グリードアイランド・クロス【本編完結】   作:寛喜堂秀介

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16 第287期ハンター試験

 

 

 ミンボ共和国の南端。

 潮騒に包まれた港街の海辺。

 護岸壁の上に座って、空を仰ぎ見る。

 吸い込まれるような、どこまでも深い青色の空を。

 

 悪魔紳士を倒してから、二ヶ月。

 妙に義理堅いビノールトを思わず勧誘した結果、俺は彼とともに、世界中を飛び回っていた。

 賞金首(ブラックリスト)ハンターだが、同時に第一級殺人犯。ハンターから狙われる身でもある。なので、不測の事態に備え、俺が身柄を預かる形にする……つもりだったのだが、条件として求められたのが、俺自身のプロハンターとしての実績だった。

 

 

「──はっきり言おう!! オレは協会員の名誉を汚したビノールトを、すぐにでも監獄送りにすべきだと思っている!!」

 

 

 ハンター協会に話を通す過程で、対応にあたった……というより、最大の反対派ゆえに口説かざるを得なかったハンター協会の風紀委員、ブシドラ=アンビシャスは、相談を持ちかけると吠えるように言った。

 

 

「貴様のような新米ハンターが身柄を預かる!? おこがましい!! 万一ビノールトがふたたび犯罪に手を染め、協会の看板に泥を塗ったなら、貴様ごときが償いきれると思うな!!」

 

 

 厳しいが、正論だ。

 俺は、ハンターとしては新米で、しかもろくに実績もない。

 そんな人間が「万一のときには責任を負います」といっても、一つ星(シングル)ハンターの彼から見れば、おこがましいに違いない。

 

 だがブシドラはこうも言った。

 

 

「だから証せ!! 己が信用に値するハンターだと!! その実績でだ!!」

 

「……実績?」

 

「これから貴様とビノールトに使命(ミッション)を課す!! 内容は指定した第一級殺人犯の狩り(ハント)!! それが達成出来たなら……オレは貴様を信用し、ビノールトに関してはオレが!! このブシドラ=アンビシャスが!! すべて責任を持ってやる!!」

 

 

 この提案に、俺は強くうなずいた。

 厳しく言ってるようで、その実俺には得しかない。

 かわりに俺はブシドラ派、って扱いになりそうだけど……ぶっちゃけまったく問題ないし。

 

 しかし、そうなると困るのが、レットさんとマッシュの修行。

 ふたりとも、悪魔紳士との一件で発奮したのか、自らさらに厳しい修行を求めていた。

 ふたりの修行を引き受けた以上、放っておく事もできず、いっそ彼らを連れ回しながら狩り(ハント)を、と思っていたところを助けてくれたのは、シュウ。

 

 

「ユウには怪我で迷惑かけちゃったし、仕方なく……本当に仕方なくだからな? こいつらの面倒みてやる──ホントなら心配だしついてきたいくらいなんだからな!」

 

 

 さいわい、シュウの怪我も回復し、すでにリハビリの段階。師範役として不足はない。

 マッシュは、最初納得しなかったが、シュウが示した“練”──【正義の拳(ジャスティスフィスト)】を見て、顔色を変えて手合わせを頼んでいた。

 単純一途な戦闘狂(バトルジャンキー)だと思っていたけど……あの必死の形相を見るに、マッシュが強さを求めるのにも、なにか理由があるのかもしれない。

 

 ともあれ、後事をシュウに託し、俺はビノールトと共に、殺人犯の狩り(ハント)に挑んだ。

 

 ブシドラの指定した狩り(ハント)対象は、2ヶ月の間に15件。すべてが第一級殺人犯。

 中にはかなり強い──ビノールトと死力を尽くして、やっと捕らえられた殺人犯もいた。

 すべての殺人犯を引き渡し終えると、ようやくブシドラは使命(ミッション)の達成を通達した。

 

 それが、今朝のこと。

 余計な手続きはブシドラが引き受けたので、もう面倒はない。

 ビノールトに関するリスクはきれいに片付いて、実りだけを手に入れた。

 

 ビノールトの戦力。

 そして、戦いの中で磨かれた俺の技量と念能力。

 グリードアイランド内で修行しているシュウたちも、相当強くなってるだろうが、俺もこの二ヶ月で強く、そして研ぎ澄まされた。

 

 再会するのが楽しみだ。

 そう思い、帰りの航路を脳内に描き、到着までにかかる日数を考える。

 そんな作業に慣れてしまった自分に気づいて、思わず苦笑が浮かんだ。

 

 

 ──こっちに来て一年以上、か。

 

 

 空を仰ぎ見ながら、思う。

 

 最初はとにかく必死だった。

 戸籍がない。金もない。世間も知らない。そんな状況で、日本に戻ると決めた。だから、がむしゃらに突っ走った。

 

 天空闘技場にたどり着くため、飛行船に密航した。

 天空闘技場では、強くなるため戦い、修行を重ね、同時に現金を得た。

 ライセンスを得るため、ハンター試験を受け、プロハンターになった。

 凶悪なプレイヤー狩り、逢魔ヶ災と戦った。グリードアイランドを手に入れた。ゲームに入って、ひたすら修行を続けた。

 

 出会いもあった。

 偶然同じ場所に飛ばされた、友人のシュウ。

 ハンター試験で知り合ったプレイヤー、ブラボー、カミト、ミコ。

 グリードアイランドを手に入れる過程で仲間になった、プレイヤーのレットさん。

 天空闘技場で知り合い、なにかと支援してくれるようになったマジガンさん。強さを求めて仲間になった、闘士のマッシュ。

 そして、グリードアイランドで勧誘した、元殺人鬼のビノールト。

 

 いろんな人に出会い、交流を重ね、助けられてきた。

 日本に帰る。妹と再会する。その想いは、日々募るばかりだが……この縁は、俺にとっての宝だと、そう思う。

 

 

「──ナニを見てんの?」

 

 

 と、唐突に、声をかけられた。

 やけに気配を殺して近づいてくるやつがいるな、と思っていたが……

 そう思い、振り返る。壁の下からこちらを見上げているのは、銀髪の幼い少年だった。

 

 年の頃は、10代前半。

 年不相応に鍛え込まれた体。

 身のこなしは、猫科の猛獣を思わせる。

 初対面ではあるが……この少年の名前を、俺は知っている。

 

 キルア=ゾルディック。

 ゴン=フリークスの一番の親友となる、伝説の暗殺一族に生まれた少年だ。

 まさか実際に会うとは思っていなかったし、向こうから声をかけてくるとは、もっと思わない。

 

 

「別に。見てたのは空」

 

 

 内心混乱しながら、気づかれないよう淡々と答える。

 だが、その答えを不思議に思ったのか、キルアはそのまま問いかけてくる。

 

 

「なんで空なんて見てんの?」

 

 

 尋ねられて、一瞬、答えに詰まる。

 理由などない。なんとなく見ていただけだ。

 ……違うか。空を見ながら、自分を見つめ直していたのだ。

 

 

「……うん、違うな。訂正する、見ていたのは空じゃない。自分だった」

 

 

 だから、先の言葉を訂正した。

 意味がわからなかったのだろう。キルアは困惑顔。

 

 

「わけわかんねえ」

 

 

 首を振ったが、少年は立ち去らない。

 護岸壁に飛び乗って、隣に座り込んでしまった。

 

 

「──あんた、()()()なんだろ? なんでそんな無駄なことすんの?」

 

「同業者じゃないぞ。むしろ捕まえるほう。これでもプロハンターなんだ」

 

「へえ、プロハンターね……ハンター試験ってスゲー難しいって聞くけど、どう?」

 

 

 あ、話題ミスった。

 キルア、興味を持って完全に腰を落としてしまった。

 

 

「うん。それなりに苦労したかな……でも、おかげで仲間と出会えた。受けてよかったと思ってるよ」

 

「ふーん。()()()()苦労したってんなら、オモシロそうだな」

 

 

 キルアがむっちゃ買いかぶってくるのでこそばゆい。

 同時に、首筋とか心臓に視線を送るのは──殺せるかどうか値踏みするのはどうかと思うけど。

 

 

「──決めた。オレもハンターになろっと」

 

「……えらく簡単に決めたな」

 

「ま、気まぐれだけど……ハンターになるのも悪くねーかなって」

 

「……いいんじゃないかな。キミみたいなのがハンターになるのも、悪くない」

 

 

 言いながらも、内心冷や汗ダラダラだ。

 なにせ気まぐれなキルアのこと。俺の一言でハンター試験を受けるのをやめたらと思うと怖すぎる。

 

 

「よっと……サンキュ。話、面白かったぜ」

 

 

 音もなく立ち上がると、キルアは護岸壁から飛び降りて、こちらに背を向けて駆けていく。

 

 よかった。

 この反応なら、受験をやめるようなことはなさそうだ。

 胸をなでおろしていると、入れ替わりに誰かが……この気配は、ビノールトか。

 

 

「ユウさん。悪い、整備に出してた理容ハサミ取りに行ってて、そこで話し込んじまった」

 

「気にするな。たいして待ったわけじゃない」

 

 

 そう言って、振り返る。

 あらためて見ると、この人顔つき変わったなあ。

 毒が抜けたというか、悪相から脱しつつあるというか……過去の回想に出てきた子供ビノールトの印象に近くなってる気がする。

 

 

「どうしたんだ? オレの顔なんてジロジロ見て」

 

「うん。この二ヶ月でずいぶん表情から毒が抜けたなって」

 

「そうか? だとしたら……“燃”のおかげかもな。自分の想いを、ずっと見つめ続けてきた結果だろう」

 

 

 なるほど、変わったのは心ってことか。

 すごいな“燃”……と思ったけど、仮にも心源流が伝える心の鍛錬法だ。

 ビノールトほど熱心に励んでいたなら、むしろ変化は必然なのかもしれない。

 

 

「行こう。明日には飛行船に乗りたい」

 

「わかった。いよいよグリードアイランドだな」

 

 

 俺の言葉に、ビノールトは不敵に笑った。

 

 

 

 

 

 

 しかし翌朝。

 発着場でチェックした俺のホームコードに、連絡が入っていた。

 

 連絡を確認して……途方に暮れた。

 送信元は、ハンター試験審査委員会。

 内容は、第287期ハンター試験の、一次試験試験官就任依頼。

 

 

「シュウに相談したいけど……タイミングよくこっちに戻ってきてるってことは、ないだろうなあ」

 

 

 シュウたちはグリードアイランド内で修行中だ。

 都合よく連絡が取れるわけもない。ダメ元で連絡したが、つながらなかった。

 

 

 ──どうする?

 

 

 第287期ハンター試験といえば、ゴンたち4人が参加する試験だ。

 しかも、一次試験の試験官は、あのサトツさんだ。サトツさんのかわりとか、荷が重すぎる。

 

 だからといって、断れない。

 地味にお世話になってるハンター協会に、不義理を働くような真似はしたくない。

 

 

 ──でもなあ。287期だぞ? ぜったいプレイヤーが大挙して参加してるぞ?

 

 

 なにせ試験の内容が全部わかっているのだ。

 確実に合格を狙うなら、俺だって今年の試験を狙う。

 プレイヤーの総数は300人。そのうち1割が受験すると仮定しても、30人もの念能力者が受験することになる。大惨事だ。

 

 

 ──しかも、それを狙って逢魔ヶ災の残党がやってくる可能性もある……だめだ、どうあっても見過ごせない。

 

 

 ゲームマスターにしてプレイヤー狩り、逢魔ヶ災。

 首魁の悪魔紳士を失ったことで、一切動向がさぐれなくなったが、吸血鬼アモンをはじめとして、生き残りは存在する。

 

 

「決めた。依頼は受ける。試験官になる。まともに試験をやって……逢魔ヶ災が来たら、叩く──ビノールト」

 

 

 ビノールトに経緯を説明して、彼にも同行してもらうことにする。

 万一、逢魔ヶ災が暴れた時、速やかに排除するためだ。

 

 それから、シュウとブラボーに伝言を残し、試験会場のザバン市に向かう。

 途中、審査委員会に一次試験の内容を伝え、その準備を依頼。電話口に出たのはビーンズさんだった。

 

 ザバン市に着いたところで、ブラボーと連絡がついた。

 新たに仲間を5人加えて、グリードアイランドの入手にも成功。

 そろそろグリードアイランド攻略に乗り出すつもりだとのこと。

 

 俺の方も、試験が終わったら攻略に加わること。

 それから、逢魔ヶ災に気をつけるよう伝えて、電話を終えた。

 逢魔ヶ災の話を聞いた時、ブラボーの声が固くなったが、正義感の強いブラボーならさもありなん。

 

 首魁はすでに倒していて、いまは鳴りを潜めていること。

 グリードアイランドを所有しており、ゲーム内に居る可能性があることを伝えておいたから、万一の時は対処してくれるだろう。

 

 しかし、仲間が5人増えた、ということは、こちらと合わせて12人。

 ブラボーが入手したグリードアイランドが片枠埋まっているとしたら、ちょうどの数字だ。

 ハンター試験で有望なプレイヤーが居たら勧誘しようかと思っていたけど……自重すべきかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 ザバン市ツバシ町2-5-10。

 外観はどう見ても定食屋。

 しかしその地下こそ、ハンター試験会場なのだ。

 この冗談みたいな会場は、あの会長の趣味に違いない。

 

 試験官の控室で、二次試験の担当者と顔を合わせた。

 サトツさんだった。ちょっと安心しつつ、試験の進行について2、3相談して、試験開始を待った。

 

 予定の時間も近くなったので、控え室を出る。

 ビノールトには、控え室に待機してもらい、変事に備えてもらう。

 

 受験者の人数は、手元に回された資料では、461人。

 ゴンたちの受験番号は最後の方で、400何番かだったので、50人近くの同胞達が受験している計算だ。

 

 会場には知ってる顔もちらほら。

 トンパさんやトードーさんなどの常連組。

 それに、ヒソカがニッコニコでこっち見てるけど、無視。

 キルアの姿を見つけて、ほっと胸をなでおろす。

 

 念能力者が多い。

 ぱっと見50人以上。おそらく、その多くがプレイヤーだ。

 感じられる実力は、まちまち。相当な手練も居るけど、半数くらいは、初めて出会った頃のレットさんに毛が生えた程度だ。

 逢魔ヶ災は……それっぽい念能力者は居ない。実力を隠してなければ、だが……血の匂いで探すにも、ヒソカとイルミが感知に引っかかってきて邪魔だなあ。

 

 

 ──まあいい。まずは試験開始だ。

 

 

 ベルを鳴らす。

 喧騒が収まり、一同の目が一斉にこちらを向く。

 

 

「このときを以て受付を終了。これよりハンター試験を開始する」

 

「え」「そんな」

 

 

 困惑の声を上げたのは、たぶんプレイヤーたち。

 戸惑う彼らを尻目に、一団の先頭に向かい、歩いていく。

 

 地面に一直線に引かれた、白線。

 その線上に立つと、受験生達に向き直った。

 

 

「一次試験は……肝試し」

 

 

 ぱちん、と指を鳴らす。

 巨大な地下トンネルを寸断するように、隔壁が降りる。

 トンネルの二箇所が壁で仕切られ、その部分には明かりもない。

 人工的な暗闇の空間。隔壁には扉が付いており、出入りが可能になっている。

 

 

「順番は問わない。ここに10人ずつ入ってもらう。中は完全な暗闇だ。出口を探り当て、隔壁の向こう側に出られたら、合格とする──ああ、入口側の扉は、開け放しにしておくから、怖くなったらいつでも逃げていい。撤退の判断も、ハンターにとっては大事な要素だ」

 

 

 そう言って、隔壁の中に入る。

 中は、心地よい闇。その中央右手に陣取って、待つ。

 

 最初の10人が入ってきた。

 その中で念能力者は──2人か。

 

 殺意の仮面(ペルソナ)を被る。

 さすがに念能力者の二人は反応が早い。こちらを向いて警戒の構え。

 

 だが、攻撃するつもりはない。

 ただ殺意を飛ばすだけだ──圧倒的な量の。

 殺意の仮面(ペルソナ)を被り、ただ一言、心のなかでつぶやく。

 

 

 ──殺!

 

 

 2人の受験生が、即座に入り口から逃げ出した。

 念能力者含む他の8人は、身を震わせながらも前に進む。

 

 それでいい。

 殺意を受けても、明確な意思があれば耐えられる。

 いわばこれは心の試験だ。いかに己の意思を磨いているか、それが問われる。

 

 殺意の仮面(ペルソナ)を被った“わたし”は、死角の恐怖そのもの。

 対象に恐怖を与えずにはいられない。それは、念能力者にはより顕著に現れる。

 なぜなら、能力者は“わたし”の能力発動の瞬間を、目の当たりにしたのだから。

 

 

「む、無理だああああっ!」

 

 

 念能力者2人が、悲鳴を上げて入り口へと逃げる。

“点”さえ確かなら、十分耐えられるはずだが……残念だ。

 

 第1組は、6名が合格となった。

 その後も、受験生が次々と挑戦していく。

 合格者は、一般受験生8割。念能力者2割といったところか。

 念能力者、推定プレイヤーに脱落者が多いのは、“燃”の未熟さゆえだろう。

 プロハンターになる。真っ直ぐに目標を見定めた、当たり年の受験生と比べれば、そんなものかもしれない。

 

 それにしたって、もうすこし合格してくれてもいいんだけど。

 

 

「次の組!」

 

 

 20組ほどが終わった後。

 合図とともに入ってきたのは、ゴンたち一行。

 ゴン、レオリオ、クラピカの3人と、キルア、それに加えて、念能力者が6人。

 

 

 ──これはひどい。

 

 

 まあ気持ちはわかる。

 ゴンたちについていけば、トラブルが発生しても乗り越えられそうだし。

 だけど、人に頼る気満々の人間が、この試験に合格できるかというと……まあ無理だろうな、と思う。

 

 乾いた笑いを浮かべながら、殺意を向ける。

 

 案の定と言うべきか、一番激しく反応したのはキルア。

 俺の殺意を受けて、弾き飛ばされたようにトンネルの壁面に張りつく。

 ウイングさんに殺意向けられたときにもやってたな、それ……殺意の向け方次第では、入り口まで逃げてたかもしれない。

 

 ゴンも壁面に身を寄せたが、こちらに意識を向けながら、出口を目指す。あ、出口が開いた瞬間、キルアが脱兎のごとく逃げてった。

 残るレオリオ、クラピカの二人も、恐怖に抗いながら、前に進んでいく。明確な目標を持つ二人だ。この程度の恐怖、耐えられないはずがない。

 

 で、残る6人の念能力者は……やっぱり逃げた。

 なんというか、ものすごく残念だ。骨のあるプレイヤーも、居るには居るけど……想定よりかなり少ない。

 

 はい、ヒソカとギタラクルさんは平気ですよね。知ってます。

 でもヒソカはトランプ投げてくんな試験官権限で失格させるぞマジで。

 

 そんな感じで試験は進み。

 

 

「お疲れ様。一次試験は終了だ。二次試験会場はこの場だから、試験官が来るまで、みな待機しておくこと」

 

 

 一次試験はつつがなく終了した。

 合格者は338人。うち念能力者はヒソカ、ギタラクル含め12人。

 

 

 ──なんというか……みんなもうちょっとメンタル鍛えておこう……

 

 

 そう思わずにはいられない試験結果となった。

 残る10人は、実力はともかく、強い目的意識を持ってハンター試験を受けている。

 現状、手持ちのグリードアイランドのプレイ枠は埋まってるけど……名前を覚えておいて、損にはならないだろう。

 

 

「くっくっく♥」

 

 

 そしてヒソカさん、こっちをロックオンするのはやめろください。

 

 青い果実!

 青い果実がそこにたくさん実ってるでしょ!

 

 キルアはキルアで、こっちを見ながらむっちゃ怖がってるし。

 以前出会った奴だと気づいたけど、怖くて近寄れない、的な。

 わりと傷つくんですけど。

 

 そんな感じで待つことしばし。

 サトツさんがやってきて、二次試験が始まった。

 二次試験の内容は、三次試験会場への移動。受験生たちはトンネルを奥へ奥へと歩いていった。

 

 

「さて。二次試験がどうなるのか、ちょっと気になるけど……ついて行くわけにもいかないか」

 

 

 トンパじゃないけど、映像で見れるものなら見たいものだ。

 

 と、トンネルを塞いでいた隔壁が上がっていく。

 失格した受験生たちは、すでに帰されたのか、見当たらない。

 

 

「ユウさん。一次試験の監督お疲れさまです」

 

 

 豆の人──ネテロ会長の秘書、ビーンズさんが、書類を手にこちらにやってくる。

 ビノールトもいっしょだ。

 

 

「この後は、最終試験会場に向かっていただきます。ご希望なら、飛行船で試験に同行していただけますが……」

 

「可能なら見たいところだけど……受験生の中に厄介な奴(ヒソカ)が居る。目をつけられたが、俺の実力じゃ対処が難しい。大人しく最終試験場で待たせてもらうよ」

 

 

 ヒソカが合格するのはわかってるので、正直最終試験場にも居たくないんだけど、さすがにそこまで無理は言えない。

 ビノールトには、同行してもらって、逃げる準備をしてもらっておこう……ゆっくりしてたら天空闘技場でエンカウントしちゃいそうだけど。

 

 

 

 

 

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