IS~二人目の男性操縦者は魔法剣士!?~   作:ピーナ

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戦闘回です。上手くできてるかな?


第二十二話 奇跡はどうか分からないけど、魔法はあるんだよ

さて、作戦の結果だけ言ってしまうと失敗だった。一夏は負傷、箒は戦意喪失で、僕達専用機持ちは未だに待機命令。状況は完全に止まってしまった。

 

(こういう時、単独行動だと動きようがないよね)

 

単独行動は自由に動けるように見えて実はそうではない。

いくら実力があろうと、僕は人間だから一つの場所にしか行けない。情報の無い今、やみくもに探す事になる。もしその時に別の場所で何かが起こったらそこに向かうのは困難になるし、ベストな状態での戦闘も出来ない。

 

(そうですね。こういう管理外世界の任務の場合、普通は次元航行艦が一隻は有りますから、そこからの探索が定石です)

(無理言ってでも、こっちに一隻回してもらうべきだったかなー)

(もう遅いですけどね)

 

あの時、もし僕がレティ提督に無理を言って動かしてもらったら何とかなったかもしれない。

だがこれは、所詮結果論でしかない。

 

(さて、僕がやらないといけない事は…)

(事態の収拾が第一でしょう。しかし、硬直した事態、いかがなさいますか?)

(止まり続けるのはあり得ない。事態は必ず動く。その時全力を持って収拾するだけだね。…そのために、今は寝るよ)

(体調を万全にする唯一無二の手段ですからね)

(その通り。んじゃ、誰か来たら起こしてね)

(了解いたしました)

 

叢雲に全部任せて僕は寝た。……なんだか、昨日から寝てばっかだな。

 

 

(…スター、マスター)

 

僕は叢雲の声で目を覚ます。

 

(何かあったの?)

(この部屋に近付いてくる人が居るので一応報告を)

(誰か分かる?)

(部屋の外のセンサーによると、布仏本音、更識簪両名です)

(今、部屋で待機じゃなかったっけ?)

 

簪は日本の代表候補生だから分かるけど、何で本音まで?

そう思っていると、僕の部屋のドアが開いた。叢雲の報告通り、本音と簪がいた。

 

「きーりん、織斑先生が呼んでいるよー」

「分かった、すぐ行くよ。…でも、何で本音と簪が?」

「言っちゃっても良いかなー? かんちゃん」

「良いんじゃない? ……私達『更識』の家は対暗部用暗部。昔から国を裏で守って来た家なの。まだ私達は見習いレベルだけど。織斑君達の作戦が失敗した後、人員が足りないから手伝ってるの」

「なるほど。……でも、ホントにそれを僕に話して良かったの?」

「大丈夫、姉さんと同じ生徒会に所属してもらっている以上、何時かは言わないとって言っていたから」

「そっか」

 

しかし、僕に呼び出しがかかったって事は何か動きが有ったんかな?

そう考えている内にさっき、皆が集まっていた大会場に着いた。

入ると何やら慌てている山田先生といつも通りの織斑先生。それになぜか楯無先輩と虚先輩がいた。

 

「…何で先輩方がいらっしゃるんですか?」

「援軍よ。…ただねえ」

「……面倒な事にお前を除いた一年の専用機持ちが勝手に出撃した」

 

なるほど、それで山田先生が慌てているのか。

 

「…ん、僕を除いたって事は、ひょっとして一夏もですか?」

「ああ」

 

あの負傷でどうやって? どう考えても数時間で動ける様になる代物じゃなかったはずだ。まだ治っていない状態でISに乗ったら、下手すりゃ死ぬ。

 

「僕を呼んだのはその事に関係が?」

「霧島、更識の両名は今から現場に急行して、他の専用機持ちに撤退を促せ。撤退しなかった場合は…各自の判断に任せる」

 

それって、実質倒して来いって言っているようなものじゃ…。皆が撤退してないのに僕が戻るって言うのは流石にねー。

 

「織斑先生、衛星とのリンク完了。戦闘空域の映像、モニターに映します」

 

虚さんがそういうと、モニターに銀の福音と出撃した皆の戦闘が映る。といっても、戦えているのは一夏と箒だけ。その他の皆はダメージにより一時戦線を離脱している。

 

「しかし、一夏は武器増えているし、箒は光ってるし、福音もデータで見た時と姿違うし、一体どうなってんだ?」

「多分ですけど、織斑君と福音は二次移行した結果で、篠ノ之さんはワンオフ・アビリティーの発現でしょうね」

 

僕の独り言に律儀に答えてくれる山田先生。

 

「これ、僕達行かなくても蹴りつきそうじゃないですか?」

「そうねー。どうします、織斑先生?」

「…一時待機だ。ただし、何時でも動けるようにしておけ」

「分かりました」

「了解です。織斑先生、これはどの辺で行われてるんですか?」

「ここから、南東に10キロと言った所だ」

「そうですか。ありがとうございます」

 

場所は分かったし、後は…

 

(叢雲、広域探査用のサーチャーをそっちの方角に。後、転移用の術式発動の準備も)

(了解)

 

これで、出来る手は打った。

何も無ければ、僕の考えすぎで笑い飛ばせばいい。何かあったら、すぐに飛べばいい。

そんな事を考えている間に映像の中の戦いは一夏が福音の胴体に雪片を叩き込んで終わった。乗っていた人も、ダメージから立ち直った鈴がキャッチした。

 

(マスター、魔力反応を確認)

(うん、映像でもはっきりと分かるくらい暴走しているね。『ゴーレム』を弄ったのかな?)

 

暴走体はどんどん変化していく。それはもうISでは無くなっている。……つーかあれ、ジュエルシードの時の最後の暴走体に似てるな。海だし。それよりは小さいけど。

 

(叢雲、転移座標をアレの上空に)

(了解)

 

これ位、すぐに終わらせるだろう。僕の相棒は凄い奴なんで。

 

「それじゃ織斑先生、ちょっと、あの暴走している奴を倒してきます」

「待て」

「待ちませんよ。これは僕のお仕事なので。叢雲」

「了解。転移魔法陣展開。転移します」

 

そうして、僕は部屋から消えた。

 

 

「なんだよ、アレ…」

 

思わずそう呟く一夏。彼が倒したはずの福音はパイロットを失ったはずなのに、動きを止めない。それどころか、ISではない異形の存在になっている。

 

「皆退け! 俺はまだ余裕があるから、囮をする!」

 

彼自身もさっきまでの戦闘で消耗している。

 

「しかし…」

「早く!」

 

この言い合いが一夏に隙を生んだ。一瞬だが、致命的な隙。意図的かどうかは不明だが、異形は一夏へ水の触手を伸ばす。

 

「マズ…」

 

気付くタイミングが遅く、回避が間に合わない。一夏は思わず目を瞑った。

 

「「「「「一夏(さん)!」」」」」

 

他の皆の声がどこか遠くで聞こえた。

 

「蒼牙刃!」

 

ここに居るはずの無い声も聞こえた。

 

 

 

「行きますか! 叢雲、二重装着」

「了解。set up」

 

バリアジャケットとISを纏い、僕は戦闘態勢を整える。暴走体は一夏に触手らしきもので攻撃をしようとしている。

 

「ちっ、間に合えよ!」

 

僕は出雲の全速で降下する。その間に瑞雲を呼び出し、構える。あんな物叩き切ってやる!

 

「蒼牙刃!」

 

水の触手を叩き切った。うーん、ジュエルシードの時よりは脆いね、これなら僕一人でも十分そうだ。

 

「大丈夫かい、一夏?」

「八雲…か?」

「そうだよ。皆ダメージあるみたいだし、とりあえず、下がっていて」

「で、でも」

「答えは聞いてないよ。後、これから見る物はクラスの皆に内緒だよ? さて、本気で行きますか!」

 

暴走体は僕を脅威と見なしたのか、触手を五本ほど延ばしてくる。

 

「だが、遅い! 裂空刃!」

 

高速の剣戟で発生した真空波が触手を切り刻んでいく。

 

「叢雲、相手の核は?」

「相手のほぼ中央。しかし、海のど真ん中なので、生半可な攻撃ではすぐ修復されます」

「ふむ…。なら、古の炎よその一撃で魔を滅せよ! エンシェントノヴァ!」

 

一筋の熱線が暴走体の上空から降り注ぎ貫通する。暴走体の中から、ISの残骸らしきものが見える。

 

「コア露出を確認。あのISの残骸の中にあります」

「ピンポイントで貫く! カートリッジ、フルロード! 貫け!」

 

詠唱と共に、漆黒の槍が僕の手に握られる。

 

「デモンズランス!」

 

投擲した槍はISの能力も相まって超高速で飛翔し、寸分たがわず、ISの残骸を貫いた。

貫いたと共に暴走体は形を失っていく。

 

「ミッション完了。さて、帰りますか。丁度日も暮れてきたし、今日は美味しいご飯が食べれそうだ」

「その後、面倒な報告と事情説明が待っていますがね」

「あー、聞こえない」

 

スルーする方向でいたのに…。まあ、丁度いい機会だから、織斑先生には話してしまおう。

 

「まあいいや。皆を連れて戻らないと皆は…」

 

僕が皆の方を見ると、皆心ここにあらずって感じだ。ビックリさせちゃったのかね?

 

「じゃあ、僕は先に戻るねー。叢雲、転移を。座標は……まあ、適当に旅館近くの海岸で良いや」

「了解。五秒後に転移します」

 

きっかり五秒後、僕は旅館に向けて転移した。

しかし、色々と面倒事はまだまだ続きそうだな。




ようやくIS×魔法が出来ました。クロスオーバーの醍醐味ですね。
次回は説明回になりそうです。
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