IS~二人目の男性操縦者は魔法剣士!?~   作:ピーナ

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これで一巻の内容、終わりかな?


第十一話 予兆

クラス代表戦当日、普通皆は客席だったり、どこかのモニターで観たりしてるんだけど、僕はちょっと違う。

 

「…VIPルームって初めて来たよ」

 

そう、僕はアリサのエスコートの為にアリーナのVIPルームに来ていた。…多分、こういう機会が無かったら、一生こんな所入らないよねー。

 

「設備は良いんだけど、臨場感には欠けるのよね。生で観るなら、下の方が良いわよ」

「それは、分かる気がするよ」

 

これじゃ、快適な部屋でテレビを見てるのとそこまで変わらない。

 

「正直、VIPルームは一種のステイタスみたいな物よ。後はIS学園の場合、おっさん達の目の保養もあると思うわ」

「…ズバッと言っちゃったねー」

 

まあ、IS学園の女子のレベルは無駄に高い。入学基準の容姿って無かったと思うけど…。

そんな美少女達がきわどい恰好をしてるんだから、まあ、目の保養にはなるわな。

 

「アンタ、そういう目で…見てないわよね。これでもかと言うくらいはやて一筋だし」

「一応、男だからそういうのは分かるんだけど、あんまり興味ないかな。はやてに悪いし」

 

それにきわどい恰好って言うなら、フェイトのソニックフォームが有るしね。ある意味見慣れてるってのもある。

 

「そういや、鮫島さんは?」

「今日は休みよ。鮫島も仕事人間だからね、こっちから言わないと休まないのよ。セキュリティのしっかりしたIS学園でなおかつアンタというボディーガードが居るから、納得してくれたわ」

 

…そう言えば、思い返すといつも鮫島さん働いているな。いつ休んでるんだろ?

 

「バニングス社って福利厚生しっかりしてるよな?」

「してるわよ。かなりの優良企業よ」

「僕の記憶で鮫島さんが休んでた事無かったんだけど?」

「鮫島はウチの家の執事だからね。それとは別扱いよ。後、さっきも言ったけど、あの人こっちから言わないと休まない人なの。むしろ、こっちが言っても休まない人なのよ」

「そんだけ、執事の仕事に誇りを持ってるって事かな?」

「多分ね。…ホント、感謝してもしきれない人よ。鮫島への恩返しは、まだまだ先になるけど、その時しっかり胸を張れる様に今は頑張らないとね」

 

多分だけど、そんな事する必要ないと僕は思う。

鮫島さんにとっては娘みたいなものだろうから、何事も無く大人になる事が一番の恩返しなんじゃないかな?

あくまで、僕の考えだし、アリサがそれで良いのなら、彼女の努力の邪魔をする必要は無いしね。

 

「さて、初戦は…いきなりの好カードね」

「ああ、中国の代表候補生VS世界最初の男性IS操縦者だね」

「どっちが勝つと思う?」

「普通に考えたら鈴だと思うよ。いくら一夏が才能あっても、たったの一月の練習で覆せるほど代表候補生は甘くない。ただ…」

「ただ?」

「お互い戦闘の経験がそこまで多くないから、どう転ぶかは分からないね」

 

一夏は見てきたけど、鈴の方は完全に未知数だし。まあ、可もなく不可も無くって所だろ。

 

「やってみなければ、分からないって事?」

「まあ、そんな感じ。余程の実力差が無いと、絶対どっちかが勝つって言うのは無いよ」

「勝ち負けは時の運って事?」

「あんまり言いたくないんだけどねー。運の要素は大きいと思うよ」

 

特に実力に差が無い場合は。これは、僕の経験。そうじゃなかったら、僕となのはとフェイトとシグナムとヴィータの戦績があんなに横並びにはならないと思うし。

 

「とりあえず、予測が付かないから楽しめるって事ね」

「そういう事」

 

 

そのまま、VIP席で試合を観戦している。

 

「たしか、鈴のは第三世代機『甲龍』。特殊兵装『衝撃砲』を搭載だったっけ?」

「らしいわね。実物を見てどう?」

「完成度は高いんじゃない?」

「表現が微妙な所ね」

「多分何とか出来るし」

 

攻撃のタイミングが丸わかりだから、対処はいくらでも出来ると思う。

 

「自信があるのは分かったわ」

「まあ、僕と叢雲の力でだけどね」

 

実戦で常に共に戦ってきた相棒に置く信頼感は凄まじい物だ。もちろん、なのは達とは違うベクトルでだけど。表現するなら、ありきたりだけど最高の相棒。

 

「まあ、今は目の前の戦いを楽しもうよ」

「そうね」

 

さて、アリーナでは一夏が距離を取り、瞬時加速の構えに入る。勝負所と思ったのかな?

 

『マスター! 直上に魔力反応!』

「はあっ!?」

 

僕の驚きの声と共にアリーナ全体に大きな衝撃が起こる。魔力反応の元か?

 

「い、一体何よ!?」

「叢雲が魔力反応を感知したらしい。ひょっとしたら、こっちの領域かも。叢雲、どうだ?」

「恐らく、自立式のロストロギアかと。管理局のデータベースに類似の物がありました。名前は『ゴーレム』見た目が違うので、コアの部分のみ持ち込み、外はこちら側で作ったと思われます」

 

表示されたデータだと、確かにかなり外見が違う。

 

「マスター、さらに悪い報告が」

「何?」

「アリーナの電子ロックがすべてあちらに握られました」

 

…面倒な事になったな。アリサを避難させられないか。

 

「私の命、アンタに預けるわ」

「…そこまで言われたら、全力で状況の打破をしますよ。叢雲、プランは?」

「下で、織斑一夏、凰鈴音が戦っていますが、相手の動力源は魔力を元とした永久機関です。なので効果はあまりありません。考えられるプランとして、高魔力の一撃での強制封印を推奨します」

「それしか無いか。叢雲、セット…」

 

僕がセットアップをしようと思った瞬間、ゴーレムがこっちを向く。魔力を感知されたか? そして、そのままこちらに砲撃の体勢を構える。

 

「ちっ! 叢雲、二重装着! その後、プロテクションシステム作動!」

「了解」

「間に合えよ! フォースフィールド!」

 

僕はアリサを護る為に呪文を唱える。

次の瞬間、砲撃が叩き込まれた。

 

「叢雲! プロテクションは後どれくらい持つ!」

「全エネルギーを回して、10秒です」

「それだけあれば、十分だ! カートリッジフルロード! 古の炎よその一撃で魔を滅せよ! エンシェントノヴァ!」

 

ピンポイントの古の業火がゴーレムを焼き尽くす。

 

「強制封印成功を確認」

「ふう、何とかなったか。アリサ、ケガは?」

「私は大丈夫よ。それよりアンタは?」

「僕も大丈夫。久しぶりに魔法を使ってちょっとスッキリしたくらい。しかし、また面倒事に巻き込まれそうな予感だよ…」

「やっぱり、お祓いに行く?」

「もしかしたら、お願いするかも」

 

 

さて、当然あんなことが有ったから、クラス代表戦は中止になった。

僕はまず、事情を聞かれたけど、何も知らないの一点張りで乗り切った。まあ、言っても信じて貰えないと思うし。

報告はアリサの方からやってくれるそうだ。時間が無さそうなのでお願いした。…多分呼び出しが有りそうだけどなー。

しかし、まさかこっちでロストロギアが使われてるとはねー。何か起こる星の元に生まれたのかな?

 

(可能性としては大いにあり得ます。今後も警戒が必要かと)

(改造を受けていたから、偶発的な事というのはあり得ない。今後も襲撃は有るだろうね)

 

撃退は出来ると思う。被害を考えなければ。学園と協力するか、管理局から誰かを送ってきてもらうか…。それは僕が判断する事じゃないけど、一人じゃ辛い事は間違いない。

 

(とりあえず、警戒をしつつ過ごすしかないか)

(そうですね。とりあえず今日はお休みになられては?)

(だね)

 

そう言って、僕は眠りに着いた。




そういや、このお話で初めて魔法を使ったなー。
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