オリジナルジョジョの奇妙な冒険 〜別れの雨〜   作:ラタ

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Желание。その意味は希望。



昨日別れの雨1周年でした。
できれば昨日中に出したかったんですが
本当に申し訳ないです。
今回も前回よりはマシだけど長いので…


#38 Желание

魂の鑑定人「魂の…スペースですって?」

 

助音「あんま他人には言ってなかったんですけどね〜 言ってもイメージが湧かないって人もいるだろうし」

 

彼女は言う。

 

聞いたことがなかった。

“人格の居場所”とでも言う場所。

 

鑑定人「言ったことがある通り、私は今まで多重人格の人を含めた何千人もの人を鑑定してきました。」

 

鑑定人「それでも、見たことも聞いたこともないんですよ。そのような“事例”は」

 

何故そのような“事例”が起こっているのだろう?

多重人格特有というわけではない。何故彼女だけに起こっているのだろう?“能力”が関係しているのだろうか。

 

ダブレ「アタシも割と気になってた。調べても出てこねーし… 何か特別な力が働いているのか…」

 

空条助音。20歳女性。ジョースター家の血統で、幼くして両親を事故で亡くし、ココロに亀裂ができてしまい多重人格になる。鷹優先生から聞いていた話によるとこんな感じになるが、この過去も何か関係しているのだろうか?

 

碧色の目。そして赤色の目。

私が今気になったことは、“2つの人格が魂のスペースにいる時”、目の色はどうなっているのか。

 

とりあえず鑑定してみたい。

占い師のプライドにも関わることでもある。

 

助音「早速鑑定してみましょうか。」

 

頷くと、彼女は目を閉じた。

ピタッと身体は静止している。

 

近くにあった聴診器を手に取る。

待て、流石にマズいのでは…?

医者の真似事とは言え、私のような変な格好をしている男が動かない女性に聴診器を…

 

鑑定人「事案になってしまうな」

 

仕方がない。スタンドを近づけて呼吸を確認してみるか。

 

鑑定人「“ジェラニエ”」

 

見慣れた人型のスタンドが現れるのを確認し、スタンドを彼女の顔に近づける。

 

鑑定人「…?」

 

呼吸はしている…

だが、何故“心拍が激しい”のだろう?

 

鑑定人「ちょっと助音さん?聴診器使おうとしたことは謝ります。だからちゃんと魂のスペースに行ってもらえますか?」

 

…返事はない。

まあ、とりあえず魂を視てみよう。

 

鑑定人「…とりあえず魂を視てみれば、“魂のスペース”は覗けるのだろうか?」

 

“ジェラニエ”の目が光ると同時に、私は彼女の“深層心理”に潜り込んだ。

 

 

……銀色の靄…

助音さんに聞いた、“魂のスペース”の情報と同じ…

魂の色は…銀色に、少し黒が濁っている…

 

“黒く濁っている”!?

 

魂が黒く濁っている人は、性格に難があったり、悪に染まりかけている場合が多い。

少し驚いたが、“ダブレの人格が元々は主人格だった”ということを考慮すれば考えれなくはない。

 

…自暴自棄になったのだろうか。

両親を失い、そして、人格がダブレに戻った時に。

 

“悪に染まりきってない”ことが救いか。

 

鑑定人『はッ!!』

 

その時、視線を感じた。

自分より高い所から、見下ろされている…?

 

魂の中だからか、いろんなものが過敏になる。

今度は視線がまた移った。

 

相もかわらず視線は1つのみだが…

場所が移っている。移動して、近づいてきている…?

 

“見えた”。 一瞬観測できた。

悍ましい…なんだアレは!?

 

そして、“それ”が目の前に現れる。

 

それは人型の死神のようで、見た目は兎である。

銀色と黒が混ざった毛並み…ピョコンと飛び出た1つの耳に対して、もう片方の耳は垂れている。

 

顔には仮面のようなバイザーをつけていて、それは口まで伸びていて瞳も口も垣間見ることはできない。

 

真っ黒なマントを羽織っていて、肩にどっしりと巨大な“鎌”を背負っている。

 

見た感想は一言で表すなら“死神”である。

 

さて、大変なことになった。

これは魂を守護する存在なのだろうか?

 

魂の中にスタンドが出てくることは稀ではない。

その魂を守らんとするがために出てくるのだが、出てくるかどうか、そしてその行動はその人の性格や信条について毎秒変化する。

 

鑑定人「スタンドが出てくるということは、この魂を守ろうとしているのか、それとも守秘主義者なのか…」

 

攻撃してもいいのだが、もし倒してしまえば相手の性格や、その他何かを消してしまう。

倒せるかどうかも相手の精神力の強さに関係するのだが。

 

それよりもここで出た疑問が2つ。

 

まず、ここは“空条助音”という人物の身体の中の魂に潜伏している。しかし空条助音は見かけない。

それでもなお見たことがない“スタンド能力”。

彼女らの能力は人格ごとに違っていても、このようなスタンドではなかったハズである。

“G・Bドリームス”。それとは違うスタンドが、助音という女性の魂の中…今、ここにいる。

 

そしてもう1つが、何かに“見覚えがある”ということである。

スタンドは見たことない。一体何に見覚えがあるのだろうか…?

 

鑑定人「少し怖くなってきましたね」

 

考え事をしている内に、兎の死神は消えていた。

奇襲されるのか?それとも逃げたのか?

 

魂の中の私は攻撃されても、魂から追い出されるのみである。

 

鑑定人「…?」

 

明るくなってきた。

しかし明かりのような物はないし、太陽も昇っていない。私は何に照らされているのだろう?

 

あれは…“月”…?

 

『コレイジョウノ記憶ノ露呈ハ許サナイ』

 

鑑定人「な!?」

 

背後には、先程の兎の死神が。

数センチ先に立っていた。いや、浮いていると表記した方が正しいだろうか?立っているように見えるが地に足は着いていない。

 

『貴様ノ魂ハコレカラ終ワリヲ迎エル』

 

喋った!

さっきの声の主と同じだ。この兎が“喋って”いるッ!

 

このスタンドに意思が宿っているのか…?

スタンドは魂のヴィジョンだから、本体の声を通達してるに過ぎないのかもしれない。

 

鑑定人「勝手にココロに土足で侵入してすみません。黙って出ていくので見逃してもらえませんか?」

 

穏便に済ましたい。

もう少しで“鑑定”し終わる…

 

『ココロガ覗カレテイル…』

 

私の中にうっすらと控えていた“ジェラニエ”の水晶が光ったのは、その声と同時である。

 

鑑定人(鑑定が終了し… !!!)

 

瞬間的に、汗が流れた。

顔は真っ青になっているだろう。自分を映す物などここにはないが。

 

その兎は、器用な手つきで顔のバイザーを動かした。

 

そこから覗かせる口にはギザギザの牙、そしてそこから涎を垂らしている。

 

鑑定人「ひっ」

 

その声は、"兎を見ていない"にも関わらず漏れた。

 

この“鑑定結果”は…ッ!!!

 

 

そして最後の景色は、兎の死神が瞬時に大きな鎌を振りかぶって襲い掛かってくる光景だった。

 

 

 

 

目を覚ますと、目の前には項垂れた金髪の女性がいる。

 

男は、起きたばかりとは思えない程に…息切れをしているのかと思えるほど、呼吸をポンプの如く行いながら動揺していた。

 

そして、彼女を見ることで再び狼狽する。

 

――“私は本当にこの女性の魂に侵入していたのだろうか”と。

 

鑑定人「魂から追い出された…やはり助音さんもダブレさんもいなかった。」

 

彼は能力“ジェラニエ”をまた彼女に近づける。

 

鑑定人「私が視ていた魂は…ッ!」

 

そして、“ジェラニエ”が彼女の額に近づき、瞼をあけようと…"瞳の色"を確認しようとする。

 

 

鑑定人「ぁがっ」

 

瞬間の出来事だった。

 

「知ってどうするんだ?」

 

「これ以上、私のココロを知って…」

 

女性が目を見開いて、男の首根っこを掴んでいた。

まだ手を離さない。

 

鑑定人「その“瞳の色”…!」

 

鑑定人「光と影…!表と裏…!二重の人格…!そして、それを辿った“最奥”!!!」

 

見開いた、その“白銀色”の目。

 

鑑定人「“3つ目の人格”ッ!!」

 

手を離さずに、ゆっくりと口を開く。

 

「知ってしまったみたいだな…知らなくていい真実を。その“ジェラニエ”で。」

 

その空条助音という体を借りた3つ目の人格は、笑うように問いかける。

 

「なあ…久しぶりじゃあないか?15年前以来か?」

 

その声は、少し…空条助音より大人びていて、それでいて少し低い。

 

"変化した"…目の色や声色…そして人格が!!

 

鑑定人「3つ目の人格にして反SPWのボス!」

 

「あぁ… この私 枕木明だ」

 

 

男は苦しそうにも叫び、女性はそれに呼応した。

彼女の名前は、もはや“空条助音”ではなく、“枕木明”というらしい。

 

明「魂のスペース…なるほど、他の2つの人格がそこにいる間に魂の鑑定を行うか…なかなか面白いことを考えつくものなんだな。」

 

鑑定人「おかげでわかりましたよ…何故空条助音の魂を正確に鑑定できなかったのか、何故魂のスペースという場所が存在しているのかッ!」

 

明「そうだな。私の居場所を暴けるのはお前しかいない。私と同じ、“魂”専門の能力なんだからな。」

 

すると、その銀色の目の女性は男の首を掴んでいた手を離して男をそこらに倒した。

 

げほっげほっと荒い咳をたてながら、男はそれでもその女性をその薄青い目で睨む。

 

明「そんな剣幕で私を見るな…少し話がしたいだけだ」

 

床にへたり座り込む鑑定人に対し、明は椅子へ座ってじろりと鑑定人を見つめこむ。

あくまでも優位に立ちたいのだろうか。

 

鑑定人「“覚えて”いますよ…その銀色の目…そしてその鎌!」

 

明「ほお…15年前のことも覚えているのか。お前のおかげで空条徐倫を始末することができたし、こうして空条助音へと潜むこともできた…」

 

鑑定人は彼女のセリフを遮るように叫ぶ。それも、まるで彼女を嘲るように。

 

鑑定人「貴方の最大の過ちは、坂根圭という男の思惑に飲まれてしまったことだ」

 

ピクリ、と眉間を動かした明。

どこまでと冷徹な目を男に向け、

 

明「私は、“あの時こうしていれば”などという反実仮想的思考は取らないんだ。それもこれも、私らの意志を尊重した“運命”だからな。

それはお前が1番わかっているだろう?」

 

と。

 

鑑定人「運命論ですか。しかし残念ながら私は違います。私は起こるはずの未来を占って、それをまた違う未来へ変えています。」

 

明「そこから違う。お前が予知したのは“起こったかもしれない未来”だ。  そして、お前が言う『未来を変える』という行動そのものが運命に定められているんだ。」

 

鑑定人「そうだとしても、未来への道のりは私たちの“意志”と“精神”の力で変えられるッ!!」

 

会話の継続を諦めたのか、明はやれやれと言いそうな顔をしている。

 

明「ところで… 私はこれから、何処へと向かうのだと思う?」

 

そう言うと同時に、彼女は見るからに重そうな鎌を出現させて肩に掛けた。

 

鑑定人「…貴方はもう既に、その"自問自答"の答えは出しているハズでしょう…」

 

驚いたような表情を浮かべる明。

しかしすぐ取り繕って言う。

 

明「“自問自答”…か。確かに私はこの“能力”を手に入れてからそんな疑問を抱えていたが…」

 

明「私がこの疑問を誰かにぶつけるのは…

私がその誰かを始末する時だけだ」

 

もとより汗をダラダラと流していた鑑定人だが、その言葉を聞いてからというものの顔が青ざめている。

 

明「何か最後に言い残すことはあるか?なんでもいいぞ。私に有益なことを言ってくれるなら苦しませずに始末できるぞ?」

 

その口調は、もはや人を殺すという場面の喋り方ではない。恐らく人を殺し慣れているのだ。

 

その男は、恐怖しながらもしゃべる。

 

鑑定人「…ひとつだけ」

 

明「ほう なんだ?」

 

鑑定人「引きずってるのですか」

 

またもや、彼女は眉間に皺を寄せる。

 

鑑定人「あの“月”…そして貴方の記憶の中の姉。

自らの手で、“能力”で手を下した…うぐッ」 

 

最後まで言えずに鑑定人は口籠る。

首元に、“後ろから”鎌が伸びてきている…

 

明「お前は…他人の魂を見抜けるからと言ってその能力に過信してはいけない…人のココロに土足で入ってきたらどんな報いを受けるかわからないぞ」

 

鑑定人「貴方がッッ!!そのココロをどうするかによって貴方の未来は変わる!」

 

数秒の沈黙の後、女性は口を開く。

 

明「…お前の質問に答えておいてやろう。私の殺しのモットーは『最後の悲鳴が響かないように』だ。」

 

鑑定人「…残念ながら貴方には破滅の道しかないようだ」

 

明はそっぽを向くように、後ろを見る。

 

明「お前は人の本質を見抜く知恵をジョースター側に提供し、私のもとにつかなかったのが最大の不幸だった。その“ジェラニエ”という素晴らしい能力を持っておきながら… もはや未練もないだろう さらばだ」

 

鑑定人「…“ジェラニエ”…この意味は“希望”ですよ。」

 

苦笑いを浮かべた瞬間に鎌が1秒も足りない速さで男を切り裂いた。

 

明「“N o w h e r e”」

 

びちゃびちゃという血が垂れる音。

 

明「お前が私に反抗してこなかったのは…死ぬ未来が占えていたから…か。血は出てしまったが…しかし痛みはなかったハズだ。」

 

明「お前の魂は頂いた。お前の命は無駄にしないぞ」

 

兎の死神が、鎌の先についている黄金色の物体をマントの中に仕舞い込んだ。

 

そして、ゆっくりとその死神は明へと近づいていき、彼女と重なる瞬間に消える。

 

明「困ったものだ…この死体がある状況では助音に代わることはできないな…処理しなくては…」

 

銀色の目を細めてウンウンと唸っていると、どこかから何か不思議な音が聞こえてきた。

 

瞬時に、近くのドアの外や隣の部屋を確認してみる。

 

……あのバカ姉は寝ているし、周りには誰もいない…

じゃあ、さっきの音はいったい…?

 

どんどんその音が近づいてくる。

 

――待て…この翼がはためくような音…!

 

明「小林真司…か!」

 

――確か奴には電波少女らと協力して天久らの始末を命じていたハズだが…空条助音の生捕りは指示していない…じゃあコイツは一体何を…!?

 

……もしや…見られたか!?

窓の外を見たいが、“この目”を見せるわけにはいかん…

 

ちらりと横目で見た窓の外には、人と竜が交わったような姿の男が翼をはためかせて宙に浮いていた。

“こっちを見ている”…ッ

 

――このまま乗り込んでくる気か…?

 

ちょっとだけ、兎の死神のスタンドを繰り出してバレないように窓の外を視認する。

 

男は部屋の光景を見て少し驚いたあと、瞬時に上へと飛んで行った。

 

明「上…屋上か。電波姉妹の様子でも見に行ったか…」

 

女性は、この状況を切り抜ける方法を何度も画策する。そして、1つの結論へと辿り着く。

 

明「待て…ここで“N o w h e r e”の能力を使えば…」

 

――助音が主人格の今、なかなか試せなかった能力…

 

彼女は何も言わずとも、兎の死神を目の前に繰り出した。

マントから、先程奪った“鑑定人の魂”を取り出し…

 

バイザーをズラして見えた牙で、噛み砕き“喰った”。

 

明「さっき奪った魂をすぐ使うことになるとはな…奴の"能力"は有能だから時間がある時に"使いたかった"が…」

 

兎の死神が、変形していく。

体のあちらこちらに水晶がつき、“ジェラニエ”のようなメタリックな外見に変化した。

 

明「“ジェラニエ”」

 

鑑定人の“能力”を明が発動させて数十秒後、納得したかのように彼女は頷いて、椅子に座り、目を閉じる。

 

次に目を覚ました時には、目は既に赤色になっていた。

 

――助音「こ、これは…ッ!?」

 

 

 

ここはスワンキーストリート。

1人の少年が、2人の女性と話していた。

 

翔太郎「本当に、このまま助けないんですね?」

 

キッド「覚悟してくれ。ボクらはボクらの為に、人を殺さないといけないんだ。」

 

彼女らは、襲撃してきた反SPWの幹部を返り討ちにし、始末した。

 

今までの追手は洗脳されていたから助けていたのだが、幹部レベルだと洗脳されずに指示に従っているために助ける必要はないのだと瑞稀は言う。

 

紗和『小学6年生にやらせることじゃないと思うんだけど!』

 

翔太郎「大丈夫ですよお母さん!キッドさんから話を聞いてた時から、もう覚悟してたので。」

 

笑顔の仮面を被ったように笑う翔太郎に、瑞稀が手を伸ばして抱きしめた。

 

翔太郎は一瞬驚いていたが、抵抗はしなかった。

その抱擁が、今までで1番優しかったのだ。

 

紗和『私の息子を私の目の前で抱きしめるなんてなかなか良い根性してるみたいね?瑞稀ちゃん』

 

彼女が当たり判定の無い拳で瑞稀をラッシュし終わって5分程経った時。

 

翔太郎「そういえば僕らはスワンキーストリートの視察の為にここに来たんですよね。さっき言ってた、15年前の事故現場には行かなくていいんですか?」

 

キッド「大丈夫だよ。事件の全容はさっき話したこと以外何もない。犯人は枕木明と坂根圭ってだけ。」

 

そういう彼女、城戸瑞稀は枕木蓮と共に15年前の交通事故を調査した張本人である。

当時彼女は15歳だが。

 

紗和(さっき瑞稀ちゃんが話してた…蓮さんが事故現場を調査してたら助音ちゃんを保護したって話…

翔太郎は分からなくて当然だけど、ちょっとだけ“おかしい点”があった…)

 

紗和『ねぇ、瑞稀ちゃん。もしかして、まだ私に秘密にしていることがあるの?』

 

瑞稀は、ゆっくりと紗和を見つめる。

それも、何かを秘めた悲しい目で。

 

キッド「いーや?何も、隠してないよ。」

 

紗和は、その悲しい笑顔に知ってはいけない“何か”を見てとった。

 

そんなのもつゆ知らずに翔太郎は話しかける。

 

翔太郎「じゃあ今日の目的はこうやって、僕にことの顛末を話すことだったんですね!」

 

キッド「そうだね。さっき情報班の幹部が、『ジョジョらの所にも反SPWの幹部が向かってる』って言ってたから、加勢しに行ってくれるかな?ショータくん。ボクが送るからさ。」

 

翔太郎「え?キッドさんは加勢しないんですか?」

 

瑞稀は、翔太郎を見つめて言う。

 

キッド「ショータくん。ボクには“使命”がある。もちろんショータくんもそうだし、紗和さんもそう。

ボクは、今からその“使命”を全うしないといけないんだ。わかってくれるかい?」

 

何かを察した翔太郎は、こくりと頷く。

 

翔太郎「わかりました。お姉さん達のことは僕に任せてください。僕も、貴女と僕の“使命”の為に戦います。」

 

その発言を聞き、幸せそうに微笑んだ紗和は、誰にも気づかれないようにゆっくりと姿を眩ました。

 

キッド「じゃあ、とりあえず“N・シャッフル”で病院の入り口まで送るよ。鷹優先生達の所に瞬間移動したら急に戦火に巻き込まれるかもしれないからね。」

 

大きい水色の魔法陣が、1人でに動いて翔太郎を包み込むと同時に、翔太郎は消える。

 

キッド「ふぅ…」

 

そうため息をすると同時に、彼女は大きな木に寄りかかって座った。

手の魔法陣の上に小さいワイヤレスイヤホンが出現すると、瑞稀はそれを耳につけて、目閉じる。

 

キッド「これは“ボクら”の使命だったね、お兄ちゃん…」

 

 

 

 

 

 

その死神を目の当たりにして言葉をこぼしてしまった。

 

 

真司「兎の死神…」

 

明「なんだ?知らなかったわけじゃあないだろう?」

 

明「この能力は実戦で使うのはほぼ初めてだからな」

 

そんなこといいながら、奴は既にその能力を始末に使っている。

 

真司「その能力で鑑定人を殺したクセにか?」

 

明「ま…名義はそりゃ“殺した”んだろうが、私がしたことは奴の魂を“奪った”だけだ。」

 

しかしそこにはまた矛盾点が生まれる。

 

真司「そいつはまた違うだろう」

 

真司「お前の“魂を扱う”能力…魂を奪われた人間は完全に死に至るわけではない。内蔵は機能しているが植物状態のようになる、“抜け殻”になるはずだ。

最近増えていた、植物状態のようになっていた“抜け殻”は全て貴様がやったことだということもこちらはわかっている。」

 

明「ほう…?」

 

真司「貴様が助音に“交代”した時にわかったよ。助音が鑑定人に簡易的な"死亡確認"をしたからな…鑑定人は、抜け殻にならずに“死んでいた”ッ」

 

少し、奴が狼狽える素振りを見せたことに、何か違和感を感じた。

 

明「あぁ…そうだったな。助音は鑑定人の“死亡”を確認していたな」

 

真司「貴様は鑑定人を“殺した”。今までは抜け殻だけで済ませていたことが多かったのにだ。」

 

真司「何故確実に殺したか?それは“お前の正体”を鑑定人が知ってしまったからだ。」

 

男は距離をとりながら、その場を歩き回る。

 

明「しょうがないな。私の正体を知る者は存在してはいけないからな… もちろんお前も例外ではない。」

 

真司「しかしそれだけではない」

 

黄色い視線が、明を射抜く。

 

真司「彼には、人のココロの奥底まで視る能力がある。正体がバレただけじゃあなくて、もしかして“ココロの奥底に秘めていたもの”を知られちまったんじゃあないのか?」

 

明「よく喋るんだな。 私は今、お前を殺したくてウズウズしている。」

 

真司が、明を見つめ言う。

 

真司「その前に…推理ショーさせてくんねえかな?」

 

明「何を言っているんだ。お前は私に関する全てを知っている。何故私がここにいるかなど…知っているなら知っているでいいじゃあないか。何故いちいち、それについて話さないといけないんだ?」

 

明「観客がいるわけでもない。そんなのはショーでもないし、ただのお前の自己満足だろう」

 

真司「しょうがないだろう。探偵には“推理”というのはつきものだ。1つの快楽みたいなモンだよ。貴様もそうだろう?」

 

眉間に皺を寄せ、彼女は言う。

 

明「この私が、殺人狂とでも言いたいのか?人を殺して、言い難い何かを得ている変態だと?」

 

真司「快楽と言ってもそれが性欲とは限らないだろう?逆に快楽という単語だけでそういうことを考えているお前の方が…」

 

明「黙れ」

 

真司「冗談だ!推理ショーってのはよ、観衆の中でやるもんじゃあないぜ。『犯人だ』って当てられちゃった犯人が、逆上してヤケクソで観衆を攻撃するかもしれねーだろ?」

 

真司「だから、推理ショーを聴くのは探偵と犯人と、たった1人の妹くらいでいいんだよ」

 

それを聞いて、何か思うことがあったのか明は胡座をかいて座る。しかし、鎌は肩に掛けたままだ。

 

真司「理解してくれて嬉しいよ」

 

翼や大きい爪を戻した真司は、近くはないが明の対面にどかっと座った。しかし耳は、まだ竜の肌のままであった。

 

真司「じゃあまず…必修事項として、15年前の交通事故辺りからいこうじゃないの。」

 

明「おい、そこから話してたら何時間かかると思っているんだ?」

 

真司「ぱっと終わらせるから大丈夫だ。15年前の交通事故辺りはそこまで重要じゃあないからな」

 

1つ咳払いをして話し始める真司。

 

真司「まず…貴様は、血のつながっている姉妹、枕木紗和が矢で偶然能力を手に入れたことにより、血統上の問題で能力を手にした。三姉妹全員だ。」

 

真司「貴様が手に入れた能力は“Where do I go?”

大きな鎌のスタンド…それで人を切り裂くことによって、他人の魂を奪うことができる能力…そしてもう1つ、自分のみ魂だけの状態になれて、他人の体に“憑依”できるという能力だ…」

 

今、空条助音という身を借りて姿を表している枕木明。胡座をかき肩に掛けているその鎌が、明のスタンド能力“Where do I go?”だった。

 

明「最初は驚いたよ。紗和ねぇと姉妹喧嘩した時、この大きい鎌が出てきたんだ。紗和ねぇは焦ってた。」

 

真司「貴様はその魂を自由に操る能力を駆使し、金儲けを始めた。例えば…金持ちの老人の魂を若い奴に入れ替えたり、女性の魂だけを抜いて動けなくした体を提供したり…」

 

歯痒そうに真司は言う。

その行動に何か怒りを持っているのだ。

 

真司「最初にそれに気づいたのは、比良明良。そしてその次に長女枕木紗和だった。しかし彼女らは貴様に魂を抜かれ、抜け殻になった…」

 

真司「そこから辺りか?流石金の力というばかりか、反SPWという組織が出来始めた…坂根圭という男がお前につけいり始めたのもその時期だな。」

 

明は、否定も肯定もせずに目を瞑る。

 

真司「その次に、“次女”である枕木雨月の魂を抜いた。まあその当時には雨月は既に“をー”という名前に変わっていたが、俺も貴様も、バグの現場にいたから覚えていたんだろうな。」

 

男の黄色い目は細まって明を睨む。

 

真司「そこで1つ、確かな疑問が生まれてくる。

恐らく雨月は紗和が始末されたことに対し、貴様に抗議したんだろう。しかし貴様は剰えもう1人の姉、雨月の魂を奪った。」

 

彼は一息、ふぅと吐いたあとに叫ぶ。

 

真司「じゃあ何故彼女だけ、"幼い子供の体に魂を移し替えた"?完全に始末せずにッッ!!」

 

顔が少し揺れた。

ここに、“何か”があったと思っていた。

 

真司「今さっきまで助音に“をー”と呼ばれていた少女…正体は枕木雨月!能力で、魂を少女の体に移し替えられてしまったッ!」

 

一度、空条助音が不思議に思っていたこと…

――助音『キッド… そのをーって人、“若返った”の?』

 

過去、“バグの能力”で名前が変化してしまった女性がいた。真司が言っていた通り、その変化した名前は“をー”。

 

そして今、現在。“をー”という名の少女が助音の前に立ちはだかったのだ。

 

助音は“バグの能力”の存在を知ってから、“をー”という少女がなんらかの能力で若返ったと思っていた。

 

しかし真実は、明の魂を操る能力で、魂を幼い少女の体に入れられてしまっていたのだ。

 

明「何か利用できると思っただけだ。それだとしても、あのバカ姉…雨月ねぇは能力を持っていた…抵抗されないように、坂根圭の能力の“夢”で洗脳したまでだ。」

 

明「少女の体に移し替えたのは…私が雨月ねぇを“始末できなかった”のを隠す為…それだけでなく、“をー”という名前の人が枕木雨月だとバレないようにするためだ…」

 

こくりと頷く真司。

 

真司「“をー”という名前に変わってしまった人の元の名前が枕木雨月だと、知っている人は多数いるからな。俺もそうだし貴様も、紗和もそうだった。」

 

明「ちなみになんだが…何故雨月ねぇが“若返った”と思わなかったんだ?何故、少女の体に移り“復活した”とわかったんだ?」

 

ちっちっと指を振る。彼女はウザがっている。

 

真司「若返っていたなら、彼女のスタンド像も幼くなっていたハズだ。スタンドは精神のヴィジョン。幼児退行したのなら、準じてスタンドも幼くなるのさ。

彼女のスタンドは成人の大きさだった。」

 

……大きさ“だった”…か。

コイツが実際そのスタンドを見たのか…

それとも、情報を共有している“仲間”がいるのか…

 

考えるような素振りを見せたが、明はそのまま話し続ける。

 

明「結局あのバカ姉は、洗脳されることで私に魂を移し替えられたことも忘れ、反SPWについたってわけだがな。結局活躍もせずに墓穴を掘っただけだったが。」

 

一度、“をー”という名前だった枕木雨月…

少女となり、洗脳された状態で助音と翔太郎を襲撃したのだ。

 

助音を気絶させたところまではよかったのだが、翔太郎に反撃されて窮地に陥ってしまう。

逆上した彼女は捕獲対象の助音を始末しようとしたが…

 

真司「雨月が…動けない助音に襲い掛かった時。貴様は依代である助音の体を、自分を守るためにその能力を使った。」

 

真司「"兎の死神"の能力…“Nowhere”をッ!」

 

すると、彼女は少し苛立ったように訂正する。

 

明「大体合ってるが、少し違う。私の第二の能力は“Nowhere”じゃなくて“N o w h e r e”だ。」

 

真司「まあいい…話が脱線しすぎてしまったな。

少し話を戻そうか…」

 

 

男はまた、小さい咳払いをした。

ちなみに口から小さい火炎が漏れていた。

 

真司「貴様は…比良も、紗和も、雨月までも自分の能力で手を下した…。そして、次に枕木蓮までも追跡した。」

 

彼女は何か、思い出したように首をすくめる。

 

明「あの時は凄かったよ。大勢の人数で蓮を追撃したんだが…1人に大勢が負けるところだった…」

 

真司「そして、貴様は蓮を“監禁”した。恐らくその狙いは、万能能力“デイドリームワンダー”を使いたいが為に。」

 

明「その通りだ。私は結局手に入れてないが、圭はひっそりと奴から能力を奪ってたようだな。そして、奴はいつの間にか逃亡していた。監禁されていても逃げれるような能力を“携帯”に隠していたんだろう。」

 

真司「これまで、貴様が社会にのしあがっていくための計画に何にも失敗はなかった…ハズだった。」

 

女性が、静かにため息を吐いているのが見えた。

 

明「城戸瑞稀が助音を保護して育てていた…翔太郎も、SPW財団に保護されていた。翔太郎に至ってはもう少しで始末できたんだがな…」

 

枕木研究所に住んでいた紗和や蓮、そして瑞稀と助音。そのうち紗和も蓮も消えてしまったなか、

瑞稀はそれでも諦めずに助音を護っていた。

 

真司「瑞稀は、たった1人で働いて助音を学校に行かせていた…だが、その平和を壊したのは貴様だったな」

 

真司「貴様は、“ジョースター家”の末裔である空条助音に目を付ける。」

 

真司「恐らく、洗脳で仲間にした鑑定人に未来を視てもらったんだろう。そして貴様は…“憑依”の能力“Where do I go?”を使って助音に魂を憑依させた。第3の人格としてッ!」

 

明「そうだな。いずれかは対立することはわかっていたんだ。鑑定人の勧めで、この空条助音という体に潜むことにしたんだ。いやあ良いこと尽くめだったな。」

 

虎穴に入らずんば虎子を得ず。と言ったものだろうか。明はジョースター家の人間にわざと潜んでいた。

 

真司「貴様はその能力を駆使して、たまに意識を乗っ取っていた。ジョースター家の勢力の話や…敵の追手が返り討ちにされたかどうか。それを仲間に電話で話すだけでなく、貴様はジョースター側の仲間…天久や小鳥遊…それらを、隙を見計らって始末しようとしていた。」

 

真司「しかも貴様が得たものはそれだけではなかった。」

 

……やはり運命というものは素晴らしい。

 

それは、明が助音に潜んだことによって得た、最大とも言えるものだった。

 

真司「逃亡してきた翔太郎は、空条助音と出会う…そして、貴様…枕木明が潜伏している空条助音の体を“スタンドの矢で貫いた”。」

 

真司「“3つ目の人格”として助音の体に潜んでいた貴様にも、スタンドの矢は反応した。助音と共に、“新しい能力”を手に入れたッ!第2の能力…『N o w h e r e』を…!」

 

明は、わざとなのかその第2の能力を出現させる。

その…兎の死神を。

バイザーのせいで余計に分かりづらいが、それでもその兎が真司を睨んでいることは分かった。

 

真司「その能力を手に入れてからだ。魂を抜かれた抜け殻が増え始めたのは。」

 

明「そうだな…私は無敵の能力を手に入れた。第1の能力とは比べものにならないほどな…強力になったのは魂の“支配”だけではなかった…」

 

真司「ついに人型の能力を手に入れた貴様は、助音が気づかないうちに何人もの魂を抜いていた。自分の邪魔になる存在のな。しかし天久達といったスタンド使いにはまだ自分の正体を明かすわけにもいかないから、天久たちもまだ始末していない。違うか?」

 

明「なんにも違わない。全てお前が言った通りだ。何故ここまでバレているのか…?それさえもわかってないってとこだ。」

 

真司「結局貴様は追手をジョースター側に送る割には上手く行かず、今の今までバレずにここまで来た…よくバレなかったもんだな。」

 

明「なんだ、それは皮肉か?もうお前や、鑑定人に既にバレているじゃあないか」

 

真司「情報班の幹部らもやられたみたいだぜ。電波姉妹らもだ。貴様、手のうちようが無いんじゃあないのか?」

 

すると、こぼすように彼女は笑う。

 

……何故笑う?

 

明「いや、ふふふ…悪いな。お前がなんか、情報班より情報班してるなと思ったんだよ。お前を情報班の幹部にしときゃ良かったかな?」

 

真司「たしかにスワンキーストリートまでならひとっとびだが、残念ながら瑞稀と戦うのはゴメンだぜ。」

 

彼女の笑みは、先程より大きくなった。

くすくす、というよりも何かをほくそ笑むような笑い。

そして、それは彼女には似合わないほどの笑いになる。

 

 

 

明「本当に残念だな。“城戸真司”。」

 

明「残念だが、私の方が探偵をしてたかな?」

 

その黄色い目の男は、汗を流し、狼狽していた。

見えづらい竜の耳がピクリと動く。

かつてなく、焦りを見せたその男は彼女に問う。

 

真司「何故…俺の苗字を…!?」

 

明「わかりやすいなあ…本当に…恐らくだが、お前の旧姓は“城戸”。結婚し、小林に本姓を変えたんだろうが…それを見抜けない程私は馬鹿じゃあない…」

 

がっ、と明は鎌の刃の先を地面に刺した。

 

……推理ショーか…そうだな。

 

明「まず、電波姉妹が敗北したことを知っているのはまだわかる。私が鑑定人を殺した現場を目撃したお前は、"上空に飛んでいた"な…恐らくそれは、電波姉妹が未だに戦っているかを確認するためだ。」

 

彼は、助音の居場所を探していた。

そして彼女を見つけた瞬間に“誰にも被害が発生しない”場所を探していたのだ。

それが、電波姉妹が戦っていた場所、屋上だった。

 

明「じゃあ何故“情報班の敗北を知っているのか”?

あそこには、あの3人しか送り込んでいない。少なくとも反SPWに潜り込んだ哀れなスパイはお前だけのハズ。」

 

考えるようなポーズをわざとらしく、男に見せつける。

 

明「じゃあ誰か、“情報を共有している者”がいるんじゃあないか?それを辿ってみよう。」

 

明「まず、考えられるのはスワンキーストリートにいて、お前に情報を伝えれる奴だな。もしくは情報を知ったり伝えたりする能力者だが…後者のはなくはないが真実味がないし根拠もない。前者で考える。」

 

明「今スワンキーストリートにいるのは、枕木翔太郎と城戸瑞稀のみ… そこで私は気づく。坂根圭は死ぬ寸前に、画面越しに私に『反SPW側の情報を多く知る者は城戸瑞稀だ』と言ってきたんだ…そこで、情報の共有者を城戸瑞稀だと断定してみる。」

 

明「そうすると、雨月ねえの能力が幼児退行していなかったと断言できることにも辻褄があうのさ。

雨月ねえが助音と翔太郎に襲撃していた時、瑞稀が私を見ていたことは知っているからな…」

 

城戸瑞稀は、翔太郎と雨月(をー)が戦闘している現場にいたが、ただ観察のみをしていた。

そして、その観察していた結果を後に助音と翔太郎に報告していたのだ。

 

明「それだけじゃあない。いつから瑞稀が私の正体に気づいていたのか知らないが、奴が情報通であることは既にわかっていたしな…」

 

またもやわざとらしく、何か閃いたような、手のひらに拳を乗っける仕草をした後に言う。

 

明「そこで思いついたんだよ。何故いちいち“推理ショー”を始めたのか?それは、推理を犯人の私と問答し、合っているかどうか。そして、ついでに得た情報を…

“電話のような通信機器で今も尚流しているんではないか”ってね」

 

ついに、その男の顔が青ざめる。

 

明「お前ッ!今その耳につけているイヤホンで、城戸瑞稀と“通話”しているんだろうッ!!?この私の情報を流すためにッ」

 

真司は、よく見えづらかった耳の中から、小さいワイヤレスイヤホンを取り出し、『降参』とでも言うかのようにその両手を上にあげた。

 

真司「じゃあなんで俺の苗字が“城戸”だって?」

 

明「お前、最初言ってたよな?『だから、推理ショーを聴くのは探偵と犯人と、たった1人の妹くらいでいいんだよ』って…」

 

真司「はっ。全部お見通しか。まさかここまで暴かれるとは思わなかったよ。」

 

笑っているように見える顔に、緑の鱗ができていく。

 

真司「“Degeneration”」

 

そして、イヤホンに何かをつぶやいたあと。

大きい爪が出た足で、イヤホンを思い切り踏み潰した。

何か聴こえていた音を振り切って。

 

明「いやあ、探偵と言うのは楽しいな。また1つの“快楽”を知ったよ…これだったら魂の中でも暇じゃあないかもしれないな。」

 

笑いながら立ち上がる。

その銀色の目を見開いて。

 

明「“N o w h e r e”」

 

明「“喰らわせろ”…お前の魂をッ!私が特別、痛いように掻っ捌いてやる…ッ!」

 

真司「消滅しろ」

 

“2人の推理ショー”の末、激戦の火蓋は切って落とされた。

 

 

スタンド紹介

スタンド名 「Where do I go?」

スタンド使い「枕木明」

銀色で大きい鎌の能力。一応2つまで出すことができる。血統上の問題か、紗和がスタンドを手に入れると同時に明も手に入れた。

“魂を支配する”能力。鎌で攻撃した人間の魂を問答無用で刈り取り、仮死状態である“抜け殻”にする。

また、自分も魂だけの状態になることができ、他人に“憑依”することもできる。

破壊力 :A

スピード:ナシ

射程距離:B

精密動作:A

持続力 :A

 

 

オマケ

 

真司「なぁ…」

 

真司が話しかける。

 

明「なんだ?」

 

真司「貴様は姉のことを紗和ねえとか呼ぶが…なんで雨月ねぇのことだけバカ姉って呼ぶんだ…?」

 

すると、彼女の顔は今までにないほど真っ青になる。

 

真司「あ…言いたくなければ言わなくても…」

 

明「…シスコンだったんだ…雨月ねぇは…」

 

 

沈黙が降りる。

 

真司「えっと…ごめんな。」




魂の鑑定人…ジョジョ5部で、ディアボロの正体を見抜いたことで殺された占い師の息子。
占いの才能も似て良かったのだが、運命も似てしまったらしい。

“ジェラニエ”という能力の語源が何故ロシア語なのか。
それは本人しか知らない。

小説の投稿、一週間に一回でいいですか…?

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