ダンジョンにバゲ子がいるのは間違っているだろうか? 作:猪のような
なんでもいいですけど、FGOもアークナイツもイベントやって最近忙しいですね。ケルシー先生ほちいぃ…ゼノビアも欲しい…
最近どのゲームも魅力的なキャラばっかりだと思うんですね、私に優しくないです。それではどうぞ!
ヴェルフとアルトリアがパーティーに入っての初めてのダンジョン探索。
ベル達は11階層に来ていた。
「やって来たぜ11階層ー!」
「全く、ヴェルフは初めて11階層に来たからってはしゃぎ過ぎです…」
はしゃいでいるヴェルフを見てアルトリアがやれやれといった感じでそう言う。
「悪いなベル、昨日の今日でこんな無茶を聞いてもらって!」
「あ、それは私からも感謝させてください」
「あ、いえ。ヴェルフさんとアルトリアさんが鍛治のアビリティを手に入れる為だって言うなら、契約した僕も無関係じゃないですし」
ベルは笑ってそう言うが、後ろに居たリリルカの表情は良いものでは無かった。
「それはこの人達はそれで万々歳でしょうけど…だったらご自分のファミリアの方と探索すれば良いのではないですか?」
リリルカがそう言うと、ヴェルフとアルトリアはむっとした表情を見せる。
「あ、だ、だからさリリ。ヴェルフさん達はファミリア内でその…」
「仲間外れなんですよね。ベル様ったらそんな話に絆されて、オマケに新しい防具で買収されて…!どうして一言相談してくださらないのですか!?」
「ご、ごめん…」
「それに…!」
リリルカはアルトリアに視線を向けると、アルトリアは首を傾げた。
(パーティーに新しい女性が入って来たなんて、ヘスティア様が知ったらどうなるか…!)
リリルカがアルトリアがベルに変な感情を抱いたら…!と警戒していると、ヴェルフが前に出てリリルカに言う。
「そんなに俺達が邪魔か、チビ助?」
「チビではありません!リリには、リリルカ・アーデという名前があります!」
「おぉ!じゃあよろしくな、リリスケ!」
「もういいです!」
「でもさリリ。僕、気に入ってるんだ、このヴェルフ・クロッゾさんの作る防具が、だから━━」
「クロッゾ!?今、クロッゾと言いましたか!?」
「う、うん…」
「あの呪われた魔剣鍛治師の!?没落した鍛治貴族の!?」
「何、それ…」
「知らないんですかベル様!?」
リリルカはヴェルフを見ながらベルに説明する。
「かつて強力な魔剣を打つ事で名を揚げた鍛治一族、それがクロッゾです。ですが、ある日を境にその能力を失い、今では完全に没落したと…」
「ああ、ただの落ちぶれ貴族の名だ。今はそんな事どうでもいいだろ?」
「でも…」
リリルカが「でも…」と言ったところで、モンスター達がベル達の周囲に湧き始める。
「どの道こんな話してる場合じゃねぇな…よし!オークは俺に任せろ、アイツなら俺の腕でも当てられる…!」
「では、リリも微力ながら援護します」
ヴェルフが大剣を抜き、オークを見据えながらそう言うと、リリも腕に装着したボウガンを構えてそう言う。
「おっ、俺が気に食わないんじゃなかったのか、リリスケ?」
「む、嫌ってるに決まっています。ただ、ベル様のお邪魔になりたく無いだけです」
「では、私とベルさんでインプをやりましょう」
「え、アルトリアさんもリリ達と一緒で大丈夫ですよ?多分僕一人でインプはやれますから…」
「オークは杖で殴っても余りダメージが入らないので」
「あ、そうですか…」
ベルはアルトリアを見て、11階層に来るまでの事を思い出す。
(見るからに魔導士って感じの武器を持ってるのに、ここまでモンスターを全員杖で殴って倒してるんだよね…)
アルトリアはその明らかに魔法を使う為にありそうな杖でここまでモンスターを殴って倒して来たのだ。
ベルとリリルカも最初はびっくりしたが、もう少し慣れている。
「じゃあ、三人とも、お願いします!」
ベルとアルトリアは同時に駆け出し、先にベルの方がインプの群れに突撃し、飛びかかって来るインプをすれ違いさまに斬る。
(遅い、いや、僕が速くなってる…!)
続けて二体のインプを斬り裂き、上空にジャンプしたベルにインプ達が目を向けると、その隙をついてアルトリアが杖をインプの頭に叩きつける。
「ベルさんばかり見ていると、私にやられますよ!」
アルトリアは杖をインプ達に向けて振るうと、ベルが上空からインプ達に襲いかかり、次々と倒していく。
「おお、すげぇ…!」
オークを倒したヴェルフがベル達の方を見るとインプが全滅していた。
「ヴェルフさん、リリ!避けて!」
ベルがそう叫ぶと、二人の背後からハード・アーマードが転がって来ていた。
ベルは手をハード・アーマードに翳すと…
「!もう一体…!?」
ベルの背後からもう一体のハード・アーマードが転がって来る。するとアルトリアがベルの背後に立つ。
「ベルさん、アレは私がやります。対処方ならありますから」
「分かりました、お願いします!」
ベルは目の前のハード・アーマードを見据え、しっかりと狙いを定めると…
「【光よ】」
そう呟いたアルトリアの杖の先端に光が宿る。
そして向かって来るハード・アーマードに対してまるで野球のバッターの様な姿勢で待ち構える。
「【ファイアボルト】!」
ベルが魔法が放ったと同時にアルトリアは近付いて来たハード・アーマードに杖を振りかぶり。
「【弾けて、シャスティフォル】!」
杖が当たった瞬間に、杖に宿った光が弾けて、ハード・アーマードを打ち返した。
二体のハード・アーマードはどちらも空中で消滅し、魔石が落ちて来る。
「今のは…」
「おう、アレはアルトリアの魔法だ。やっと魔導士らしいところ見せたな…」
「時間経過と共に威力が上昇する魔法?」
「はい、その分魔力消費量も多くなりますが、ベルさんの【ファイアボルト】と同じで、中々使い勝手が良いんですよ。詠唱も短くて楽ですし」
「へぇ…」
「やっぱ良いよなパーティーっていうのは!」
「そうですね、私とヴェルフだけで潜っていた時より随分動きやすくなった気がします」
「パーティーの利点だな。余裕を持てれば、モンスターへの対処も変わる」
リリルカが魔石を拾っている間に三人で話していると、他のパーティーの姿が見え始める。
「他のパーティーが来始めましたね」
「リリスケが魔石を集め終わったら昼飯にしよう。モンスターは連中に任せてな…おいベル、それ何だ?」
「え?」
ベルはヴェルフにそう言われて右手を見ると、右手がキラキラと光を発していた。
「光ってますね」
「何これ…」
三人でその光を見ていると、突然他の冒険者達の悲鳴が上がる。
「やべーぞ!インファントドラゴンだ!」
「逃げろ!」
他の冒険者達がベル達にそう言って横を通り過ぎていく。
「えっ!リリは!?」
「アーデさん!」
リリルカは遠くで魔石を回収していた途中で、インファイトドラゴンがリリルカに迫る。
「グァァァァァァ!!」
「リリスケ逃げろ!」
「っ!!」
リリルカはヴェルフにそう言われてインファイトドラゴンから逃げるが、このままでは追いつかれてしまう。
「はぁっ、はぁっ…!!」
「くそっ!」
「こっち向け!」
ヴェルフが駆け出そうとした瞬間、アルトリアがナイフを一本取り出し、インファイトドラゴンに向けて投げる。
そのナイフはインファイトドラゴンの長い首に突き刺さると…
ドゴンッ!!
っと音がし、ナイフの刺さった部分が光を放って爆ぜる。
「グガァァァ!?」
「【ファイアボルト】!!」
インファイトドラゴンが振り向いた瞬間、ベルが手を翳し追撃したその瞬間…
ドゴォォォン!!
「うわっ!?」
今までのものより明らかに強力な【ファイアボルト】が放たれ、インファイトドラゴンの頭が消し飛んだ。
魔法の反動でベルは尻餅を着き、灰になったインファイトドラゴンを見て魔法を放った右手を見た。
「間違いない。それが
ダンジョンから帰還し、ベルはヘスティアにダンジョンであった事を話すと、そう言われた。
「自分より強大な敵を打ち倒すための力……どんな窮地も覆す可能性を持った、言っちゃうなら、資格かな。馬鹿みたいに英雄に憧れる子供が、英雄になる為の切符さ。その一撃に全てを賭けて、その一撃に全ての力を注ぎ込む。圧倒的な力の不条理に対して、そのたった一つのちっぽけな力で、逆らうんだ。君が手に入れたのは『英雄の一撃』だ」
「英雄の…一撃…」
ベルは微笑んでいるヘスティアを見つめ、何かを考え込んでいた。
二人が晩御飯を一緒に食べていると、ベルはヘスティアにある質問をする。
「そういえば神様、『クロッゾ』っていう鍛治貴族の事、聞いた事ありますか?」
「例の鍛治師君の家名だね…って、ベル君!!君って奴は、また新しい女の子と親しくなったようじゃないか!!今度はへファイストスの子まで、全く君って奴は!!」
「ええ!?な、何か分からないですけど、ごめんなさい!」
「はぁ…それで、クロッゾに関してだけど。かつては魔剣を沢山作った一族ってぐらいは知ってるけど、その程度かな」
「そうですか…」
「でも、その鍛治師君本人のことなら、お店の方でちょっと聞いてきたよ。ついでに同時にパーティーに加入した少女鍛治師君の事もね…!まあ、それで鍛治師君に関してだけど、彼、魔剣が打てるらしいね」
「!?っ、ごふっ、ぐふっ…!えっ…!?」
ベルが驚きを露わにしている横でヘスティアは続ける。
「それもかなり強力なヤツって噂だけど、ファミリア内じゃ宝の持ち腐れって嘆かれてたよ」
「どうして、ですか?」
「彼は魔剣を作らないんだ。作ってしまえば富と名声が約束されている筈なのに。腕は確か、だけど何か訳ありってところかな。君が契約を結んだ鍛治師君は」
「………」
「そして少女鍛治師君の事なんだけど」
「アルトリアさん…確か、投げたナイフが爆発していたような…」
「少女鍛治師君の方は劣化版の魔剣を作れるらしい」
「劣化版…?」
「ああ、作った物に魔力を込められるらしい。一回だけで、威力も大したことは無い、使用後は使い物にならなくなる。確かに珍しいけど、それだけであまり役には立たないって」
「なるほど…」
「なんだ、今日リリスケは休みか」
「はい、下宿先のノームの親父さんが病気なので看病してあげたいって。だからすみませんけど、今日は…」
「それなら仕方ないですね…」
「そうだな…なあベル、それなら今日一日、俺にくれないか?」
「へ?」
「約束しただろ、パーティーに入れてくれたら礼をするって。お前の装備全部新調してやる!」
「わぁ…!」
こうしてベルはヴェルフの工房に向かう事になった。
アルトリアは後で行くと二人に告げて自分の工房に向かった。
ヴェルフの工房に着き、ヴェルフはベルが自分が魔剣を作れる事に対して何か態度を変えないかなど気にしていた事を謝罪して作業を始める。
ヴェルフがミノタウロスの角を使ってナイフを製作しながら話始める。
「俺、魔剣は嫌いなんだ」
「え?」
「実はな、客なら腐るほどいた。俺がクロッゾだと知って、魔剣を作れと言ってくる奴らばっかりな。本当に辟易したよ。強くなる為の、名をあげる為の道具が欲しい。どいつもこいつもそう言いやがる。違うだろ、そうじゃないだろ、武器ってヤツは」
それはヴェルフの鍛治師としての信念だった。
「ただの道具でも、成り上がる為の手段でもない。武器は使い手の半身だ。使い手がどんな窮地に立たされたとしても、武器だけは裏切っちゃいけない。だから俺は魔剣が嫌いだ、使い手を残して、絶対に砕けていく。あれの力は人を腐らせる。使い手の矜持も、鍛治師の誇りも、何もかも。だから俺は、魔剣を打たない」
ベルは、ヴェルフが何故魔剣を打たないのか、その理由を知った。
作業は進み、やがて一本のナイフが出来上がる。
「うわぁ…!」
「素材が良かったんだろうな。俺の今までの作品で、間違いなく最高の出来だ。よし!それじゃ名前を付けるか。『牛若丸』…いや、ミノタウロスの短刀だから、『ミノたん』…」
「いやいやいや!最初のやつで良いじゃないですか!」
「そうか?じゃあ『牛若丸』にするか…ほれ」
「ありがとうございます、ヴェルフさん」
「ふぅー…」
ベルに牛若丸を渡したヴェルフは、何処か不満そうな顔をする。
「どうかしましたか、ヴェルフさん?」
「まだ会って数日だし、信頼丸ごと預けろとは言わない。でも…リリスケみたいに、俺やアル坊のことも、仲間っぽく呼んでくれよ」
「…分かった、ヴェルフ」
二人の間に確かな信頼関係が築き上げられていたその時…
「お二人とも、お待たせしました!」
「おう、アル坊!」
「アルトリアさん、用事は終わったんですか?」
「はい!バーゲストさんに渡す盾の試作品が出来たんです!」
「おお!どんなもんだ、見せてみろ」
アルトリアが持ってきた盾を三人で見ながら、ベルはふと気になった事を二人に訊く。
「そういえば、二人はどうやって仲良くなったの?」
「ん?ああ、確かにな、俺は最初アルトリアの事は避けてた。コイツが魔力を込めた武器の事一番熱心に研究しているって聞いて、てっきり魔剣みたいなのを作ろうとしている奴なのかと思っていた。けどな、それは違うって、へファイストス様から聞いたんだ」
「はい。私は自分が作るどんな物にも製作過程で魔力を込められると知って、ある事をしようと思ったんです」
「ある事…?」
「はい!ズバリ、普通の武器としても扱え、魔力を放つ事が出来る武器を作る事!これが私の目標です!」
「おう!その目標が気に入ってな、だからコイツの研究にはちょくちょく付き合ってんだ。どんな素材なら魔力を放出しても壊れないとかな…あの杖は確かそれの研究の副産物だったか?」
「そうですね、今では私の大事な武器ですけど。あれだけでしたよね、魔力を放出して壊れなかったの」
「まあ、魔道士が使う杖に似た設計だったからな」
「他のは一回放出して砕けたり、それ以降魔力を放出しなかったりで、中々上手くいかないんですよねぇ…」
アルトリアはそう言って試作品の盾を撫でる。
「いつか作れると良いですね」
「はい!絶対作ってみせます!」
三人はヴェルフの工房を出て、それぞれのホームへの帰路へついた。
そして翌日から暫くはリリルカも交え、四人でダンジョン探索に勤しむのだった…
では、ここからは『白兎の物語』ではなく『黒犬の物語』を見ていくとしよう。
「団長!モンスターの数が多くなって来ました!」
「くっ…怯むなっ!この先には村がある、なんとしても迎撃しろ!」
アルテミス・ファミリアはエルセスの遺跡の近くにあった森で蠍の様なモンスターの群れと戦闘を繰り広げていた。
主神のアルテミスも弓を構えてモンスターを次々と矢で射抜く。
しかし蠍型のモンスターは数を増やし、アルテミス・ファミリアを徐々に追い詰める。
「っ!」
「団長!」
団長のレトゥーサが他の団員を庇って大きな蠍型のモンスターの攻撃を受け止める。
しかし小さな蠍型のモンスターがその隙にレトゥーサに飛び掛かろうとしていた。
「レトゥーサ!」
アルテミスが叫び、矢を放とうとするが間に合いそうに無い。
しかしその瞬間、レトゥーサに飛び掛かった蠍型のモンスターは
「なっ…!」
落下の衝撃で土煙が舞い、レトゥーサが周囲を確認出来なくなると…
「はああっ!!」
その掛け声と共に蠍型のモンスター達が土煙と一緒に焼き払われ、一気に数が減る。
土煙が晴れると、レトゥーサに攻撃していた大型の蠍型モンスターも黒焦げになり、灰になっていた。
「━━すまない、これでも急いで来たのだが」
その騎士は、アルテミス・ファミリアの前に立ち、モンスター達に剣を向けていた。
「遅れて来た分の仕事は果たそう…これより騎士バーゲスト、戦線に加わる!!」
ヘスティア・ファミリアからアルテミス・ファミリアの増援。バーゲストがアルテミス・ファミリアと合流したのだった。
さあ、白兎は自分の物語の一頁を作り上げた。
次は黒犬が自分の物語の一頁を作る時だ。
黒犬は月女神を救えるのか。
運命を変える事は出来るのか。
如何だったでしょうか、やっとバーゲストの方の話書ける…いや、私の投稿が遅れたのが悪いんですけど。そういえばグランド・デイを書こうと思って、時系列的に何処が良いんだろうって悩んでます。アンケートまた取ろうかな…だれかこの時期が良いと知ってる方が居たら教えてください…それでは次回もお楽しみに。