ダンジョンにバゲ子がいるのは間違っているだろうか?   作:猪のような

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お、おかしい、何で一話しか投稿してないのにこんなに伸びているんだ?何でバーの色が赤になっているんだ!?お気に入りがこんなに増えているんだ!?皆ガウェ子の事好きすぎないか!?はい、というか訳で第二話投稿します。いや、ホントに伸びてて怖い…楽しんでもらえたら嬉しいです。


第二話 ヘスティア・ファミリア

 

「ベル君、一体何をしているんだ、一晩中帰って来ないなんて…」

 

ヘスティアはいつまで経っても帰って来ないベルを心配していた。外は既に日が昇り始めており、何かあったんだろうかと思っていると、ヘスティア・ファミリアのホームであるボロボロの教会の扉からノック音が響く。

 

ヘスティアはベルが帰って来たんだと急いで扉を開ける。

 

「ベル君!一体今まで何処に…」

 

しかしヘスティアの目の前に現れたのはベルではなく…

 

「初めまして、女神ヘスティア。取り敢えず中に入りたいのですが、よろしいでしょうか?」

 

ベルを背負ったバーゲストだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…なるほど、事情は理解したよ。ベル君を此処まで運んでくれてありがとう」

 

「いえ、騎士として当然の行いをしたまでです。私に出来ることはそれくらいしかありませんでしたから…」

 

バーゲストからベルがダンジョンに行って無茶をした経緯を説明されたヘスティアは、バーゲストに頭を下げる。

 

「まさかベル君の行った酒場でそんな事があったなんてね…おのれロキのとこの眷属(子供)め…!」

 

「その後私が叩きのめしたので、それでお許しください」

 

「君が?凄いね、だってあの【凶狼(ヴァナルガンド)】が相手だったんだろ?君の所属ファミリアは?」

 

「まだファミリアには所属していません」

 

「そっかー無所属なんだー……えっ、無所属!?だ、だって彼は確かレベル5だろ!それに恩恵無しで勝つなんて、普通じゃ…」

 

そう言ったところでヘスティアはバーゲストの頭の角を見る。

 

「…多分普通じゃないんだね、君…」

 

「まあ、自覚はあります」

 

「そっか…入るファミリアはもう決めてるの?」

 

「最初はロキ・ファミリアに行こうと思ってはいましたが…」

 

「けど?」

 

「勧誘もされましたけれど、一応ロキ・ファミリアの団員に喧嘩を売ってしまいましたので、それで加入するのは納得が出来ませんでした」

 

「ま、真面目だなぁ…そっか、じゃあ今はまたファミリアを探しているって事だね?」

 

「はい」

 

「ボクたちのファミリアに入ってくれないかな!?」

 

ヘスティアは身を乗り出してバーゲストに迫りながら言う。

 

「言われるかもとは思っていましたが…理由を聞いてもよろしいでしょうか?」

 

「ベル君はこれから多分、沢山無茶をすると思う。何度危ない橋を渡るか分かったものじゃない…ボクは戦えないからベル君の無事を祈る事しか出来ない…けど、ベル君の側に君みたいな子がいてくれたら、ベル君が危険な目にあった時、君が助けてくれる!」

 

「初対面でそこまで信用してくださるのですか?こんな角を持つ明らかに普通じゃない存在を」

 

「うん、ベル君の為に怒ってくれた、ベル君を此処まで運んでくれた。それだけでボクは君を信用できる。角があるとか普通じゃないとかそんなのは、君がベル君にしてくれた事に比べればどうでもいい」

 

「……」

 

「…怒っているよね、分かるよ」

 

黙り込んだバーゲストに対して、ヘスティアは申し訳無さそうにしながら言う。

 

「ボクが君を勧誘する理由は、全部ベル君の為だ、君の為じゃない。ロキ・ファミリアに勧誘される程の実力を誇る君なら、きっと何処に行ったってその名をオラリオ中に知らしめる事が出来るだろう。君がこのファミリアに入る理由は何一つとして無い」

 

ヘスティアは「けれど」と言って強い眼差しでバーゲストを見つめる。

 

「ボクには、ベル君には君が必要なんだ!ベル君が傷つき、倒れ伏した時、ベル君をどんな奴からも守って、ベル君を連れて帰って来る様な存在が、だからお願いだ!ボクから差し出せるものなんてたかが知れてるけど、ボクに出来る事ならなんでもする!だから、ベル君が英雄になる為の手伝いをしてくれないか!」

 

ヘスティアはそう言って再びバーゲストに頭を下げた。

バーゲストは目を閉じて考え込む。

ヘスティアは不安そうにしており、最終兵器であるタケミカヅチ直伝のDOGEZAを使うべきか悩んでいた。

一見してバーゲストは先程と様子が変わらない様に見えるが、その実…

 

(…コレが、女神ヘスティアなのね…こんな良い(ヒト)から好意を寄せられているベル・クラネルが少し、羨ましいわ…)

 

ヘスティアに対して感動や尊敬を向けていた。

 

(自分の眷属(子供)の為なら何でもする。平気で頭を下げるし、多額の借金を背負う事も、危険なダンジョンに潜る事も、厭わない。彼の夢を誰よりも応援している。私にも誠実に接してくれた…ヘスティア様がここまでしてくれたのなら…私も覚悟を決めるべきね)

 

「頭を上げてください、女神ヘスティア」

 

「!……返答を、聞かせてもらえるかな…?」

 

「女神ヘスティアからの頼みでファミリアに加入するのは納得出来ません」

 

「っ……そう、か…無理を言ってすまな「ですので」え?」

 

「私から頼んでもよろしいでしょうか?」

 

「!」

 

「女神ヘスティア…どうか私を、このファミリアの一員として、迎えてくださいませんか?」

 

「うん…うん…!歓迎するよ、バーゲスト君…!」

 

ヘスティアは「やったー!」と嬉しそうにぴょんぴょん跳ねている。

こうしてバーゲストはめでたく、ヘスティア・ファミリアに入団したのだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「って、何だコレはー!?」

 

「へ、ヘスティア様?どうかなされましたか?」

 

ヘスティアがバーゲストに『神の恩恵(ファルナ)』与え、ステイタスを確認する。

ヘスティアは驚き、頭を抱えながらバーゲストにステイタスの詳細を写した紙を渡す。

 

━━━━━━━━━

 

バーゲスト

 

レベル1

 

力:l 0

 

耐久:l 0

 

器用:l 0

 

敏捷:l 0

 

魔力:l 0

 

《魔法》

 

《スキル》

 

太陽の騎士(ガウェイン)(着名(ギフト))】

 

・任意発動

 

・魔力を消費することで武器に炎を付与(エンチャント)する

 

・魔力を消費することで炎を放出させる

 

【聖者の数字】

 

・日の当たる午前中において、力の超高補正

 

━━━━━━━━━

 

「えっと…コレがどうかされたのですか?」

 

「いや明らかにおかしいよ!何で最初からスキルを二つも持っているのさ!なんだい太陽の騎士って!?君もしかして、アポロンと会った事ある!?」

 

「いえ、神アポロンに会った事は一度もありません…ヘスティア様、説明しますので落ち着いて聞いてください」

 

「う、うん…」

 

「この世界の者達は知りませんが、ガウェインという太陽の騎士と呼ばれた英雄がいたのです」

 

「君のスキルにもあるね、君はそのガウェインとどんな関係があるんだい?」

 

「私は、名前は知りませんが、ある神によってガウェイン…太陽の騎士の力を授けられてこの世界に誕生したのです」

 

「そうだったんだ…その神について知っている事は?」

 

「いえ、名前も知りませんので調べようも無く…」

 

「そっか…分かった、何はともあれステイタスは刻んだんだし、これからどうする?」

 

「私は一先ずギルドに行って冒険者登録して参ります」

 

「そっか、ボクは此処でベル君が起きるのを待っているよ」

 

「分かりました、では、行って参ります」

 

「うん、行ってらっしゃい」

 

バーゲストはホームを出てギルドに向かって歩き出した。

ヘスティアはため息を吐き、一枚の紙を取り出す。

 

━━━━━━━━━

 

バーゲスト

 

レベル1

 

力:l 0

 

耐久:l 0

 

器用:l 0

 

敏捷:l 0

 

魔力:l 0

 

《魔法》

 

《スキル》

 

太陽の騎士(ガウェイン)(着名(ギフト))】

 

・任意発動

 

・魔力を消費することで武器に炎を付与(エンチャント)する

 

・魔力を消費することで炎を放出させる

 

【聖者の数字】

 

・日の当たる午前中において、力の超高補正

 

強者(仲間)としての責務】

 

・早熟する

 

・守る存在がいる限り効果持続

 

・守ろうとする想いの丈により効果向上

 

━━━━━━━━━

 

「…ありがとう、バーゲスト君…」

 

ヘスティアはその紙を見て微笑みながらそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「此処がギルドか…」

 

バーゲストはギルド本部の入り口の前に立ち、建物を見上げていた。

すると周囲から視線を感じ、バーゲストは周りを見渡しすと、周囲の人々が自分を見て何か話している事に気付いた。

 

「おい、アイツじゃねえか?【凶狼(ヴァナルガンド)】をぶちのめしたって奴は」

 

「ああ、金髪のガタイのいい美女、そしてなによりもあの角…!間違いねぇ、アイツだ…!」

 

「しかしあの角は一体何なんだ?あんな奴見た事も聞いた事もねぇぞ?」

 

「確かに、オラリオにあんな奴居なかったよな?何処のファミリアのもんだ?」

 

何処からかバーゲストがベートを倒した話が広まっている様だが、バーゲストは気にせずにギルド本部に入って行った。

 

(ヘスティア・ファミリアに入ったのだし、あの人とも顔を合わせておきましょうか…)

 

そう言ってバーゲストはギルドの受付員を一人一人見ていく。

 

(いた、あの人ね)

 

 

 

 

 

 

 

 

ギルド職員であるハーフ・エルフのエイナ・チュールは、何時もと少し違うギルドの雰囲気に少し戸惑っていた。

ギルドに居る冒険者達は皆ある噂に夢中になっている。

 

『【凶狼(ヴァナルガンド)】ことベート・ローガが、無名の女冒険者にやられた』

 

という、正直言ってあまり信憑性の無い噂だが、実際、豊穣の女主人の前でベート・ローガが女性にやられていたという目撃情報が多数寄せられており、噂は本当ではないか?と皆思い始めた。

 

「けれど、本当にそんな事あるのかしら…」

 

「だよね〜、あの【凶狼(ヴァナルガンド)】が無名の冒険者にやられるとか、そんな光景思いつかないし…」

 

エイナが呟くと、同じギルド職員のミィシャ・フロットがそう答える。

ベート・ローガはロキ・ファミリアが誇るレベル5の冒険者。そんな人が酔っていたとはいえ無名の冒険者にやられることがあるのか?と二人は思っていた。

 

「その女性の容姿とか、分からないの?」

 

「情報によると、容姿は金髪で、背はかなり高いんだって。顔はとても美人で…頭に角が生えてたってあるね」

 

「角?」

 

「そう、角、丁度あんな感じの…」

 

ミィシャはそう言って指を差した瞬間にピタッと動きが止まる。

エイナは何だろうとミィシャが指を向ける方向をみると…

 

背が高く、金髪の美女で角が生えている女性が真っ直ぐエイナ達に向かって歩いていた。

 

「エ、エエエエエイナ!絶対あの人だよ!絶対そう!」

 

「た、確かに女性と全部一致してる…!あの人が…!」

 

角が生えた女性ことバーゲストは、エイナの前に立った。

 

「すみません、今、よろしくて?」

 

「は、はい!本日はどの様なご用件でしょうか!」

 

()()()()()をしたいのだけれど」

 

「あっ、冒険者登録ですね!少々お待ちください!…え?」

 

(冒険者じゃ、無い…?)

 

目の前の女性は冒険者登録をしに来たと確かに言った。

 

(人違い…?いや、これだけ特徴が一致しているのにそれはありえない…今までオラリオで活動していなかった…?)

 

「あの、現在のレベルを教えていただいても…?」

 

「?……レベル1です、今日神の恩恵(ファルナ)を初めて刻まれました」

 

「えっ!?」

 

(じゃあ、昨日は神の恩恵(ファルナ)が無かったって事!?じゃあ、やっぱり人違い…?)

 

「あの…早く登録して欲しいのですけれど…」

 

「あっ、はい!すみません、失礼しました!こちらの紙をどうぞ!」

 

バーゲストは冒険者の情報を書く紙を受け取り、素早く記入していく。

あっという間に書き終え、エイナに渡す。

 

「はい、確認するので少々お待ち下さい…えっと、所属ファミリアは、ヘスティア・ファミリア…えっ!?」

 

エイナは今日何回めの驚愕か、バーゲストの所属がヘスティア・ファミリアだという事に驚く。

 

「しょ、所属はヘスティア・ファミリアなんですか?」

 

「そうだけれど…何か問題でも?」

 

「い、いえ!何でもありません!」

 

(やった、コレでベル君もパーティーを組んでダンジョンに行ける!)

 

エイナは担当冒険者であるベルがパーティーを組める事に喜ぶ。

 

(って、ベル君と同じファミリアなんだし、一応自己紹介してた方がいいかな…?)

 

「はい、冒険者登録はこれで終わりです」

 

「ありがとうございます」

 

「あ、少しいいですか?」

 

「何でしょう?」

 

「私、ベル・クラネル氏の専属アドバイザーをしている、エイナ・チュールと申します。クラネル氏の事、専属アドバイザーとしてよろしくお願いします」

 

「ああ、クラネルの専属アドバイザーの方でしたか。私はバーゲスト。クラネルの事、同じファミリアの団員としてこれからもよろしくお願い致します」

 

「は、はい!それで…バーゲストさんにもう一つ訊きたい事が…」

 

「…もしかして、【凶狼(ヴァナルガンド)】の事かしら?」

 

「!は、はい!それでその、もしかして噂は…」

 

「まあ、本当の事です。昨日あの駄犬を叩きのめしたのは」

 

「け、けれどバーゲスト氏はその時恩恵が無かったんですよね?なのにどうやって…」

 

「私が普通では無い事など、この角を見れば分かるでしょう?どうやって倒したのか訊かれても、真正面から殴り合っただけです」

 

「そ、そうですか…あ、これからのご予定は…?」

 

「特にありませんが」

 

「でしたら、ダンジョンに関する講習を受けていきませんか?クラネル氏も受けたんですよ」

 

「それはありがたい事です、是非お願い致します」

 

「はい!ではこちらにどうぞ、案内します」

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで講習は終了です、お疲れ様でした」

 

「とても実りの多い時間でした、感謝致します」

 

「いえいえ!バーゲスト氏がとても熱心に受けてくださってこちらの想定より早く終わって良かったです!」

 

「取り敢えず今日はこれで失礼します。明日からクラネルとダンジョンに潜りますので、よろしくお願い致します」

 

「はい!こちらこそよろしくお願いします!」

 

そしてバーゲストは冒険者ギルド本部から去って行った…

 

「ふぅ…バーゲストさん、とても良い人だったな…噂が本当ならとても強いだろうし、これでベル君の事も少しは安心出来るかな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バーゲストはホームに戻り、地下に入ると、ベルが目覚めており、ヘスティアと何か話していた。

するとヘスティアはバーゲストに気付く。

 

「お帰り、バーゲスト君!」

 

「はい、只今戻りました」

 

「あ、貴女は、昨日の…!」

 

驚いているベルを見てヘスティアは「フフン」と胸を張りながらバーゲストの側に立つ。

 

「紹介しようベル君!君が眠っている間に新しく入った、バーゲスト君だ!」

 

「バーゲストよ、姓は無いから気軽にバーゲストと呼びなさい。今日からよろしく頼むわね、クラネル」

 

「あ、はい!ベル・クラネルです!僕も、普通ベルと呼んでくださって結構です、よろしくお願いします、バーゲストさん!」

 

「ふふ、どうだいベル君、驚いただろう?」

 

「はい!凄いですよ神様、これでダンジョン攻略が楽になりますね!」

 

ヘスティアを讃えるベルと喜んでいるヘスティアを見てバーゲストは微笑む。

 

「っと、挨拶も済んだ訳だし。今日はバーゲスト君の歓迎会をするぞ!ジャガ丸くん持ってくるね!」

 

「ああ、それでしたら食材を買ってきたので。私が料理を作りますよ」

 

「え、バーゲスト君料理出来るの?」

 

「はい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「美味しい!神様、凄く美味しいですよ、これ!」

 

「ああ!バーゲスト君が来てくれて本当に良かった!良い事尽くしじゃないか!」

 

「そう言われると作った身としてはありがたい限りです」

 

バーゲストの歓迎会は盛り上がり、ヘスティアは2、3日留守にすると言って何処かに行ってしまった。

ベルとバーゲストは明日に備えて寝ようと、ベルはソファで眠ろうとしたがバーゲストから「無茶したんだから今日はちゃんとベッドで寝なさい!」と言われてバーゲストがソファで寝た。

 

そして翌日…

バーゲストとベルは準備を終えてダンジョンに向かおうとすると、ベルが何か悩んでいる。

 

「何か忘れている様な…」

 

「…豊穣の女主人で食い逃げしたことかしら?」

 

「……あっ…!?」

 

 

 

 

 

「本っ当にすいませんでした!!昨日はお金も払わずに飛び出して行ってしまって…これ、お勘定です」

 

「わざわざ謝りに来るとは感心じゃないか、ああ、それと金はいいよ、アンタの隣の奴が代わりに払ったからね」

 

「えっ!?バーゲストさん、払ってくれたんですか?」

 

「まあ、なんとなく事情は察しましたし、気にする事はありません。結果論ですが、同じファミリアの仲間なので」

 

「うう、ありがとうございます…」

 

ベルが涙を流しながらバーゲストに感謝していると、シルがお弁当箱を持ってやってくる。

 

「ベルさん、今日もダンジョンに行かれるんでしょう?これ、お弁当です」

 

「えっいや、そんな…バーゲストさんに悪いですし…」

 

「私は昨日の料理の残りを持って来ています、問題ありません」

 

「…それなら、すみません、頂きます」

 

ベルはシルから弁当を受け取り、二人は今度こそダンジョンに向かい始めた。

 

 

ダンジョンに着き、二人で下へ向かう階段を降りていく。

 

「今日は取り敢えず三階層を目指しましょうか、バーゲストさんは初めてですし、僕エイナさんに勝手に五階層まで降りた事凄い怒られて…」

 

「そうですね、最初は無理をせずにその辺りで自分の力を試すのが良いでしょう」

 

こうして二人は今日、三階層目指して攻略を始めた…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

ベル・クラネルは目の前の光景を信じられない、と言った感じで眺めていた。

 

「軟弱者!!」

 

ベルの目の前には重厚な鎧を身に纏い、コボルトやゴブリン相手に炎が宿る剣で無双しているバーゲストの姿があった。

 

「ベル!この辺りのモンスターは片付けた、他の場所に行くぞ!」

 

「あ、はい!」

 

(思いっきり口調が変わってるし!)

 

地上に居た時の丁寧な喋り方とは打って変わって、しっかりとした戦士の様な口調になったバーゲストに戸惑いながらベルはバーゲストを追った。

 

 

 

 

 

 

 

「やはりあの程度の相手では手応えが余りありませんね」

 

「そ、そうですか、凄いなあ、バーゲストさんは…武器に炎を宿らせたり、炎を飛ばしたり、一応冒険者としては僕の方が先輩なんですけれど…」

 

「取り敢えずヘスティア様が戻って来るまでは同じ様に稼ぎましょう」

 

「そうですね、今日の収入も何時もより多かったですし、この調子で明日も頑張りましょう!」

 

二人はダンジョン攻略について話し合いながらホームへと戻っていった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベルとバーゲストがダンジョンに行っている頃、ヘスティアは招待されていたガネーシャ主催の神の宴へ来ていた。

豪華な食事を少しだけホームに持って帰ろうと気付かれない様に箱に入れていると…

 

「こんばんは、ヘスティア」

 

「…フレイヤ…」

 

ヘスティアはフレイヤに声をかけられ、少し戸惑った様子でフレイヤを見る。

 

「お邪魔だったかしら?」

 

「ボク、君のこと苦手なんだ」

 

「うふふ、貴女のそういうところ、私は好きよ?」

 

「まあ、君はまだマシな方だけどね」

 

ヘスティアがそう言うと、遠くからドレスを着たロキが走ってやって来る。

 

「おーい、フレイヤ〜、ドチビっ!」

 

「あらロキ」

 

「ロキ、丁度良かった、君に訊きたいことがあったんだ」

 

「ハァ?ドチビがウチにぃ?」

 

「君のファミリアの【剣姫(けんき)】、ヴァレン何某には、付き合っているような男や伴侶はいないのかい?」

 

「あほう、アイズはウチのお気に入りや。ちょっかい出す奴は八つ裂きにしたる」

 

「ちっ!」

 

ロキが顔を顰めながらそう言うと、ヘスティアは舌打ちして、次の話題に切り替える。

 

「そういえば君のとこの【凶狼(ヴァナルガンド)】、バーゲスト君に負かされたって聞いたけど?」

 

「あーアレな、ほんっと勿体ない事したわ…バーゲストたん、ウチのファミリアに入ってくれたらなぁ…っていうかドチビ、バーゲストたんと知り合いなんか?」

 

「ああ、昨日ウチのファミリアに入ってくれたんだ」

 

「………は?」

 

「いやーごめんねロキ!君が目をつけてた子だったのに!まあバーゲスト君はロキ・ファミリアの団員に喧嘩売ったからロキ・ファミリアには入らないって言ってたからね!もう関係ないか!はっはっは!」

 

「こっ…のぉ…!なんでや、バーゲストたん、他のファミリアならともかく何でよりにもよってドチビのファミリアなんやぁ…!」

 

「いやー、あんなに切実にお願いされたら受けるしかないよね!『女神ヘスティア…どうか私を、このファミリアの一員として、迎えてくださいませんか?』だって!」

 

「ぐはぁっ!?」

 

バーゲストでマウントを取るヘスティアと、バーゲストをヘスティアに取られた悲しみと、元凶であるベートに対する怒りが湧き上がるロキを見てフレイヤはこう言った。

 

「仲が良いのね、二人とも」

 

「「どこが!?」」

 

そこからはいつもの様にヘスティアとロキの取っ組み合いが始まり、他の神たちがそれを見て笑っていた。

 

「今日はこんくらいにしといてやる!」

 

「次会う時は、そんな貧相なものをボクの視界に入れるんじゃ無いぞ!」

 

「うっさいわボケェ!」

 

「またやってたの?アンタ達…」

 

「!…へファイストス!やっぱり来て良かった、君に会いたかったんだよ!」

 

次に現れたのは、ヘスティアと古くから交友があるへファイストスだった。

 

「私に…?言っとくけど、お金はならもう1ヴァリスだって貸さないからね」

 

「失敬な!ボクがそんな神友の懐を漁るような神に見えるのかい?」

 

「よく言うわよ、散々ウチのファミリアに居候した挙句!追い出した後もお金が無い、家が無い、仕事が無いって泣きついてきて、そう思われるのは当然でしょうが!」

 

「ぐぅ…!た、確かに昔はそうさ、でももう違うんだ!ボクにも、ファミリアが出来たんだからね!」

 

「そうだったわね、ベルって言ったかしら?白髪で赤い目のあのヒューマン。まあ、ファミリアが出来て変わる神は多いけど…」

 

「へファイストス、ヘスティア、私そろそろ失礼するわ」

 

ヘスティアとへファイストスが話していると、側に居たフレイヤがそう言う。

 

「え、もう?」

 

「ええ、確かめたい事があったのだけれど…それも済んだし…」

 

「?」

 

「それに、此処にいる男は皆食べ飽きちゃったもの、じゃあね」

 

そしてフレイヤはその場から去っていった…

 

「すげー…」

 

「で、私に会いたかった用事ってなんなのかしら?内容次第じゃ、金輪際縁を切ってもいいけど?」

 

「わ、分かってるよ!実は…ベル君の為に、武器を作って欲しいんだ!」

 

 

 

 




如何だったでしょうか、良ければお気に入り登録や感想などよろしくお願いします!ガウェ子の非戦闘時の口調が変じゃないか心配です…そういえばオベロンピックアップが始まりましたが、皆さんどうですか?私は爆死しました、トリ子が欲しかっただけなんだよぉ!それでは次回もお楽しみに。
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