オリジナルジョジョの奇妙な冒険 〜別れの雨〜   作:ラタ

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遅れてごめんなさぁい!


#27 夢を見る者

――蓮「瑞稀、ここから逃げるぞ… 反SPWがもうここに来ている… この事故を "もみ消す"つもりだッ!」

 

助音は、夢を見せるスタンドの力で、"15年前の交通事故が起きた後"の夢を見せてもらっていた。

 

空条家が運転している車に、高田という男が乗っている、"暴走している車"が突っ込んだという事故。

 

その事故現場に、SPW財団から枕木蓮という男と城戸瑞稀という娘が派遣された。

2人は事故の真相を調査するために派遣されたらしい。

 

――魚塚次郎「ここから立ち退け」

 

現場を調査している前に立ちはだかった黒服の大男は、反SPWの人間だった。

 

その男のスタンド能力で脅された蓮はパッと調査を行った後に、その現場を後にした。

そして蓮が、別行動をしていた瑞稀の元に向かった時に発したのが冒頭の発言である。

 

その後、瑞稀と蓮は情緒不安定な少女、空条助音を保護して研究所に戻るのだった。

 

 

 

 

 

――夢を操作するスタンド使い、坂根圭が空条助音によって倒されたとき…

 

夢世界の中で、その坂根という男のスタンド、"アナザーモーニング"が助音のスタンドのラッシュによってふっとばされた。

 

キッド「あーらら…可哀想…そうでもないか。僕はね、ジョジョにお前を倒して欲しかったんだよ…」

 

その城戸瑞稀という女性は、すぐそこに倒れている坂根圭に向かって言った。

 

キッド「さて、ちゃんと本体から情報をとりださないとね〜ッ」

 

その女性が持っていた拳銃は消えていた。そして今や、ガラ空きの手をワキワキと動かしている。

 

キッド「おや…?」

 

すると、先程まで助音の夢を映していた、ヒビの入ったPCのディスプレイが目についた。

 

"ディスプレイの映像は途切れておらず、微弱ながらも映像を流し続けていた"。

 

キッド「お前ッ 生きてるなッ!!」

 

彼女が勢いよく振り返ると、坂根という男は、倒れている先で"なにやらスマホを操作していた"。

 

キッド「"ムーヴメント"ッ!!!」

 

彼女が、"枕木翔太郎という少年の持つスタンド"を叫んだ瞬間に、真っ黒い拳銃が現れた。

 

そして、躊躇なくその拳銃の引き金を引いた瑞稀。

距離はあまり離れていない。すぐにでも、光を反射したり屈折させたりしている"ガラスの弾丸"は坂根圭に近づいていって…

 

圭「"Einsatz(アインザッツ)"…」

 

 

ぱりん。

 

拳銃撃たれた実弾と同じ速さで飛び出した"ガラスの弾丸"は、あまりにも虚しく、そして乾いた音を立てた。

 

キッド「弾丸が…"貫通していない"ッ… ガラスの弾丸は貫通力が随一高いのに…ッ」

 

彼女が言う通りにガラスの弾丸は、"男に直撃した瞬間に割れてしまった"。

 

ガラスの破片をぱっぱと取り払ったその男、坂根圭は、灰色のオーラを体から放っていた。

 

圭「油断したな、城戸… お前はそうだから、蓮に追いつけないんだ…昔からそうだった…」

 

キッド「お前は… いや、お前も"持っていた"のか…」

 

拳銃の標準を眉間に合わしたまま、瑞稀は坂根に話しかける。

 

圭「正確には違う… お前のその拳銃の能力も、奴から貰ったんだろうが… 俺はただ単に奴から奪っただけだ…」

 

キッド「へぇ〜 やっぱり、僕を始末しようって言うのかい? 君も知ってる通りに、僕は"瞬間移動"の能力を持っている。この意味がわかるだろ?」

 

そういう彼女の手には、魔法陣が発していた。しかも、拳銃は消えていた。

 

圭「お前を始末するなんて造作もないことだ。明様がお前をどうせ始末するだろ… だが、俺をコケにしたお前は絶対に許さんッ俺が始末するッ!!!」

 

黒い岩のようなスタンドを出現させた坂根。そのスタンドは瑞稀に殴りかかるが、その拳があたる寸前に彼女は消えてしまった。

 

キッド「でもね…まだ帰らないよ… お前ら側の情報を全く貰ってないからね〜」

 

その手に魔法陣を宿した女性は、その男の背後にいた。

 

圭「やはり"逃げなかった"な… 俺の予想通りだったが、こんな近くまで来てくれるとは思わなかったよッ!!」

 

キッド「ッ!!」

 

その男はスタンドではなく、"拳"を後ろの瑞稀に向けて勢いよく叩きつけた。

 

キッド「ぁぐっ」

 

瑞稀は部屋の端に殴り飛ばされた。

 

圭「俺は今…無性に腹が立っているッッ!!!」

 

圭は、オーラを纏ったその足で硬そうなゲーム機をいとも簡単に踏み潰した。

 

キッド「お前…"Einsatz"って言ってたが… やはりあの人が持っていた能力か…いつ奪った…?」

 

そういう瑞稀の口からは血が出ている。

 

圭「ふん、お前には関係ねえなあ… どうせ、奴…"蓮は消えちまったんだからな"」

 

キッド「なんだと…ッ?」

 

圭「奴…蓮は、洗脳されてから1週間も立たないうちに、監禁していた場所から消えちまったんだ。"携帯に脱出できるような能力を隠してた"んだろうな…」

 

圭は苦虫を噛み潰したような顔をしている。

その顔だと、まだ"蓮という男"は発見されていないのだろう。

 

圭「しかしそんなの関係ない…奴は俺が洗脳したままだから、解除しない限り俺たちの邪魔にはならないならな…」

 

下卑た笑い声を漏らす圭。そんな彼を、見下すように見つめている瑞稀は、何やら後ろで手を動かしているようだった。

 

圭「さて…お前の瞬間移動は、インターバルという制約付きだったな… しかも、深手を負ったその体ではろくに動けないだろう… ここで…お前を始末するッ」

 

壁にもたれかかっている瑞稀に近づく圭。

すると……

 

キッド「"プラスチックフラワー"」

 

体の後ろで携帯を操作していた瑞稀。その行動の結果なのか、見覚えのあるその白い刃だらけの凶々しいスタンドが瑞稀の前に現れる。

 

圭「ッ!!携帯にまだ能力が残ってたか… しかし、どんな能力を持っていようと、この"Einsatz"に勝つことは不可能だ…」

 

キッド「何やら自慢げだね?」

 

圭「この能力は、"身体を最高まで硬質化させる"能力だ… だから、さっきの拳も随分と効いただろう?少なくとも骨の何本かはイッてるかなあ…」

 

彼の言うことは本当のようで、オーラを纏う身体が硬くなっていることは、先程ゲーム機を踏み潰したことが物語っていた。

圭は、勝ちを確信しているのか、ニヤニヤしている。

 

キッド「へぇ…身体の硬質化ねぇ…」

 

彼女の目の前のスタンドが圭に近づいていった。

 

キッド「それじゃあ…」

 

その刃だらけのスタンド、"プラスチックフラワー"が、ぴっぴっ、と腕を振るった。

 

キッド「最高までに硬くなってるハズのお前の腕…なんで床に落ちてんの?」

 

圭「な」

 

圭がいる床に…腕が落ちていた。

そして、"圭の右腕が無い"。

 

それは紛れもなく、"物を最大まで鋭利にする"能力だった。

 

キッド「ほらほら、左腕も」

 

そういうと同時に白いスタンドは"手刀"で、圭の左腕を切り落とした。

 

ごとっ…と、いかにも硬くて重そうな音を立てて落ちた圭の左腕。

 

圭「おあああああああああああああ」

 

キッド「僕の方の能力は、物を鋭利にする能力だ…つまり、手刀が本当に刀になっちゃうんだよね〜 硬質化するって言ってたけど…その程度の硬質化なんだね〜」

 

淡々と挑発する瑞稀。しかし、圭はそんな挑発を気にせずに呟く。

 

圭「ぐッ…それも蓮の、"デイドリームワンダー"でコピーされた能力か…ッ」

 

キッド「そんなことはどうでもいい…はやく、ボスのことについて話した方がいいよ…」

 

その、ひざまづいた圭を見下ろす赫い目は、さっきまでの軽快さはなく、殺気立っている。

 

圭「だから…これ以上言うわけ…ッ」

 

キッド「…これ、何回繰り返すわけ?そろそろ学ばないとねえ〜」

 

圭「ぐぁぁぁぁぁぁぁ」

 

圭の両足がスタンドの手刀によって切断された。

 

圭(コイツ…本気で俺から情報を取り出すつもりだ…ッ!)

 

キッド「最後の質問だ。本当に最後のね。お前は…本当に情報を漏らすつもりはないんだな…」

 

キッド「ないなら殺すまで…」

 

圭「あの人はッ!!!」

 

遂に圭は叫ぶ。瑞稀の発言を遮るように叫んだ圭は、息切れでうまく発せれない言葉を一つ一つ紡いでいった。

 

圭「あの人は…枕木明は…"昇らない太陽"だ…」

 

それを聞いた瑞稀は、神妙な顔で聞き返す。

 

キッド「"昇らない太陽"だと?何が言いたい」

 

圭「あの人は…反SPWの要だ…あの人の能力がないとここまでやってこられなかっただろうし… つまり、あの人は俺たちにとって希望の光…つまり太陽なんだ…」

 

圭「しかしあの人は人前に姿をあらわそうとしない…今だってそうだ。 誰を照らすこともなく…」

 

圭「お前たち、ジョースターサイドを"夢を見る者"と例えるならば…俺たちは…あの人は、"夢を見てるフリを続けている者"なんだ。」

 

言葉を紡いでいく男、坂根圭には、今やもう身体にオーラを纏っていない。

 

圭「俺はきっと、ここで死ぬんだろう… だから1つ言っておいてやろう。」

 

キッド「…?」

 

何か不穏な空気を読み取った瑞稀。スタンドに身構えさせた。

 

圭「俺らサイドの情報を多く知ってるのはこの城戸瑞稀って野郎だッ!!こいつを優先して始末しろッ!!」

 

キッド「!!!」

 

――そこでようやく気づく。

 

キッド(誰かが僕らの話を聞いている…ッ!?)

 

圭「へッ、これでお前が始末の対象で優先されるわけだ… 瞬間移動の能力をもっていようが、狙撃されたりとかもするかもなぁ…」

 

キッド「ッ!! "プラスチックフラワー"ッ」

 

 

 

 

……その男の首が吹っ飛んだ。

 

PCのディスプレイで微弱に続いていた夢中継も、遂に途切れてしまった。

 

キッド(クソ…僕の瞬間移動の能力とかの事情を知られてしまったってわけか…流石No.2だッ)

 

彼女は瞬間移動の能力で、坂根の家の屋根に出る…が、人の気配がしない。

 

キッド「しょうがない… 追跡は断念するしかないか…」

 

瑞稀は追跡を諦め、坂根の部屋に戻る。

 

キッド「今日の収穫は…奴の能力だけか…?」

 

彼女は、懐からその携帯を取り出す。

そして器用に操作していった。

 

瑞稀は、電子メールの下書き用紙に、次のようなことを書き込んでゆく。

 

『アナザーモーニング … 本体:坂根圭 … 能力:対象の1人に自由に夢を見せる能力』

 

キッド「蓮さんのこの能力…貰ったのはいいけど、流石に電話はできないのか… スタンドのコピーや送信はできるのに普通の携帯電話として使えないのは残念だ… 蓮さんの安否もわかんないし…」

 

下書き用紙には、『コピー完了』と表示されている。彼女はすぐにそれを選択し、決定ボタンを押した。

 

 

すると、夢中継が途切れたハズのPCのディスプレイが、再び光が灯った。

 

キッド「これで僕も、"アナザーモーニング"を使えるようになった… 坂根は皆に悪夢を見せていた… 次は、僕が皆に瑞夢を見せる時だ」

 

 

――それから少したった後…

 

モニターには、真っ暗闇にいる空条助音が映っていた。

 

そして、瑞稀はその女性に話しかける。

 

キッド「Salut(やぁ)!元気そうで何よりだよ〜」

 

 

 

 

 

――ここは、15年前の交通事故の続き。

 

事故現場から、空条助音を保護して帰った枕木蓮と城戸瑞稀。

 

瑞稀「やーっと研究所についた…」

 

少女は伸びをしながら呟く。

 

蓮「瑞稀くんはせっかちすぎるんだよなー…」

 

助音を抱っこしながら車から出てきたのは、枕木蓮だった。

 

瑞稀「まぁまぁ、はやく研究所に入りましょ!」

 

 

そうやって、2人は研究所に入ってゆく。

 

 

???「おかえりなさい〜!!!瑞稀ちゃんもおかえり!!!」

 

瑞稀がドアを開けた瞬間に、陽気な声がとんできた。

 

瑞稀「ただいま、紗和さん!」

 

その女性は紗和というらしい。

 

蓮「ただいま〜」

 

蓮は助音を抱っこしながら入ってくる。

その光景を見た紗和。

 

紗和「蓮さん、その子は…?」

 

瑞稀「あっ」

 

その金髪ロングの髪をなびかせ、蓮を見つめる銀色の紗和の目は若干キレ気味である。

 

紗和…… 枕木紗和。蓮と同じ27歳で、蓮と25歳の時に結婚した。蓮は、苗字を紗和の姓の枕木にしたので、紗和の苗字は枕木のままである。

結婚する前から同棲しており、今もなお研究所で仲良く過ごしているのだ。

 

瑞稀「紗和さん、蓮さんは決して浮気なんて…!」

 

蓮「紗和。この少女の名前は"空条助音"だ」

 

蓮は、瑞稀の発言を遮ってしゃべった。

 

紗和「!!!空条って…!」

 

蓮「わかってくれたみたいだね」

 

瑞稀は、蓮に言葉を遮られたことに少し憤怒していたが、紗和の殺気が消えたことに安堵した。

 

蓮「瑞稀くん、この子連れて手洗って、部屋に戻っててくれるかい?これからどうするか考えるからさ…」

 

瑞稀「あ、はい。」

 

瑞稀に助音を任せた蓮。瑞稀が扉を閉めたのを見て、蓮はどかってソファに座り込むと、ちょこんと紗和が蓮の隣に座る。

 

蓮「なんであの子らを退避させたのはわかってると思う。」

 

紗和「交通事故のことでしょう…?一体何があったの?」

 

銀色の目が、心配そうに蓮を見つめる。

 

蓮「今回の件は…スタンド使いの仕業だった…!しかもだ!やはり明も関連している…!」

 

紗和「明って…!めいちゃんのこと…!?」

 

蓮「そうだ… もちろん、明だけではできない犯行だ…この事件を揉み消すには彼女だけではきっと不可能だし… これで明らかになった。今までに起きていた不可解な事件も、やはり彼女が関わっている…」

 

紗和は口に手を当てている。

 

紗和「めいちゃんはまだ13歳なのに…?」

 

蓮「妹を犯人扱いされるのに怒るのはわかる…でもだ。やっぱり、紗和… "君がスタンドに目覚めたと同時に、彼女も血統的にスタンドに目覚めた"可能性が高い… 能力ももしかしたら厄介かもしれない…」

 

紗和「まだ完璧にわかってないんでしょう?ちゃんと調査を続けるべきよ…まだ事件の全容が見えてないんだし…」

 

蓮「そうだね。でも、何があっても君は僕が守るよ…」

 

紗和「あら、柄にもないことを… 蓮さんの能力はよわよわなんだから、私が守る側でしょう?」

 

 

さっきまでの堅苦しい雰囲気が、談笑に変わってゆく。

 

 

少し隙間のあいた扉から蓮たちを眺めていた赫い目も、部屋に戻ったのだった。




めちゃ内容複雑になってるやん…

小説の投稿、一週間に一回でいいですか…?

  • いいですよ 頑張れ
  • うるせー  しね
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