IS~二人目の男性操縦者は魔法剣士!?~   作:ピーナ

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VS楯無戦です。そして予告通りになりました。


第十話 スペシャルって良い響き

さて、翌日放課後の模擬戦本番直前、僕は集中するために一人でピットに居た。

 

(マスター、今回はどのような手段で行きますか?)

(とりあえずは、距離を取っての射撃戦がメインになる。彩雲の二丁撃ちの弾幕を活かせば行けるでしょ。あとは、防御系の装備を使う事を考えたいな)

(一応、試験の時は問題無かったですが、実戦でどこまで使えるか、ですね?)

(そういう事。まあ、装甲はそこまで固くないから、防御の装備を使うのはホントに最終手段なんだけどね)

(マスターと機体の能力を最大限に生かした回避能力が出雲の強みの一つですからね)

 

個人的に防御するために動きを止めるのが好きじゃないからだけど。それと、僕が防御魔法が苦手だから。使うのも打ち消し系の『フォースフィールド』くらいだし。

 

(また、賭けではマスターが大穴ですけど)

(いや、普通に考えたら僕が大穴になるでしょ。むしろ僕に賭けた奇特な人に会いたいね)

(調べた所、また布仏本音一人の様です)

(やっぱり、本音はギャンブラーだねー)

 

いつも通り、叢雲と話していたら、管制室の織斑先生から連絡が入る。

 

『霧島、準備は出来ているか?』

「大丈夫です。何時でも行けます」

『そうか。…偶然だが、私が言った通りになったな』

「そうですね。まあ、でも良い経験をさせてもらうと思って頑張りますよ。では、行ってきますね」

 

ISを纏いアリーナに飛び立つ。…ダメだね、まだ見ぬ強者との戦いを楽しみにしてる自分がいるよ。戦闘大好きっ子のシグナムの事を言えないね。

 

(模擬戦で強い人に挑みたくなるというのは、シグナムだけでなく、マスター、なのは、フェイトにも言える事ですよ)

 

…あんまり自覚無かったんだけど。

 

 

 

「お待たせしました、先輩」

 

僕は先にアリーナに居た楯無先輩に遅れた事を謝る。

 

「良いわよ、そこまで待っていないし」

「そうですか。…しかし、かなり人入ってますねー。流石生徒会長、人気者ですね」

 

まあ、ロシアの現役国家代表だし、人気なのは当たり前か。

 

「八雲君目当ての子も居るわよ?」

「僕ですか? 僕より一夏の方が人気でるでしょ? 普通に考えて」

 

外見的に考えて。後、織斑先生の弟だし。

 

「ネガティブねー」

「そうですか? 客観的な意見だと思いますけど」

 

それに、僕の見た目がどう捉われようとも、割とどうでもいい。というか、知らない人の評価はどうでもいい。

 

『二人とも準備はいいか』

「「はい、大丈夫です」」

『では、戦闘開始!』

 

織斑先生の合図で僕と先輩は武器を呼び出し、戦闘を始める。

 

「様子見は無し、弾数マシマシ、速さミックスで行かせてもらいます!」

 

折角の機会だ。全力で行かないとね。僕は両手に彩雲を持ち攻撃を始める。

 

「えげつないわねー。それを凌ぐのお姉さんでもしんどいのよ?」

「そう言いながら、その水のヴェールみたいなので凌ぎつつ反撃するの止めてくださいよ。」

「その反撃をあっさり避けるんだから、嫌になるわね」

 

状況は硬直し、お互いエネルギーをすり減らしながら、時間が過ぎていく。

 

 

 

さて、所変わって、管制室。

大半の生徒はスタンドで観る。理由は気楽に観戦できるから。

しかし、一部の生徒は管制室で観る。その理由は先生の解説付きで観られるから。しかも今回は織斑先生というとびきりの解説付きだ。

今回ここには一夏とそのハーレム、合わせて4人がいる。

 

「何あれ!? 無茶苦茶強いじゃない! 国家代表と互角ってどういう事よ!」

 

この中で唯一八雲の試合を初めて観る鈴がそう言う。

 

「正直な所、私も驚いていますわ。いい勝負はすると思っていたのですが、まさかここまでとは…」

「八雲の実力のそこが知れんな」

「つーか、あんな奴とIS操縦二回目の時に戦ったのかよ…。国家代表とほぼ互角ってさ…」

 

三人もそれぞれ感想を口にする。

 

「お前ら、何を見ている。互角などでは無い。あれは、霧島が押している」

「「「「えっ!?」」」」

 

織斑先生の言葉に驚く四人。

 

「そうですね。更識さんの機体は今の距離より近い距離が一番力を発揮できます。霧島君はその距離に入れさせていないので、霧島君有利と言って良いと私も思います」

 

織斑先生の言葉の後に続く山田先生。

 

「…しかし、押していると言っても、若干と言った所だ。天秤はどちらに傾くか、ここからどう動くかはまだ分からない。更識も霧島も奥の手を残しているだろう。劇的に動くのはこれからと言った所だ。注視しておけ」

 

織斑先生のその言葉に部屋の全員がモニターに目を向ける。

 

 

 

「酷いわねえ。私の得意な距離に入れてくれないんだもん」

「当たり前です。誰が、好き好んで相手の土俵に上がりますか」

 

こっちの方が有利な距離が長いのだから、態々先輩の得意距離に入れさせる必要は無い。相手の土俵で戦って勝てるのはよっぽどの実力差か極端な機体相性が無ければ難しい。

 

「…にしても、その回避能力は凄いわね。ズルいくらいよ」

「ズルいって言われても困りますけどね。手を抜くって失礼ですし」

「それもそうね。なら、私も奥の手を使わせてもらおうかしら」

(マスター、周囲に高エネルギー。なおも上昇中)

(そこから、考えられる手段は?)

(爆発かと)

(やっぱりか)

 

それを聞いて僕は高度を一気に下げる。

 

「あら、そのくらいでこの攻撃からは逃げられないわよ?」

 

先輩はそう言って、指を鳴らす。その瞬間、爆発が僕の一帯を襲う。

アリーナは砂煙に覆われた。

 

 

 

 

(プロテクションシステム、作動を確認。機体損傷、40%。まだ行けます)

(プロテクションしてこの威力…。無かったらヤバかったね。N&Fの用意は?)

(そう言われると思い、準備しておきました。あれなら、厄介なヴェールをぶち抜いて戦闘不能まで持っていけるでしょう)

(流石だね。なら、行こうか。幸い砂煙で視界も悪いし)

(了解、ツインバレット始動。エネルギーチャージ完了。彩雲接続確認。発射準備完了)

 

僕は二丁の彩雲を接続させ、構える。

 

「N&Fスペシャルバレット、ブラストカラミティ! シュート!」

 

幾条ものエネルギーの帯が楯無先輩を襲う。

 

『試合終了。勝者、霧島八雲』

 

どうやら、予想通りエネルギーをゼロまで持って行けたようだ。

 

(ふう、何とかなったねー)

(しかし、ブラストカラミティはエネルギー消費が大きいですね。まだ改善が出来そうです)

(彩雲もまだまだ改良の余地ある感じ?)

(出来て二月経っていないのです。余地は全然あります)

 

まあ、それもそうか。稼働二か月で完成させれるほどISは簡単な物じゃないはずだ。

管理局で使われているヘリや次元航行船は完成から正式配備まで何年もかかる。完成した後、たくさんのデータを集め、より磨き上げてから本当の完成と言えるのだ。

 

「いやー、完敗よ。強いわね、八雲君」

「ありがとうございます、先輩。凄くいい経験になりました」

「それは私のセリフよ。強い人との戦いは得難い経験なの。2,3年には専用機持ちが私を含め3人しか居なかったから、八雲君と戦えて良かったわ。…そこで残念なお知らせなんだけど、八雲君が生徒会長ね」

「…………えっ?」

 

先輩の言葉がちょっと理解できないんですけど。セイトカイチョウってどこの国の言葉でしょうか? 

 

「そのままの意味よー。現実逃避しても意味ないわよ」

「ですよねー。…って僕、高校に進学して一月しか経ってないんですけど!」

「まあ、たしかに無理があるよねー。なら、今年一年副会長として、生徒会に関わってもらいます。それで、来年度から会長になるって方向で行きましょう」

「…会長になるのは決定なんですね」

「IS学園の生徒会長=学園最強だからね。あ、もちろん、生徒の中でよ」

 

そりゃ、学生のうちから織斑先生に勝てたら、大金星ってレベルじゃない。文字通り世界中の注目の的だ。

 

「…はあ、分かりました。ただ、テストパイロットの仕事も有るんで、そこまで過度な期待をしないでくださいね」

 

忙しくは無いけれど、何時仕事が入るか分からない、テストパイロットのもそうだけど、管理局の方もある事だし。

 

「分かったわ」

「それじゃ、僕はピットに戻ってアリサに連絡入れてきます」

 

そう言って、僕はピットに戻っていく。

 

 

 

「…という事になったんだけど」

『ん、了解。どうしてもアンタじゃないとダメなもの以外は何とかするわ。管理局の方は難しそうだけど?』

「今でも、無理言ってもらってるからなー。まあ、元々凄い忙しいって訳でも無かったし何とかなるでしょ」

 

実働だけな分マシと言った所だ。書類仕事が無いってのは嬉しい。

 

『そう。…しかし、楯無に勝つとはね』

「僕もビックリだよ」

『全然、そんな感じしないわよ?』

「…まあ、詳細は送るよ。僕の意見も入ってるから、極秘エリアにね」

 

戦った感じ、先輩の強さを魔導師ランクで表すとAA+~AAAと言った所だ。(これは純粋な空戦の技能のみ) 技量は十分なんだけどやはり経験不足は否めない。咄嗟の判断とかがまだ甘い。まあ、どれだけ早く代表候補生に慣れても中学2,3年、専用機持てるのは入学してからといった感じだし、ほとんど模擬戦なんだから、その辺は仕方ない所だろうけど。

 

『OK。とりあえず、今日はお疲れ様』

 

まったく、その通りだよ。

とりあえず、今晩もはやてに電話するかな~。

 

 

 

「更識、実際に霧島と戦ってどうだった?」

 

所変わり、楯無側のピット。そこで、織斑先生と楯無は二人でいた。

 

「強さは桁外れでしたね。多分ですけど、彼、あれでも全力じゃなかったと思います」

「それはありえそうだな。…しかし、お前ほどの実力者でも見極められないとはな」

 

この戦いにその打算があったことは確かである。

 

「世界は広いと実感しました。…八雲君は何者なんでしょうか。更識が経歴を調べても出てくるのは普通の中学生の物ばかり。交友関係もアリサを除けば特筆する点が無い」

「学園の安全を守る側としてはイレギュラー過ぎるな」

「…とりあえずは生徒会に所属してもらって、私自身が監視します」

「頼んだぞ」

 

さて、八雲を取り囲む環境はどうなるのか…。




さて、次回はクラス代表戦になると思います。
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