IS~二人目の男性操縦者は魔法剣士!?~   作:ピーナ

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駆け足の臨海学校編です


第二十一話 『寝る』……それは最高の酔い止め薬

臨海学校当日、気が付いたら泊まる旅館に着いていた。まあ、理由はバスの中で寝ていたからだけど。

よく分からないのだが、僕はバスに乗ると結構な確率で酔う。それ以外の乗り物は平気なのだが、バスだけは何故かダメだ。なので、バスの中では出来る限り寝るようにしている。

 

「ふぁあ~、眠い……」

「発車してすぐ寝てたもんね~」

 

僕の横の席に座って着いた時起こしてくれたのは本音だった。

 

「薬よりも効く酔い止めの方法だからね。その為に昨日は夜更かししたし。でも、もうちょい寝たい…」

「さじ加減間違えたみたいだねー」

「とりあえず、部屋で休みたい。…でも、部屋知らないんだよなー」

 

まだ、午前中のそこそこ早い時間帯だからそこまで暑くないけど、眠い状態で暑い所に居るのはちょっと辛い。

あー、休みたい…。

 

 

さて、結局僕の部屋はと言うと…個室だった。しかも旅館で一番良いの。織斑先生曰く「バニングス社が用意した」との事。社長に連絡を入れたら『この前の日本の専用機製作の協力と人材引き抜きの報酬』とメールが来た。…深くは考えないでおこう。

 

(とりあえず、寝る。叢雲防音結界張っといて)

(了解。何時に起こしましょうか?)

(お昼ご飯時に。体質とはいえ、こういう移動があるのは辛いね)

(とりあえず、今はゆっくり休んでください)

(うん、そうする…)

 

後の事は叢雲に任せて僕は眠る。

僕の読みではこの臨海学校で何かある。ならば休める時に休んでおくべきだ。そんな打算抜きで眠いんだけどね。

 

 

 

結局そのまま、一日を部屋で過ごした僕は夕飯を食べて、少しのんびりした後温泉に入りに行った。

とはいうものの、そこまでお風呂好きでも無いのでさっぱりしたなーと思ったら上がろうと思う。どっちかと言う風呂上りのアイスとか、炭酸飲料の美味しさの為に入るって感じだし。

 

「おっ、八雲も来たか」

 

温泉には先客として一夏がいた。

 

「あれ? 一夏また来たの?」

 

確か一夏は夕飯を食べてすぐに入ったはずだ。

 

「いや、千冬姉とセシリアにマッサージしたら汗かいてさ。そしたら、千冬姉に温泉にでも行って来いって言われて。箒たちも来たから追い出しついでな気がする」

「そうなんだ。んじゃ、この後、僕の部屋にでも来る? 僕の部屋一人部屋だし、広いし」

「良いのか?」

「別に良いよ。消灯時間まではまだまだあるし、戻って持って来た本を読むだけだしね」

「それじゃ、お邪魔しようかな」

 

その後、風呂から上がって、冷えた飲み物を飲みながらくだらない話に花を咲かせた。

よくよく考えるとこういう前世ではやっていたはずのくだらない話をする友人はこっちに生まれてから居なかった気がする。そういう意味では何かすごく新鮮。

結局一夏は消灯時間までいたし。

 

 

 

さて、臨海学校二日目、この日が臨海学校のメインイベントISの各種装備のデータ取り。一般生徒はIS学園のスポンサー企業の装備の、専用機持ちは各国の研究機関企業の開発した専用パーツのデータ取りをする。tだ、僕はやる事が無い。

なので、そういえば、今日七夕だなーとか、もうすぐ期末テストだなーとか、夏休み入ったら何時帰ろう? とか色々別の事を考えていたら何か周りが騒がしい。

 

(叢雲、何があったの?)

(篠ノ之束が現れて篠ノ之箒に専用機を与えました)

(そうなんだ。やっぱり、重要人物だから身を守るためかな?)

(いえ、話を聞く限り、篠ノ之箒自身の頼みらしいです)

 

なんか面倒事が起こりそうな感じだな。

 

(マスターの嫌な予感、悪い事への勘は正確ですからね)

(…言わないでくれ。心当たり有り過ぎるし)

 

特に今回はイベント、専用機で条件がそろってきている。このままだと…

 

「今日のテストは中止だ。全員、旅館で待機。以降部屋から出たら身柄を拘束する。専用機持ち、織斑、霧島、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ――それに篠ノ之も来い」

 

何か起こったみたいだ。これで、今回もこっち関係の事件が起こると思って行動しよう。

 

「はい!」

 

やる気満々な箒。それは良い事なんだけど…

 

(血気にはやったルーキーはミスを起こしますよ。統計的に)

(それなんだよねー。大事じゃ無ければいいんだけど……)

 

行事を中止してまでの事だから、それは望み薄だ。

僕自身に出撃と言われる可能性もある。まあ、それは別に構わないけど。

 

 

 

昨日夕飯を食べた大会場に僕達専用機持ちと、教師陣は集められて状況説明を受ける。

二時間前にハワイ沖で試験稼働中だったアメリカ・イスラエル共同開発の軍事用IS『銀の福音』が暴走し離脱、衛星による追跡の結果、今から約50分後にここから二キロの海域を通過するからIS委員会経由でIS学園の上層部に命令が下ったそうだ。

……そもそも、IS学園に命令するのが間違ってる気がする。

IS学園に居る人も、生徒も、軍属の人間は居ても軍人の数は少ない。ISのプロであっても、荒事のプロでは無い。こういうのはプロに任せるべきだ。

だから一つ一つの対応が遅い。残り一時間を切った状態で作戦会議なんて開いてしまう。

極論を言えば迎え撃つポイントと相手の能力さえ分かれば、それで十分のはずだ。

 

(……と思うのは、僕自身が荒事に慣れ過ぎて、なおかつ、長年のそう言う時の出撃のメンバーがエース達だったからかねー)

(このまま行くと、織斑一夏と篠ノ之箒が出撃しそうですが?)

(まあ、そう決まったらどうしようもないね)

 

向こうならともかく、こっちでは僕はただの高校生。どうしようもないのだ。

 

(もし、マスターが指揮を執るならどうなさいますか?)

(僕? そんなの、僕一人で出るに決まってるじゃん。だって、ロストロギアの可能性かなり高いし)

 

今の状況なら、そうするかな。一応僕もプロだし。

ただの暴走ISなら、全員でここに装備を運んできた揚陸艇を一隻借りて、ポイントまで運んでもらって、接近戦しか出来ない一夏と接近戦の得意な箒を前衛に置いて他の皆に援護を徹底させてやる所なんだけど……シャルロットやラウラはともかく、皆、我が強いからなあ…。

 

(『切り札』を切るタイミングという訳ですか)

(『切り札』って僕の事?)

(そうですよ? そう言う通り名が管理局の一部で言われてますし)

 

…知らなかった。非公式名称と言う意味ではなのはの『管理局の白い悪魔』みたいなものかな。

 

(まあ、それは今度レティ提督に会った時に聞こうかな)

(それがよろしいかと)

(さて、本決まりみたいだし、僕は待機だから、部屋で本でも読んでますか)

 

緊急事態と言っても常に集中していたら疲れる。疲れたら、大事な時に力が発揮できない。なので僕はこう言う時には思いっ切り電源をOFFにする。夜天の魔導書の時にON、OFFの切替には慣れたから、別に問題にはならない。…いっそ、寝ていようかな?




次回は戦闘シーンになるんではないかな?
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