ウルトラ列伝~音の章~   作:アテル

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あけおめ(2回目)なウルトラやべーやつです。

こっちとあっち(新作)は交互にやっていくつもりでござんす

英検終わったんで頑張りますん

フユニャン様、岳瑠様、お気に入り登録ありがとうございます

隙自語、スパークレンス25買いました。残念ながら中古ですが


12話『戦う意味は』

『ゴトッ』

音を出して落ちたスパークレンスを見つめながら光輝は膝から地面に崩れ落ちた。震えが止まらず、両手で体を包み込む。それでも震えは止まらない。震えながらも恐る恐る上を見るとそこにはこちらも見つめるシルバゴンの姿があった。

「うわあああああああああ!」

光輝には、ただ叫ぶしか出来なかった。

そんな光輝に対し、シルバゴンはその身を食そうと首を伸ばすが・・・

「光輝危ない!」

間一髪紗夜により助けられた。

紗夜に手を引かれ、何とかシルバゴンの口から逃れる。しかしシルバゴンがそう簡単に諦める訳も無くもう一度2人を食べようと口を伸ばす。

「光輝!逃げるわよ!」

紗夜の一言でハッと気づく。

「・・・うん。そうだね。逃げよう」

そして2人は森の奥へと逃げ出した。シルバゴンもそれに続き2人を追い回す。シルバゴンが口から火球を吐き、2人の近くで爆発が起こる。その度に木々が倒れ、地が揺れた。時にはすぐ横で、時には目の前で起きるそれをかいくぐりながら2人は走り続けた。だがそれも長くは続かなかった。ついにその火球が2人の真後ろに着弾し、爆炎を上げる。2人はそれに巻き込まれ大きく吹き飛ばされた。運悪くその先は軽い坂になっており、2人とも坂を転げ落ちてしまった。そして2人の意識は闇に沈んでいった。

 

一方のシルバゴンは先日のティガとの戦いで目を負傷し、動くものしか捉えることしか出来なくなってしまった。坂を転げ落ちる2人は見えていたが、その後気絶した2人を確認できなくなったシルバゴンは、そのまま森の奥へと代わりの食料を求め消えていった。

 

「ううう・・・」

シルバゴンが消えてから小一時間程した頃、坂の下で気絶していた光輝が目を覚ます。うめき声を上げながらも起き上がり周囲を確認する。すると自分の近くで紗夜が倒れているのを確認する。

「紗夜!」

慌てて駆け寄り状態を確認する。抱き寄せて顔を確認するとわずかながら呼吸が確認できた。そして他の箇所も確認すると右腕に大きな傷が見つかった。もう血は止まっていたが一応ということで、光輝は自分の服を破り、その布で紗夜の傷口の砂や石ころを取り払う。作業中に何度も左肩が痛んだが決して作業の手は緩めなかった。

 

「(俺が・・・俺があの時戦えていたら・・・紗夜は怪我しなかったのか?)」

一通り作業を終え、紗夜を楽な体勢にさせた後、光輝は悩んでいた。怪獣に怯え、何人、何十、いや何百人もの救えず、ましてや1番守りたかった大切な人ですら守り抜けなかった自分はウルトラマンとして相応しいのか。

光輝の脳裏にあるものが浮かんだ。過去に2度、自分を助けに来てくれたあの黒と白の巨人だ。光輝は彼が羨ましく思えた。迷いなく戦うその姿勢は、まさに『ヒーロー』そのものだった。一方自分はどうだろうか。ただ偶然手にした力で、何とかなるだろうという思いで戦っていた、身内に手を出された怒りで戦っていた。・・・ヒーローになりきっていた。そうではないのか。光輝にはもう、光が見えなかった。

「うう・・・。ここは・・・?」

その時、ようやく紗夜が目を覚ました。

「ああ、紗夜。おはよう」

先程までの悩んだ表情を隠し、紗夜に笑顔を向ける。

「・・・っ」

紗夜が立ち上がろうとすると、右手に痛みを覚える。痛みがした方を見ると傷があった。だがその傷口はやけに綺麗だったため紗夜は不思議に思う。

「ああ、それ俺が軽く拭いといた。ホントはもうちょっとちゃんとやりたかったけど水がないもんでね」

「それだけでも十分よ。ありがとう。光輝こそ、肩は大丈夫なの?」

「まだ痛むことはあるかな~。それでも大分楽になったよ。さ、紗夜。立てる?」

光輝が紗夜に手を差し出す。

「そんなことしなくたって大丈夫わよ。でも、ありがとね」

口ではいらないといいつつも光輝の手を取って立ち上がる紗夜だった。

立ち上がった2人はキャンプ地へ帰るために現在地を確認しようとする。木々に遮られながらも歩きながら探していると2人はあるものを見つけた。

「・・・紗夜、あれ」

「ええ・・・。まさか・・・」

2人の視線の先には、橙色に染まった太陽と共に7色に輝く虹があった。特に雨が降ったわけではない。その虹の存在はすぐに推測が付いた。元の場所に帰れる。その結論に至った。そう、ここ数日現れていた不可解な虹はシルバゴンの生息する次元が光輝たちがいた次元と繋がった時に生じた時空のゆがみなのだ。

「紗夜、先に行ってて。俺、荷物取ってくるから」

「それなら私も行くわ」

「いや、それは危ないんだ・・・」

光輝は虹を確認すると共にもう1つも発見してしまった。

『グシャアア』

シルバゴンが、来る。

 

紗夜は森の中を1人で駆け抜けていた。極力シルバゴンに見つからないよう木々に張り付くようにしながら走る。走る中、紗夜は光輝のことを思った。

「(光輝は・・・どうしていつも他人のために頑張るのよ。どうしていつも自分を大切にしないのよ!)」

人が泣いていたらその人を笑顔も取り戻すために奮闘する。時に無茶をし、怪我を作ることもあった。木に登って降りれない猫を助けるために木に登り、着地に失敗して足を捻挫、今となっては懐かしい子供のころの記憶。紗夜が覚えている限りでは初めての光輝の無茶だった。それがいつしか自分や、友人たちを守るために背中を血だらけにするほどの傷を負ったり、見ず知らずの人のために怪獣を恐れず走り出したり。そして今度は自分のために怪獣をおびき寄せると言い出した。

「(私は・・・私は・・・あなたが大切なのに・・・)」

紗夜の眼に涙が溜まる。

「光輝は・・・私の大切な・・・大切な・・・」

言葉が詰まる。紗夜にとって光輝は大切な幼馴染、それは間違いがなかった。だが紗夜の中にそれとは別の意味がある。紗夜は言いながらそれを感じ取る。それが何なのかは分からない。今の紗夜にはただ光輝が大切。それだけしか分からなかった。

 

「紗夜・・・無事でいてくれよ!」

光輝も森を走り抜ける。時折後方を確認しシルバゴンをおびき寄せているか確認する。しっかりついてきているのを確認し、また速度を上げる。そろそろキャンプ地が近くなってきたため一旦森を使ってシルバゴンを撒く。木に張り付くように動きシルバゴンを惑わしつつようやくキャンプ地にたどり着いた。光輝はすぐさま荷物を纏め、バイクを走らせようとする。

だが、まとめている最中、野原にスパークレンスを見つける。あの時光輝が落とした状態で放置してきたのだ。光輝はスパークレンスを拾い上げ、懐にしまい、バイクに跨る。

『グシャアア』

シルバゴンが近づいてきたのを感じると、バイクは走りだした。

 

「はあ・・・はあ・・・」

紗夜は肩で呼吸をしながら虹の前に辿り着いた。だが未だ後ろの方から怪獣が暴れている音がする。

「?」

先程遠くから見たときわずかに薄くなっているそれに対し、紗夜は疑問を覚えた。

「(まさか・・・もう消えかかっているというの・・・?光輝、急いで)」

その時、紗夜は後方から暖かな光を感じた。

「ティガ!来てくれたんですね」

振り返り見つけたティガに対し、紗夜は安堵を覚える。

「・・・ティガ、光輝のことを・・・。お願いします」

ティガに想いを託し、紗夜は虹の奥へと消えていった。

 

バイクで森を走り抜ける最中、光輝は考えていた。

「(戦いのは・・・正直怖い。傷つくのは・・・痛いし怖い。じゃあ今まで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?)」

光輝は必死に記憶を辿った。そして思いだした。

遠い昔、泣いている女の子を笑顔にした。たったそれだけの事。

「(そうだ。俺が人助けしてきたのは、誰かの涙を見たくないからだ。誰も悲しんでほしくないから、頑張ってきたんだ)」

誰だったか、いつだったか、どんなことをしたのか。もう忘れてしまった。だが光輝の心にはその時に持った思いが強く残り、光輝の優しさの源になっていた。

「(もう誰も悲しませない)」

脳裏に浮かぶ昨日の出来事。シルバゴンが鉄塊を咥えていた時の悔しさと怒り。

「(もう、誰も失わせない)」

「(みんなに・・・笑って生きていて欲しい・・・)」

「(例え戦うのが怖くたって・・・誰かが死ぬ方が怖い)」

紗夜が、光輝の眼に映った気がした。

「(紗夜も・・・みんなも・・・絶対に守る!)」

バイクの速度を上げる。みるみるうちにシルバゴンとの距離が離れる。そして数百メートル離れたところでバイクを降り、懐からスパークレンスを出す。

「それが俺の戦う理由・・・それが俺の・・・勇気だ!」

スパークレンスを前へ突き出す。そして両手で別々の軌道で輪を描く。そしてスパークレンスを天に掲げウイングを開き光輝をティガに変える。

 

右腕を突き上げながら巨大化したティガを前にし、シルバゴンは驚く。だが巨大化したティガの左肩からは、前回の戦闘同様、光の血が漏れ出ていた。夕日が輝き、少し近くには短いが虹もかかっている。そんな不思議で幻想的な風景の中、死闘が再び幕を開けた。

『ハッ』

まずはティガがシルバゴンに、右腕に光のエネルギーを貯めてパンチを放つ。輝く拳を受けたシルバゴンは後ろに下がり、ティガを見据える。一方のティガはシルバゴンを殴り飛ばした後すぐに腕を額の前でクロスさせ、全身のエネルギーを集中させる。

「(戦え・・・守り抜け・・・俺が信じた勇気を持って!)」

腕を広げるのと同時に、貯めていたエネルギーを全身にかけ巡らせる。

ティガの体は赤く変色し、怪力の戦士、ウルトラマンティガ パワータイプへと変化を遂げたのだった。

『ピコンピコン』

既に負傷していることに加え、タイプチェンジにさらにエネルギーを使ったことでティガのエネルギー残量が少なくなってゆく。だがティガは動ずることもなくシルバゴンに電撃をまとわせたパンチを叩き込んだ。シルバゴンは火花を散らし、その硬い皮膚に亀裂を作りながら後ろに下がる。そこにティガは電撃をまとわせたキックの追撃を与える。もろに食らったシルバゴンは倒れるがよろめきながらすぐに立ち上がる。

『ガアアアア』

ティガはシルバゴンが倒れている隙に必殺技の準備に移行した。両手を広げそれを大きな輪を描くように動かしつつ全身にエネルギーを取り込み、集めたエネルギーを胸の前で光の球体としそれを両手で包み込む。

『ハッ』

そして貯めたエネルギーを右手に集約し、右手を突き出して光の流れとして貯めたエネルギーを発射する・・・

 

デラシウム光流!

 

デラシウム光流をその胸に直接受けたシルバゴンは木っ端微塵に爆発した。それを見届けたティガはその体を光に変え、もとの光輝の姿になった。

ティガから戻った光輝はすぐにバイクを走らせる。不慣れなでこぼこしている道を慎重に進んでいく。

「!?虹が・・・短くなっている!?」

紗夜と別れた時は麓がなんとなく見えていたはずが、今ではアーチの上の部分しか見えなくなっていた。しかもさらに短くなるのが見てよく分かったのだ。光輝は慌ててバイクのスピードを上げる。石を巻き上げ、時々ぐらつきながらも進んでゆく。

「くっ」

それでも世界は残酷だった。虹は止まることを知らず。どんどん短くなってゆく。

「間に合えええ!」

だが光輝も決して諦めなかった。ひるむことなく加速を続ける。ようやく目的地が見えた時には、虹はもう消えたも同然だった。それでも、それでも彼は諦めない。間に合うことを信じて進み続けた。

 

あと10m・・・

肌で感じる、この先に元の場所が待っていると。

 

あと8m・・・

今はただ、己を信じ、走ることしか出来ない。

 

あと5m・・・

もう今虹がどれ程の長さなのか、全く分からない。

 

あと2m・・・

やれることはすべてやった。

 

あと1m・・・

全てが決まる、運命の時。

 

あと0m・・・

光輝の瞳に映ったのは、鬱蒼と茂る木々ではなく家が立ち並ぶ住宅街にいた。

 

「帰って・・・これたんだ・・・」

喜びを噛みしめるように言う光輝の下に、紗夜が近づいてくる。

「光輝・・・」

光輝はバイクを降り、紗夜の手を取る。

「今日は・・・こうして帰ろ?」

「ええ///」

光輝は夜の闇の中で紗夜という光をその肌で感じていた。




FWFのコンテストに向けて、順調に練習を重ねるRoselia

そんなRosaliaにフェスの後という未来に悩む

次回『暗闇の中』

お楽しみに!

ハルキの~ウルトラナビ!的なのは必要か

  • オリジナル要素だけでいいで!
  • 単純な解説がええで!
  • 既存の設定も解説してもええで!
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