遊戯王世界に転生したら、ラスボス達に懐かれました   作:今こそ一つに

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お久しぶりです。お待たせしました(ほぼ一年ぶり)。

暫く忙しくて遊戯王に触れられてなかったんですが、八雲興司のカードがOCG化したと聞いて確認したらマジでした。
ありがとうKONAMI・・・・・・ありがとう・・・・・・
しかもズァークにも新規も来てるし、オッドアイ『ズ・アーク』『レイ』・ドラゴンで身悶えしました。良い・・・・・・

あ、例によって今回もR15です。そして結構短めです。


カードで死ぬなら本望・・・・・・そんなワケは無い。

 新たに現れたラスボスと思わしき存在と戦うことを決意した、翌日。

 e・ラーは気配以上のことはわからないと言うのでどう調べるか頭を抱えたが、手がかりは思ったよりも簡単に見つかった。そう、イシュの持っていた書類だ。

 

「・・・・・・・・・・・・。イシュ、その写真って」

 

「これ? 知り合いから研究を手伝ってくれって送られてきたの。なんでも、随分昔の遺跡らしくて」

 

 ボクの視線はその書類、ひいては添付された写真に釘付けになっていた。

 いくつもの柱や祭壇、特徴的な塔によって形成されている、巨大な都市。見覚えのある、竜の絵が刻まれたプレート。記憶の中にある情報と、合致してしまう。

 

『む、急に絶望が濃くなったな。ってぅっぷ!?』

 

 『天空城セイバル』──漫画版『遊戯王5D's』の最終決戦の舞台であり、究極神たる《アルティマヤ・ツィオルキン》が封印されている場所だ。確か、ライディングデュエルの大会を利用してデュエリスト達のエネルギーを集めて究極神が復活した場所でもある。どうしてそれがこの世界にあるのかはわからない、でもe・ラーの言葉通りなら、必ずラスボスである《アルティマヤ・ツィオルキン》がいるはずだ。

 部屋に戻り、扉を鍵まで閉めた後、ボクは床にへたり込んだ。足が震えて、立っていることができなかったのだ。

 

『ま、待て、絶望に沈むスピードが早っ、ぉぶ、待っ、』

 

 視界の隅で口元を抑えて(うずくま)る絶望の神様に意識を割けない程、ボクの身体は(すく)み、呼吸が荒くなる。

 あの不動遊星が、仲間との絆の力や、多くの決闘竜(デュエル・ドラゴン)の力を合わせてようやく打ち倒した存在──それを相手に、ボクはデュエルで戦わなければいけない。立ち向かわなければいけない。とてもじゃないが、勝てるとは思えないし、勝負になるかすら怪しい。

 

「──でも、やるしかない」

 

 怖い。やりたくない。なんでボクが。世界なんて滅びればいい。でも死にたくない。大切な友人や家族に死んで欲しくない。やるしか、ないんだ。

 そのために、力が必要だ。せめて、あの究極神とデュエルが成立するくらいの力が。主人公達に届かなくたっていい、百万回に一回でも、勝てる力が。けれど、ボクに取れる手段は限られている。

 

 ボクは覚悟を決めて、口から液体を(こぼ)しながら嘔吐(えず)いているe・ラーに向き合った。

 

「e・ラー」

 

『ぉぶ、な、何だ?』

 

「今からボクはもっと絶望する。だから、強いカードを生み出してくれ」

 

『な!? ちょ、貴様、我のことを何だとおもっぇぶ、おぇぇ・・・・・・』

 

 面倒くさい神様だと思ってる、とは口にしないでおいた。

 ボクはベッドに寝転がり、前世の記憶を辿る。今までずっと目を逸らしてきたボクの記憶と、対面する。

 

 カードゲームを楽しんでいる記憶(ボク)、食い入るようにアニメを見ている記憶(ボク)、漫画を何度も読み返している記憶(ボク)──そして、目が焼けそうなほどに眩しい車のフロントライト。全身に伝わる、エンジンの振動。迫ってくるトラック。

 

『ま、待て! 我は了承してな、ぇぶぅっ!?』

 

 自分の内側にどんどん沈んでいく。外界の音や感覚が、薄くなっていく。e・ラーの声も聞こえなくなってきた。そして、意識すらも手放していく。

 絶望に、身を(ひた)らせていく──

 

『ぉぶ、んぶぅ!? おぶぇぇぇ・・・・・・』

 

『はぁ、はぁ、はぅぶ!? ぉ、おぼぼぉぉぉぉ』

 

『待っ、せ、せめて休ませっ、おぶぅ!?』

 

『ぇほ、も、もう、やめ・・・・・・!』

 

 

 キョウジが自分自身の絶望に沈んでいる頃。発掘され、踏査の行われている『天空城セイバル』の中で、究極神は胎動していた。

 どこかで、疾風決闘(ライディング・デュエル)が行われている。それも、強者によるものだ。究極神はその波動を感じ取り、決闘(デュエル)によって生まれるエネルギーを、少しずつ吸収する。正式な儀式ではないため集められるエネルギーは微弱だが、復活への準備は着実に進んでいた。

 それは、ズァークも出場している大会だった。最強のシンクロモンスターを景品として謳っている、デュエル大会。究極神にとっては、都合のいいご馳走だった。

 忌々しい神官どもによって施された封印は解けかかっている。何か一つでもキッカケがあれば──そう、例えば、神官の血を引く者が神殿を訪れでもすれば。封印は緩み、究極神は復活するだろう。そして、世界を滅ぼすべく決闘者(デュエリスト)の力を奪い取るのだ。

 

 究極神(新たなるラスボス)の復活は、近い。




キョウジ
強敵との戦いに備えて、自分の過去と向き合い、新たな力を手に入れる・・・・・・うん、王道だな!(黒い粘着質な液体(まみ)れの絶望神から目を逸らしつつ)

e・ラー
強い(カード)を産んでくれと頼まれた。
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