ダンジョンにバゲ子がいるのは間違っているだろうか? 作:猪のような
ファイヤボルト→×
ファイアボルト→○
はい、猪のようなです。
少し期間が空き過ぎてしまいましたでしょうか、もしそうでしたら申し訳ないです…少しここからの展開をどうするか悩んでしまいまして…二つありましたが後から出来たルートを選びました。
ここからの展開は原作とは違う点が出てきます。それでも良ければどうぞ!
「……申し訳ありません、もう一度言ってもらいたいのですが…」
バーゲストは目の前にいる存在に対してそう言った。
ヘスティアは隣で驚いた顔をしており、言葉を発せなかった。
バーゲストとヘスティアの目の前にいる存在…ヘルメスは、バーゲストに対してこう言う。
「じゃあ、もう一度言わせてもらうよ。バーゲストちゃん。君にアルテミス・ファミリアの増援として、エルセスの遺跡に向かって欲しい」
それは、運命を変える冒険の始まりだった。
事はベルがミノタウロスとの死闘を制し、その所為でベッドでずっと眠っている時に起きた。
ベルが動けない為ダンジョンに行くのを休み、ヘスティアがバイトに行ってしまい暇になってしまったバーゲストは、ホームの地下でのんびりしていると…
「どなたか居ないのですかー?」
と、上から声が聞こえてきた為、バーゲストは上に上がると水色の髪をした眼鏡を掛けている女性が居た。
「勝手に入ってしまい申し訳ありません、ノックをしても何も無かったので…」
「いえ、気にする事ではありません。それより此処に何か用が?」
「用があるのは貴女です、バーゲスト。私と一緒に来てもらいたい。私はアスフィ・アンドロメダ。ヘルメス・ファミリアの団長です」
「私に用が…?」
「はい。ヘルメス様がヘスティア様と貴女に話があるので、貴女をバベルに連れてくるようにと…」
「…分かりました、直ぐに準備致します」
バーゲストは直ぐに着替え、アスフィと共にバベルに向かった。バベルに着き、へファイストス・ファミリアの店の奥の部屋に入ると…
「おっ、やっと来た」
其処には既にヘスティアとヘルメスが対面しており、水を飲みながら二人を待っていたようだった。
「初めまして、俺はヘルメス。悪いね、急に来てもらって」
「構いません、神ヘルメス。今日は特にする事もありませんでしたので。私はバーゲスト。以後お見知りおきを」
「それじゃあバーゲスト君も来たんだし、話してもらうよ。ヘルメス、一体話って何なんだい?」
ヘスティアがそう言ってヘルメスを見ると、ヘルメスは真剣な表情になる。
「それじゃあ本題に入らせてもらうけど、まあ、単刀直入に言えばヘスティア・ファミリア…もっと言えばバーゲストちゃん個人に依頼を出したい」
「私に?」
「ああ…依頼内容は、アルテミス・ファミリアの増援として、エルセスの遺跡に向かって欲しい、だ」
「…は?」
そして冒頭に戻る。
ヘスティアは少し固まっていたが、直ぐに質問する。
「アルテミスの所に増援って、一体どういう事だい?」
「エルセスの遺跡には古代、大精霊達が封印した恐ろしいモンスターが居たんだが、最近になってその封印が解けてね。結構ヤバい事態になってきているのさ」
「それで何でバーゲスト君を増援に送るんだい!?もっとレベルの高い冒険者や人が多いファミリアを…!」
「…なるほど、事態は急を要するのですか?」
「鋭いね、バーゲストちゃんは」
ヘスティアが頭の上に?を浮かべていると、ヘルメスは説明する。
「恐らくエルセスの遺跡に居るモンスターは強力だ、第一級冒険者の手が欲しくなるほどね、だけど…」
「ロキ・ファミリアは遠征中。フレイヤ・ファミリアは主神から離れない…他のファミリアは?」
「居なくは無いけど、今オラリオにいる冒険者でフレイヤやロキの眷属以外でこの事態に介入出来るのは君だけだと考えた」
「ヘルメス!君は何を言っているのか分かっているのか!?バーゲスト君はレベル1なんだぞ!?」
「けれどバーゲストちゃんは【
「けど…!」
「それに、エルセスの遺跡にはアルテミスも向かっている。最悪の場合、アルテミスにも危険が及ぶ」
「だからと言ってバーゲスト君を向かわせる訳にはいかない。絶対に許さないよ、ボクは」
怒りを込めた声色でヘスティアはヘルメスにそう言う。
「バーゲスト君には助けてもらってばかりなんだ。この子を危険な場所に向かわせる事は出来ない。例え神友の為でもね」
ヘスティアは迷惑をかけている点に関しては、ベルよりバーゲストの方が世話になっていると思っていた。
ベルの為に自分のファミリアに入団してくれたバーゲストには多大なる感謝の念があり、バーゲストも自分の眷属としてベルと同じように大切にしなくてはならないと思っいた。
ヘルメスはヘスティアの強い視線を感じながらバーゲストに目を向ける。
「俺とヘスティアが話し合っても決着はつかないだろう。バーゲスト君、君はどう思う?」
「………」
バーゲスト目を落とし、依頼について考える。
(オリオンの矢に関わる事になるなんて…原作通りならアルテミス・ファミリアは壊滅し、女神アルテミスはアンタレスに取り込まれる…映画で見る限り私では勝てる訳もありませんが、それは
バーゲストは出来る事ならアルテミスを救いたかった。
だが今の自分にアンタレスを倒す程の力があるかどうかはハッキリ言って不安要素が多かった。
だが、それでも…
(それでも、私はバーゲスト。そして円卓の騎士、ガウェインの名を背負う者。騎士として、この困難に立ち向かわずして、強者となれようか…!)
ベルは命賭してミノタウロスに勝利した。自身も覚悟を決めなければと、バーゲストは顔を上げ、ヘスティアを見て、その次にヘルメスを見る。
「ヘルメス様、アルテミス・ファミリアはどうなるとお考えですか」
「…正直、アルテミスのファミリアじゃ不安だ、倒せる事は無いだろう」
「であれば、私が行けば倒せると?」
「少なくとも悪い結果にはならないと思っている…引き受けてくれるかな?」
「…私で良ければ、最善を尽くしましょう」
「バーゲスト君!?」
ヘスティアはバーゲストに駆け寄る。
「考え直すんだ!これは明らかに君が背負う様な問題じゃないぞ!」
「ヘスティア様…」
「ボクやベル君には君が絶対に必要なんだ!こんな危険な事に関わる必要は…!」
「ヘスティア様、安心してください」
「バーゲスト君…」
「私は必ず二人の居るホームに帰ってきます。私は騎士、バーゲスト。騎士としてやるべき事をやるだけです。私が必要とされるなら、私は行きます。例えどの様な死地であろうとも…」
ヘスティアは涙を流し、バーゲストはヘスティアを優しく抱きしめる。
「私を信じてください。私はベルを危険な場所から連れ戻す為に居るのです。これくらいの事を乗り越える事が出来なければ、そんな事不可能でしょうから…」
「…分かった、必ず、絶対、無事に戻って来るんだよ…」
ヘスティアはバーゲストから離れ、ヘルメスの方を向く。
「ヘルメス!その依頼は受けよう!但しバーゲスト君の支援は最大限に!それと、報酬はたんまりと貰うからね!!」
「ああ分かってるよ。無茶な依頼をしてるんだ、それくらいは喜んでするとも」
「それで、いつ、どうやって出発するんだい?」
「ああ、明日だ」
「「………明日?」」
翌日の早朝、オラリオ外壁にて。ヘスティア、ヘルメス、バーゲストの三人が集まっていた。
「神ヘルメス、数々のマジックアイテムを譲渡してくださり。ありがとうございます」
「良いんだよ、君やアルテミスが無事に戻ってくる為に役立てるならね。それよりすまないね、本当は防具なども渡したかったが、君に合うやつが無くてね…」
「それよりさ、出発するなら普通門からだろう?何でこんな場所に…」
「お、来た来た」
ヘルメスが上を見上げ、ヘスティアとバーゲストも追う様に上を見上げると、竜が一匹、空を飛んでいた。
「ハーハッハッハッハッ!!」
「う、うわっ!?」
声が聞こえ、竜から何かが飛び降りて来るのを見たヘスティアは、驚いてその場から離れる。
「が、ガネーシャ!?」
「そう、俺がガネーシャだ!!」
竜もガネーシャを追って降りると、バーゲストは竜に近寄る。
「これに乗って行くのですか?」
「ああ、俺がガネーシャに頼んでおいた。普通なら1ヶ月掛かるのをこいつなら8日で着くらしい」
「この竜は孵化した時からテイムしてあるから誰の言う事でも聞くぞ!それに特に速いのを選んで来た!」
バーゲストが竜の頭を撫でると、竜はバーゲストの手に頭を押し付けてくる。
「それじゃあ、そろそろ出発しようか」
「はい。神ヘルメス、神ガネーシャ。多大なるご支援に感謝致します。必ずやその期待に応えてみせると誓いましょう。ヘスティア様」
「バーゲスト君、ベル君はボクに任せて、アルテミスを頼んだよ。それと、絶対に無事に帰って来るんだよ」
「はい、誓います」
バーゲストは竜に跨がり、空を飛んで行く。
「行ってらっしゃ〜〜い!!」
「頼んだよ、バーゲストちゃ〜〜ん!!」
「ベル君と一緒に待ってるからね〜〜!!」
上からガネーシャ、ヘルメス、ヘスティアの順で遠ざかるバーゲストに言葉を贈る。
やがてバーゲストは見えなくなり、空が明るくなり始めた。
「ヘスティア、改めて謝罪する。すまなかった、そしてありがとう」
「良いんだよ、もうその話は終わったんだ。今はバーゲスト君が無事に帰って来るのを祈るだけさ」
ヘスティアは微笑みながらバーゲストが飛んで行った方向を眺めると、振り返ってその場を離れた。
バーゲストがエルセスの遺跡でどの様な物語を作り上げるのか、今はまだ、誰にも分からない…
「………あれ?」
ベルは目が覚めると、其処は知らない場所だった。
「此処は…?僕は確か、ミノタウロスと戦って…あれ、防具がある…?」
ベルはミノタウロスの戦いで破損した筈の防具やバゼラードがある事に気付き、疑問を抱きながら辺りを見渡す。
「湖…えっ、僕今水の上に立ってる!?」
辺りは湖が広がっており、ベルは湖の水面に足を着いて立っていた。
「一体何がどうなって………え?」
ベルは驚いていると、自身の目の前に誰かが立っている事に気付く。
そこには、全身を白い鎧で包んだ、青いマントを靡かせている騎士が、剣を水面に突き立てて、ベルと同じ様に水面に立っていた。
「あ、あの〜…すみません…」
「………」
「こ、此処って何処なんですか?やっぱりダンジョンの中…」
「………」
騎士は何も言わず、ベルをジッと見つめていると、水面に突き立てた剣を抜き、そして…
「な、ちょっと!?」
ベルに突然斬りかかって来た。
ベルは咄嗟にヘスティア・ナイフを抜いて剣を受け止めるも…
「ちょっと話を、ぐわっ!?」
騎士はベルを力任せに押し切り、吹き飛ばす。
ベルは受け身を取り、騎士の居る方向を見るが…
「いない!?何処に、ぐわっ!?」
騎士が一瞬で居なくなり、ベルが慌てていると、いつの間にか背後に居た騎士はベルの背中に蹴りを喰らわせる。
ベルはゴロゴロと転がり、仰向けになったところで止まった瞬間…
「っ!!」
騎士は既に空中からベルに向けて剣を振り下ろそうとしていた。ベルは転がってギリギリで剣を回避すると、剣が凄まじい勢いで水面に打ちつけられ、大きな水飛沫を発生させる。
ベルは互いに姿が見えなくなった隙に考える。
(なんて速さだ、アイズさんより速かった…!それにこの水飛沫、なんて力なんだ。どうして僕を襲うんだ…っ!?)
水飛沫の中から剣がベルに向かって現れ、ベルは咄嗟にバゼラードで受け止めるが…
「なっ、ぐあっ!?」
バゼラードは一瞬で砕け散り、ベルは顔を逸らすが、頬が剣先にに触れ、赤い血が流れる。
剣は再び水飛沫の中に消える。
「【ファイアボルト】!!」
ベルは剣が現れた方向に向けてファイアボルトを放つが…
(え…?)
次の瞬間、自身の首に剣が迫っている事に気付く。
ベルは横を向き、後ろを確認し、騎士が自分の後ろから剣を振るっているのを確認した瞬間、剣がベルの首は刎ねた。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「おぉぉぉぉぉぉ!?どうしたんだいベル君!?いきなり目が覚めた瞬間から絶叫なんて!!」
「ああ神様!!僕死んでませんよね!?生きてますよね!?首ちゃんと繋がってますよね!?」
「死んでないし生きてるし首も繋がってるよ!良かった、目が覚めたんだね…!」
ヘスティアは目に涙を浮かべながらベルに抱き着く。
「ぐぇ、か、神様…?」
「ベル君の馬鹿ぁ!心配したんだぞぉ!」
「す、すみません…」
「全く今回も君はねぇ!大体!」
ベルは目覚めた初っ端からヘスティアによる説教が始まり、後からリリルカも合流して二人から説教された結果、夢で会った騎士の事は完全に頭から抜け落ちてしまった。
「じゃあ、バーゲストさんは暫く帰って来ないんですか?」
「ああ、バーゲスト君の料理が暫く食べられないなんて…!」
ヘスティアからバーゲストがエルセスの遺跡に向かった話を聞いたベルは、不安そうな顔をする。
「大丈夫なんでしょうか…危険な場所なんですよね?」
「ああ、本当ならロキやフレイヤに頼み込むような案件だ、バーゲスト君がやる様なクエストじゃないんだけどね…けれど、バーゲスト君ならきっと大丈夫だよ、取り敢えずベル君は大人しく休むんだぞ?」
「あ、はい」
ベルはバーゲストが今何をしているのか考えながら再びベッドに横になり、ヘスティアは動けないベルやいないバーゲストの代わりになんとか家事をしようとしていた。
因みにその日の夜、ベルがレベル2になってヘスティアがめちゃくちゃ驚いたのは言うまでも無い。
それから数日、ベルはこの短期間でレベルアップした事によって注目されたり、二つ名が【
途中から混ざって来たシルとリューも加えてベル達は今後の方針をどうするか話していた。
「では、クラネルさんとアーデさんは今後、ダンジョンの中層に向かうおつもりなのですね」
「はい!けど、バーゲストさんもいないので、勿論調子を見ながらですけど…」
「そうですね…差し出がましい事を言うようですが、バーゲストさんが居ない状態で13階層より先に潜る事は、まだやめておいた方が良い」
「ベル様とリリでは、バーゲスト様無しに中層には太刀打ち出来ないとお考えなのですか?」
「そこまで言うつもりはありません。ですが、上層と中層は違う。モンスターの強さも数も、出現頻度も…能力の問題では無く、ソロでは処理しきれなくなる。バーゲストさん無しに中層に向かうなら、貴方達は仲間を増やすべきだ」
ベルはリューからそう言われて悩み始める。
「でも、肝心の仲間に加わってくれそうな人が…」
「パーティーの事でお困りか?【
近くに居た冒険者が席を立ってベル達に近づいてくる。
「え?」
「仲間が欲しいなら俺達のパーティーにテメェを入れてやろうか?俺達はレベル2だ、中層にも行けるぜ?けどその代わり…」
その冒険者はリューに視線を向ける。
「このえれぇ別嬪なエルフの嬢ちゃん達を貸してくれよ」
「えっ!?」
「仲間なら分かち合いだ、なぁ?」
冒険者がそう言い、ベルは立ち上がってパーティーの誘いを断ろうとした瞬間…
「失せなさい」
ベルが喋るより早くリューが冒険者達にそう言う。
「貴方達は彼に相応しく無い」
「ま、まぁまぁ妖精さんよ。俺らならこんなカスみたいなクソガキより断然良い思いさせてやるぜ〜?」
冒険者がそう言ってリューに手を伸ばした瞬間…
「触れるな!!」
リューはコップとコップの取っ手の間に冒険者の手を入れさせ、そのまま捻る。
冒険者が痛みに怯んで尻餅を着く。
「私の友人を蔑む事は許さない」
「このアマ、女だからって容姿しねぇぞ!」
冒険者がリューに飛び掛かろうとした瞬間、ドゴン!っと大きな音が響き、店内に居た全員が固まる。
音がした方を見ると、ミアがカウンターに拳を叩きつけていた。
「騒ぎを起こしたいなら外でやりな、此処は飯を食べて酒を飲む場所さ!!」
「お、おい、行くぞ!」
「アホタレ!ツケはきかないよ!」
「は、はいぃ!」
冒険者達は金を置いて逃げる様に店から出て行った…
「…ベル様、良かったですね、この場にバーゲスト様が居なくて」
「え、何で?」
「バーゲスト様ならベル様の悪口を言った辺りであの冒険者達に殴り掛かってたかもしれませんから…」
「そ、そうかな…」
「…それでは、仕切り直しをしましょうか!」
「そ、そうですね!」
そして翌日、ベルはバベルの塔に来ていた。
防具がミノタウロス戦で壊れてしまったので、新しい防具を買いに来てたのである。
「後、神様が言ってたけど、バーゲストさんも盾を無くしちゃったんだっけ、新しいのを買っておこうかな…確か製作者名は、アルトリア・キャスターだっけ?」
ヴェルフ・クロッゾ製作の防具とアルトリア・キャスター製作の盾を探すベル。
しかしどちらも中々見つからず、もう売ってないのかと思ったその時…
「だ、か、ら!何でいつもいつもあんな端っこに!!」
「そうですよ!あんなに端っこに置くなんて、何かの嫌がらせですか!?」
「こちとら命懸けでやってんだぞ!もう少しマシな扱いをだな…!」
赤い髪の男と金髪の少女に迫られている店主が、近寄ってくるベルを見てそちらに声を掛ける。
「いらっしゃいませ!何かお探しで?」
「あ、はい。ヴェルフ・クロッゾさんの防具と、アルトリア・キャスターさんの盾って、もう売られて無いんですか?」
「っ!…ふっ、はははは!」
ベルがそう言うと隣に立っていた赤髪の男が突然笑い始める。ベルが何事かとその男を見ると。
「あるぞ冒険者!ヴェルフ・クロッゾの防具ならな!」
男はそう言ってベルに防具を差し出す。
「どうだ、使ってくれるか?」
「え、でもこれ、貴方のものじゃないんですか?」
「ああ、俺のもんだな、俺の打った作品だ」
「え!?」
「どうせだから名乗っておくぜ、
「ええ!?貴方が!?」
「おう!そうだ、お前アルトリア・キャスターの盾を探してんだろ?」
「は、はい」
「紹介してやるよ!こっちの金髪の奴が、そのアルトリア・キャスターだ!」
ヴェルフがそう言うとヴェルフの後ろからアルトリアがひょこっと顔を出す。
「は、初めまして、アルトリア・キャスターです」
「おうアル坊、この冒険者はお前の盾をご所望らしいぞ?」
「……です…」
「ん?どうした?」
「今、私の打った盾は無いんです…!」
一先ず、ヴェルフの打った防具を買った後に別の場所に移動した三人。
「まさか、噂の【
「僕も、クロッゾさん本人に会えるなんて思いませんでした」
「なあ、そのクロッゾさんってのはやめてくれないか?そう呼ばれるのは嫌いなんだ」
「じゃあ、ヴェルフさん?」
「さん付けか、まぁ今は良いか。なあベル・クラネル!お前は俺の作品を二度も買いに来てくれた。もう俺の顧客だ、違うか?」
「ええ、まぁ…」
「くそ、遅かったか…」
ヴェルフがそう言い、ベルが同意すると周りに居た他の鍛治師達が離れていく。
「ああ悪い、ちょっとした縄張り争いだよ。それでだ、ベル。俺と直接契約を結ばないか?」
「え、直接契約?」
「お前の専属になって、武器でも防具でも作ってやる。ただ、俺の我儘を聞いてくれるとありがたい。勿論礼はする」
「何ですか?」
「俺を、お前のパーティーに入れてくれ!」
「ええ!?」
「頼む!」
頼み込むヴェルフを見てベルは特に断る理由も無いし、寧ろ仲間を増やしたいと思っていたところなので受ける事にした。
「分かりました、よろしくお願いします」
「恩に着るぜ!ありがとな、ベル!さて、これで一先ず俺とお前の話は終わった訳だが…」
ヴェルフはそう言ってベルが居る方とは反対の方を見ると、そこには膝を抱えて頭を膝につけて落ち込んでいるアルトリアが居た。
「アル坊、お前どうするんだよ、ベルはお前の盾が欲しいって言ってんだぞ?」
「ううぅ、本当にすみません、最近は違うものばっか打ってて、今すぐにでも作りますからお願いなので見捨てないでください…!」
「まぁこれからは俺が盾を作ってやれば良いか。ベルの専属になった訳だし」
「うわぁぁぁん!ヴェルフの馬鹿ぁぁぁ!!裏切り者ぉぉぉ!!」
アルトリアはベルに泣きつくと、ベルは慌てて説明する。
「いえいえ!大丈夫ですから、そんな今すぐじゃなくても、それに盾を使うのは僕じゃなくて、僕と同じファミリアに所属する人なんです!」
「え?」
ベルはバーゲストがアルトリアの打った盾を使っていた事と、そのバーゲストが現在依頼を受けてオラリオに居ない事を説明した。
「なるほどなるほど…では!その人が戻って来るまでに盾を作れば良いんですね、分かりました!よーし!頑張って凄い盾を作るぞー!そしてあわよくばその人と直接契約を…!」
「急に元気になったな…」
「直ぐ元気になるのが私の取り柄ですから!そうだベルさん!私もベルさんのパーティーに入れてください!」
「ええ!?」
「お願いします!バーゲストさんに見合う盾を作る為には必要なんです!」
「ま、まぁ、そういう事なら…」
「やったー!」
喜ぶアルトリアを見てベルとヴェルフは苦笑する。
この日、ベルのパーティーに新たなメンバーが二人加入したのだった。
はい、如何だったでしょうか。
なんと衝撃、バーゲストさんをエルセスの遺跡に向かわせます。何故こうなったかと申しますと…ベル君の方を原作通りにする為です。正直バーゲストさんいれば18階層までとか余裕やろなぁ…思って離れさせる事にしました。代わりに追加キャラのキャストリアが漸く登場。
キャストリアのステイタスに関してはこれから分かっていくと思いますが、一つ言えるとすればあの子が大きな活躍をする事は多分無いです。
それでは次回もお楽しみに!