グリードアイランド・クロス【本編完結】   作:寛喜堂秀介

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10 プレイヤー狩り

 

 ブラボーたちと別れてから一週間。

 グリードアイランドについての情報を集めるかたわら、電脳ネットサイト【グリードアイランド・オンライン】の掲示板を見ていると、おかしなことに気づいた。

 

 掲示板に名前や所在を明かす者が増えるかたわら、常連が数を減らしている。

 というより、住人が相当数入れ替わっている。俺がこのサイトを発見した当時の住人が40人ほど。そのうち20人以上の書き込みが途絶えている。

 

 強烈な違和感。

 このサイトの情報は順次更新されており、その価値はいまだ高い。

 単純に飽きたのか、交流に慎重になったのか、他に熱中すべきことが出来たのか。

 

 そんなケースも考えられるが……数が多すぎる。

 2ヶ月あまりでこの変化は、もっと別の要因を疑うに充分。

 

 

「シュウ。ちょっとこれ、おかしくないか?」

 

 

 相談すると、シュウは少し難しい顔になって。

 

 

「ユウ、適当なホテルの公共パソコンで、ハンターライセンス使って電脳ページめくってくれ。調べるのは、連中が音沙汰無くなった頃、自己申告してた所在地の範囲で起こった事件。被害者が、社会的存在証明をまったく持たないものであれば本人確定だ」

 

「──っ! シュウは、こいつらは消されてると?」

 

「そういう可能性がある。そしてオレたちが警戒すべきケースは、掲示板利用者が消されていた場合のみだ」

 

 

 たしかに。プレイヤーを狙っているのだとすれば、俺たちも襲われる可能性がある。

 犯人は……プレイヤーの可能性が非常に高いだろう。なにせプレイヤーしか知り得ないパスワードを知り、しかも日本語を解読しているのだ。

 

 すぐさま二人で地上に降りて、適当なホテルに入り、公共パソコンを借りて調べる。

 

 

「……シュウの予感的中だな。半数以上が殺されてる」

 

 

 その多くが焼死。

 全身灰化したケースも少なくない。胸糞悪くなる。

 

 

「残りの半分も、かなりの数消されてると思ったほうがいい。事件が出てこなかったのは、拠点を移した先で消されたからだ」

 

「……なんで、こんなことを」

 

 

 まったく腑に落ちない。

 殺されたのが帰還志望者ばかりなら、グリードアイランドのプレイ枠確保を邪魔されないための「口減らし」だと判断する。だがこれは、無差別だ。

 

 

「さあな。口減らしかもしれないし、自分の特別性を確保するためかもしれない。念能力を奪う類の念能力を持つプレイヤーの仕業かもしれない。オレとしちゃ理解したくもないけどな」

 

「……シュウ、俺たちでなんとかしたい。出来ないか?」

 

 

 殺されたプレイヤーへの同情もある。

 だが、それ以上に、放置すれば禍根を残す。そんな予感がするのだ。

 

 

「またおまえは……いや、悪くないな」

 

 

 ジト目になって──唐突にシュウは考え込む。

 

 

「──無差別な以上、掲示板の連中のつぎは天空闘技場のプレイヤーに目をつける可能性が高い。実際5、6人のプレイヤーが集まってるわけだしな。だったら、こっちから罠を張るのはアリだ」

 

 

 天空闘技場を訪れた時期。

 200階登録時に洗礼を受けなかった事実。

 俺たちがプレイヤーだと疑うには充分な材料だ。

 

 

「どうやって相手を探すか……と、こういう時の手は、昔から決まりきってるか」

 

「ああ、囮だな。そして、囮にするなら、若い女のほうがいい、というのも、昔からの定番だ」

 

 

 俺の言葉に、シュウがにやりと笑みを浮かべた。

 うん。嫌な予感しかしません。

 

 

 

 

 

 

『こんにちわー。トモっていいますー。15歳でーす。わたしもゲームでこっちの世界に来ちゃったコですー。帰還希望でーす。いっしょにグリードアイランドやってくれる友達さがしてまーす。住所は……』

 

 

 書き込んでて頭が痛くなってきた。

 自分で書いておいてなんだが、ツッコミどころありすぎだ。

 囮作戦決行にあたって、手近なマンションで部屋を借りて、プレイヤー狩りを釣るための書き込みを始めたのだが……もしかしてこれ、苦行なのでは。

 

 

「我ながらすっげーアタマ悪そうな文章だ……」

 

「いや、いいんだけど、偽名にしてもトモってなんだよ……」

 

 

 見ているだけでダメージ食らったのか、シュウも頭を抱えている。

 

 

「妹の名前。いい偽名思いつかなかったし、あんまり見慣れない名前だと自分の名前だって認識できないし」

 

「おまっ!? ネットリテラシー!?」

 

「まあ妹には悪いけど、こっちに来てるわけじゃないから勘弁してもらう。カナ読みだけで特定できるわけないし」

 

「知らないからって──じゃない、だからってなあ! こんな痛い書き込みを妹名義でやって許されるのか!? この鬼畜兄っ!」

 

 

 人の妹のことで必死すぎだろシュウ。

 

 ともあれ、囮作戦は始まった。

 シュウは偽名で隣の部屋を借り、襲われた時は即座に助けに来れる体制。

 囮役の俺は、部屋に籠もって、毎日例のサイトの掲示板に書き込みを続ける。

 

 これがキツイ。

 頭悪い文章を書くのもキツイし、野郎どもの姫に対するような書き込みに返信しなきゃいけないのもキツイし、ひねくれた連中からネカマ扱いされるのもキツイし、あんまり不用意な書き込みに、心配したサイトの管理人さんから、ものすごく気を使った「ネットリテラシー大事!」な注意を受けたのもキツかった。

 

 しかも、こちらに来た敵に違和感を覚えさせないよう、私生活でもキャラに合わせて、女の子女の子したおしゃれな服を着なくてはならない。

 むちゃくちゃ嫌だったが、言い出しっぺは俺だ。文句も言えず、シュウに放り込まれたお店で、店員さんに全部選んでもらって、必要な服を確保した。

 

 激しく精神力を消耗する生活を送ること、一週間。

 どんよりと曇った空をじっとながめて、消耗した精神力の回復に勤しんでいると、唐突に部屋の呼び鈴が鳴る。

 作戦を察知されないよう、初日以降はシュウとの連絡も控えている。となれば、プレイヤー狩りの可能性が高い。

 

 

「はーい」

 

 

 返事をして、無警戒を装ってドアを開く。

 そこに居たのは、銀髪、金銀妖眼、中性的な美形という、なんというか中二病総攻撃! みたいな人。

 

 

「え、と、どちら様、でしょうか?」

 

 

 ものすごく、反応に困る。

 鬼が出るか蛇が出るか、と身構えてたとこに突然パピヨンが、的な。

 

 

「君がトモだね? ボクはセツナ。君の、あのサイトでの書き込み、見せてもらってね──会って、そして話がしたいと思ったんだ」

 

「わぁ。じゃあ、あなたもお友達を探して?」

 

 

 気どったもの言いに寒気がするが、我慢。

 ここは話を合わせておくことにする。声に出して演技するとよけいにツラい。

 

 しかしセツナ。

 掲示板では見なかった名前だ。

 書き込まずに見るだけ勢か。敵かどうかは、まだ断定できないが。

 

 

「ああ。実はボクも一人(ソロ)では限界を感じていてね、仲間を探していたんだよ」

 

「そうなんですかぁ。うれしいなー」

 

 

 そんな心が死ぬようなやり取りをしていると、隣から、床を叩く音。

 シュウのやつ、床ドンドン叩きながら笑い転げてやがるな。あとでシメちゃる。

 

 と、中二病の人──セツナが顔をしかめる。

 

 

「ここじゃあ落ち着いて話せないようだね。どうだい? どこかで食事でもしながら話さないかい?」

 

「そ、そうですねー」

 

 

 脳内シュウを襟首持って揺さぶりながら、セツナの誘いに応じる。

 いざとなれば挟撃出来る地の利を捨てるのはもったいないが、ここで断るのは不自然すぎる。

 ナイフだけはすぐに抜けるよう、太腿のホルダーに隠し持ってはいるけど、外套を持ち出せないのは痛い。

 

 セツナに従い、やってきたのは、マンションからすこし離れた場所にある、バーベットホテル上層の高級レストラン。

 道に迷いながら、何度も進路を変えたのは、方向音痴なのかそれとも尾行対策か。ボンクラっぷりが真に迫りすぎて判別がつかない。

 

 平日の夕方。

 まだ客は2組ほどしかおらず、俺たちは窓際のテーブルに案内された。

 

 運ばれてくるコース料理は、値段相応に美味しい。

 食事をしながら、セツナは身振り手振りを交えて、こちらに来てからの自分の旅路を語る。

 

 話は盛りまくり。

 演技も寒ければ俺への態度も寒い。

 シュウに居場所を伝えるため、離席しようとしても引き止める。

 

 いい加減我慢の限界に達した、その時。

 

 

 ──水に溶いたような、薄い殺気が漂った。

 

 

 時間は、ほんの一瞬。

 淡すぎて、殺気の主まではわからない。

 だが、間違いなくこちらに向けられたもの。

 

 

「ん? どうしたんだい?」

 

 

 素に戻った俺の表情を不審に思ったのだろう。セツナが首を傾ける。

 とぼけているのか、それとも純粋に仲間になりに来たスカ野郎なのか……どうも後者のような気がしてならないが。

 

 

「お客様」

 

 

 と、ウェイターが声をかけながら、近づいてきた。

 

 先程まで給仕していた人間とは別人。

 赤髪長身。給仕服姿の、気のいい兄ちゃん然とした青年。

 

 

「なんですかぁ?」

 

「あちらのお客様から、伝言がございます」

 

 

 言って、ウェイターが示したのは、入り口側の席のひとつに座る、二十歳すぎの男女。

 俺たちが食事を始めてから来た客で、先に来ていた客は、すでに帰っている。

 

 

「……それで、伝言ってなんですかぁ?」

 

 

 警戒しながら、尋ねる。

 赤毛のウェイターは、目を糸のように細めて、言った。

 

 

「それはですね……“死ね”、だ」

 

 

 言葉よりも、同時に発した殺気に反応して、とっさに椅子をウェイターに叩きつける。

 

 衝突音。手応えあり。

 うめくウェイターの手にはナイフ。

 同時に男女のカップルが席を立つ。そのいずれもが念能力者。

 

 逃走路は塞がれている。

 おそらくはこのレストラン自体罠。

 最初から仕組まれていたに違いない──! 

 

 

「なっ? なんなんだキミたちは!?」

 

 

 ……なんでうろたえてるんだ中二病の人。

 この流れでキミが無関係ってのはおかしいだろ。

 

 

「……“災い”だよ。テメエらにとってのな」

 

 

 ウェイターが答える。

 椅子の直撃を食らったのに、無傷。

 とっさのことで椅子に“周”は出来なかったが……強い。

 というか「お前ら」ってことはセツナもターゲット──こいつはシロか。ただの残念な人か。

 

 尾行していただろうシュウはどうした。

 この状況なら、飛び込んできてもおかしくないはずだが。

 

 考えていると、赤毛のウェイターが口の端を吊り上げる。

 

 

「尾行させてた小僧(ガキ)に期待しても無駄だ。いまごろ俺たちの仲間が始末してるぜ」

 

 

 目を見て、理解した。

 こいつは【人殺し/同類】だ。人を殺せる人間だ。

 俺を、友達(シュウ)を、その対象としか見ていない。

 

 だったら……遠慮なく。

【この殺意(しょうどう)に身を任せられる/殺意(わたし)は出てこれる】。

 

【意識が、塗り替わる/体が、思い通りに動く】。

 

 

「死ねぇっ!!」

 

 

 叫びながら、敵が襲い来る。

 ウェイターはナイフで近接戦。

 後方の男女は念弾による遠距離攻撃。

 三人からの視線を遮るように、引き抜いたテーブルクロスに身を隠し──転移する。

 

 

 ──【背後の悪魔(ハイドインハイド)】。

 

 

 標的は客に変装していた男女、男の方。

 背後へ転移して、念を込めたナイフで頚椎に一撃。

 さらに【背後の悪魔(ハイドインハイド)】。男の異変に気を取られた女に死角からの一撃をお見舞いする。この時、男はまだ倒れてもいない。

 

 最後の標的は赤毛のウェイター。

 一人だけ別格のオーラを放つ男の足元後方に転移して、ナイフを繰り出す。

 

 金属音。

 刃と刃がかみ合う。

 脾腹を狙った刺突は、相手のナイフに阻まれた。

 死角からの攻撃だったが、3人目だ。さすがに警戒されていたか。

 

 

「──ちっ、てめえ戦い慣れてやがるな!?」

 

 

 舌打ちして、叫ぶウェイター。

 

 戦い? これが? 

 そうじゃない。これは“わたし”による──ただの処刑だ。

 

 

「ちぃ! 面倒くせえ!」

 

 

 ウェイターの纏うオーラが勢いよくほとばしる。

 

“練”。強い。

 純粋なオーラ量なら、あるいはシュウ以上。

 だが、レイザーのときのような、ヒソカのときのような、絶望的な実力差は感じない。

 

 なにより、この場所。

 遮蔽物に事欠かないレストランは、“わたし”の殺戮圏(ホーム)だ。

 

 

 ──【背後の悪魔(ハイドインハイド)】。

 

 

 テーブルの下に飛び込み、転移。

 ウェイターの背後からナイフを投擲。

 敵は殺気に反応して振り返ったが、避けきれない。

 ナイフは敵の肩口を切り裂き、壁面に突き刺さる。

 

 

「くっ、てめえっ!」

 

 

 ウェイターの視線は虚空を射抜く。

 すでに転移を終えた“わたし”は、テーブルからかっ攫ったナイフやフォークを連続で瞬間移動しながら投げ放つ。

 

 複数方向の死角から、ほぼ同時に放つ刃の雨。

 腐っても放出系。オーラを纏わせたナイフは、鋼に突き立つ威力。

 

 

「く──おおおっ!!」

 

 

 赤毛のウェイターが選んだのは、突進。

 眼前に迫るナイフの群れを振り払いながら、直前まで“わたし”の居た方向にダッシュする。

 

 だがすでに転移は終わっている。

 壁際に突き立った、使い慣れた武器(ナイフ)を手に、ふたたび対峙。

 

 ナイフを再び投擲しようとした、瞬間。

 

 赤毛が、口の端を吊り上げる。

 手に持つナイフが、急に燃え上がった。

 

 

「なっ!?」

 

 

 とっさにナイフを投げ捨てる。

 念能力だ。この能力──プレイヤーを焼死させた犯人は間違いなくこいつ。

 

 

「ひゃははっ! 【燃えさかる魂(バーニングブラッド)】! 俺の血は“燃え”るんだよ!」

 

 

 狂ったように笑いながら、ウェイターはその身を紅蓮の炎に包む。

 

 一瞬の躊躇(ちゅうちょ)

 その隙を突き、炎塊と化した男は、窓を破ってビルから飛び降りた。

 

 

「あばよクソガキ! この借りは必ず返すぜ!」

 

 

 落ちながら、捨て台詞を吐くウェイター。

 

 

 ──だが甘い! こちらは最初から逃がすつもりなどない! 

 

 

 テーブルのステーキナイフをひっ掴み──瞬転。

 飛び降りたウェイターのつむじが見えるほど至近に転移する。

 

 落下の勢いで炎は下面には及ばない。

 気づくのが遅れた男の首筋に、ナイフを叩き込む。

 切断した頸動脈から、()が勢いよく噴出──とっさに【背後の悪魔(ハイドインハイド)】を発動、ビルの内部に転移! 

 

 

「っ、ふう……」

 

 

 着地して、息を吐く。

 場所は、ホテルのシングルルーム。

 とっさのことで、至近の階にしか移動できなかった。

 

 窓の外を見ると、空中で燃え尽きてしまったのだろう。中身を持たない火球が宙を彷徨っていた。

 

 終わった。そう認識した瞬間、意識が沈む。

 スイッチが切り替わるように、“俺”の意識が前面に出てきた。

 

 

「これが、人格が変わるって感覚か……」

 

 

 重たいものを押し出すように、息を吐く。

 俺の念能力──【背後の悪魔(ハイドインハイド)】の副作用だ。

 本質的に死角を恐怖している俺が、死角に対する恐怖そのものと化す。その矛盾から、次第に人格が乖離(かいり)していく。

 

 以前から、死角を意識するたびに、【背後の悪魔(ハイドインハイド)】を使うたびに、好戦的な衝動が顔を出していた。

 それが明確な殺意を伴って能力を使うと決めた──俺自身が死角の恐怖と化すことを許容した瞬間、人格として浮き上がったらしい。

 

 ただ、殺戮の間の記憶も感覚も残っている。

 おそらく「戻る」と意識すれば、肉体の主導権は俺に戻るだろう。

 二重人格、というよりは、殺人鬼の仮面(ペルソナ)をかぶる、という表現が近いかもしれない。それでも……ぞっとする感覚だったが。

 

 

 ──3人、殺した。

 

 

 その実感がありながら、不思議と罪悪感はない。

 仮面(ペルソナ)の影響か、それとも俺本来の素養か。

 

 

 ──まあ、いまそんなこと考えている時じゃないか。

 

 

 シュウも敵に襲われていたはずだ。

 部屋を出ながら、シュウに電話をかける。

 

 

「──もしもし。ユウ、無事か? いまどこに居る?」

 

「シュウ、無事だったか。バーベットホテルの15階のレストランでプレイヤー狩りに襲われた。全員始末したが、何階か下に落ちた。こっちは無傷だ」

 

「よかった。オレはさっきレストランに着いたとこだ。ユウたちを尾行してたとこを襲われたが、撃退した。何階だ? すぐ行く」

 

「そっちにナイフが残ってるはずだから、俺が取りに戻るよ。待っててくれ」

 

 

 シュウが無事なことに安堵の息をついて、レストランに戻る。

 大惨事なことになってる店内に入ると、シュウが焦げたナイフを拾ってくれていた。

 

 

「ん、ユウ、ナイフ……ヤツら店のスタッフを脅して入れ替わってたみたいだな」

 

 

 なるほど。途中で給仕の人間が代わったのはそういうことか。

 

 

「──たぶん、いろいろ取り調べとかあると思うけど……ライセンス提示したほうが面倒がないと思うから、そこはユウに任すぞ」

 

「うん、了解。うまいこと言っとく。連続殺人犯の狩り(ハント)だ。手続きぶっ飛ばしてることについては文句も言われるだろうけど、なんとかなると思う」

 

 

 レストランのスタッフが、裏手から、震えながら顔をのぞかせている。

 怖がらせて申し訳ないが、こんな事情なので、警察が来るまでもうちょっと居座らせてね。

 

 あ、そういえば中二病の人が居ない。

 

 

「あの人──セツナは?」

 

「来る時にすれ違ったよ。半分腰抜かしながら逃げてた。いいきみ」

 

 

 あの人、プレイヤー狩りに命を狙われたかわいそうな人なんだけど……

 よく考えたら、彼からはけっこうな精神攻撃受けたし、まあいいか。

 

 ひとまず、プレイヤー狩りを始末できたのだ。

 失われた命は返ってこないけど、これ以上犠牲者が増えることはない。それでよしとしよう。

 

 

 

 

 

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