ダンジョンにバゲ子がいるのは間違っているだろうか?   作:猪のような

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fgo6.5章が来たのか…やっべ(ツングースカやってない愚かな作者)ストーリーを進めるのも、小説を投稿するのも遅い私って…もしかしてヤバい?(今更である)あ、因み関係無いですけどトップガン・マーヴェリック見たんですよね、いや〜本当におも(本編をどうぞ)


第十六話 カーリー・ファミリア

 

「「自分がバーゲストの主神に相応しいか不安?」」

 

「そうなんだよ…」

 

ヘスティアは現在ペペローンナとアストレアの二人にバーゲストに関して相談していた。

 

「バーゲスト君が僕のファミリアに入ってくれてから、ベル君は凄く強くなった。きっとベル君自身の成長の速さもあったけど、バーゲスト君のお陰でベル君は自分の夢に真っ直ぐ進めるんだ…けど…」

 

「そんなバゲ子ちゃんに対して罪悪感がある、ね〜…」

 

「そう!僕はベル君の為にバーゲスト君を自分のファミリアに入れたけど、バーゲスト君だって僕の大事な子供なんだ!だってのに…僕はバーゲスト君に何もしてあげられて無い…」

 

ヘスティアはベルに対してして来た事なら何度かある。

 

「ベル君には、あのナイフをあげたし…怪物祭(モンスターフィリア)の時も側に居たし、ベル君の為にダンジョンに潜ったりもした…けど、それに比べてバーゲスト君には…」

 

「何もしてあげられてない…と…」

 

「そう、バーゲスト君は今ロキ達と一緒にメレンに行ってるからどうしようも出来なくてさ…アルテミスからもバーゲスト君を大事にしろって伝言で言われちゃって、僕って本当に…バーゲスト君に何も出来て無くて…はぁ〜…」

 

ため息を吐くヘスティアを見て対面の二人は考え込む。

 

「そうね〜…バゲ子ちゃんは多分気にしてないと思うのよね〜…ヘスティア様がそんなに悩むくらいバゲ子ちゃんは良い子だもの」

 

「うん…」

 

「けれど、気持ちとかで充分とか、そういう感じでも無いのよね。ヘスティア様がしてあげたいっていう気持ちも凄く大事な事だと思うわ」

 

「そうね。今からでも遅く無いわ、ヘスティア。これからそのバーゲストさんが戻って来た時に何か、色々な感謝を伝える為の贈り物を考えてみない?」

 

「今から…?」

 

「そうよ!こんなの幾ら悩んだってどうしようも無いわ!今から一緒に、バゲ子ちゃんへの最高のサプライズの準備をしましょう!」

 

「サプライズ…うん、うん!そうだね!よーし、いっちょやってやるかぁー!!」

 

こうして、ヘスティア達はバーゲストに対するサプライズ計画を始動させるのであった…

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてその頃、バーゲスト達はティオネとティオナを回収して港に入港したガレオン船を追って港に戻ってきていた。

 

「というか、何故お前はバーゲストに背負ってもらっているんだ!」

 

「しゃーないやん!うちが冒険者の足について行ける訳無いし、うちのファミリアの子誰もおんぶしてくれんもん!」

 

バーゲストにおんぶしてもらっているロキにリヴェリアが苦言を呈すと、ロキは仕方がないと反論し、そんな二人のやり取りを聞いてバーゲストは苦笑いしていた。

 

「さっきのガレオン船、港に行っちゃいましたけど…なんだかティオネさん達と険悪じゃなかったですか!?」

 

「ティオナ、ティオネ…!」

 

「カーリー!!」

 

港に着くと、ティオネが大声で誰かの名前を叫んでいた。声のした方に行くと、二人を発見する。

 

「ここに何しに来た!」

 

「久方ぶりの再会だというのに、開口一番がそれか、ティオネ?まぁいい…なに、ただの観光じゃ」

 

「嘘抜かしてんじゃないわよ…!」

 

「本当だとも。代わり映えしない日々に飽き、刺激を求めに来たのよ」

 

ティオネはかなりイラついており、どう見てもヤバめな雰囲気だった。

 

「駆けつけたはいいですけど…」

 

「凄く一触即発の雰囲気…ティオネさんのあんな顔、初めて見た……」

 

アイズはティオネ達が対面している集団に目を向けた。

 

(ティオネ達の知り合い?一柱の女神に、沢山のアマゾネス……どこかのファミリア…?特に──)

 

アイズは二人のアマゾネス…アルガナとバーチェに注目する。

 

(あの二人、()()。レベル5……ううん、6?オラリオの外のファミリアで、そんなことが…?)

 

オラリオのダンジョンの中のモンスターと、それ以外のモンスター達には大きな差がある。オラリオの外にいるモンスター達を倒しても、あまり強くはなれないのだが、目の前のアマゾネスはどうやら例外のようだった。

 

(それに、あの人…ずっとティオネの事見てる)

 

アルガナの視線は常にティオネに向けられており、それ以外は眼中に無いようだった。

 

「それにしても、見ない内に…デカくなったのぉ…」

 

カーリーはティオネの胸を見てそう言う。

 

「どこ見て言ってんのよ…!」

 

次にカーリーはティオナに視線を移す。

 

「うむ、そなたは前と変わらぬな」

 

「どこ見て言ってんだー!」

 

「お主等の名声は妾も聞いておる。ロキ・ファミリア、だそうじゃな?主神はどこじゃ?」

 

「ここや」

 

ロキはティオナとティオネの前に出てカーリーと対面する。

 

「察してはおったけど…やっぱり、そういう事か。けど、この子らの今の親はうちやで、ドチビ二号。なんか用か?」

 

「ふぅむ、お初にお目にかかるが……ド貧相じゃのう。妾やティオナの方がまだあるわ」

 

「おぅゴラァ初対面やのになんや喧嘩売っとんのかッ!買うぞチビジャリがぁぁぁ!」

 

カーリーの煽りがロキにクリティカルヒットし、暴れだそうとするロキをレフィーヤとアナキティが抑える。

 

「お、落ち着いてください!」

 

「ややこしいから静かにしててよ!」

 

強制退場させられたロキから再び視線をティオネとティオナに戻すカーリー。

 

「愉快なファミリアのようじゃな。まぁいい、暫くこの街で過ごす。お主等もいるやら、また会おうぞ」

 

「ふざけんなっ!」

 

「随分嫌われたものじゃ。そんなに妾達が憎いか?

 

「二度とその面見たくなかったわよ…!」

 

「妾は会いたくて仕方なかったぞ。──愛する子供(ムスメ)達よ」

 

そう言ってカーリー達はその場から去っていった…

 

子供(ムスメ)…?ティオネさん達と、あの女神様達の関係って…?」

 

「…はぁ。ん〜となぁ、もう気付いとるとは思うけど……ティオネらが所属しとった、元ファミリアや。うちんとこに来る前の、最初のな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一先ず一行は宿の方に移動し、そこでカーリー・ファミリアに関する話をすることにした。なお、ティオネとティオナは現在席を外している。

 

「カーリー・ファミリアは、『闘国(テルスキュラ)』という国に君臨する女帝と、その派閥(ファミリア)だ」

 

「テルスキュラ…オラリオからずっと離れた東南にある、半島の国、よね?」

 

「ああ。海と断崖絶壁に囲まれた孤島…アマゾネスしかいない国として有名だ。知っている者も多いだろう」

 

軍神(アレス)んとこの王国(ラキア)と同じ、国家系ファミリアって言うても差し支えないなあ。しっかし、あかんわ。うち、つくづくロリとは相性悪い。生意気なドチビはジャガ丸おっぱいだけで十分やっちゅうのに…」

 

(そのジャガ丸おっぱいの眷族がこの場にいるのだけど…)

 

「なんやあのいけ好かん仮面、くぅ、腹立つ〜!」

 

「少し黙っていろ、ロキ……話はそれたが、とにかく『闘国(テルスキュラ)』はアマゾネスの国。男子禁制であり、居たとしても奴隷か、種の繁栄の道具としてでなければ存在を許されないという話だ」

 

「学区で少し教わった時は、かなり野蛮な国、っていう印象でしたけど…」

 

「間違っていない。雄叫びと歓声が途切れる日が無いほど、戦い合っては研鑽を続けていると聞く。血と闘争の国…女戦士(アマゾネス)の聖地とも呼ばれているな」

 

「同時に、突き抜けた戦力を保有する数少ない『世界勢力』の一つ…オラリオを除いてではありますが」

 

「その通りだ。諸国と比べれば鎖国的で、外界の者達が知ることのできる情報は制限されているが…頭領姉妹のアルガナとバーチェは、近年レベル6に至ったという噂が囁かれていた」

 

『!?』

 

その言葉にロキ・ファミリアの面々は驚愕する。それもそうだ、ダンジョン無しでそのレベルに至ることは普通は不可能なのだから。

 

「リヴェリア。ダンジョンも無いのに、どうしてそこまで強くなれるの?……どうやって昇格(ランクアップ)を?」

 

「日々、闘技場で『儀式』……命を賭けた闘争を行っているらしい。捕獲したモンスターは無論のこと…()()()()()()()()()()()

 

「どっかの冒険家が、見聞記の中に書いとったなぁ。テルスキュラに忍び込んで、命かながら逃げ出した時の事を…」

 

「ラスティロ・フォーロの大陸異聞録か?」

 

「そうそう、それそれ。館の書庫にもあるやつや。『彼の国では日夜、儀式ともつかぬ殺し合いを繰り広げていた。私も彼女達の讃歌に倣うことにする。かの地の女戦士(アマゾネス)こそ、真の戦士』……この一文、よう覚えとるわ」

 

レフィーヤ達はテルスキュラの話を聞いてある考えが浮かんでくる。

 

「そ、それじゃあ、ティオナさんと、ティオネさんは…」

 

「テルスキュラ出身で、あの国が故郷。五年前、入団する前にそう言っとった。こんな事もな───『私達、数え切れないくらい同胞(みうち)を殺してるけど、それでも勧誘するわけ?』ってな」

 

「!…ティオネ達が、仲間を…?」

 

二人の過去を聞いてその場の雰囲気が暗くなり、しんみりしていると、外の方からティオネとティオナが言い争っている声が聞こえ始める。

 

「まずい!」

 

「と、止めないと…!」

 

皆が慌てて二人の元に行こうとした瞬間、ティオネがかなり怒った表情をして戻って来る。

 

「あ、ティ、ティオネさん…」

 

ティオネはその場を通り過ぎて去っていった…

 

(ティオネ…)

 

皆が心配していると、今度はティオナが暗い表情で戻ってくる。

 

「ティオナさん…大丈夫ですか?」

 

「だいじょうぶ…喧嘩とかは、してないから」

 

「…あの、ティオナさん達が今日会ったのもとにいたって…」

 

「うん、本当だよ」

 

「それじゃあ、えっと、その…」

 

「ごめん、ティオネのいないところで、あたし達のこと勝手に話していいか、わかんないや……でも…あたし、ティオネには、もうカーリー達に会ってほしくなかったな」

 

その後は取り敢えず休息に入り、明日に備えるのだった…

 

 

 

 

 

 

翌日、何組かに分かれて食人花の調査をする事になり、バーゲストはティオナ達と共に街中で調査をすることになった。しかし…

 

「はむ、むぐっ…おかわり!」

 

「二人ともご飯を食べてますわね…」

 

聞き込み調査は難航し、アマゾネス姉妹は店でご飯を食べていた。

 

「そう言うバーゲストさんも食べてますよね…!」

 

「申し訳ありません、良い匂いに釣られてしまって…」

 

訂正、アマゾネス姉妹と黒犬だった。

 

「ティオナ、バーゲストさん。ティオネの様子は、どう?」

 

ティオネはカーリー・ファミリアとの接触のせいでかなり不機嫌になっており、何時爆発するかアイズ達には分からない。

 

「んー…苛々してるけど、今は大丈夫かな。朝はカーリー達がいないところを回ってたし」

 

「変な事をしないように私達がずっと見ていましたからね」

 

ティオネは不機嫌そうにしながら料理を食べ進めていた。

 

「…おかわり」

 

「お、おう。よく分かんねえけど、なんか機嫌悪くねえか、嬢ちゃん…?目が据わってるぜ…」

 

「ね?普通にご飯も食べてるでしょ?私がティオネを気にかけるって、いつもと逆な気がするけどー」

 

「そう、だね…ティオナは大丈夫?」

 

「私は平気だよ、アイズ。知ってると思うけどさ、考えるの苦手なんだ」

 

「ティオナ…」

 

「いやぁ、本当によく食うなぁ姉ちゃん達。冒険者は沢山見てきたけどよ、やっぱり第一級冒険者はすげぇな」

 

なんだかしんみりした雰囲気になっていると、一人の男がアイズ達に話しかけてくる。

 

「そこの細い姉ちゃん…【剣姫】様もよく食うのかい?」

 

「アイズは私達みたいに食べないよー。ジャガ丸くんは好きだけど」

 

「あなたは…?」

 

「俺はロッド。一応、ニョルズ・ファミリアの団長って事になってる」

 

「ニョルズ・ファミリア…」

 

そこからアイズ達はロッドからニョルズ・ファミリアの事やメレンでの事を聞いていく。

メレンにいる漁師は皆ニョルズ・ファミリアの一員で、海の上でモンスターに襲われた時に恩恵が無ければどうしようも無く、メレンにあるファミリアはニョルズ・ファミリアだけだからという理由だった。

漁以外にも海のモンスターを倒したり、海賊を追い払ったりしている内に、ロッドもLv.2になったとの事。

 

「ご馳走様でした」(オラリオの外のモンスターの強さを考えれば、Lv.2もあれば十分…ロッドさん以外も下級冒険者の中堅くらいはありそうですわね…)

 

 

料理を食べ終えながらロッドの話を聞いてバーゲストがそう考えていると、アイズがロッドに訊く。

 

「海や湖で、食人花のモンスターを見た事はありますか?」

 

「昨日出てきたって言う化け物の事か?俺は今日の朝、海から帰って来たばかりだから、実物を見てねえんだが…大水蛇(アクアサーペント)じゃねぇんだよな?」

 

「はい、体躯の大きさも異なれば、体皮の色も異なる。まず見間違う事は無いかと」

 

「……正直、心当たりはある」

 

「えっ!?」

 

「漁の途中、ロログ湖やこの辺りの海で何度か見かけた。長え体を持った蛇みたいな影が、船の下…水中を泳いでいるのを。でもよ、おたくらの言う化け物が俺たちに襲いかかってきた事は一度も無いぜ?」

 

「ええ?あの食人花のモンスター、めちゃくちゃ凶暴だし、そんな筈は…」

 

(…何か、食い違ってる気がする。まだ私達の知らない()()がある…?)

 

自分達の知る食人花とロッドが見た食人花の違いに違和感を覚えるアイズ達。

するとティオナがロッドや他の漁師達が身につけている袋に目をつける。

 

「?……ねぇ、腰につけてるその袋、何?漁師の人達、みんな持ってるみたいだけど」

 

「おっ、よく気付いてくれた!これは魔法の粉でな、水面にばら撒けば、モンスターは寄ってこないっていう代物よ!」

 

「ええ!?見せて見せて!」

 

興味が湧き上がったティオナはロッドの持つ袋に触れる。

 

「モンスターが寄って来ない…?まさか…!」

 

「あっ、気をつけろよ!」

 

「えっ、何が?──って、くっさぁぁぁぁぁ!!」

 

ロッドの注意も間に合わず、袋から強烈な異臭が辺り一面に広がっていく。

 

「す、凄まじい異臭ですね。直接嗅いでない私達の方にも、臭いが…!」

 

「もう、先言ってよ〜!何入ってんのコレ〜!!」

 

「生物、でしょうか?色々なものが粉末状になってるようですけど…ん…?」

 

「ぁ…ぁ…」

 

「ば、バーゲストさん…!」

 

ただでさえ普通の人間にとっても鼻が曲がりそうな異臭。嗅覚が優れたバーゲストは…

 

ドサッ…

 

地に倒れ伏した。

 

「バーゲストさぁぁぁぁぁん!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後直ぐに袋を閉じ、臭いも落ち着いてバーゲストも復活し、改めて話をする。

 

「……いや、すまん、ホントに」

 

「いえ、私もすみません…」

 

「え、えっと…モンスターを寄せ付けないって…そんなアイテム。オラリオにも無いですよね?」

 

「逆に、撒き餌なんじゃないの?血肉(トラップアイテム)でも混ぜ込んで、船を襲おうとするモンスターを夢中にさせて〜みたいな」

 

「この粉はオラリオ発明って聞いたぜ?ほら、いるじゃねえか。オラリオにとんでもねぇ、ハゼゼウスだのカキセルスだの…」

 

「…【万能者(ペルセウス)】?」

 

「そうだそうだ、それそれ。そいつが作ったんじゃねえのか?」

 

「例えそうだとしても、オラリオを差し置いて、メレンに流す理由が…」

 

「ふむ…」

 

「バーゲストさん?」

 

「私のパーティーのサポーターが同じようなものを持っていましたわ…アレは彼女が自分で作っているようでしたけれど…」

 

バーゲストの頭に浮かんだのは、リリルカが持っており、ベル達が18階層に向かう為の一役を買った強臭袋(モルブル)。アレは袋から匂いを発するタイプだったが似たようなものなのかもしれない。

 

「えっと、ロッドさん達はこの粉をどなたから受け取っているんですか?」

 

「ボルグの親父…街長(マードック)の家からだ。都市から買い取って無料で俺たちに譲ってくれる。漁師だけじゃねぇ、メレンによく出入りする船にもだ。もうずっと前からな。あの親父も、ホントによくしてくれるぜ」

 

「へ〜。あの街のお偉いさんが」

 

(となると、リリは関係ないと見た方がいいかしら)

 

「まあ、ばら撒いても『レイダーフィッシュ』なんかは襲いかかってくるし、完璧とは言えねぇが…でも確かに、この粉のお陰でモンスターの被害はめっぽう減ったんだぜ」

 

アイズは粉の話を聞いて昨日の事を思い出す。

 

「…アリシア」

 

「ええ、昨日カーリー・ファミリアが食人花に襲われたのは、恐らくこの粉を持っていなかったから…」

 

(粉を持っていれば襲われず、持っていなければ襲われる……やっぱり、メレンの近海は平和になってる訳じゃない?)

 

「…ところで、ロキ・ファミリアさんよ。あのアマゾネス達、どうにかならねえか?」

 

ロッドの言うアマゾネス達と言うのは、間違いなくカーリー・ファミリアの事であろう。

 

「……何かあったの?」

 

「いや、そういう訳じゃねえが…漁師(おれたち)も、街のモンもすっかり怯えちまっててな…連中、すげえ強いのは見れば分かるし、それが我が者顔で通りの真ん中を歩いているもんだからよ…」

 

「……」

 

カーリー・ファミリアの話を聞いてティオネが更に不機嫌そうになっていると…

 

「ロッド!大変だ、大通りでアマゾネス達が騒ぎを起こしてる!」

 

獣人の漁師がそう言いながら慌てた様子でロッドの元に来た。

 

「やべえアマゾネスに、マーク達が捕まってて…!」

 

「なんだと!?」

 

「…ティオネ…?やばっ…!」

 

ティオナがティオネを呼ぶも返事が無く、先程までティオネが居た場所を見ると、そこには誰も居なかった。

 

「!いけない…!」

 

「ど、どうしたんですか、ティオナさん、アイズさん…?」

 

「ティオネがいない…!」

 

「飛び出して行っちゃった!エルフィ達、隣の館にロキがいるから呼んで来て!」

 

「わ、分かりました!」

 

「先に言ってるぞ!」

 

エルフィ達にロキを呼んでくるように言い、ティオナ、アイズ、バーゲストはティオネの後を追って大通りに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大通りに出ると、そこでは既にティオネとアルガナが戦闘を開始していた。

 

「ティオネ!」

 

(互角、いや、ティオネより…!)

 

「二人とも、止めよう!」

 

ティオナがそう言って二人の元へ向かおうとした瞬間、もう一人のアマゾネスが三人の前に立ち塞がる。

 

「もう一人のLv.6…バーチェ…!」

 

「どいてバーチェ!」

 

「…ル・ムー」

 

そう言うとバーチェはティオナ達に襲い掛かる。

 

「いったぁ〜!?」

 

「この人も強い…!」

 

「二人共、私はティオネの方に向かう!」

 

「分かった!」

 

ティオナとアイズがバーチェを相手している隙に、バーゲストはティオネとアルガナの方に接近する。

 

「ティオネ!」

 

「バーゲスト!?何で此処に…!」

 

「貴様が一人で突っ走るからだ!あまり心配させるな!」

 

「はぁ!?それを言ったらアンタはLv.2でしょ!?アンタが何で此処に来るのよ!」

 

「そんなのは後だ、今はとにかくっ…!!」

 

バーゲストとティオナが言い合っている隙を突いてティオネの攻撃しようとしたアルガナの拳を、バーゲストが受け止める…が…

 

「ぐっ…!?」

 

「邪魔だ」

 

アルガナの力はバーゲストを凌ぎ、バーゲストを押していく。

 

(嘘でしょう、聖者の数字を使っても、力で勝てない…!?)

 

「どこ見てんのよっ!!」

 

ティオネがアルガナに踵落としを喰らわせようとするもアルガナはバーゲストから離れてそれを回避し、距離を取る。

 

「バーゲスト、無事!?」

 

「なんとかな…しかし…やはりLv.6は厳しいか」

 

「当たり前でしょ!普通なら今の一撃でやられてるわよ!!」

 

(ガラティーンを使う?いえ、街中では危険過ぎます。とはいえ、アルガナに対抗するには…アレを使いますか)

 

「まさか此処で初披露とは… 【黒犬よ、お前の爪と牙を以って我が敵の肉を喰らえ】…【ブラックドッグ】!!」

 

バーゲストの足元から黒い靄が広がり、その靄から浮上する様に真っ黒な犬が三匹現れる。

 

「ティオネ、私は召喚魔法で援護する」

 

「分かったわ、頼むわよ…!」

 

「よし…行け!」

 

「ガァ!!」

 

黒犬達がバーゲストの掛け声で一斉に駆け出し、アルガナにに襲い掛かる。

 

「鬱陶しい…」

 

アルガナは面倒くさそうな表情を浮かべると、黒犬の一匹がアルガナに正面から跳び掛かる。

アルガナは拳を構えてそれを迎え撃とうとした瞬間。

 

「ギャン!?」

 

「っ!」

 

跳んだ黒犬はアルガナの拳…ではなく、背後からのティオネの拳が黒犬を貫き、アルガナに襲い掛かる。

 

(悲報、まさかの初黒犬、仲間に倒される。ですわ)

 

バーゲストはティオネに貫かれて塵となって消えた黒犬に合掌した…

 

「ははっ!今のは危なかったぞ!」

 

「チッ!」

 

アルガナは寸で顔を傾けて拳を避けるが…

 

「ガウッ!」

 

「チッ…」

 

その隙を利用して二匹目の黒犬がアルガナの右足に噛み付く。

 

「ふんっ…」

 

「くぅ!?」

 

アルガナは噛み付かれたまま右足を上げ、回し蹴りを放つとティオネはガードするも後退り、噛み付いていた黒犬は飛ばされていった。

 

「ガァ!!」

 

三匹目の黒犬がティオネと入れ替わる様に跳び付くも…

 

「消えろ」

 

上げたままの右足を黒犬の頭に叩きつけ、三匹目の黒犬は頭を潰されて塵となっていった…

 

「バーゲスト!追加!」

 

「分かっている!【黒犬よ、お前の爪と牙を以っ…」

 

バーゲストは詠唱の途中であるものが目に入る。

 

(子供!?逃げ遅れたのね!)

 

バーゲストと同時に気付いたティオネは、子供のいる場所の近くの建物が激しい戦闘によって崩ようとしている事に気付く。

 

「っ!!」

 

「ティオネ!」

 

ティオネは駆け出し、その直前にバーゲストも駆け出す。子供の上に瓦礫が迫った瞬間、ティオネは子供を抱きしめて守るようにして丸くなる。

 

 

 

 

しかし、瓦礫が落ちた後、いつになっても衝撃を感じず、目を開けると…

 

「二人共、無事か?」

 

「バーゲスト…アンタ…」

 

バーゲストが更に上からティオネ達を守っており、二人は無傷で済んだ。

 

「アンタ、何で…!」

 

「何、私の方が大きいし、硬さにも自信がある。それに鎧も身につけているからな」

 

「だからって…!」

 

「…なんだ、イマのは?かばったのか、子供(アレ)を?」

 

アルガナの方を見ると、アルガナは驚いたような、落胆したような表情をしていた。

 

「変わった…変わったな、ティオネ。強くなったが、弱くなった…オマエは、戦士ではなくなった」

 

「っ…!」

 

アルガナは残念そうにしながら続ける。

 

「むかしのオマエは、あんなクズを庇ったりしなかった。やっぱりオマエは、故郷(テルスキュラ)で、ワタシたちと殺しあうべきだった」

 

「ふざけんな…!誰が、あんなところ…!」

 

「オマエ…まだセルダスを殺したことを、後悔しているのか?」

 

「っ!!」

 

「ティオネ?」

 

セルダス、という名前が出て来た瞬間、ティオネが凍りつく。

 

「あいつを殺したおかげで、オマエは強くなっただろう?」

 

「ッ!────ぶっ殺す!!」

 

「ティオネ!!」

 

ティオネが激昂し、アルガナに飛び掛かろうとした瞬間…

 

「ほい、そこまでや」

 

「「「!?」」」

 

声が聞こえ、三人が声のした方を見ると、そこにはロキとカーリーがいた。

 

「これ以上ヒートアップしたら、他人に迷惑通り越して洒落にならんわ」

 

「アルガナ、バーチェ、お主らも止めろ」

 

「カーリー…わかった」

 

カーリーからの命令でアルガナとバーチェはあっさり身を引く。

 

「すまんなぁロキ。外の世界に出て、こやつらも興奮しているようじゃ。痛み分けでよいか?そなたの【剣姫】とやらに妾の子も相当痛み付けられておる」

 

「あーもう分かったから、いけ、いけ。そんで二度とうちらの前に出て来んな」

 

「じゃあな、ティオネ」

 

カーリー達は去っていき、ティオネはその後ろ姿を睨んでいた。

 

「あ、アイズさん、ティオナさん、大丈夫ですか?」

 

「いちちち…結構やられたぁ〜…」

 

「私達は、まだ大丈夫だけど…バーゲストさんは?」

 

「大丈夫だ、瓦礫を喰らったが、それ以外に目立った傷は無い。だが…」

 

「くそっ、くそっ、ちくしょぉぉぉぉ!!」

 

「ティオネ…」

 

「思ってた以上に、あの子の『傷』は深刻みたいやな…」

 

食人花の調査中に現れたカーリー・ファミリア。その目的は何なのか、バーゲスト達は無事にオラリオに戻る事が出来るのか。メレンで起きた異変は、更に混沌と化していく…

 

 

 

 

 




因みにアマゾネスの運送会社のCEO出そうか悩みましたが嫌な予感がしたのでやめました。正直なんも接点ないしね!キャラの管理がめんどくさかったし!早くベル君達の元へ戻らなきゃ…それでは次回もお楽しみに!
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