サモナーがダンジョンにいるのは間違っているだろうか? 作:アパオシャ
一難去ったことに安心し、脱力とともに溜息を吐く左門くんたち。
そんな彼らを目の前の少女は少々不躾に覗き込むと、
「うん、ケガもないみたいでよかったよ」
といい微笑むティオナに柄にもなくつられて笑顔になる二人。
そうこうしていると、新たにやってきた人影がやってきた。
長い耳に緑の長髪、人一人ほどの身長の長さの豪華な杖を携えた女性。
彼女は一人三つまでと言われている魔法を九つ使うという、某国にケンカを売っているハイエルフ、リヴェリア。
「うちの者が失礼した。かなりの数のミノタウロスを…」
それから彼女は誠実に謝罪し、どこからともなく袋を差し出した。
「そういえばここまでの道中に落ちていたものだが君たちのだろう?」
その袋には魔石が入っており、その下にはきれいに畳まれたマントが積み重なっていた。
「ああ、ありがとう。魔石はもらっておくけどマントは捨てといてくれ。使い捨てのアイテムなんだ。」
そういってリリルカに袋をパスすると彼女は数回上に放り投げ、重さや感触で中身を確かめると手早くしまい込んだ。
「まあ、誰にもやらかしてしまうことはありますから、水に流しましょう。」
と言って左門くんに目配せするリリルカ。金銭に固執する理由がなくなったとはいえ守銭奴の気があるリリルカが引き下がるにはもちろん理由があり、魔石同士がぶつかる音の中でわずかに重い音を放つものがあった。
それは中層~深層のモンスターの魔石であり、リリルカが把握している相手の所属やその換金額を考え、かなりいい条件であるのには間違いがなかった。
話がまとまり、左門くんが新たなマントを受け取り身に着けると、
「ねえねえ、私たちこれから帰るんだけど一緒に行かない?送ってくよ?」
とティオナが提案するが左門くんたちは断り、そのまま別れることになった。
「ねえ、リヴェリア、いかないの?」
しびれを切らしたティオナがそう問いかける。
当の本人は左門くんたちが去っていった道を見つめていた。
彼女がそうするのも当然。
左門くんたちの逃走ルートはリリルカの先導で最も優れたもの。それは道に残った痕跡からリヴェリアもわかっており、なぜかなり遠回りになってしまう道を選ぶのか不思議でならなかった。
さらに、磨けば団長に迫る指揮能力を秘めた小人族の少女の存在がその疑問を増大させた。
いつの間にかマジックサークルを展開し索敵していたリヴェリアだが、魔力の動きとともに消えた反応を感知し、そこに向かうがあったのは手当たり次第に破壊された床だけであった。
ファミリアの打ち上げが迫り、消えた二人にかまっていられなくなるとひとまずは切り上げ帰っていった。
左門くんはある程度、召喚術の存在を秘匿していますがそこまでしっかりはしていません。