サモナーがダンジョンにいるのは間違っているだろうか? 作:アパオシャ
大金を手にしたふたりは早速ホームの建設に取りかかる。
かなり広い空き地を購入し、素早く魔方陣を書き上げた左門くんが二人の悪魔を呼び出す。
一人は獅子の顔をもつ悪魔、サブナック。
凄まじい建築能力を持ち、この悪魔で猫とキャットピープルの為に城を作った過去を左門くんは持っている。
そしてもう一人はレティっちことフルーレティ。
見た目は人間と変わらず、悪魔に見えないがどんな仕事も一晩で終わらせる能力を持ち、ジ○バンニの上位互換と言える悪魔。
金銭感覚に疎い赤き龍の悪魔たちの財政管理を担うこの悪魔は他の悪魔と違い、まず顎で使えないがその分金さえ積めば動く。
ホームのデザインはアンリに任せ、左門くんはギルドへと向かう。
ギルド。
全ての冒険者がここに登録しており、冒険者の生活を支える重要な組織。
中立を誓う神ウラノスの下、恩恵を持たない職員たちが今日も数多の冒険者に対応していく。
「アンリファミリア、団長左門 召介ですね。登録完了しました。早速ダンジョンに潜られるのでしたら入る前に説明がありますが」
そういうのは左門くんの登録を担当してくれた犬人のクリス・ウィンターズ。
家庭の事情で男風の名前をつけられ神々などにからかわれる憐れな女性職員である。
「ああ。よろしく頼むよ」
講習を終え、ダンジョンに足を踏み入れる。
ダンジョン。
絶えずモンスターを産み出すこの世界唯一の場所。
円錐のように下の階層に行くほど広くなる構造で、現在の最高到達階層は50そこらの魔境である。
第四階層、そこに一風変わった冒険者の姿があった。
武器も防具も着けず、分厚い黒マントを纏う青年。腰にあるのは魔石を入れるための袋と鋲、ペンとチョークのみ。
しかし彼に襲いかかるモンスターたちは攻撃を当てる間もなく爆発し、潰され、斬られる。酷いものは共食いが発生する始末。
「何ですか、あれは」
酒の神の眷属の小人族は、一人見捨てられた窮地を潜り抜けた先でその光景を見ていた。
もし彼女が小人族でなかったら。
種族的に目が良いという特性を持たずに何かの魔法だと勘違いしていただろう。また、彼女の魔法を使っていなかったのも幸運であった。
彼女は、リリルカ・アーデは、彼の特異性に気付けたのだ。
左門くんの目には二体の悪魔が映っている。一人はガネーシャ。
都市の憲兵の役割をもつファミリアの主神。
......嘘である。
象の頭に人の体をもつ悪魔、ベヒモス。別名バハムート。満腹中枢を無効化し食欲を過剰促成する。また、筋肉質な体から放たれる攻撃は強力で、能力を同時に使うと下位のレベル3程度なら軽く倒してしまう実力をもつ。
共食いと潰れたモンスターはこいつの仕業である。
もう一人は一対の角が生えた女剣士、ボティス。剣を咥えた蛇の姿で召喚できるため非常に小さな魔方陣で呼び出せる。
そして、彼の周りを浮遊する数多の人魂、下級の悪霊ウィルオウィスプ。
何処かの鍛冶師の魔法と違い、それ自身が爆発し、大抵の相手にダメージを与えることができる。
近場のモンスターを狩り尽くした左門くんたちは瞬間移動系の悪魔でさっさと帰ろうとしたが時間の制約上、ガープは召喚できず、サルガタナスは忙しいとボティスから伝言があった。
結局、地上に着いた頃には朝になっていて、換金を済ましてホーム建築予定地に帰る頃には既にホームが完成していた。
団員一人のファミリアとは思えない大きさの城とも言える館。その大きさは黄昏の館より一回り大きく意識したのは明らかで、その造りは酷似しており、全体的な色合いが暗色に片寄っているのが新ホームの特徴だろう。
名前はインフルキャッスル。神のセンスに期待してはいけない。
もちろん、一晩で立派な建物が出来て話題にならない訳もなく...
下位のレベル3:能力の最高評価Dですぐランクアップしてきた冒険者。
ちなみに、アポ無し召喚や無理難題をしまくっているが、フルーレティが取り立てを行っているため悪魔からそこまで恨まれていない。どうやら怪物の存在が広く知られる世界だと悪魔たちのフットワークが軽くなるようだ。そのため、左門くんの視力は正常。