オリジナルジョジョの奇妙な冒険 〜別れの雨〜   作:ラタ

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ようやく新しいのが出せた!
随分とお待たせしました!


#31 閑話

――ことり「へー…つまりは、助音ちゃんは城戸瑞稀や枕木蓮に保護されてたってワケですね」

 

……これは、空条助音が"ダブレの過去の夢"を見る少し前の夕方の話…

 

TG大学病院『調査部』の部長天久鷹優とその部下、小鳥遊ことりは、仕事終わりにこのような話をしていた。

 

『何故空条助音は二重人格になったのか、何故スタンド能力が2種類も存在するのか』

 

質問を鷹優に持ちかけたことりは、"空条助音が15年前の交通事故によって二重人格になった"ことや、"元々の主人格が今で言うダブレだった"ことなど順々に説明を受ける…が、一向にその疑問の答えに向かいそうにない。

 

ことり「結局答えに辿り着かなさそうなんでそろそろ答えだけ教えてくれませんか?」

 

焦れてついにことりがそう言った。

それを聞くと鷹優も呆れ顔で、

 

鷹優「はぁ?まだわからないのか?ここまできて?」

 

ことり「…わからなくてすいませんね…」

 

そういう彼女の顔は硬直してワナワナ震えている。

 

鷹優「まぁ…じゃあヒントをやろう。"城戸瑞稀や枕木蓮が助音を保護した"ことは確かに関係ない。

そして、"解離性同一性障害"は、自分の感情や性格を切り離すという症状だ」

 

鷹優はいきなりヒントを出した。恐らく、ことりが若草色のオーラを纏っていたからであろう。

彼女は怒り(もしくは殺意?)のせいか、無意識にスタンドを発現させていた。

 

ことり「んー… わからないです〜」

 

ことりは降参とでも言うように肩をすくめる。

 

鷹優「まだわからないのk」

 

その煽りのセリフは、ことりが大きいメスを手にした時点で消えてしまった。

 

鷹優「はぁ…しょうがないな… それじゃあ答え合わせだ。答えてすらなかったがな」

 

ことり「やったー」

 

鷹優は溜息をしながら、飴玉が入った小袋から白く小さい飴を取り出して口に放り込む。

隣から「それ私が貰ったから私のものですよ」って聞こえるが、彼は無視を決め込んだ。

 

……そして、その質問を投げかける。

 

鷹優「ことり…お前、ジョジョが怒ってるところ見たことあるか?」

 

ことり「え?」

 

予想外の発言に、思わず疑問の声が出たことり。

 

鷹優「だから、お前はジョジョ…空条助音が怒ってるところを見たことがあるか、とたずねているんだ」

 

ことり「えと…それ、関係あるんですか?」

 

鷹優「質問を質問で返すんじゃあない」

 

鷹優のその目は凛としている。

これは本気(マジ)の質問だ。

 

ことり「…助音ちゃんが怒ってるとこ…見たことないですけど…」

 

ことり(そう考えたら、全く見たことがない…照れ隠しで怒ってるってのは見たことあるけど、それはたぶん違うカウントかな…)

 

鷹優「じゃあ泣いてるのは見たことあるか?」

 

ことりは少し考えるように俯くが…

 

ことり「ないです。」

 

答えは否定である。

しかし、ことりはだからこそ気付いた。

その、鷹優の質問の意味に。

 

ことり「それってつまり…」

 

 

鷹優「助音に怒りや悲しみは存在しない」

 

 

 

……たしかにそうだ。

助音ちゃんが怒ってるのも、泣いてるのも見たことがない。

 

鷹優「でも、最近になって感情豊かになってきている。怒ったりもするし、泣いたりもしている。」

 

それは恐らく私が見ていないだけだ。

でも、感情豊かになっているのは確かだ。

 

……しかし、重要なのは、感情豊かに"なってきている"ということだ。

 

鷹優「…もちろんそれは、"助音がスタンドを手に入れてから"、感情豊かになってきているんだ。」

 

……そしてその出来事は、とある事実と重なる。

 

ことり「…そして、それと同時に"ダブレ"が出てくるようになった…!」

 

私らがショータくんから聞くことには、「助音をスタンドの矢で刺すと、気を失ったがダブレの人格が出てきて、スタンド使いになっていた」…と。

 

鷹優「…それだけじゃない。助音の"グッド・ドリームス"の精神の支配、ダブレの"バッド・ドリームス"の身体の支配… 支配という点は同じだが、精神と身体の支配…なかなかに、"2つで1つ"な能力と思わないか?」

 

…"2つで1つ"な能力…精神と身体の支配。かなり両極な能力だ。

 

そこで、私の頭の中に一閃の雷のような、閃きが頭を支配する。

 

ことり「"2つで1つな能力"…"存在しない怒りと悲しみ"…"解離性同一性障害"…!」

 

鷹優「気づいたようだな。何故、空条助音は2つものスタンドを持っているのか…」

 

『ダブレが出始めてから、助音が感情豊かになっている』という点で、それはもう確実。

 

ことり「元々1つだった人格が"感情"を切り離したから、スタンドも半分になった…?」

 

鷹優「正解だ」

 

 

 

ここは、空条家。

眠たげな目を擦る少年、枕木翔太郎や、オッドアイの金髪女性、空条助音、ニコニコと笑顔な城戸瑞稀がテーブルの上の朝食を囲んでいた。

 

助音「こんな感じで大勢で食卓を囲むの、すごく久しぶりな感じがするよ〜」

 

ダブレ「でもこの前に、室田悠斗が襲来してきたときにはみんなでカレー食ってたよな?」

 

室田悠斗は、反SPWに洗脳され、ジョジョらを襲撃した青年である。(スタンド能力は、射程内の"穴"からレーザーを発射する、"ホワイトアッシュ")

そしてそれは、助音が瑞稀と久しく会った時である。

 

翔太郎「でもなーんか、それが凄く懐かしく感じるんですよねぇ…最近のことなのに…」

 

キッド「まぁ確かにあれは20話前の話だからね〜、投稿したのも去年の9月だし…」

 

助音「キッド?」

 

 

翔太郎「そういえば、作戦は成功したらしいですけど結局何がどうなったんですか?」

 

トーストを食みながら聞く翔太郎。

それもそうで、彼はその作戦にはほぼ参入していないのだ。

 

ダブレ「そういえばアタシもいなかったからあんまり成り行きがわかんないな」

 

彼女もまた、翔太郎と同じように何もできていない。

助けられる側なので当たり前だが。

 

助音「んーと…簡単に説明すると、ダブレだけが覚めない悪夢を見せられてて、その元凶のスタンド使いの坂根圭を叩くって作戦だったね」

 

ダブレ「つまり、その坂根ってやつは倒せたのか?」

 

キッド「いや 僕が始末した」

 

その発言のインパクトがでかすぎたせいか、

助音と翔太郎が急に咳き込む。

 

ダブレ「スタンドを解除するには殺すしかないだろ…そのへんわかって考えてたのか?そもそも、ボスの腹心なんだから死んでも当然なんじゃあないか?」

 

そういう彼女の発言には少し棘があるように見受けられる。そして助音は直感的に悟る。

 

助音(ダブレはずっと悪夢を見せられてたから奴を毛嫌いしてて当然か…)

 

そうは言いながらも、彼女もその坂根という男の最低最悪な行動に激怒していたのである。

 

翔太郎「捕らえずに殺したんですか!?情報とかは何か得られなかったんですか!?」

 

焦った調子で彼は捲し立てる…ついでにそのペースでコーヒーを飲んでいる。

 

キッド「いや、重要なこととかも聞けたから、まだ万々歳だよ」

 

助音「ちょっと情報過多かもだけどね…」

 

空条助音は、前夜の"夢"によって、自分の過去の情報を得た。それは全てが彼女にとって新しいことであり、頭がこんがらがってしまうように複雑なのである。

少なくともダブレとキッドは知っていたことであり、翔太郎はともかく、その当事者である助音でさえ知らなかった真実。

 

『今で言うダブレが主人格だったこと』や、『15年前の交通事故』、『反SPW』関連など。

情報過多待ったなしだ。

 

キッド「でもね、ショータくん。そんなに焦る必要はないよ。逆にその全ての情報をパッと理解するなんてそれこそ不可能だから、ゆっくりと知っていこう?」

 

笑顔で、優しい口調で彼女は翔太郎に語る。

 

……あぁ、そうだったんだ…

もうひと段落したんだから、ゆっくり廻り道をしてもいいよね…?

 

そう助音は考えると、コーヒーを啜る。

 

ダブレ「ジョジョ…なんかお前、色々と変わったんじゃあないか?まさか瑞稀の影響受けちまったりしてやしないか?」

 

キッド「なんで僕に影響されるのが悪いみたいに言ってるんだよ〜」

 

翔太郎「僕も、お姉さんは結構変わったと思いますよ?なんというか"スゴ味"があるというか…」

 

そう言われる彼女は、少し驚いたような顔をする…が、すこし顔を綻ばせて、こう呟いた。

 

助音「これも、『出会い』のおかげかな?」

 

翔太郎「取り敢えず、これからどうするかが問題ですよね?反SPWのボスの腹心は始末できたとしても、黒幕が始末できてないのは当然ですし…」

 

ダブレ「少なくともやらないといけないこと…アタシが挙げるとするならば、『TG大学病院に行く』、『スワンキーストリートの視察』、『反SPWへの対策』だなあ」

 

彼女が言うことは全てにおいて的確。

まさに彼女らの課題である。

 

キッド「できれば安全だから固まって動きたいんだけど…これからは思い切ろうと思う」

 

キッド「今まで、人を洗脳して僕たちに刺客として差し向けてた、坂根圭はもう死んだ。必然的に、僕らへの刺客は少なくなると考えるべきだ。

だから、僕たちがすべきことはそれぞれ全員で行うんじゃあなくて、分かれて行動したいんだ。」

 

翔太郎「分かれて行動…もちろんそれは、鷹優先生やことり先生も入れての話なんですよね?」

 

キッド「もちろんだ。僕が考えるに、"ジョジョ、鷹優くん、ことりちゃん"でTG大学病院に。"僕とショータくん"でスワンキーストリートに行きたい。」

 

助音「キッドとショータくんがペア?なんか珍しいかも…てかショータくんを襲ったりしないでね…?」

 

彼女が言う通りに、キッド…もとい、城戸瑞稀は幼い男の子に対して言い表せない何かを抱えている。

助音はただ単にそれの心配をしているのだ。

 

ダブレ「おいジョジョ、そんな杞憂はいらないぞ

アタシたちはキッドを信じようぜ」

 

キッド「僕をなんだと思ってるんだよ… まあ、朝の作戦会議はこんな感じかなあ」

 

助音「そうだね…せっかくだし、ゆっくりみんなで朝食楽しもう?朝食をとりながらする話じゃなかったし…」

 

翔太郎「そうですねッ」

 

皆が、食事しながら楽しく会話する。

それだけで、どれだけ幸せなのだろうと助音は思う。

 

ダブレ「どうせならことりや鷹優たちも呼びたかったなあ アタシとジョジョは後で会うがな」

 

キッド「おや、ダブレも言うようになったねぇ。あの2人のどっちかに気があるのかい?お姉さんが魔法で一瞬で連れてきてあげようか?」

 

助音「え、ダブレが他人に気があるわけないでしょ」

 

キッド「君たち同一人物だろ…」

 

ダブレ「そういうジョジョこそ、好きな人なんていねえんだろ?アタシ、スゴ味でわかるぞ なんたってこいつ、ウブなんだぜ?そりゃもうジョジョなんかじゃあなくてショジ…」

 

助音「ショータくんは気になる人とかはいるのかな?」

 

この一瞬で彼女の目は両赤目になっている。

恐らく(助音が)強制的にシャットダウンしたようだ。

 

キッド(なんか凄いことが聞こえかけたけどまあいいか…)

 

翔太郎「僕は…そういうのはないですかね…

いたとしても言わないですよ…」

 

そういう彼の顔は少し赤い。助音はそれをみて少し顔が綻んだが、翔太郎に期待の眼差しを向けるキッドに少し引いた。

 

ダブレ「瑞稀。お前もう三十路なんだから、そろそろショタコ」

 

助音「この人格しつこいし失言しかしないね…」

 

ダブレはまた発言を強制的にシャットダウンされたようだ。

どこからか赫い視線が飛んでくるような気がするが、恐らく気のせいだろう。そう助音は目を瞑る。

 

翔太郎「お姉さんは、人格の切り替えとかが最近上手になってきてますね。今とかさっきとか、ダブレさんをコントロールしたんですよね?会話を遮るために」

 

キッド「ダブレをコントロールするなんてなかなかやるよねえ。ジョジョの方が精神力が強いのかな?

それこそ、目を瞑ってたらどっちの人格が話してるかもわかんないよ」

 

城戸瑞稀が言う通り、助音の周りの人物(多重人格であることを知っている人)は、彼女を目の色と言動でどの人格であるのかを見分けている。

もちろん碧目で言動が荒い時はダブレの人格で、赤目で優しい口調であれば助音の人格だ。

 

「じゃあこれ、どっちの人格で喋ってるでしょう?」

 

彼女は目を閉じながらそう言う。少しテンションが高い。

 

翔太郎「んー…人格によって少し声の高さとかが違うけど、今の声はあまり聞かない声だから微妙ですね…」

 

「そりゃあわざと声を変えてるから!さて、どっちだと思う?」

 

その声は少し上ずっている。恐らく、声の高さで判断されてるとは思ってなくて焦ったのだろう。

 

翔太郎「僕はお姉さんで!」

 

キッド「じゃあ僕はダブレで」

 

「正解は〜コマーシャルの後で!」

 

キッド「あはは、なにそれ。」

 

翔太郎「カラーコンタクトなんてしたら、もう誰もわかりませんね?」

 

「えへへ、そうだね〜」

 

キッド「僕はわかるよ。君がどんな状態でも。

いつだって見抜いてみせる。そうだよね?」

 

キッドは眼鏡をくいと上げながら、その赫い目で彼女を見据えた。

 

……やけに落ち着いてるな

 

「おう!」

 

翔太郎「あ!」

 

キッド「やっぱりダブレだったね 僕の目は欺けなかったようだね〜」

 

そう言いながら、みんなで笑う。

……でも1つだけ。

翔太郎は、城戸瑞稀が…愛想笑いをしているように見え、それがただ心配でならなかった。

 

 

――助音「あっ」

 

ぱりん。

 

翔太郎「大丈夫ですか!? …あっ、お皿…」

 

朝食を食べ終わって食器を片付けていた時。

少しぼーっとしていた助音が、食器を1枚落としてしまったようだ。

 

ダブレ「おいおい、人格を任せてたけど…なにやってんだよ」

 

落とした皿は、粉々に砕けてしまっている。

 

助音「んー…なんかぼーっとしちゃってさ」

 

翔太郎「割れた食器の処理は任せてください。"ムーヴメント"!」

 

彼がそう言うと、手から黒い拳銃が現れる。

それと同時に、微塵と化した食器が光って1つの弾丸になって拳銃に入っていった。

 

ダブレ「おぉ…さすがだな アタシたちの能力なんかよりよっぽど良い能力だな」

 

翔太郎「それほどじゃないですよ。…まぁ、効率とかは良いかもですがね」

 

少し自慢げに言う翔太郎に、羨ましげに翔太郎を見つめるダブレ。

すると、ダブレの目の前に彼女らのスタンドが出現する。"G・ドリームス"と"B・ドリームス"が半分こに合体した、2つの人格で体を動かしている時のスタンドの姿だ。

 

助音+ダブレ「え?」

 

彼女らは、彼女らのスタンドにデコピンされた。

 

キッド「おやおや」

 

いつのまにか瞬間移動して来ていたキッドが、微笑する。

 

キッド「いつのまにか…というか、少しだけ自我が芽生えてるのかもね。君たちの能力。」

 

助音「つまり…嫉妬してるってこと?」

 

助音がそういうと、彼女のスタンドはキッドに近づいてハグした。

 

キッド「おやおやおやおやおやおや」

 

抱きつかれたキッドは、(凄く嬉しそうに)その魔法陣が出ている手でそのスタンドを撫で回した。

 

ダブレ「なんか…これがアタシらの深層心理がとった行動なのなら、凄く恥ずいな…」

 

翔太郎「今までに、そんな感じで勝手に動いたりとかそういうことはなかったですよね?ちゃんと制御できてたのに…自我が芽生えた?」

 

キッド「まぁまぁ、深く考えなくていいんじゃあないかな〜ッ」

 

凄く嬉しそうだ。

ちなみに助音は恥ずかしそうにしている。

ダブレは、行く末が不安でたまらなかったとさ。

 

 

 

〜G・ドリームスとB・ドリームスについて〜

そのスタンド能力は、本体の人格によって変わる。

G…今の助音の人格の時は、G・ドリームスを使える。その逆に、Bの人格の時はB・ドリームスが使える。また、2つの人格で同時に体を動かす時は、両方の能力が半分こで重なったような形になり、両方の能力を同時に使用できる。 G・ドリームスは精神の支配の能力で、その逆は身体の支配の能力である。

なぜそれぞれの人格が1つずつの能力を持っているのかというと、『元々1つだった能力が多重人格の特性により、わかれた』という説が濃厚である。

なので、それぞれが半分この時は、総じて『相手を支配する能力』となるのだ。




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