IS~二人目の男性操縦者は魔法剣士!?~   作:ピーナ

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ちょっと毛色の違う修行回ですね


第三十八話 霧島塾開講! 当塾は2講座あります。

「……っと、とりあえずこんなもんかな。そんじゃ、試食どうぞ」

 

今日はLHRの時間を使って、喫茶店で出すお菓子類の試食を作る事になった。

とりあえず、ショートケーキとシュークリームを作って皆に出した。ショートケーキは苦手な人居ないと思うから、注文しやすいと思うから、看板メニューになると思う。シュークリームをチョイスしたのは最近本音に良く頼まれるから。

 

「美味しい!」

「ホントお店に出せるよ、これ!」

 

皆にも好評で良かった。

 

「八雲君、腕上げたね~。これならうちのお店でも出せるよ」

「それを判断するのは桃子さんだろ。まあ、第二の人生の選択肢としては考えておくよ」

 

IS乗りにしても管理局の武装隊員にしても何時までも現役で居られるわけではない。怪我もあるし、年齢もある。その他にも理由なんてさまざまあるだろう。そして、その後の選択肢は後進を育てるか、すっぱりその道から離れるか。

なんとなくだけど、僕は離れる方を選ぶと思う。今もコーチをやっていて教えるのに自分が向いていると思えないからだ。まあ、そんなの取らぬ狸の皮算用。考えていても仕方ない。

 

「霧島君と高町さんって知り合って長いの?」

「長いよ。小中一緒だし、家も近所だからね~。いわゆる幼馴染って奴だね」

「だな。それ切っ掛けで中学の時とかたまになのはの実家の喫茶店手伝ってもんな~」

 

かき入れ時とか、長期休暇の余裕のある日とか。クリスマスなんて、翠屋で手伝い→閉店後パーティーの流れが鉄板だったし。

 

「二人は付き合ってるの?」

「「いや、付き合ってないよ」」

 

僕もなのはも想い人がいるからね。まあ、これは余計な事だから、話す気は無いけれど。

にしても、そう言う話題に持っていくって事はやっぱり女子は恋バナが好きなんだね~。

この後、メニューの試作品を食べる会がなんかお茶会みたいになっていきながら、時間が過ぎていった。この2つ以外のメニューも考えないとな~。

後、何人かにお菓子作りを教えて欲しいと言われた。月1程度で良ければ、教える時間も作れると言ったらそれでも良いと返事をもらったので、学園祭などの二学期怒涛のイベントラッシュが一段落ついたころを目途にやる事にした。場所は……楯無さんに許可を貰おうかな。ワイロ(出来たお菓子)でも送って。

 

 

 

 

そして放課後。今日は生徒会の仕事も無いので訓練の日になっている。と言っても体を動かすだけじゃ、強くはなれない。僕はそう思っている。という訳で生徒会室にて座学となった。居るのは楯無さん、簪、ラウラ、それに最近入ったシャルロットの4人。

どうして座学をするのかと言うと、元々、代表候補生以上なんだから、ある程度技量は高いから、そこまで伸び白が多いわけじゃない。なら、別方面を鍛えるのも良いんじゃないかと思い、する事にした。

 

「これは、僕なりの考えですが、IS戦でもなんでも向き合った瞬間には勝敗の8割~9割は決まっています」

「結構あるのね」

「はい。戦う前にどれだけ準備したか。それで大半は決まってしまいます。孫子の兵法書の言葉を僕なりに引用すれば『敵を知り己を知ればほぼ勝てる。自分を知っていて相手を知らなかったら五分五分位。自分も相手も知らなかったら勝てません』って所です。まずは相手の力量と自分の力量を知る事。これが勝つための一歩です。でも、これは戦争のやり方なので、IS戦とは少し違います。数字が出る訳じゃないですし、相手の力量を正確に測るのは難しいです。だから、とりあえず、自分の力量、出来る事をしっかり把握しましょう。そこから、相手のスタイルによって対処法を練る。これが堅実な手だと思います」

 

自分が今どれだけの技術を持っているか。何が出来るか。これを把握するのは結構難しい。だからこそ、訓練の自分の映像を見て、他の相手を観察するのと同じ感覚でみる事が大事だと思う。

戦いに形は無い。水みたいなものだ。それに勝つためには流れに合わせる柔軟性が必要になってくる。しかし、これを見に付ける事は並大抵の事ではない。相手のスタイルで対処法を練るのは、それを基本的なものにしておいて、それに肉付けする事で、少しでも楽に対応できるようにするためだ。

 

「相手のスタイルっていうのは近接重視、遠距離重視みたいな感じ?」

「そうそう。大雑把で言うとその2つのくくりの対処法を自分に合う感じで考えればいいよ。例えば僕なら、基本的にどっちでも出来るから、相手の距離で戦わないって言うのが根本にあるよ」

「私の場合だと、基本的には一撃必殺を狙っていくスタイルだから、どっちでも、相手の余裕を消していくのを基本にしてるかな。遠距離だと迎撃で、近距離だと近寄らせない様にしてね」

「次は残りを埋める方法。つまりは勝機を作り出す手段でもあるんですけど、相手を焦らす、リズムに乗せない、集中力、判断力を奪う。これが一番良い手だと思います。焦れれば攻撃は単調になりやすいし、判断力が奪えれば何でもないフェイントにも引っかかりますからね。その間に相手を観察して、力量も測れるので一石二鳥ですね。僕が防御や回避を重点的に教えるのは、これらの理由が大きいです」

 

戦闘を行うのは人間だ。どれだけ実力があっても、調子を崩す事が出来れば勝つことは難しくない。攻撃が当たらない、防がれるっていうのはなかなかリズムに乗れない物だ。乗れないからこそ、焦りが生まれ、集中力が落ちるという悪循環が生まれる。

 

「確かに、攻撃を当てれないというのは嫌な物だな」

「……調子が出ないし、焦る」

「でしょ? それで動きが単純になったら、こっちの物だね。でも、それで油断しちゃいけないよ。『兵は詭道なり』、戦いは騙し合いだからね」

「八雲君なんかは攻撃をわざと外して、リズムに乗れないふりをして、こっちが大技を出したらカウンターって事もするからね。強い人、上手い人ほど動きの一つ一つには何か意味があるんだよ」

「戦いに油断と慢心は大敵。たとえこっちが有利でも勝てるかどうかは結果が出るまで分からない。前準備をしても勝敗が100%分からない理由がここにあります。逆に言えば上手く引っかけてチャンスを作り、それを掴めば格上にも勝つことだってできます」

 

どれだけ調べても、その情報すら騙しの種なのかもしれない。どれが本当でどれが嘘か。それはふたを開けてみないと分からない。

まあ、相手の性格で罠かどうかは察しが付いたりするんだけどね。

格下が格上を倒す事なんてごまんとある。そこには一つ一つに理由があるし、それはIS戦にも当てはまる事だと思う。格下に対する油断と慢心、戦い方、その他色んな要素が合わさって起こりうる。この前の7対1の模擬戦も7人側が連携を考えて、丁寧に攻めていれば、結果は変わっていたかもしれない。

どんな相手にも油断しない。これが必勝の条件の一つだ。

 

「こう言われると、まだまだ出来る事は沢山あるわね」

「ありますよ。日々勉強、日々精進です。この辺は僕の考えですから、違う考えの人もいるだろうし、もっと発展させれるものだと思います」

 

つーか、かなり孫子の引用が多い。いや、あの本結構面白いし、ためになるんだよ。何千年前の人が書いたと思えない位、今でも役に立つんだよね。兵法書が人生の役に立つって事は生きる事が戦いなんだね。

 

「とまあ、これが僕の戦いの考え方です。自分でこの部分はしっくり来たなと思えるものがあれば、それだけでも役に立ててもらえれば嬉しいです」

 

そう。これは学校の勉強じゃないから、すべてを鵜呑みにする必要は無い。

自分が聞いた事、見た事を考え、組み合わせ、自分なりの物にしていく。そうすれば、ただ他の人に聞いただけの事よりもはるかに自分の為になると思う。その辺は皆にお任せと言った所だ。




技術だけでなく、戦い方も教える。これが八雲スタイル。

次回は学園祭回になると思います。
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