IS~二人目の男性操縦者は魔法剣士!?~   作:ピーナ

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今回はあのキャラクターが登場です。


第二話 料理の魔改造は日本のお家芸

さて、授業が始まったわけだけど、僕はこの一か月の地獄の勉強によって問題無く理解できる。

思い出すだけで死んだような目になっているとは、アリサの言葉。

まあ一か月間、勉強10時間、IS操縦5時間の生活だったからなあ…。よく乗り越えた物だよ。

ふと、一夏の方を見てみると何故か周りをきょろきょろ見回している。どうしたんだろ?

その一夏の様子は前で教鞭をとっていた山田先生も気付いたらしく、

 

「織斑君、それに霧島君、今までの範囲で分からない所ありますか?」

 

と聞いてきた。僕はそれに

 

「大丈夫です。予習してきた範囲ですし」

 

と答える。一夏は一呼吸置いた後、

 

「ほとんど全部分かりません!」

 

と言い切った。いや、分からない事を素直に言うのは良いんだけど、ほとんど分からないってどういう事だ? 入学前に貰った参考書の最初の数ページの内容だから、ちょっとでも目を通していたら分かると思うんだけど…。

 

「…織斑、入学前に配布された参考書は読んだか?」

 

教室の前、入口の方に立っていた織斑先生がそう聞いた。

 

「古い電話帳と間違えて捨てました」

 

あー、丁度年度が代わる時期だしねー。…って、あれは間違えんだろ!

 

「必読と書いてあっただろうが馬鹿者」

 

織斑先生の言う通り、表紙に結構大きな字で『必読』って書いてあったから、間違っても捨てないだろ。

 

「後で再発行してやるから、一週間で覚えろ。良いな」

「い、いや、あの厚さを一週間はちょっと…」

 

まあ確かにそうだけど…

 

「やれと言っている」

 

自業自得だよねー。

 

「…はい、やります」

「霧島も手伝ってやれ」

「僕ですか? 僕なんかより、もっと良い人が居ると思いますけど…」

「男子同士の方が気が楽だろ」

「まあそうですね。分かりました」

 

丁度、僕も復習出来るだろうし良いかな。

 

「ISはその機動力、攻撃力、制圧力と過去の兵器を遥かに凌ぐ。そういった『兵器』を深く知らずに扱えば必ず事故が起こる。そうしないための基礎知識と訓練だ。理解ができなくても覚えろ。そして守れ。規則とはそういう物だ」

 

強大な力を持つ兵器を扱うために知識が必要なのはよく分かる。

操縦者もそうだけど、整備をする人もだ。生半可な知識で兵器を扱うと何かで人を傷つける。

事実、管理局内でも装備の不備で負傷したりする事故は年に何件も起こる。

知識や訓練はそれを未然に防ぐため、そして被害を最小限に抑えるために必須だと思う。

 

 

 

休み時間に入ってすぐ、一夏は僕の参考書借りて、早速復習を始めた。

 

「いやー、八雲すげえな。こんなの覚えるなんて」

「まあ、一か月間それしかする事が無かったからさ」

「どういう事だ?」

「乗れることが分かって、テストパイロットになる事が決まったんは良かったんだけど、そもそも引っ越す予定だったから、家は引き払ってたんだよ。だから、会社の研究室の一室に住まわせて貰ってたんだよ。だから、ご飯の時以外はIS漬け。そりゃ、覚えるってもんだよ」

 

つーか、一日10時間の勉強を一月ちょっと休みなし。そんだけあれば覚えきれる。

 

「よっぽど、辛かったんだな…。目が死んでるぞ」

「それ、何人にも言われた」

 

まあ、そのおかげで勉強には付いて行けるし、結果オーライかな。

 

「しかし、絶対的に時間が足りないな。どうしたものかな? とりあえず、授業はちゃんと聞くとして…専門用語だけでもまず覚えるか。言葉の意味が分からないと、授業そのものが分からないだろうし。後は、先生に特に大事な所を聞くか」

「山田先生が放課後に補習をしてくれるって言ってたから、そこで聞くよ。ありがとな、八雲」

「どういたしまして。頑張ってね」

 

もうすぐチャイムが鳴るので席に戻っていく一夏。

チャイムが鳴り、先生方が入ってくる。今度は織斑先生が教壇に立っている。山田先生は後ろに座って、手にはノートとペン。…山田先生も生徒なのかな?

 

「さて、授業を始める。がその前にクラス代表を決める。クラス代表は少し後に行われる、クラス対抗戦に出場する。まあ、それ以外も色々仕事のあるクラス長みたいな物だ。自薦他薦は問わん」

 

面倒そうだなー。出来れば遠慮したいんだけど…。

 

「しかし、いきなり他薦と言われても出会って数時間だ。とりあえず、一つの参考までに全員にやってもらった、入学での実技試験が有っただろう。それで、教員を倒した者が三人居る。織斑、霧島、オルコットの三名だ」

 

これは逃れられそうに無いなー。

予想通り、僕達三人を推すクラスメイト達。一応多数決を取ったけど、30人から当事者の僕達を抜いた27人は綺麗に三等分された。

 

「ふむ、ならば…実際に戦って決めるか。来週の月曜日の放課後、クラス代表決定戦を行う。そこで勝った者に決定権を与える。三人は準備をしていくように。以上だ。では、授業を始める。教科書を開け」

 

授業が始まる。

 

(さて、どうしますかね)

(普通にやれば、マスターに負けは無いと思いますが)

(どうだろうねー。空戦では負けないって自信はあるけど、IS戦はあんまり経験無いからな)

(とりあえずセシリア・オルコットの映像から、訓練プログラム作りましょうか?)

(んじゃ、それを探す所から始めるか。よろしく頼むよ、叢雲)

 

 

 

時間は進みお昼休み。今日は初日なので、一応授業はこれで終わる。あー、腹減った。

 

「八雲、飯行こうぜ。一人じゃ…無理だ」

「だね」

 

一夏の誘いに乗って、僕達は学食に向かった。

学食に行くまで一苦労…という訳でもなく、廊下に集まっていた人たちはちゃんと道を開けてくれた。まるでモーゼの海割りみたい。そんでもって僕達の後を付いてくる。気分は笛吹きだな。

さて、何食べるかなー。

 

「一夏は何にした?」

「とりあえず、日替わりランチ」

「当たり障りない感じだな」

「特にこれが食べたいってのが今ないからな。ならこういうので良いと思ってさ」

「んじゃ、僕はなんとなく焼きそばにしようかな。あと白米」

「炭水化物に炭水化物かよ」

「いやいや、ラーメン屋に行って炒飯頼む人も居るだろ? それと同じだよ」

 

小麦粉と米と言う意味だったら、フライとか天ぷらも当てはまるんだよねー。まあ、アイツらは衣メインじゃないけど。

 

「それもそうだな」

「後、ソースで米が美味い」

「それは分かる気がする」

 

そんな話をしながら空いている席に座る。

 

「んで、代表決定戦どうする?」

「ああ、それを考えると僕と一夏って敵なんだよなー」

 

一緒にご飯を食べてるのってどうなんだろ?

 

「まあ、そうだけど…」

 

とそこで、

 

「一夏、隣良いか?」

 

との声が。見ると、一夏の幼馴染の女の子。たしか篠ノ之箒さんだったかな?

 

「箒か。良いぜ」

 

一夏の返事を聞いて彼女は一夏の横に座る。

 

「っと、八雲紹介する。篠ノ之箒、俺の幼馴染だ」

「よろしくね、篠ノ之さん」

「よろしくたのむ、霧島。後、出来れば下の名前で呼んで欲しい。苗字は目立つのでな」

「ああなるほどね。了解。んじゃ、改めてよろしく、箒。僕も八雲で良いよ」

 

どうも僕の癖らしく、下の名前で呼んでくれと言われた人は呼び捨てにしてしまう。

 

「分かった、八雲」

 

今の所、それで不快感を持たれた事は無いんだけど。僕の人徳かな? とまあ冗談はこれくらいにして、

 

「勉強の方は僕と箒で見るし、先生方も手伝ってくれるでしょ。問題は実技の方だよなー」

 

僕に実技を教えるのは無理だ。出来るとしたら『徹底的にきっちり打ちのめす。その方が教わる側は学ぶことが多い』という、航空戦技教導隊の基本理念を実行する事位だ。

ただ、あれはある程度、基本が出来ている人にやる事だから、この場合は当てはまらない。

自分で出来るというのと、人に教えるっていうのは全然違う。そして、教える方が何倍も難しいと僕は思う。

ていうか、学校にある訓練用のISは貸出制だから、一週間の間で一回使えるかどうかと言った所だし。

 

「そうだな、ここのISは貸出制と入学案内に書いてあったし、そう簡単に使えるとは思えない」

「そうなのか? マジでどうしよう…」

 

三人寄れば文殊の知恵と言うけれど、今は良い手段が思い浮かばない。余裕があれば僕が教えれば良いんだけど、乗って一月、まだ教えられるレベルじゃない。

 

「お困りの用ね、ちょっとお姉さんに話してみない?」

 

三人で食べながら考えていると、一人の女子生徒が話しかけてきた。制服のリボンの色を見るに二年生。つまりは先輩だ。

なんでか、見覚えがある。水色の髪に赤い瞳の美人。特徴的な容姿だから、覚えてると思うんだけど…。あっ!

 

「生徒会長さんですよね?」

 

そうそう、今日の入学式の時に挨拶していた人だ。

 

「あら、よく覚えているわね。私は更識楯無。IS学園の生徒会長よ。よろしくね、霧島君、織斑君、篠ノ之さん」

「どうして俺達の名前を?」

「君達が有名だから。っていうのは少しだけあるけど、大きいのは理事長やら、IS委員会やらに君達の護衛を依頼されたからねー。対象の名前くらいは知ってるわよ。これでも強いのよ、私。ロシアの国家代表だし」

「「国家代表!?」」

「…って、なんだ?」

 

一夏のその言葉に、なんて答えればいいか分からない。だって、

 

「一夏、簡単に言えば現役時代の千冬さんだ」

 

姉がそうだったのに何で知らんの? って感じだし。

 

「あ、そっか。じゃあ、学生のうちにそんなのになってるって凄いんですね。更識さん」

「楯無で良いわよ。もしくはたっちゃんでも可」

 

たっちゃんって言うのはニックネームだろうか?

 

「よろしくお願いします、楯無先輩。僕も下の名前で構いません」

「そう? で、なにか困っていたみたいだけど?」

「座って、ご飯食べながらでどうですか? この時間なら、先輩もご飯まだでしょ?」

「じゃあ、横失礼するわね」

 

そう言って、空いていた僕の横に座る楯無先輩。

 

「えーっとですね…」

 

そう言って、僕は簡単にさっき話していた内容を先輩に伝える。

 

「という訳です」

「なるほどねー。確かにそれはその通りだわ。私も織斑先生に一夏君や八雲君のコーチを手の空いた時にしてやれって言われてたけど、今の時期、一年がISを使うのはそもそも難しいからね。何とか、一回だけでも貸し出せるように動いてみるわ。でも、八雲君は専用機持ってるんでしょ?」

「ええまあ。だから、僕は問題無かったんですよ。勉強を手伝ってやれって言われたんで、そのついでに相談に乗ってただけですよ」

「ちなみに稼働時間は?」

「150時間いくかいかないか位ですかね」

「…八雲君、IS乗れるのが分かって一月ちょっとよね? どんだけ厳しい事をやって来たのよ」

 

若干引き気味の先輩。どうやら、僕のやって来た事は国家代表から見ても無茶だったらしい。

 

「思い出すと目が死ぬくらいですかね。人生で二番目に辛かったです」

 

一番辛かったのは…闇の書の時、はやてが倒れてから解決するまでだね。もう思い出したくもないくらいだし。あの頃は『僕』が『僕』だという心を毎日鉋で削るように生きてた。もしも、もっと長く続いていたら、はやてが助からなかったら、きっと僕は今のような状態じゃ無かったと思う。

 

「どんなのかが気になるけど、目が死ぬようなのよりも辛い物を無理に聞くのはちょっとね」

「ですね。聞かれたくない事位、誰にでもありますし」

「…ありがとうございます」

 

その配慮は凄く助かる。身も心もボロボロになった時の話なんて誰もしたくないだろうし。

一つ言えるのは、僕はボロボロになったけど、自分のやりたい事は出来たから、その選択を後悔していないって事だ。

 

「ま、早くお昼食べちゃいましょ。時間は有効に使わないとね」

 

楯無先輩のその言葉で僕達は一端話し合いを止めて食事に集中する。

流石国が運営しているというか、食事関しては変態的な執着心をもつ日本だからなのか、IS学園の食事はかなり美味かった。これは、お気に入りとか決めず色々なメニューを食べたいね。色々な国からの留学生が来てるから、いろんな国の料理を食べれるし。

 




結構フライングで楯無さんの登場です。この世界ではそこまで仕事が忙しくなかったので、普通に入学式であいさつをしています。なので一年生も顔を知っています。コーチ役として登場回数も増えます。
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