IS~二人目の男性操縦者は魔法剣士!?~   作:ピーナ

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予定を変更して学年別トーナメント突入です。


第十七話 一回あった事は何度でも繰り替えすんですよ

なんか色々あったあの日からそこそこの時間が経ち、学年別トーナメント当日なんだけど…実は僕は出場しません。

実戦的な模擬戦闘を行うとかで、試合形式がタッグ戦になった事がその理由だ。

IS学園は一クラス30名×4クラスで120人。それに鈴、シャルロット、ボーデヴィッヒさんの三人で123人。普通のトーナメントなら一人シードで良かったんだけど、タッグ戦だと一人チームが出来ない。それで、先生方が話し合った結果、生徒会長と互角以上の実力を持つという理由で僕は外される事になった。

 

「アンタが出ないのなら来た意味あんまり無いわね。折角すずかも誘ったのに」

「なんか、ゴメン」

「私はなかなか生で見る機会の無いISの戦いを間近で観れて、アリサちゃんに感謝しているよ?」

「そう? すずかがそう言うなら良いんだけど」

 

この前のクラス代表戦と同じ様に観戦に来たアリサとアリサが誘ってきたすずかと三人でVIPルームで観戦している。まあ、まだ始まっていないんだけど。

 

「とりあえず、何か飲む?」

「紅茶」

「私も同じものをお願い」

「了解。…いや、かしこまりました、お嬢様方」

「……やっぱり、アンタにお嬢様って言われるのは無いわ」

「やっぱ酷くねえ?」

 

この状況だと、一番合いそうなんだけど。

 

「僕、キャラ的に執事とか向いていると思うけど?」

「それは否定出来ないわね」

「でも…それよりも八雲君のキャラに一番ピッタリなのは、母親だと思うよ?」

「……性別は男なんだけど」

「九歳からはやてと一緒にヴィータ達の面倒見て、八神家の家計を預かっているアンタにベストだと思うけど?」

「……何も言い返せねえ」

 

自覚はあるしね。

 

「それはそれとして、今回も解説お願いね」

「了解。まあ、多分三年はダリル・ケイシー先輩のチームの一択、二年は本命更識楯無先輩で対抗がフォルテ・サファイア先輩の二組のどっちかになるかな。一番難しいのが一年だね」

「専用機を持っている人が多いんだっけ?」

「今回出ているのは三人だけなんだけど、それだけじゃなくて、連携や実力もそこまで差が無いから上手く突ければ勝てるかもしれない。とはいっても……」

「いっても?」

「実力だとドイツのボーデヴィッヒさん。でも、これはタッグ戦だからねー。単純な足し算で実力を測れないって事」

 

1+1=2。でも、力の使い方、戦い方を考えれば答えはもっと大きくなる。そして、戦いは計算じゃない。その数字の差すら埋める色々な要素がある。

 

「まあ、先が分からないから楽しめるんじゃないかな?」

「そうだねー。っと、組み合わせの発表だ。一番最初の試合はっと…おお、面白くなりそう」

 

モニターに表示されたのは、Aブロック一回戦第一試合織斑一夏&シャルル・デュノアVSラウラ・ボーデヴィッヒ&篠ノ之箒となっていた。

 

 

さて、対戦は開始すぐに箒が脱落。二対一で攻める一夏・シャルル組だけど、AICによって有利にさせないボーデヴィッヒさん。

 

「ていうか、あのAICだっけ? ちょっと強すぎない?」

「でも、お姉ちゃんが言うには相応の集中力がいるみたいだよ。一対一ならともかく、今の状況なら破る手段はあるだろうね」

「まあ、集中力がいるのなら、殺気とかそういうので分かるんじゃないかな」

「アンタなら、いや、なのは達も出来そうね」

 

シグナムなら絶対できるだろうなー。フェイトやヴィータも。逆になのはは出来なくても問題無いし。

 

「おっと、決着が着き……って何だアレ!?」

 

思わずそんな声を出してしまう。

何故なら、ボーデヴィッヒさんがISに飲み込まれた。表現としてこれで良いかは分からんけど、こうとしか表現出来ない。

 

『霧島、聞こえるか?』

 

ISのオープンチャンネルを通じての織斑先生の通信が入ってくる。

 

「何ですか? 織斑先生」

『避難誘導を手伝え』

「了解です。――という訳で、避難するけど。ここからは僕の指示に従って」

「「OKよ」」

 

僕は二人をトーナメントが行われる前に覚えたマニュアル通りの避難場所に誘導する。

そこから、他の来賓や生徒たちの避難の手伝いをする。

しかし……結構鎮圧に時間が掛かってるな。ISは一機しか居ない。教師陣、先輩たちが総動員されればすぐなのでは?

 

(マスター)

(どうしたの、叢雲?)

(鎮圧が遅い原因は、あのISがさらに変化して暴走している様です)

(それでも、掛かり過ぎじゃない?)

(ISの動力に魔力反応が有ります)

(……また、ロストロギア?)

(恐らくは)

 

マジかよ…。

ここまでロストロギアがらみの事件が続くとなると、本格的に応援の要請を考えないとな。

 

『霧島、今どこにいる!』

 

再び織斑先生からの通信。少し声色が焦っている。

 

「避難誘導を終えてまだアリーナの外に居ます」

『教師陣の補給の時間を稼いでほしい。今は更識が何とか一人で抑えているが、奴もエネルギーにこころもとが無い』

「了解です。…織斑先生」

『何だ?』

「時間稼ぎとは言わず、倒してしまっても構わないんでしょ?」

 

 

 

僕は再びアリーナに戻る。念のためISスーツを着ていて良かった。

 

(叢雲行くよ)

(了解。魔力認識、確認。IS名『出雲』、専属操縦者、霧島八雲…確認できました。出撃準備完了)

 

出雲を纏った僕は事件の起こっている現場に降り立った。

つーか、あれISなのか? どっちかというと、小さいナハトヴァールの暴走体って感じなんだけど。

って、攻撃が先輩に! 僕はその攻撃を誘導弾で撃ち落とす。

 

『先輩、聞こえますか?』

『八雲君、どうしてここに?』

『織斑先生の指示です。先輩もエネルギーに余裕が無いはずです。一回体勢を立て直すために、ここは下がってください』

『……分かったわ。ここは任せるわよ』

 

そう言って、先輩はピットに戻っていく。

 

(叢雲、動力は何処に?)

(目標の中心部かと。しかし、何重もの装甲があり、なおかつ再生能力も有りますね)

(めんどくさい事この上ないな。てことは高火力を連続でか)

(なおかつ、封印の為に魔力が必要ですね)

(その辺はISのエネルギーを魔力に変換して撃ち出せば良いだろ。…まさか、本当に使うとはな)

(強制封印用に一応用意しておいたエネルギー変換システムですね。確かに)

 

回避をしながら現状の確認と打破の手を考える。

なんか凄い事言ってるけど、これ自体は使い古されたものだ。

そもそも、魔力を何か別の物に変えるというのは魔力資質の一つ『変換資質』があるし、野外活動用に魔力を電力に還れる発電機があったり、膨大なエネルギーを魔力に還る物もある。後者の代表例が魔導砲『アルカンシェル』だ。

 

(必中を期すなら策は一つ。Yバレットの準備は出来てる?)

(もちろん。いつでもどうぞ)

 

よし、そんじゃ、決めますか。

 

「コードACS起動!」

 

僕の声と共に彩雲の銃口の下からエネルギー刃が現れる。

それを確認した後、僕は瞬時加速で一気に目標に近付く。

そして、装甲に刃を突きたてる。

 

「さーて、何発まで耐えられるかな? エレメンタル・マスター!」

 

魔力とエネルギーの混合弾を一発、二発と撃ちこんでいく。結構反動があるし、ゼロ距離なので、僕の方にも負担は大きい。

六発目を撃ちこんだ時、

 

(中枢部露出、純魔力砲で封印を)

「カートリッジロード! これで決める!」

 

魔力オンリーに切り替えた砲撃を中枢部にぶち込む。

 

(……魔力反応の消失を確認。封印に成功です)

(終わったか。機体の損傷は?)

(ダメージ自体はそこまで大きくないので一晩自動回復させれば問題無いかと。マスター、お体の方は?)

(大丈夫……と言いたい所だけど、至近距離での砲撃で割と辛い。とりあえず、ピットで休むかな)

 

 

 

戦いが終わって、僕はピットに有る長椅子に寝ころびゆっくり休んでいる。

外傷なら治癒魔法で一発なんだけど、どっちかと言うと疲労だから、こうやって休んでいる。

 

(今回で分かったのはACSヤバいって事だね)

 

あんなのを体の出来上がっていない9歳の頃に使ったなのはは度胸が有り過ぎる。そこそこ体を鍛えた今の僕がこれだけのダメージを受けているんだから、あの頃のなのはのダメージはかなりの物のはずだ。その札を躊躇なく切れるのは、彼女自身の戦闘の資質があるからか。

 

(確かに、単発ならともかく連発技で使うものではありませんね)

(単発技なら大丈夫だったかな?)

(肉体のダメージは少なかったでしょう。ただ、あそこではアレが最善手だったとは思います)

 

そうなんだよな。現状魔法を隠しながら封印まで持っていける技ってあれくらいだったんだよな。

 

(そういや、もし魔法を使っていたらどれくらいで封印できたかな?)

(上級クラスならどれでも。周りの被害も考えると、エンシェントノヴァかゴッドブレスが候補かと)

(一番周りに被害でないからねー。タイダルとかメテオなんか使った日にはとんでもない事になるよね)

 

僕が叢雲と念話をしていると、織斑先生と楯無先輩がやって来た。

 

「お疲れ様です、織斑先生に楯無先輩。ちょっと疲れているんでこのままになるんですけど、良いですか?」

「構わん。今回の一件の最大の功労者だからな」

「はは、言いすぎですよ。僕は最後の一番おいしい所いただいただけですし」

 

とりあえず、全力で誤魔化しにかかる。話すのは今じゃない。

 

「んで、あれは何だったんですか?」

「彼も当事者ですし、話しても良いですかね?」

「そうだな。最初のはヴァルキリートレースシステムといって、モンド・グロッソの部門別優勝者のデータをそのままISにトレースするものだ。現在世界的に禁止されているはずだが、ボーデヴィッヒのISに巧妙に組み込まれていた」

「黒幕はドイツの、しかもかなり上の方ですか?」

「鋭いわね。恐らくそうよ」

 

いや、経験上違法研究は裏の組織と管理局の上層部がグルになってやっている事が多かったから、そうかなと思っただけなんですけどね。

 

「一応、抗議はするが…意味ないだろうな」

「十中八九、誤魔化すでしょうね」

「…後手に回ってますね。それじゃ、僕が止めたあれは何なんですか?」

「そちらについては完全に不明だ」

「そうですか…」

 

管理局が知らない密輸ルートの割出から…いや、こっち側の組織も調べないとな。追加要員を送って貰わないといけないかも。

 

「ていうか、それ僕が聞いてよかったんですかね?」

「良いんじゃない? 八雲君はこの学園でもトップレベルの実力者だから、学園を護る戦力にカウントされたって事だし。ですよね?」

 

楯無先輩の言葉に頷く織斑先生。

 

「後始末は私達に任せて、今日は休め」

「了解です。もうちょい休んでから部屋に戻ります。楯無先輩、一つアリサへ伝言頼めますか?」

「別に良いわよ」

「それじゃ、『心配かけて悪い。僕にケガは無い』と」

「分かったわ。…八雲君、アリサと付き合っているの?」

「そんな訳無いじゃないですか。ただの幼馴染です。一般庶民の僕とお嬢様のアリサじゃ釣り合いませんよ」

 

それに僕にはもうベストパートナーがいるしね。

話が終わった二人はピットを後にした。

 

(少なくとも二つの組織が暗躍しているはず。一つはこっちのIS関係の組織、もう一つは向こうの密輸組織)

(後は盗掘の組織ですかね。それは密輸組織の方と同じ可能性もありますが)

(地球での今までのロストロギア関係の事件も調べないとかな?)

(次元世界全体の事件ですから、かなりの広域捜査になりそうですね)

 

捜査の規模を考えると頭が痛くなる。…あー、やっぱり今年はついてない。




W杯、日本負けましたねー。
若干サッカー熱が上がっています。久しぶりにコンビニでエリアの騎士を立ち読みに行きました。

さて、次回は未定になります。
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