遊戯王世界に転生したら、ラスボス達に懐かれました 作:今こそ一つに
前回は久しぶりの更新にも関わらず沢山の評価、感想ありがとうございます。伸び過ぎて驚いています。励みになります。これがe・ローリの力か・・・・・・
最近、ズァークの様子がおかしい。いや、レイとラブコメみたいな雰囲気になった辺りでボクからすれば違和感は凄かったけど、なんというか、最近はボクのことを避けている気がする。ボクが起きるよりも早く孤児院を出ていたり、ボクが食事スペースに入ったのとほぼ同じタイミングで部屋を出たり、呼び止めても「悪い、忙しいんだ」と相手にされなかったり。
一応、心当たりはあった。というのも、e・ラーがロリ化したあの日、午前中ずっと寝ていたボクをズァークが起こしに来てくれたらしいが、全く記憶にない。もしかして、わざわざ起こしに来てくれたのに全然目覚めなかったから機嫌を損ねてしまったのだろうか・・・・・・いや、ズァークに限ってそんな訳ないと思うけど。年頃の乙女じゃあるまいし。
e・ラーにその日のことを尋ねてみたが、
『知らぬ。キョウジが目を覚ます少し前まで、我はお前の多すぎる絶望に溺れて気を失っていたからな』
と返された。相変わらず役に立たない神様だな・・・・・・と思ったが、口に出すと恐らく
というか、目覚めてまずやることが幼女の姿になることで良いのかe・ラー。
今も自室で何故ズァークに避けられているのかを考えているボクの横で、幼い姿になってなお豊満な胸を押し潰してe・ローリは腕組みをしていた。
『キョウジよ。考え事ならより絶望する方へと思考を傾けよ。我の力になる』
「そう言われて絶望する訳ないだろ」
というか、真面目に考えている最中に茶々を入れないで欲しい。
『ふむ、言動も姿に合わせた方が良いのか?
キョウジおにーちゃん、e・ラーのために、たっくさん絶望して? ね?』
「キッツ・・・・・・」
『キツいとは何だキツいとは!?』
どこで学んできたのか、わざわざ上目遣いでこちらを覗き込みながらのセリフだった。世界の破壊神にそんなこと言われても寒気がするだけだ。絶望というより、拒否反応とか悪寒の方が近い。
『くっ、これでは我が恥をかいただけではないか・・・・・・!』
勝手に悔しがっている絶望神を放置し、時計を確認したボクは、外出の準備を始めた。そろそろズァークがD‐ホイールで駆ける練習を終える頃合いだろうから、迎えに行くついでに話そうと思っている。
避けられているのが勘違いだったら良いんだけど。
出かけることを伝えるべくイシュを探していると、彼女は食事部屋で書類仕事をしていた。
「イシュ、ちょっとズァークを迎えに行ってくる」
「わかったわ、行ってらっしゃい。気を付けてね」
イシュから向けられる純粋な笑みから不自然にならないように目を逸らす。彼女のことを心から信用できていない自分に、嫌悪感を覚える。目の端で、絶望の幼女が微笑んでるのが見えた。身長が下がったからか良く視界に入ってくる。・・・・・・ちょっと邪魔だな。
視線の行き場を失ったボクは、イシュの手元にある資料を落とし所にした。
「その書類、どうしたんだ? 孤児院のじゃ無いよね」
「えぇ。昔、考古学を勉強していたことがあって。その伝手で、調べ事を頼まれていたの」
そんな話、初めて聞いた。前世の記憶にもない、はずだ。古代の
「・・・・・・書類、
「もう、わかってるわよ。昔じゃないんだし、そんなことはしません」
それはどうかな? イシュは未だに整理整頓が得意じゃないし、心配になる。昔、イシュが物を紛失したときはズァークとどっちが先に見つかられるか競争したものだ。
少し感慨に耽りつつ、ズァークを迎えに行くところだったのを思い出す。いってきます、と告げて、孤児院を後にした。
「大丈夫かしら、あの二人・・・・・・」
キョウジの背中を見送って、イシュは呟いた。少し前までは夢見が悪いと言うキョウジを心配していたのだが、ここ最近はズァークの様子が変だ。小さな異変だが、立て続けに起こると不安を感じてしまう。
「何か起こる前触れじゃ無ければ良いんだけど」
そう呟きつつ、彼女は手元の資料をパラパラと
もしキョウジがその資料に添付された写真を目にしていたら、驚きのあまり三十秒は固まっていただろう。
そこに映っているのは、崩壊しながらも確かに形を残した、『天空城セイバル』──漫画版『遊戯王5D's』のラスボスである『究極神』が封印されていた場所だったのだから。
ズァークの居るサーキット場に向かったボクだが、残念ながらズァークと合流することはできなかった。どうやら、既に彼は帰路に就いたらしい。
やっぱり、避けられているのかな・・・・・・とボクが
そこには、いずれズァークを世界ごと四分割し、彼を倒すであろう少女──レイが、立っていた。
「ッ、レイ、さん・・・・・・」
「えっと、キョウジさん、ですよね? 前に少しお
話した──話したと言っていいんだろうか、アレは。正直、二人の会話の背景になってた記憶しか無い。
そんなボクの内心なんて
「最近、ズァークの様子が変で・・・・・・何か知りませんか?」
それは、むしろこっちが訊きたい。というか、いつの間に『さん』を外して呼ぶようになったんだ。
なんとも言えない不愉快さを抑えつつ、ボクは首を横に振る。
「わからない・・・・・・最近、ズァークと話せてないんだ」
「もしかして、キョウジさんもズァークに避けられてる、とかですか?」
「! ってことは、レイさんも?」
ボクが驚き混じりに聞き返すと、彼女は悲しげな表情で頷いた。意外に思う部分もあるけど、ボクの知っている限りでは二人の仲が良かったなんて話は無い。だから、こうなるのが自然、とも考えられるけど・・・・・・それにしたって、唐突
『んぅ、おいしぃ・・・・・・キョウジ、お前はその女と話すと
黙っててくれないかな思考の邪魔だから。
できるだけ幼女っぽい仕草をしようとしているのか
「やっぱり・・・・・・
最近のズァーク、なんだか焦っているみたいなんです。まるで、何かに追い立てられているみたいに」
「焦ってる、か」
現時点で、ズァークを追い立てるようなことは何もないはずだ。彼のお陰で孤児院の経営も問題ないし、デュエルだってズァークは十分強い。順風満帆、と言っていいはずだ。それが、未来に起きるであろう悲劇の序章でしか無いとしても。
(未来での悲劇・・・・・・もしかして)
「ボク達が、ズァークに期待し過ぎているから、かな」
「え?」
ボクはあることに思い当たった。『遊戯王ARC‐Ⅴ』作中のズァークは、周囲の求めるままに激しいデュエルをするようになっていった。今も同じかもしれない。ボクらが彼に過度な期待をしてしまっているから、彼を追い詰めてしまっている。前世でもよくあった話だ。
「ボク達の期待が、ズァークを追い立ててしまっているのかもしれない。ズァークは昔からデュエル強かったし、プロになることを期待されてたんだ。そして、今も期待されてる。ボク達だけじゃなく、スポンサーや観客といった、多くの人に」
「確かに・・・・・・最近、ズァーク目当てで大会を見に来るファンも増えてるし」
レイの瞳がスッと鋭くなった。顔立ちが似ているのもあって、《パラサイト・フュージョナー》に取り憑かれていた瑠璃とかセレナを思い出す・・・・・・大丈夫だよね? ドクトルこの世界に居ないよね?
「・・・・・・そうね、それが良いわ。
キョウジさん、連絡先を交換してくれませんか? ズァークのこと、私も心配ですし、何かあったときに便利だと思うんです。ね?」
「あ、うん。そうだね」
何か思いついたように独り言を零した後、有無を言わさぬ威圧感と共にデュエルディスクを取り出すレイに、ボクは気圧されつつ頷いた。この人こんなキャラだったっけ・・・・・・? 柊柚子ばりのストロングスタイルだ。あ、同じ人か。
そうしてボク達はアドレスを交換し、お互いにズァークの様子を伝え合おうということで解散となった。
・・・・・・ズァークの家での様子を知りたい、とかでは無いと思いたい。
キョウジ
ラブコメ並のすれ違い。
e・ラー
ロリ状態継続中。
赤馬
ストロング零。略してストゼロ。
最近、忙しくて遊戯王の最新情報すら追えていない状況でして、新しいカードがサッパリわかりません。八雲関連の強化でも来ない限りこの小説に影響は無いですが。
という訳で、もはや恒例ですが──感想、ください。モチベーションになります。
それと、この小説に評価を付与すると八雲もしくはe・ラー関連のカードがOCG化される確率が0.01%上がる──かもしれません。よろしくお願いします。