オリジナルジョジョの奇妙な冒険 〜別れの雨〜   作:ラタ

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この回、書くのに時間かかったんですよね…


#18 風船と夢

――ことり「リタリンは鬱に対する、依存が見られる薬…一体どんな活動を行ってるか知らないけど、少なくとも、皆を笑顔にさせてよね?」

 

ことり達は、先程ショッピングモールで襲撃してきた、天野隆之を4人の力を合わせて撃退した。隆之を倒したことりは、倒れて気絶している隆之、もとい"仮面騎士リタリン"にそう言うのだった。

 

 

……隆之を倒した後、助音達は戦場となったショッピングモールの中央の後片付け等を行なっていた。

 

助音「そういえばショッピングモールなのに、この人の少なさは異様じゃない?ほぼいないし…」

 

ダブレ「片方。それについては…」

 

ダブレが何かを言おうとするが、それを遮るようなおっとりとした声が聞こえる。聞き慣れた声だ。

 

キッド「やっほ〜ッ 皆元気してるゥ〜?」

 

陽気に現れたのは城戸瑞稀。

咄嗟に翔太郎は身構える。

 

今までに翔太郎は、キッドと会う度々に抱きつかれていた。言わずもがな、その度に窒息しかけているのである。

 

ことり「貴女は確か… 城戸…?」

 

キッド「あっ、ことりちゃんだね〜?僕は城戸だけどキッドだからね!」

 

などとキッドは意味不明なことを言いながら翔太郎に近づいていく。

それと同時に翔太郎も後ずさる。

 

翔太郎「今回はやめてくださいよ…さっき追手と戦闘して、ダメージを貰ってるんですよ…治療したはいえ、抱きつくのはナシですよ…」

 

その瞬間。キッドが消えた。

 

助音+ダブレ「あっ…」

 

消えた直後にキッドは翔太郎の真後ろに現れた。彼女の瞬間移動の能力だ。そして翔太郎に抱きつく。

 

翔太郎「…」

 

翔太郎はすっかり意気消沈してしまった。

人がいないとはいえ、公共の面前でハグしている2人を助音やダブレ、ことりは冷ややかな目で見守る。

 

ことり「キッドって人…子供好きなんですかね…?」

ダブレ「気にしちゃ負けだぜ」

 

ダブレ「瑞稀…久しぶりだな。サポートありがたかったぜ。」

 

キッドは驚いたような顔をしたが、すぐに繕い直して話し出す。

 

キッド「なんだ、僕が"能力"でみんなを避難させてたってこと、気付いてたんだね。それに…」

 

キッドが何かいいかけるが、声の音量が大きくてうるさいことりの声がそれをかき消す。

 

ことり「城戸さんの能力って、一体何なんですか?」

助音「え、それって簡単に聞いていいことじゃ…」

 

そんなやりとりをする2人。

 

キッド(まだ伝えるにははやいかな…)

キッド「僕の能力は瞬間移動だよ。戦闘の支障になる人だけを瞬間移動させて避難させてた。」

 

助音「ちょっと、キッド!そんなの言ってよかったの!?」

 

キッド「減るもんじゃないしね〜ッ まぁそれより、戦場の傷を直さないとね〜!」

 

ことり「あ…そうだった…」

 

小鳥遊ことりは絶望に満ちた顔になる。

先程の仮面騎士リタリンとの戦いは、4人がかりでようやく倒せる相手であった。

リタリンを倒したのはことりだった。もちろん倒すために使った武器も大掛かりなものであり、流石に戦場となったショッピングモールが傷ついていたので、彼女らにできるだけの処置をおこなっていた。

 

キッド「僕も手伝うね〜ッ」

 

 

――10分後。

5人がかりでようやく片付いたのだった。

 

キッド「ふぁ〜ッ ようやく終わった〜」

 

キッドが気の抜けた声で呟く。

 

助音「キッドのおかげで助かったよ〜」

翔太郎「やっぱり、"ネイキッドシャッフル"は便利な能力ですねぇ〜」

 

3人が和やかに談笑しているところを、小鳥遊ことりは妙に真剣な表情で眺めていた。

 

ことり(鷹優せんせーが、城戸瑞稀のことは警戒しろ、と言っていた… それでも… この人は本当に警戒しないといけない人物なのだろうか…?)

 

助音「ことり先生、買い物自体はもう済ませてるんだし、帰りましょ?」

 

ことり「え、ああ、わかった。」

 

助音、ダブレ、翔太郎、キッド、ことりの5人は足並みを揃えてショッピングモールから出る。

 

 

ショッピングモールから出て間もない頃、助音はスマホの通知が来ていたので確認した。

 

翔太郎(やっぱ、僕も携帯電話とか欲しいなぁ〜)

 

翔太郎がそんなこと考えてる最中、スマホを見ている助音の方からダブレの声が聞こえる。

 

ダブレ「すまねぇ、急用だ。3人で帰ってくれ。」

 

いつのまにか、"助音はダブレになっている"。

 

キッド「了解〜」

 

キッドがそういうや否や、ダブレは走り出していった。

 

ことり「一体どうかしたんですかねぇ?」

翔太郎「誰かから連絡が来てたんでしょうか…」

 

翔太郎が周りを見渡すと、いつのまにかキッドさえ消えている。

 

ことりと翔太郎は、"どうせ瞬間移動で帰った"と推理し、2人で帰ってしまった。

 

 

 

 

――金髪で両青目の女性…ダブレが走り出して着いた先は、人が誰も来ないような薄暗い路地裏だった。

 

 

キッド「やぁ… "ジョジョ"、どうしたんだい?」

 

そこに居たのは、赫い目と共にシニカルな笑みを浮かべている女性がゴミ箱の上に座っていたのだった。

 

ダブレ「"ジョジョ"は…今はいない。青色の目をしているときは、アタシ、ダブレが体を動かしている。だから、助音は今出てこれないし、アタシの記憶は保持できないハズだ。」

 

キッド「ていうことは〜 やっぱり思い出したんだね。"見たことがある"って言われたときは、僕ビックリしたんだからね〜」

 

キッドの赫い目が細まる。

 

ダブレ「あぁ、悪かったな瑞稀。すぐに思い出せなくて… なんせ、今までの5年間は体を動かしてないんだからな…」

 

キッド「出てこれるようになったのはやはり矢の影響… と見ていいのかな?」

 

スタンドの矢…空条助音が、翔太郎に刺された物。スタンドの矢は、精神や魂と密接な関係を持っており、未だその謎は解明されていない。

 

ダブレ「あぁ… それにしても、瑞稀には助けられてばっかりだな。助音も、瑞稀にはかなり信頼しているしな。」

 

その発言を聞いたキッドは、ぷっと笑う。

 

キッド「やだなぁ〜 空条助音は君じゃあないか」

キッド「まぁいい… 僕が君をこんなところに呼んだのは、そんなまどろっこしい話をする為じゃあない…もちろん、この杜王町で起こっている抜け殻の件だ。」

 

両者の顔が引き締まる。

 

ダブレ「アタシはまだ、この事件のシッポはまだ掴めていない。 アタシや翔太郎、鷹優達じゃあまだ明確な情報は掴めない。 だから、アタシは瑞稀を頼っている。」

 

キッド「また人に頼って… 変わらないな〜ッ まぁでも… 僕側の情報が集まってきているのは確かだ。」

キッド「でも…だ。情報が集まっているとはいえ、安心するのはまだはやい… この事件には、"とんでもないもの"がきっと絡んでいる… 君も気をつけた方がいい。 僕の話はこれだけだ。」

 

時刻はもう夕方で、夜はすぐにでも来そうな雰囲気だ。そのせいか、ただでさえ暗い路地裏では、キッドの表情はわかりにくい。

 

ダブレ「おいおい、碌な情報もくれねーで帰っちまうのかよ瑞稀… こっちだって真相を…」

 

引き止めるようなセリフを吐くダブレだが、セリフを言い終わらない最中にキッドは消えてしまった。

 

暗い路地裏に残されたダブレ。暗闇はすぐに彼女を包む。彼女の目の色はわからない。

 

 

 

 

――翔太郎はことりと別れ、たった1人で帰り道を歩いていた…が、後ろの方から聞き覚えのある女性の声が、途切れ途切れに近づいてくる。

 

助音「ごめん翔太郎くん!1人で寂しかったでしょ?」

 

その声が聞こえた数秒後に、翔太郎は振り返る。

 

翔太郎「いえ、別に大丈夫ですよ… ひとりぼっちは、慣れていますから…」

 

翔太郎は、それがおかしいこととは思っていないような素振りで言う。

 

助音「えと…あ!ここ、ショータくんと初めて会った公園じゃん!ここで飲み物でも買って休憩しよ!」

 

そこは、助音と翔太郎が初めて会った公園。

夜7時ほどになってるからか、人は見えない。

 

翔太郎は熱い珈琲(ブラック)、助音はフルーツミックスジュースを買って、2人で公園のベンチに座る。

 

翔太郎「そういえば、お姉さんはなんで急にどこかに行っちゃったんですか?」

 

助音「あー、それは…」

 

いきなり助音の言葉は途切れる。翔太郎はおかしく思ったが、何が原因かがわかった。

 

少し先にある、1本の木のふもとから女児のか細い泣き声が聞こえてくる。

そこには女児が座り込んで啜り泣いていた。よくみると、木の枝のところに風船が引っかかっている。

 

翔太郎「前からいたんでしょうか… たぶん、木のかげに隠れていたから気づかなかったんですね。」

 

助音「まさか、風船が取れないから帰ってないのかな… ちょっと、私が風船取ってきてあげてくるね。」

 

即決。助音はその女児に近づき、話しかける。

 

助音「お姉さんが風船を取ってあげるからね〜」

 

その女児は、微かに頷く。

その可憐で幼い顔から、翔太郎と同い年くらいだろうか。助音は木に近づいて背伸びする。届かない距離じゃあない。

 

助音「よし!取れた!」

 

翔太郎も、ベンチから見守っていたがホッとした。

女児の方から"ありがとう"と声が聞こえてくる。

 

助音は風船の紐を手に取り、引き寄せながら答える。

助音「大丈夫、これくらいどうってことは…」

 

次の瞬間。すごい大きな音を立てて風船が破裂する。その瞬間に風船から何かが飛び散り、助音と激突する。

 

翔太郎「!!!」

 

助音は背伸びしてた足のバランスを崩して倒れる。何秒経っても起き上がらない。気絶している。

 

???「罠にかかってくれて、"ありがとう"…」

 

その童顔の女児は、冷ややかな顔で呟くのだった。

 

 

 

 

 

 

余談:仮面騎士リタリンは、ことりたちにやられた後に、SPW財団が即座に回収していった。仮面騎士が現実に存在すること自体が機密事項だからだ。




なんかシリアスになってきたなぁ…

小説の投稿、一週間に一回でいいですか…?

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