遊戯王世界に転生したら、ラスボス達に懐かれました   作:今こそ一つに

6 / 18
まーた期間空けてしまいました。忙しい上に、ストーリーとか考えてないんでそこから考えないとなんですよね。プロット作らないからこーなる。

更新の無い間もお気に入り登録、評価、ありがとうございます。でも感想一つ消えちゃってて私は悲しい。もっと感想くれても良いのよ? モチベになるので(乞食)


周囲にラスボスが多すぎる。彼はもう終わりですね。

『時空を司る《アストログラフ・マジシャン》よ!』

 

『その深淵なる力で、我らの望みを重ね合わせよ!』

 

『今こそ、一つに!』

 

 ズァークの姿が、四体の竜と混じり合う。《アストログラフ・マジシャン》の掲げた杖から発せられる光によって、《オッドアイズ・ドラゴン》達と最悪の悪魔が重なり合う。

 

 夢──正確には、ボクがアニメで見た映像、記憶だ。しかし、このままではそれは現実となる。

 

 アニメARC‐Ⅴの世界に、ボク──キョウジが存在していたのかどうかはわからない。けれど、居ても居なくても変わらなかっただろう。彼が世界を破壊する覇王となることは。

 だって、ボクも記憶が混ざるまでは、彼に期待を寄せる観客の一人だったのだから。彼の運命が歪むキッカケであるデュエルでの事故、もしそれが起こったとしても、以前のボクなら彼を応援し続けただろう。事故なのだから仕方ないと、観客は喜んでいたと。

 

 目覚めかけた脳でそう思考しながら──瞼を開けた。

 

「・・・・・・また悪夢か」

 

 身体を起こして視線を横に向けると、案の定黒くてドロッとした液体(ボクの絶望らしきモノ)を吐き出しながら嘔吐いているe・ラーがいた。

 

『ぉあ、おぶぇ・・・・・・』

 

 聞きたくもない吐瀉音から意識を逸らす意味も込めて窓へ目を向けると、そこにはカーテン越しに光の無い空があった。どうやら、まだ時間的には深夜らしい。寝直そうにも、悪夢のことを考えると気が引ける。親友が人間から悪魔に変貌する姿を何度も見るのは、心底苦痛だった。

 

『お前、また絶望をぉおぇ』

 

 『も、やめ・・・・・・』と息も絶え絶えな様子の絶望の神様に頭を痛めつつ、無理矢理別のことへと思考を曲げる。どうにも、夜はネガティブな考えばかり働いてしまう。

 

「とは言え、何を考えるにしてもな・・・・・・」

 

 孤児院は娯楽が少ないこともあって、思考のタネになるような事柄が少ない。デュエルのことか、子供達のことか。前世について考えるのは、死ぬ瞬間を思い出してしまうから避けるようにしている。

 

「キョウジ? 眠れないの?」

 

 ガチャ、と扉が開き、女性らしく、落ち着いた声がボクを呼んだ。どうやら、呟きが聞こえてしまったらしい。ボクはなるべくe・ラー(吐瀉中の神様)を視界に入れないようにしながら、振り返った。

 

「ごめん、どうにも夢見が悪くって・・・・・・もう寝るよ、イシュ」

 

「そう? 困ったことがあるならお姉ちゃんに相談してよね」

 

 そう言ってこちらに心配の目を向けるのは、ゆったりとした寝間着姿の、褐色肌で長髪の女性──漫画版遊戯王5D'sに登場する決闘巫女(デュエル・シスター)、イシュ・キック・ゴドウィンだ。

 彼女はおやすみ、と軽く手を振って、自身も部屋に戻っていった。その背中を見送ってから、ボクは頭を抱えてその場にしゃがみ込む。

 

「確かにデュエル・()()()()って言われてたけどさ・・・・・・なんであの人まで居るんだ、この孤児院」

 

 前世であっても、イシュ・キック・ゴドウィンを知っている、または覚えているデュエリストは少ないだろう。漫画5D'sにおけるルドガー・ゴドウィンとレクス・ゴドウィンの育ての親で、名付け親でもある彼女は、作中の5000年前に儀式で生け贄になり、最終的に究極神(アルティマヤ・ツィオルキン)に取り憑かれてレクス・ゴドウィンと相打ちした存在だ。少ししか登場しない上、あまり深掘りもされていないキャラクターでもある。

 要は、ラスボスの依り代になった存在だ。最悪過ぎる。この世界に究極神(アルティマヤ・ツィオルキン)決闘竜(デュエルドラゴン)があるのかどうかはわからないが、e・ラーの存在からしてどこかに封印されていてもおかしくはない。

 それだけでなく、彼女が居るということは、間接的にルドガー、レクス兄弟の存在も有り得るということになる。アニメ版でも漫画版でもラスボスや強敵として描かれた二人だ、想像するだけでも嫌になる。

 

「どうしてこうもラスボスばっかり居るんだ、ボクの周り・・・・・・」

 

 前世で大罪を犯した記憶は無いなのに。他者から見てどう映るかはわからないが、かなり真っ当に生きていたはずだ。なのに、どうして・・・・・・

 

『ぉ、おいお前、我を無視するな。もう入らな、ぉぅえぁ』

 

 視界の端でまだe・ラーが絶望を吐いている。少し距離を取りつつ顔を顰めていると、黒い水たまりがズズズと縮んでいき、一枚のカードを形作った。

 

「か、カードになった・・・・・・?」

 

『はぁ、はぁ・・・・・・ふ、フン。どうやら取り込みきれぬ絶望が我の力と合わさり、新たなカードとなったようだな。想定外のことだが、我の苦しみは無駄ではなかったらしい』

 

「今更偉ぶってもお前に威厳とか無いぞ・・・・・・?」

 

 手にしてみろとe・ラーが示すので、嫌々ながらカードを拾った。黒い枠の中に描かれているのは、黒い鎧に身を包んだ、剣と翼を持つ戦士のカード。

 

「《絶望皇ホープレス》!? 何故ここに!? 自力で脱出を!?」

 

『フフフ、お前の知っているカードということは、我の《希望皇ホープ》への憎しみとお前の記憶が混ざったのだろう』

 

 『No.(ナンバーズ)』の名前と右肩にあった数字こそ失っているものの、確かにボクの知るホープレスのカードだった。良き力だ、とか言うべきなんだろうか。後半の効果はNo.の居ないこの世界では使いようのない効果だが、モンスターを守備表示にする能力はボクのデッキともシナジーがある。が、ここで問題が発生する。

 

「どうやって説明すればいいんだろう、このカード・・・・・・」

 

 アニメや漫画では、登場人物がいつの間にか新しいカードを手にしていることがある。周囲が疑問に思うことはほとんど無いのだが、ボクがそれをやって疑われない確証はない。特に孤児院という場所で見知らぬカードを持っているとなると、盗難を疑われかねない。普段のデュエルでは使えないだろう。

 

『どうした? もっと喜んでもいいのだぞ? ん?』

 

「いや、嬉しいけどもさ」

 

 このカードが生まれてしまったということは、e・ラーが九十九遊馬の居る世界に再び侵略しに行った時に脅威になってしまうのではないだろうか。そう思うと、彼らに申し訳なくなってしまう。

 それに、カードを創造できたってことは、e・ラーの力が増えているということだ。吐瀉の神ge・ローとか呼んでいる場合ではなさそうだ。

 

『ふむ、不服か? ならばもっと絶望するがいい。また腹を痛めることになるだろうが、新しいカードを生めるかもしれぬ』

 

「その言い方は止めろ。マジで」

 

 途端に《絶望皇ホープレス》のカードが気持ち悪いモノに思えてくる。いや、吐いたモノから生まれたので元から快く思って無いんだけれど。

 

『クッ、しかし自らの力で生み出すことは出来ぬか・・・・・・。

 キョウジ、もっとお前の絶望を我に注ぐのだ、さぁ早く・・・・・・何故ため息をつく? おい待て、無視をするな、寝ようとするな』

 

 どこまでもアレな発言をするe・ローに呆れつつ、ボクは布団に入った。

 

 

 《絶望皇ホープレス》のカードがこの世界に生まれた、翌日。最近朝起きるのが遅い親友を心配しつつ、ズァークは談話室に居た。床にカードを置いてデュエルをする子供達をぼんやりと眺めながら、両手を頭の後ろで組む。

 最近、ズァークは孤児院で過ごす時間が少なくなっていた。プロデュエリストとしてすべきことは公式のデュエルだけでなく、プログラム相手のデュエル特訓や詰めデュエル、自身のプロモーション活動など、多岐にわたる。プロとして活動を始めたばかりだからとそちらに精を出していたが、そのせいでキョウジと会話する機会は減ってしまっているのだ。

 

「どうしたものかな」

 

 彼にとって、プロデュエリストという職業は天職だった。デュエルは楽しいし、練習した分だけ強くなっている実感がある。それに、自身が活躍するだけ孤児院への収入は増え、それがキョウジのためにもなると思っている。だが、親友が最近暗い顔をしがちなのを、付き合いの長いズァークは察していた。

 

「ズァーク、どうしたの? そんなにボーっとして」

 

「イシュ。・・・・・・最近、どうにもキョウジの様子がおかしいんだ」

 

 休憩しに来たらしいイシュにも思うところがあるのか、「そうね・・・・・・」と頷いた。

 

「昨日も夜遅くに起きていたわ。夢見が悪い、って言っていたけど」

 

「オレも少し前にそう聞いた。けど、改善されて無いのか・・・・・・」

 

 どうしたものかと腕を組んでうんうん唸るズァーク。彼や彼女の存在そのものが原因なのだが、それを察しろというのは無理な話だろう。

 同じく顎に手を当てて考えていたイシュだが、何か思いついたのか手をポンと叩く。

 

「そうだ! 悪い夢を見るなら、また三人で川の字で寝ましょう! それなら安心できるでしょ?」

 

「いや、イシュ。それは流石にどうかと思う」

 

 ズァークもキョウジも、共に思春期と呼ばれる年齢である。イシュは外面(そとづら)は完璧なのだが、掃除も料理もできない、そしてどこか抜けている女性だった。

 

 そのまま暫く頭を捻る二人だったが、最後まで良いアイデアは出ず、結局「キョウジとの会話を増やそう」「一人にしないようにしよう」という結論に落ち着くのだった。

 それが逆効果であり、やたら親身にされたキョウジが何事かと内心で怯えることになることを、二人は知らない。




キョウジ
やったねキョウジ、カードが増えたよ!(なお)
ちなみに、彼の使うカードはレベルがバラバラなのでランク4であるホープレスは出しづらい。

e・ラー
吐いたらカードできた。何を言っているのかわからねーと思うが(ry
力は確実に強まっているが、尊厳とかプライドとか色んなものを失っている。

イシュ・キック・ゴドウィン
漫画版5D'sのキャラ。他人には敬語で接するが、身内には砕けた口調で話す。ゴドウィン兄弟を拾ったりしていたのでこの世界では孤児院の職員になった。
希少な褐色キャラだが、カラーイラストがないため髪の色がわからない。
料理も片付けもできない、というのは公式設定だったりする。


もうバレてる気がするけど作者は漫画オリジナルで登場する女性キャラクターがかなり好きです。瑠那(るな)とかレジーとか超好き。コロンも好き。《EM(エンタメイト)マー☆メイド》のOCG化待ってます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。