『進化なのだ。人々が、より高次元へと羽ばたく為の。これはその第一歩……天へ羽ばたく為の、「(ドラゴン)」を、目覚めさせる為の』

 

 

もう、父は駄目だ。気が触れてしまった。達人はそう悟ると、必死に他の面々へ通信を投げかける。

 

 

「ミチルッ!ローズッ!今すぐに脱出しろっ!父さんは狂ってしまっているっ!このままでは……」

 

『鬧?岼縺」??シ溘%縺」縺。縺倥c謫堺ス懊r蜿励¢莉倥¢縺ェ縺??ヲ窶ヲ縺」縺」??シ』

 

『蜈?&繧凪?ヲ窶ヲ蜈?ー励r窶ヲ窶ヲ』

 

 

ゲッター線の影響を受けているのか、通信もよく聞き取れない。

 

達人はやむを得ず、ポセイドン号の搭乗席(コックピット)に備えられた分離機能をスイッチを押した。

 

――そこで、達人の意識は、途切れた。

 

 

 

 

■■■■■

 

 

 

 

 

「なんだ、あの光はっ!?」

 

「愚かな……原始の時代に降り注いだ破滅の光を、貴様ら自らの手で招きこんだかっ!?」

 

 

 

――天を貫く、緑色の光。

 

その輝きは、ニューヨークで戦う者達の眼にもしっかりと届いていた。

 

 

 

「帝王ゴール!!貴様、何を知っている!?」

 

「あの光こそ、我ら「恐竜帝国」をかつて滅ぼした光……貴様らが「ゲッター線」と呼ぶものよっ!!」

 

「なんだとっ!?」

 

 

これでは、戦闘どころではない。戦いを中断したゲッターロボと帝王ゴールは、ゲッター線の柱に対し、言葉を交わしていた。

 

 

「もはや、あれは止められん……貴様らは、己の愚かさによって滅びるのだっ!!」

 

「そんなこと、ある訳が……ぐあああっっ!?」

 

 

ゲッター線の柱が、より輝きを増して破裂する。

 

その光の余波が、ゲッターロボを、「恐竜帝国」を……いや、地球全土を包み込んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――そして世界は、ゲッター線によって「新生」した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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