ウルトラ列伝~音の章~   作:アテル

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最近10年前のオーズドライバーを引っ張り出してきたウルトラやべーやつです。

10月に英検と中間テスト、11月に期末テストあるので投稿頻度落ちます、許して

らったた様、お気に入り登録ありがとうございます


5話『炎魔戦士』

『ゴオオオ』

地中から出てきたガクマが雄たけびを上げる。その咆哮はすさまじく、離れているはずの光輝にまでその衝撃が伝わってきた。そして地上に出てきたガクマは口から怪光線を出した。その光線を浴びた場所が石になったことが遠目でも確認できた。その様子を眺めていた光輝はハッと気づき、周りに人がいないことを確認してから、懐からスパークレンスを取り出す。そしてスパークレンスを天高く掲げウイングを開く。神々しい音と共に光輝の体は光に変わっていく・・・。

 

ガクマが現れた都市部は騒然としていた。ガクマの怪光線の能力を知ると体が震えあがり、その岩を食す様を見て、悲鳴が上がった。逃げ惑う人々は我先に避難所に殺到する。その中には先程生徒会の仕事を終え、下校途中の紗夜の姿もあった。

「(光輝・・・今どこにいるの?お願い・・・出て)」

紗夜は自分の携帯で光輝に電話を掛けていた。だが何度も掛けても流れてくるのは永遠と思えるほどのコール音と、反応がないことを表す機会音声しかない。彼女の家族の安否を確認することも忘れ、彼女はただ光輝に電話を掛けることしか出来なかった。

 

街を石化させ食べるガクマの前に突如、光と共に巨人が現れた。銀色の体に赤と紫のライン・・・ウルトラマンティガである。ティガはガクマを前にして左手を伸ばし、右手に拳を作り、構えた。ガクマは現れた敵に対して雄たけびを上げ戦う構えを取る。

『チャッ』

『ゴオオア』

今、戦いの火蓋は切って落とされた。まずティガが間合いを詰めガクマに鋭い蹴りを入れる。よろめいたガクマにさらに回し蹴りを叩き込む。さらに起き上がった顎を掴み腹部にも膝蹴りを入れる。鮮やかな連撃を喰らいガクマは大きなダメージを喰らうがそれを諸共せず反撃をする。ガクマはその巨体を活かしティガにのしかかる。上に乗っているガクマをどかそうとパンチやチョップをするがガクマはびくともせず、さらに角から雷撃を発射する。

『グワアア』

ティガの悲鳴が辺りに響く。だがティガもやられているばかりではない。ガクマの角を掴み、その手に雷撃を受けながら角ごとガクマを持ち上げる。そして腹部に膝蹴りを入れガクマがひるんだその隙に脱出をする。そして再び体制を立て直し今度はガクマの背中に馬乗りし、再び攻撃を仕掛ける。だがガクマは背中からも雷撃を放ちティガを背中から引きはがす。雷撃を受けたティガはすぐにガクマから距離を取り再び構え直す。またしてもにらみ合うティガとガクマだったが今度はガクマが仕掛けた。ガクマは口から石化光線を放つ、がティガは高く跳躍しそれを躱す。そしてそのまま空中で一捻りしガクマの頭部に飛び蹴りを入れる。さらに顎にアッパーをかけその体を起こし巴投げをする。その衝撃で、道路に駐車されていた自動車たちは跳ね上がり、大破した。幸い近くに人がいなかったため死者は出なかったがもしこの時近くに人がいたと思うと恐ろしい。それほどまでに彼らの戦闘は壮大なものなのである。一方投げ飛ばされよろめくガクマにティガはとどめを刺そうと必殺の構えを取る。両手を前に突き出しそれをエネルギーを貯めながら開く。

『ガアアア』

 

が、その時・・・

 

ティガの背中に衝撃が走った。あまりに咄嗟のことで受け身を取れず、ビルを巻き込みながら大きく吹っ飛ぶティガだったがすぐに起き上がり衝撃が来た方向を確認するとそこにはメルバがいた。

『キャアアアオ』

咆哮を上げるメルバに対し、ティガは構えを取るがまたしても背中から衝撃を受ける。そこには先程とどめを刺そうとしていたガクマがいた。2体の怪獣を前にして、ティガはピンチに陥っていた。再びガクマが雷撃を放つ。ティガはそれをよけるがよけた先でメルバのメルバニックレイの直撃を受けさらにダメージを負ってしまう。間髪入れずガクマが自慢の爪でティガの体を切り裂く。ティガはあえて大きく飛びのき距離を取るがメルバはそれを許さない。飛翔してその大きな足でティガに真正面から飛び込んでいく。ティガは受け止めきれず吹き飛ばされる。

『ピコンピコンピコン』

倒れたティガは苦しそうにもがく。さらに胸のカラータイマーも赤く点滅しだした。このカラータイマーはティガが戦える残りの体力を示す。赤く点滅しだしたということは残り体力がわずかだということだ。

体中の力を振り絞りティガは再び立ち上がる。その先には、並んでティガの首を狩ろうと待ち構える2体の怪獣、メルバとガクマがいた。ティガと怪獣たちはにらみ合い辺りにはカラータイマーの点滅音のみが響いていた。一瞬とも、永遠とも思える間にらみ合っていた両者が再び激しい攻防が繰り広げられようとしたその時、ティガと怪獣たちの間に1本の大きな炎の柱が上がった。数秒間に渡って吹き上がっていたそれが消え、その中には・・・

 

巨人がいた。

 

黒をベースにに所々白いものが巻き付いているその体はごつごつしており、筋肉質な印象を持つ。胸には白く光る心臓のようなものがあり、またその顔は哀しそうな顔をしており、涙を流しているようともとれるような表情をしていた。手足は鋭く、特に手先には長い爪が生えていた。後ろ姿だけでも悪魔のようにも思えるその姿を見て、ティガはさらに警戒を強める。だが現れたその巨人はチラとティガの方へ振りむき、再び怪獣を見据えた。そしてガクマの方へ走り出した。ガクマの頭部へかかと落としをしひるんだガクマをメルバとティガの方から離す。ティガは不思議に思いつつもせっかく作ってもらったチャンスを見逃すまいとメルバにかかっていった。メルバニックレイを払いのながらメルバへ走る。そしてメルバにチョップを叩き込みローキック、さらにメルバを一本背負いで投げ飛ばす。身の危険を感じたメルバは前回と同じように飛翔して逃亡をしようとする。それを見たティガは顎を引き、瞑想していた。

「(今のままじゃあいつには追いつけない。もっともっと速く、誰よりも・・・)」

空を自在に駆け回る己の姿を想像する。風を切り裂き、誰よりも速く飛ぶ自分を。その時、ティガの額のクリスタルが紫に光る。

『ンンン・・・ハッ』

そしてティガほ己の両手を額の前でクロスさせ、エネルギーを一点に集中させる。そして腕を勢いよく開き貯めたエネルギーを体中に行き渡らせる。全身に渡ったエネルギーはティガの体色の赤い部分を紫にした。空を駆ける紫の戦士、ウルトラマンティガ スカイタイプの誕生である。スカイタイプとなったティガは空中にいるメルバめがけて飛び上がり、圧倒的な速度を見せつけメルバに追いつき鋭い蹴りを入れ地面に叩き落した。土煙と地響きを出しメルバは墜落した。ティガも地面に着地しとどめを刺そうと必殺技を構える。両手を開き、エネルギーを貯めながらアーチを描く。その手がてっぺんで重なった時両手を合わせて左腰に持っていく。そして貯めたエネルギーを右手に集中させ手先から光弾として発射する・・・

 

ランバルト光弾!

 

放たれた光弾に胸を貫かれたメルバは大爆発を起こし絶命する。

一方の謎の巨人とガクマの戦闘も決着がついたようだ。巨人が炎をまとった飛び蹴りをガクマに入れた。タフだったガクマだったがいよいよ耐え切れずその体を石に変え絶命する。

戦闘を終えた2体の巨人は向き合う。夕日に照らされながら、一言も会話することはなかったがそこには互いを信用しているような雰囲気があった。そして謎の巨人はその身を炎に包み姿を消した。それを見届けたティガも天高くへと飛び去って行った。

 

『♪~~~~~~』

ティガから人の姿へ戻った光輝は自分のスマホが鳴っていることに気が付いた。確認してみると紗夜からの着信だった。慌てて出ると紗夜は泣いていたのか少しぐずった声だった。

「もしもし紗夜?」

『光輝!?無事なのね?ほんとに光輝よね?』

「無事だよ。今どこにいるの?」

『避難所にいるけど・・・。光輝はどこにいるのよ?』

紗夜はやっと光輝と連絡が取れ声色が落ち着いてきた。

「ん?今帰り道だけど・・・。紗夜、迎えに行く。ちょっと待ってて」

『ええ。待っているわね』

「りょーかい」

『早く来・・・』ピッ

「ん?今なんて?」

紗夜の最後の言葉を聞かずに電話を切ったことを後悔しながらも紗夜のいる避難所に向けて体を動かした。まだ戦いの影響で体は痛むしお腹はすくしで正直しんどいが今はそんなことは言ってられない。体に鞭をうち歩きだす。

「今日はラーメンかな~。あれ?袋麺ってあったっけ?」

移動中に他の人の安否を確認しようと電話アプリを開くとそこにはおよそ3分間に渡って紗夜からの着信が来ていた。その量に驚きつつも、ティガになる前に着信がかかってきた覚えがないため、自分がティガになれるのはだいたい3分間何だろうと悟った。

その後、家族やRoseliaのみんなの安否を確認しながら避難所である公園に到着した光輝は紗夜を探していた。一人ずつ確認しながら探すこと数分、紗夜はみんなとはぐれた場所で一人ブランコにいた。

「紗夜!」

「!光輝・・・」

光輝が呼びかけると紗夜は安堵の顔を浮かべ光輝の下へ走ってきた。

「お待たせ」

「もう、遅いじゃない」

「ごめんって」

「それじゃ、帰るわよ」

「ん」

「でもその前に、光輝、あなた私の電話に出るまで何してたのよ」

紗夜が痛いところを突いてくる。

「ええっと・・・それは・・・あの・・・その・・・」

「何?」

「逃げ遅れた人を助けてた・・・かな?」

しどろもどろになりながらも嘘をつく。

「かなって何よ・・・。まあいいわ。無事で何より」

何とかごまかしきれたようだ。

「じゃあ改めて、帰るか!」

満面の笑顔で紗夜に言った。

「そうね」

それに合わせ紗夜も優しく笑いながら答えた。

二人はゆっくりと家に帰っていった。半分隠れ、橙色に染まったお天道様に照らされ、他愛もない会話をしながら、笑顔を絶やさず。そして家まであと少しという時に光輝が一言呟いた。

 

「あ、晩飯の食材がない」

 

そのあと2人は慌ててスーパーに買い物に行ったのだった。




パスパレのロケで豆腐を食レポすることになった日菜

果たして日菜は豆腐を攻略できるのか

次回、『豆腐を超えて』

お楽しみに!

ハルキの~ウルトラナビ!的なのは必要か

  • オリジナル要素だけでいいで!
  • 単純な解説がええで!
  • 既存の設定も解説してもええで!

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