IS~二人目の男性操縦者は魔法剣士!?~   作:ピーナ

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鈴登場の話にするつもりだったのですが長くなったので次に。


第七話 幼馴染と書いて『ライバル』と読む

結局一組の代表は一夏になった。

まあ、一夏は実戦で伸びるタイプっぽいし、良いんじゃないかなとは思う。

後、なんか最近箒とセシリアがいがみ合っている。何でだろ? よく分からん。

面倒事は御免だ。

さて、今日も授業頑張りますか。

 

 

 

「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、オルコット、霧島、見本として実際に飛んで見せろ」

 

僕達一組の専用機持ちが前に呼び出される。

 

「まずはISの展開からだ。やれ」

 

織斑先生の指示の元、ISを展開する。

ISは一度フィッティングをすると、待機状態としてアクセサリーになる。例えばセシリアの場合だと、左耳のイヤーカフス、一夏だと右腕のガントレット、僕は叢雲と共通のネックレストップ。

僕は素早くISを展開した。正直、感覚としてはセット・アップに近いので、そこまで苦にならない。

 

「織斑、集中しろ」

 

織斑先生の叱咤が飛ぶ。横を見ると一夏はまだ展開できていなかった。ちょっとして、一夏も展開を終える。

 

「よし、飛べ」

 

織斑先生の合図で飛び立つ。

一気に上昇していく、僕とセシリア。遅れて一夏。

 

「何をやっている織斑。スペック上の出力は出雲はともかく、ブルーティアーズより白式の方が上だぞ」

 

今日二度目のお叱りの言葉を頂く一夏。

 

「と言われても、『自分の前方に角錐を展開させるイメージ』って言うのがまだ感覚を掴めていないんだよなあ」

「一夏さん、イメージは所詮イメージ。自分がやりやすい方法を探す方が建設的でしてよ」

「そうだね。僕もそう思うよ。後は習うより慣れろだね」

「つまり…」

「反復練習あるのみ!」

「だよなあ…」

 

僕の言葉にげんなりする一夏。

 

「そうだ。八雲はどんなイメージで飛んでいるんだ?」

「僕? もう忘れた」

「忘れた?」

「うん。最初の頃は色々考えてたけど、ある程度感覚さえ身に付ければ自然と出来る様になった。多分やれば慣れるよ」

 

まあ、僕の飛ぶ感覚は飛行魔法で身に付けた物だから、説明のしようがない。飛べる感覚を知っているから、何も難しい事は無かった。

 

「八雲さんの言う通り、最初はイメージを意識しますが、その内感覚を掴んで出来るようになりますわ」

「とにかく練習あるのみって事か」

 

練習は嘘を付かない。才能がいくらあっても練習しない奴は強くなれない。銀髪馬鹿野郎を思い出すね。

 

「次は急降下と完全停止をやって見せろ。目標は地表から十センチだ」

「了解です。ではお二人ともお先に」

 

一番最初にセシリアが急降下していく。そして…停止。やっぱり上手いな。

 

「んじゃ、次は俺が行くぜ」

 

そう言い残して、降りていく一夏。…いや、あれはどっちかというと…

 

(落ちて行くですね)

(墜落しているよね。大丈夫かな?)

 

結果を言うと一夏はそのままグランドにクレーターを作った。痛くは…無いか。あれってどれくらいシールドエネルギー持ってかれてるんだろ?

それはさておき、僕も降りますか。ふと、クラス代表決定戦の後、織斑先生に言われた事を思い出す。分かりやすい方が良いかな?

という訳で僕は少し浮き上がってから、真っ逆さまに降りる。

 

(もう間もなくです)

(はいよ)

 

そのままの体勢で止まる。完全停止してから体勢を元に戻す。

 

「急降下、完全停止共に言う事無しだが、何故あのような真似を?」

 

織斑先生にそう聞かれる。

 

「見本としてなので、僕のイメージを分かりやすい形にしたら、ああなりました」

「イメージというのは?」

「僕の場合止まりたい高さに足場があると思ってそこに降りる感じなんですけど、普通にやったんじゃ分かりにくいと思いまして、バク転の要領でやってみました」

 

ちなみに、このイメージの元になっているのは『フローターフィールド』という魔法だ。簡単に言うと魔法陣で足場を作る魔法。結構簡単な物で、空戦の出来ない陸戦魔導師が高い所から飛び降りる時などに使われる事もある。

つまり、僕の急降下、完全停止の感覚は高い所から飛び降り、『フローターフィールド』の上に降りるという感覚から来ている。

 

「ふむ、なるほどな。霧島が言ったのはイメージの一例だが、専用機持ちや上級生のイメージを参考にするのは上達の手段だ。良いな」

 

最後の方はクラスの皆の方に向けて言っている。これで良かったかな?

 

「さて、次に行くか。次は武器の展開をしてもらう。まずは織斑」

 

先生に言われて武器を展開する、一夏。その間大体一秒。

 

「まあまあだな。まずは0,5秒を目指せ」

 

やっぱり織斑先生厳しいね。いや、実の弟だからより厳しいのかな?

一週間でこれなら十分だと思うんだけど。

 

「次はオルコット」

「はい!」

 

返事と共に、構え武器を呼び出すセシリア。スピードは一夏よりも早い。

 

「さすがに代表候補生と言った所か。しかし、そのポーズは直せ。誰に向かって撃つ気だ、正面で展開出来る様にしろ」

 

今のセシリアのポーズだと、銃身は完全に横に向いている。まあ、言われるよね。

 

「で、ですが、これは私のイメージを纏めるために必要な」

「直せ。いいな」

 

最後まで言わせない織斑先生。まあ、経験豊富な織斑先生からしたら、そもそも隙だらけな呼び出し方は早い内に直すべきだと思ったのだろう。

 

「オルコット、次は近接武器を展開しろ」

「えっ、あっ、はい」

 

スターライトを収納して、近接武器を展開しようとする。が、中々出来ない。

そういや、今までセシリアが近接武器を使ってるのを見た事無いな。

 

「まだか?」

「す、すぐです。――ああ、もうっ! 『インターセプター』!」

 

やけくそになって、武器の名前を呼ぶセシリア。だたし、これは教科書に書かれている初心者用のやり方で、代表候補生らしくはない。

 

「…何秒かかっている。実戦でも待ってもらうつもりか」

「じ、実戦では近接武器の間合いに入らせませんわ! だから、問題ありません!」

「ほう、織斑との対戦で初心者に懐に入られていたようだが?」

 

射撃型だから、近接武器の展開速度が遅くても良い。というのはただの言い訳でしかない。実戦では何が起きるかは分からない。だからこそ、武器の展開という基礎位はちゃんとこなせるようになるようにするべきなのだ。

 

「最後に霧島だ」

「はい」

 

呼ばれたので右手を一回開いてから、握る。すると、手には彩雲が握られている。

 

「ふむ、問題無いな。次は近接武器だ」

 

そう言われたので、彩雲を収納し、さっきと同じ要領で近接ブレードを呼び出す。これは、量産機にもあるごくありふれた物だ。

 

「こちらも速いな。…では、最後に両方同時に展開してみろ」

「やってみます」

 

近接ブレードを収納して、三度同じ要領で右手に彩雲、左手に近接ブレードを呼び出した。

 

「同時展開のスピードも速い。霧島、どうイメージしている?」

「武器の場合、イメージよりも、回数をこなしましたね。何百回とやってるうちに自然と出来ると思いますよ」

 

何もない所から武器を取り出すイメージって、完全にデバイスを装備する事になるから、説明できないんだよな。

だから、これは最初から出来た。

 

「当たり前だが、ISも反復練習が重要だ。基本的な技術が今出来なくても、何度も繰り返して、練習すれば霧島のように素早く出来る様になる。その為に精進しろ。良いな」

「「「「「はい!」」」」」

 

こうして、授業は終わった。

こんな感じで良いのかな?

 

 

 

「きーりん、基本的な技術凄いねー」

 

お昼休み、僕は本音と一緒にご飯を食べている。

この前のクラス代表決定戦にて本音は僕に賭けて一夜にして食券長者になった。そのお礼も兼ねて、彼女は僕にご飯を奢ってくれている。彼女曰く「完全にきーりんのお蔭だからねー。むしろ、気にせず使って欲しいな」との事だ。なので、お言葉に甘えさせてもらっている。

僕はそのお礼に週に2、3回お菓子を作っている。気にしなくて良いと言われたけど、食費が浮いているからこれくらいはね。

 

「基本は大事だからね。それに簡単に練習できる物が多いから、気軽に出来るしね」

「小さい事からコツコツとだね」

「そういう事」

 

攻撃系の派手な技術を磨くより地味な基本の機動を磨く方が最初の頃は良いと思う。

ISは格闘はともかく、射撃に関してはサポートするシステムがあらかじめ組み込まれているので、ある程度は扱えるが、移動に関しては練習あるのみだ。なので最初のような意見になる。

おっと、もうすぐ昼休みも終わりだ。さて、放課後は何をしようかな?

 

 

 

放課後、僕はアリーナで非常に地味な訓練をしていた。

 

「98…99…100! やっと、ノルマ達成できた!」

 

それというのは、空缶(500ミリ)を一回も地面に落とさず、100回連続誘導弾に当てるという物。

これは、なのはから送られてきた、誘導弾制御の訓練プログラム。なのははこれを9歳の頃にやって、誘導弾の制御のレベルアップをさせたのだとか。ノルマは連続100回だったのだが、今日初めて達成できた。最初なんて10回行くのがやっとだったんだけど、何度もやってく内にこなせた。

にしても…

 

(すげー、頭疲れる…)

(でしょうね。これを9歳の頃こなせた、なのはは天才ですね)

(才能もあるけど、それに溺れず努力するからねー。そりゃ、『エースオブエース』って呼ばれるよ)

(努力、才能、そしてマスターやフェイト、守護騎士の方々というライバルがいる環境ですね)

 

競い合う相手というのは大事だね。

幼馴染に負けたくないという思いで、努力する。勝ったら抜かれない様に、負けたら次は勝てる様に、良いスパイラルが生まれていた。

 

(そういう事なら、ここは良い環境だよね。友人であり、ライバルを作ろうと思えば作れるんだから)

 

人は努力する時目標が必要だと思う。

例えばスポーツだと、「レギュラーになる」とか「大会で良い成績を残す」とかになる。

目標がはっきりしていれば、努力する事がよりやる気になると思う。この学校には『ブリュンヒルデ』である織斑先生、現役国家代表である楯無先輩、そして各国の代表候補生。目標となりそうな人はたくさんいる。

向上心があれば、凄く伸びる環境だ。

 

「あっ、そうだ今日は簡易メンテナンスの日だった」

 

研究室の人に週に1回~2回は整備室で簡単なチェックをしろと言われているので、僕は曜日を決めてやっている。今日はその日だ。練習を切り上げて、行きますか。

 

 

 




次こそは鈴登場回になるはず。その前にあの人が出てきそうだけど。
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