オリジナルジョジョの奇妙な冒険 〜別れの雨〜   作:ラタ

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今回は文字多めですよ〜


#19 ビヨンド・ザ・ムーンとアナザーモーニング

――???「罠にかかってくれて、"ありがとう"…」

 

風船を取れずに困っていたように見えていた少女。助音が風船を取ってあげると、その風船は勢いよく破裂し、助音はその"攻撃"に倒れるのだった。

 

翔太郎「お姉さんッッッ!」

 

空条助音は起き上がらない。

気絶しているようだ。

 

???「そう激昂しないでよね…あなたもいずれそうなるのよ」

 

その少女は翔太郎を冷ややかに見ながら言う。

 

翔太郎「ッ!  "ムーヴメント"ッ」

 

ここはまず様子見だ。"風船が破裂した"という事実だけでは相手の能力はまだ特定できない。

翔太郎は溜息で空気の弾丸を2発作る。拳銃の照準をピッタリと少女に合わせるが、少女は微動だにしない。

 

翔太郎「君は見たことがないな…? 敵組織の追手もストックがきれないモンなんだな!」

 

???「私の名前は…ない。 私もみんなも、私の名前を知らないから"をー"って呼んでる。」

 

少女は、周りから"をー"と呼ばれているらしい。

 

をー「この女の人は気絶してるだけだけど、あなたは始末対象だから死んでもらうわね 

        "ビヨンド・ザ・ムーン"」

 

すると、をーから大人1人分の大きさの人型スタンドが現れた。

 

翔太郎(やつとの距離は離れてる…充分、人型のスタンドの射程距離の外にはでてるハズだ… 問題はお姉さんの安否だ…)

 

助音は寝たまま。いつ人質として使われるかわかったことじゃあない。また、相手のスタンドは成人程の大きさのスタンドだ。能力がわからないとやはりこちらも動けない。

 

をー「やっぱり。能力がわからなければ容易に動けない。哀れ。私はあなたの能力を知ってるのにね。」

 

をーと呼ばれる少女は、翔太郎を煽ってみせた。翔太郎側がをーの能力を知らないことに、優位に立っていると思っているだろう。

 

をー「私の"ビヨンド・ザ・ムーン"は、触った物質をなんでも風船に変えることができる能力…」

 

翔太郎(いいぞ…そのままもっと自分から情報を晒せ… )

 

をーという少女は、よほど傲慢なのか、それともなにか思惑があるのかはわからないが、彼女自身の能力を説明し始める。

 

をー「ただ、風船を作るだけって思ってるんでしょう? 違うのよ。」

 

翔太郎「何が言いたい?」

 

翔太郎がをーに向かってそう言うと、彼女は少し声に出して笑う。まるで翔太郎を嘲るように。

 

をー「少し見てなさい。ここに窓ガラスがあるでしょう?」

 

それは、公園のすぐ隣にあった家の窓ガラス。をーのスタンド、"ビヨンド・ザ・ムーン"がその窓ガラスに触ると、風船がそこからムクムクと出てきた。

風船ができたところは、ちょうど風船一個分、"削り取られている"ようになっている。風船の素材になる物質は、その風船一個分に削り取られてしまうらしい。

 

をー「これが、ガラスの風船。 風船になったものは、どんな材質、物質でも、必ず風船なの。」

 

をーが持っているガラスの風船は、見た目は透明で無機質なのだが、宙に浮いていることや、をーが触っている時の感触から、"それが本物の風船である"ことを明瞭に示していた。

 

翔太郎「本物の風船になるのか…!」

 

をー「それだけじゃあないわ。」

 

そういうと同時に、ガラスの風船は、"浮いている状態、誰もそれに触れないのに、勝手に破裂した"。

 

をー「私の能力で作られた風船は、私の認識で自由自在に破裂する。破裂と同時に、その風船を構成していた物質が飛び散り、対象を襲う。」

 

たしかに、ガラスの風船が破裂する瞬間に、ガラスの破片がとんでもない速さで飛び散っていた。思ったより威力は高そうで助音を襲ったのは、そのような風船の破裂だと思われる。

 

翔太郎「敵に能力を教えるなんて、随分と余裕そうなんだな。」

 

をー「そうね、これ以上のサービスタイムはおしまいよ。そんじゃ死んでもらうわ。」

 

をーは彼女のスタンド、"ビヨンド・ザ・ムーン"を繰り出し、"空中の何もない場所から風船を作り出した"。

 

翔太郎「ッ!!」

 

をー「いい?あなたが空気の弾丸を作れるように、私でも空気の風船を作れるの。」

 

その空気の風船は、をーの方から翔太郎の方へと吹く追い風にのって飛んでくる。

 

翔太郎「"ムーヴメント"ッ!」

 

拳銃からは空気の弾丸が撃ち出される。

弾丸が風船とぶつかる瞬間。直撃する寸前に風船は破裂し、その場には暴風が発生して弾丸を掻き消した。

 

翔太郎「威力強化された空気の弾丸を…相殺したッ!?」

 

をー「"たかが風船"って思ってるでしょう?馬鹿ね…」

 

全てにおいての物質から物体を作り出し、威力強化する2人の能力。2人の能力は似ていた。

 

をー「さっさと終わらせないといけないの。いちいち驚いてないで、はやくやられてくれない?」

 

そういうとをーは木から木の風船を作り出した。さっそくその風船は翔太郎のもとに向かってゆく。

 

翔太郎「残念だが、そう簡単にはやられない!」

 

夜空に響く銃声。

もちろん、翔太郎の能力の拳銃は、拳銃自体がスタンド像なので、銃声もスタンド使いにしかきこえない。

 

"ムーヴメント"から射出された弾丸は、"空気の弾丸ではなかった"。

 

をー「それは… 土?」

 

翔太郎「君がいちいち長話してくれたおかげで、僕は土の弾丸がつくれた!風船の破裂で文字通り自爆するんだな!」

 

最初から翔太郎の考えは的確だった。"風船のみで大人1人を気絶させるには、なんらかの特殊能力が付属していないとできない"と。

翔太郎は、をーの話を聞いている最中に、土などの高威力の弾丸で風船ををーの近くで破裂させようと考えていた。

 

――しかし。

 

ぼよん。

 

翔太郎「………は?」

 

高威力の土の弾丸。それは、風船を破裂させるかと思いきや、なんと風船に弾かれてしまった。

 

をー「無様… 私があなたに能力を説明し終えたときに、あなたは"この傲慢な女は能力を全部教えた"と考えたんでしょう?」

 

翔太郎(しまった…! そういうことか…ッ!)

 

をー「ごめんなさいね、あと1つだけ説明してなかったの。 完璧な風船になるとは言ったせどね、"針とか、銃弾とかの物理的衝撃だけで、この風船は割れることはない"」

 

をー「つまり、針とかを刺してもこの風船は割れないの。まぁ流石に日光とかの影響は受けるけど…」

 

をーは先程、翔太郎に能力を教えていたが、その情報は完璧ではなかったのだ。

 

をー「なるほど、私に直に弾丸を当てずに、そうやって風船を私の側で割って、私を再起不能にしようとしてたのね…」

 

翔太郎(しまった、思惑がバレてしまった…!)

 

をー「なんとかいいなさいよ。 …まぁ、実際に弾丸で風船を割ることはできないんだけどね。それでもね… 油断はしないに越したことはないわ。」

 

すると、その少女は、少し離れた所に倒れている空条助音に、そこにあった木まるまる一本から作り出したたくさんの風船を取り付けた。

 

どうしたことか、たくさん風船があるとはいえ、"風船をつけられた空条助音が、少しだけ浮いている"。

 

をー「面白いでしょ?この風船は、こんなこともでしるのよ?」

 

少女は、風船をつけられて浮いている助音をいとも容易く少女の前に動かした。

 

翔太郎「!そうやってお姉さんを盾にしたつもりかッ卑怯だッ」

 

しかし、少女は聞く耳もなしにこう言う。

 

をー「これで盾ができたわ。」

 

すると、即席で作られたと思われる空気の風船が2、3個飛んでくる。

 

翔太郎が"ムーヴメント"でその風船に、残りの土の弾丸を撃ち込むがやはり手応えはない。

少女が言っていたことは本当なのだろう。

 

翔太郎「気絶している人を盾にして、風船で遠隔攻撃か… 随分と卑怯な戦法を思いつくなッ!」

 

翔太郎は溜息で空気の弾丸を作ろうとするが、追い風のせいか速いスピードで飛んできた風船は、その弾丸を撃ち込む暇もなく破裂する。

 

翔太郎「ぐぅッ!!」

 

翔太郎は、とてつもない暴風に見舞われ吹っ飛ばされる。

 

をー「負け犬の遠吠えね。諦めなさい。」

 

 

……なんとか無事だった翔太郎。彼は、強敵を前にして焦るよりも、"違う理由で焦っていた"。

 

翔太郎(…なぜ、気絶したお姉さんの体をダブレさんが動かせない!? お姉さんが気絶していれば、ダブレさんが体を動かせるハズだ…!)

 

今度は、鉄棒から作ったのだろうか、鉄の風船が飛んできた。遂に少女も翔太郎を仕留めに来たようだ。

 

翔太郎は、不安を抱えたまま少女に勝利することを決意するのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

助音「あれ?ここは?」

 

その金髪両赤目の女性、空条助音は、見覚えのある銀色の霧がかかった場所にいた。

 

助音「ここは…」

 

見覚えのある場所。そこは、ダブレが助音の体を動かす時に、助音の人格が存在する精神の居場所だった。

 

助音「そっか、私気絶しちゃったんだっけ… 」

 

その銀色の霧がかかった場所は助音とダブレの情報の交換場所、もとい交流の場であった。

助音が寝ている、もしくは気絶しているとき、そしてダブレが体を動かしていないという条件を満たしているときに、助音はダブレと話すことができた。

 

……しかし、なんだろう、いつもと雰囲気が違うような…?

 

そう助音が思っていると向こうの方から人が歩いてくる。しかし助音にその人の見覚えは無かった。

 

???「………」

 

その女性は終止無言で、助音の前を通り過ぎてゆく。そして気付かぬ間に消えてしまった。

 

助音「???」

 

どういうことだろう?と思う助音。しかし、妙にその女性の銀色の髪と銀色の目がやけに記憶にこびりついた。

 

 

助音「え???」

 

いつの間にか助音は、彼女の家の中にいた。

 

助音「体を動かしてるのは私… どういうこと?ショータくんが勝ったのかな…」

 

何か、雰囲気がおかしかった。今の今まで感じていた、ダブレの魂を感じない。何故か、ココロの中が空っぽなのだ。

 

助音「ショータくんー!キッドー!ダブレー!」

 

しかし、返事はない。

"何もわからない"という恐怖と焦燥感が助音を襲う。

 

玄関を見てみると、翔太郎の靴があった。

それをみてから、少しだけ安堵した助音は翔太郎の部屋へと向かった。

 

もともと、彼女の家であまり使われていなかった部屋を翔太郎に貸して、彼の部屋にしていたのだ。

 

彼の部屋の前にたどり着く助音だが、何故か、先程の焦燥感がまたもや彼女を襲った。

 

――外や時計を見る限り、まだ朝だ。もしかしてショータくんは寝てる?

 

助音「ショータくん?」

 

助音(本当にぐっすりと寝てるんだな…)

 

息が詰まる。考えられるのは、翔太郎が”勝った“ということなのに。

 

――しかし、ショータくんを部屋まで起こしに行くなんて、まるで私が彼の親みたいだ。

 

助音(何にせよ、特に支障なく彼の部屋にたどり着いたんだ。)

 

彼女は、翔太郎の部屋のドアをノックする。

 

助音「ショータくん? 起きてよね…」

 

返事はない。

助音(こんな風に部屋に入りたくなかったけど…なんだか、プライバシーの侵害じゃあないか?でもこうなってしまったらもうしょうがない。)

 

彼女はゆっくりと、ドアを開ける。

 

 

 

……そこには、胸や体全体が血で真っ赤に染まった、壁にもたれかかったまんま動かない、変わり果てた"ショータくん"がいた。

 

 

 

スタンド紹介

スタンド名「Beyond The Moon(ビヨンドザムーン)」

スタンド使い名「をー」

近距離パワー型の人型スタンド。

触った物を風船にすることができる。

高度はある程度調整できる。任意のタイミングで破裂させることができ、破裂させた物によっては破壊力が増す。(例えばガラスなど)破裂の破壊力は原作のキラークイーンより弱いといったところか。

物理的衝撃(針や弾丸)等では、風船は割れることはないが、日光や科学には弱い。

破壊力 :C

スピード:B

射程距離:D(射程を離れると能力は解除される)

持続力 :A

精密動作:B




最近洋楽にハマってるんですよね
「Man in the mirror」とか好き

小説の投稿、一週間に一回でいいですか…?

  • いいですよ 頑張れ
  • うるせー  しね
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