蒼穹の絆 -Infinite Stratos meets FAFNER in the Azure-   作:フィアネン

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第5話

「そういえば、怜央君は部活ってもう決めた?」

「部活ですか?…特に何も。」

「もうそろそろ期限よ?用紙は幾らでも貰えるから、明日にでも職員室に行ったらいいわ。」

「嫌ですね、放課後直ぐに訓練できなくなるのは。」

「そういう所、よくないわよ。確かにここはISの事を学ぶところだけど、それ以前に高校てもあるんだから。中学の時にもどこかしらには入ってたでしょ?」

「入ってたような気はしますけど、もう思い出せませんね。活動もした覚え無いですし。」

「…思ったより、寂しい学校生活だったのね。」

「知ってた癖に、何を言ってるんですか。」

「………。」

「俺の事、何処まで知ったんですか?」

 

目を伏せる楯無。幾ら暗部の人間とは言え、こう直接的に言われると流石に堪える。だが、すぐ彼女は表情を戻して話し始める。

 

「まだ調査中だけど、だいぶわかってきたわ。君は今まで学校を転々としてきた事。その為の資金は国の補償から来た事、それが白騎士事件に関わっていた事…。」

「転校の件は白騎士事件も絡んでる事と、事件の隠蔽にはあんたの家も絡んでる事…それも追加で。」

 

怜央の目は敵意を剥き出しにして、楯無を見つめる。

 

「更識の家を許す気は無い。ことに先代と、今の”楯無”のあんたは。」

「そこまで知っていたのね…。」

「でも…だからと言って、今すぐ話を大事にする気は無い。寧ろ、そっちの情報網を使って、調べて欲しい事がある。」

「随分都合のいい話ね。呑気に話すだけ話して背中からぐっさりは御免よ?」

「要竜巳(たつみ)…俺の父さんの名前だ。俺も、俺の母も深くまでの詳しい素性は知らない。でも、何かあったのは確実だ。」

「その根拠は?」

「特定地域に被害が集中してる。風向きも関係なく、まるで何かを隠したいかのように。その後の政府の動きも異常な程早かった。つまり、その地域に住んでいた人に、何かしら篠ノ之束が不都合を感じた。だからISの力を見せつける”序に”口封じをした…ロクでもない妄想かもしれないけど、俺にはそうしか感じれない。」

「私達がその調査をするメリットは?」

「俺の立場の明瞭化。父さんが何かを裏でやってて、それ込みで俺を外敵だと判断したのなら好きにすればいい。殺すなり、学園から追放するなり。」

「そこまでして知りたいの?」

「肉親の事を知らない方が、裏の事を知ってる事より余程問題だと俺は思う。」

 

鞄を持ち、怜央は部屋を出る。寮を出ると、空は曇り空だった。

 

 

 

 

 

「…転校生?」

「そう!今朝少し話題になってたでしょ?二組に、中国の代表候補生が転入してきたって。」

「ふーん?」

 

怜央は昼食―と言ってもいつも通りエネルギー食糧だが―を食べ、授業の復習をしながら話をしていた。ある意味呑気な態度に、周囲の女子たちはかわるがわる話を始める。

 

「ふーんじゃないよ!だって、私達にとって新たにライバルが出現したってコトなのよ?」

「それ、どういう意味?」

「だって、代表戦で勝ったクラスは、食堂のデザート1ヶ月分がタダになるのよ!?」

「これだけで要君に頑張ってもらう必要があるんだから!」

「俺はあんたらのタダデザートの為に試合するのかよ…。」

「要君、どうか!」

「食堂のデザートを我らが手に!」

「はあ…。」

 

勝手に盛り上がるクラスメートに困惑しつつも、彼は浅い反応のまま再び復習に戻ったのだった。

 

(早く終わらないかな、これ。)

 

 

 

そして放課後、いつも通り訓練をしようとした時。

 

「…でさ。何でまた人が増えてるワケ?なんか毎回増えてない?」

「し、仕方ないだろ!あの後この特訓の話をしたら、なんかみんな行きたいって言い始めてだな!」

 

あまり表情を変えないまま一夏の奥を見ると、何人か見慣れた顔はいるものの、専用機持ちを除けば総勢10人と本格的に課外授業の様相を呈していた。しかも、その専用機持ちにも新顔がいて―

 

「アタシは(ファン)鈴音(リンイン)、中国の代表候補生で、二組の代表よ。んで、あんたが噂の一夏の後に出てきた男の搭乗者?」

「…要怜央。よろしく。」

「何よ、覇気無いわねぇ。こんなのが本当に日本の代表候補なワケ?」

「今度のクラス代表戦でわかる事だよ。それじゃ、今日は射撃訓練をしようか。」

 

怜央は右手を開き、アサルトライフル”ヴェント”を呼び出した。

 

「他クラス授業の事は把握しきれないから、とりあえず俺なりのやり方でやらせてもらうよ。まず、試合の初心者がやるべき事は射撃訓練だ。今日はある程度の撃ち方を教えるよ。」

「はーい、質問!どうして接近戦は後回しになるんですか?」

「それに関しては単純に難しいからかな。例えば…。」

 

怜央は左手からルガーランスを出現させ、手に握る。

 

「この槍は見ての通り、機体を含めた俺の身長以上っていう十分なリーチがある。でも、これをただ振り回すだけじゃ十分な威力は出ない。例えば腕を引いて突き出す、機体加速を生かして威力をカサ増しさせるとか、シールドを大きく削る為の動きをしないといけない。若干ズレるけど、確か刀だって切れ味…つまり威力が一番大きい場所は限られてたはずだしね。詳しくは知らないけど。」

「確かにそうだ。」

 

箒が怜央に便乗して話始める。

 

「刀は物打ちと呼ばれる、相手を斬るのに最適な部位が存在する。厳密には違うが、所謂”切先三寸”と呼ばれる所だ。だが、だからと言ってそこに固執していては、動きが単調になり、動きを読まれやすくなる。そこは最も最適であるというだけであって、他の部位に刃がない訳ではないのだからな。」

「そうだよね。これは他の近接武器も一緒で、攻撃をする為には攻撃部位によって異なる予備動作やリーチ、カウンターと言った読み合いってのが発生する。初心者がそれを最初からやっても、せいぜい子供のチャンバラにしかならないからね。それに比べれば、銃は相手に照準を合わせて、指でトリガーを引くだけ。簡単でしょ?じゃ、最初にやる人は?」

 

怜央はセシリアと分担をしながら、ここに来た生徒らに指導をする。打鉄には初期装備として近接ブレード”葵”だけでなく、アサルトライフル”焔備(ほむらび)”も存在する。しかし、一夏の白式には近接ブレード以外の装備が無い。その為、怜央は彼にヴェントを渡して指導しようとした時も―

 

「は?射撃アシストが無い?」

「あ、ああ。他の機体はハイパーセンサー経由で照準が出来るんだろ?でも俺のはできなくてさ…。」

「構えはもうわかるだろ?」

「え?ああ。」

「俺が照準器と視覚を同期する。それでアシストするから、肉眼で狙って撃て。」

「…やってみる。」

 

一夏は教えられた通りに構え、照準の中央に的を合わせて数発撃つが、どれも的の中央には当たらない。

 

「え?何で下に飛んで行くんだ?」

「実弾はビーム系と違って、重力、風向き、機動方向の影響を受けるから直進しない。今は無風だから、重力方向…つまり下に落ちる分の照準補正をつけなきゃならない。的の中央を撃つなら、もう少し上だ。」

 

一夏はその補正をつけ、二発撃つ。すると、ど真ん中とはいかないものの、先程よりかは中央寄りに当たるようになった。

 

「うお、凄いな!きちんと当たるようになった!」

「………。」

 

こうしていると、グラウンド間際の観戦席の壁に座っていた鈴が、脚をぶらぶらさせながら言う。

 

「ねー、何でこんなつまらない事してるワケ?こんな事してるくらいなら近接戦でバーッてやればいいんじゃないの?」

「あんたの話は知ってる。センスだけで上にのし上がってきたってね。でもさ………織斑、調子に乗るから痛い思いをするんだぞ!脱臼しないでよかったな!…失礼。」

「あんた、バカ真面目なの?」

「さあね。ところで、さっきの話…あんたみたいなセンスだけで上がれる奴は少ないんだよ。あんたはそれで詰まらないだろうけど、普通は詰まらない事を繰り返して、初めて強くなってくもんだよ。」

「それ、嫌味のつもり?」

「そういうワケじゃない。」

「なーんかイマイチ考えてる事わからないのよね、アンタって。」

「たった少し話しただけで?それだけで何でもわかるなんて、それこそ理解できないよ。」

「そういう事を言いたいんじゃないの。」

 

鈴は壁から飛び降りながら、怜央に向かって言う。

 

「避けてますよアピール?それとも関わって欲しくないワケ?どっちにしたって、こういう事やってるってのはだいぶ矛盾してるけど。」

「どうだろうね。…よし、今日はこれで訓練は終わりにするよ。飛ぶのはみんなきちんとできるようになってたし、それを日々欠かさずやってればもっと楽になるから。」

 

鈴から視線を外した怜央は、特訓の終わりを告げる。女子たちは彼にお疲れさまでしたと言い解散するが、鈴は彼から視線を外さない。そんな彼女を一夏は訝しんでいた。

 

「鈴、どうしたんだ?」

「ねえ、あの怜央とかいうの、一夏はどう思ってる?」

「どう、と言われても。無愛想だしちょっとキツい言い方する時もあるけど…でも、悪い奴じゃないとは思うぜ。」

「そうなの?」

「ああ。だってさ、本当に嫌なヤツならわざわざこんな事してくれないと思う。それにさ、クラスも違うし、まだ少ししか話したことが無いんだ。あいつ、休日も忙しそうだからなかなか話す機会も無いしな。」

「ふーん…まあ、もっとアイツを見て、それで判断するわ。」

 

 

 

訓練の後、怜央はまた整備室にいた。彼はリヴァイヴを整備ハンガーへと展開し、今回は脚部を中心に調べていく。

 

「左脚のスラスタが不調だったろ。ったく、最初に使った時はこんな事めったに起こらなかったのに…。」

〈あなたのマニューバが乱暴なんだもん。こんな事を繰り返してたら、私とあなたの身体がもたないわ。〉

「乱暴?俺には上品な戦い方なんてわからないよ。」

〈もう、無茶な動きして怪我しても知らないんだからね。〉

「お前に気遣われる覚えはない。」

〈またそんな言い方をしてー…。レディの脚を触るのは繊細なのに、どうしてこんな性格なのかしら。〉

「何言ってんだ?お前。」

 

怜央は呆れたように返事を返して整備を終える。少し背伸びしてふと横を見ると、整備ハンガーに置かれたままの機体が目に入った。機体外見は打鉄だが青白い色をしており、浮遊ユニットの形状が大きく変化している。

 

「打鉄弐式…こいつの声も聴こえるのかな。」

 

彼は機体へと左手を伸ばしかけるが、中途半端な所で手を止める。誰かのモノに勝手に触れるのはどうなのかとか、勝手に誰かのISの中身を覗く事に抵抗を感じたとか、そのような理由ではない。

 

(誰かの事が気になるなんて、もう二度と思う事なんて無いと思ってたのに。)

 

自身の感情に困惑する怜央。そのまま立ち尽くしていると、横から叫び声が聞こえてくる。

 

「何してるの!?」

 

簪は彼を睨みながら左手首を掴み、機体から引き離す。

 

「私の機体に触らないで!」

「っ!?」

 

手首を掴まれた事に驚き、彼女の方を向きながら怜央は手を振りほどく。それと同時に後ろに引きながらルガーランスを展開するが、彼は相手が簪という事がわかるとすぐ槍を下げた。

 

「なんだ…。」

「なんだって、何それ。」

 

不平を言う彼女にも、彼は何も言わない。ただ踵を返して槍を収め、手早く撤収の準備を始める。機材を停止させ、普段通り指輪となったリヴァイヴを掴むと、すぐ整備室を出ようとする。だが、それは簪の言葉によって遮られた。

 

「最近、織斑君たちと放課後に特訓をしてるって聞いた。本当なの?」

「…それがどうかした?」

「別に。ただ楽しそうな事をしてるなーって。」

「人の殺し方を教えて、楽しいはずないよ。」

「え?何て―」

 

予想外の返答が帰ってきた簪は煽るに煽れず、ただ驚いたまま怜央が退室するのを黙って見る。その時、すれ違いざまに見た彼の顔は、初めて硬い表情が崩れていた。

それはまるで苦しそうな、何かに困惑しているような顔だった。

 

「何よ、あんな驚いた顔。この間は私が聞いていたこと、わかってた癖に…。」

 

 

 

 

 

午前3時半。3つの光が曇り空の中を駆け巡る。

 

『嫌、嫌だ…!助けて、姉さ―』

『エルーっ!よくもエルを、人殺し野郎―っ!!』

「………。」

 

槍に貫かれた一体のリヴァイヴが、結晶に覆われて砕け散る。それに激昂したもう一体のリヴァイヴは、ガルムを乱射しながら目の前のファフナーへと近付く。目の前の機体はそれを意にも介さず、ただ空中で静止しているだけ。リヴァイヴは近付きながら右手にブレッド・スライサーを展開し、目の前の機体に斬りかかった。ファフナーは左手に握っていたルガーランスでそれ防ぎ、動きが止まったところを右手で鷲掴みにする。そして、脚部や腕部装甲を握り潰しながら大きく振りかぶり、地面へと叩きつけた。

強打されたパイロットは、機体と自身へのダメージによって動くことが出来ない。口からは血を吹き出しているが、それでも眼だけはファフナーへと向いていた。

 

『許さない、アンタは絶対に…!』

「………。」

『殺してやる!あの子を殺したお前を…っ!?あああああ!!!!!』

 

全てを言い終わる前に、彼女は降下してきたファフナーの槍を胸に突き立てられ、その刀身が展開されると結晶に覆われた。彼女が砕け散った後も地面に槍を突き立て続けるファフナー。その体勢のまま足元からフィールドを展開すると、機体と入れ替わりに怜央が直立状態で浮き上がってくる。彼は地面に散らばった欠片を睨みつけながら呟いた。

 

「俺の事を殺そうとしたのに、そんな事言われる覚えなんてない。」

 

有明の空の下、周囲が丸く抉られ所々に翡翠色の結晶片が散らばり、僅かな血痕が残った空き地。彼はただ一人そこに立っていた。

 

「殺される前に殺す。ただ黙って痛めつけられるくらいなら、相手を消した方が余程マシだ。これでいいんだ、これで…。」

 

白がかる空を彼は見上げる。

 

「今まで、ずっとそうだったんだ。今更何を言ってるんだ、俺は…。これでいい。そうだよな、ファヴ。」

 

 

 

 

 

時間は進み、再び倉持技研への出向の日。彼は今日もファフナーの解析をされるのかと思いながら車を待っていた。しかし、実際に来たのは車ではなく簪。彼は彼女を一瞥すると、すぐ視線を戻す。

 

「…何であなたまでここにいるの。」

「ここで待てって言われた。あんたまで一緒とは思わなかったけど。」

「最悪…。」

 

簪はあからさまに嫌な顔をするが、知ってか知らずか怜央は反応を示さない。程なくして送迎の車が着き、二人はそれに乗って目的地へと向かっていった。

車に揺られる中、二人は後部座席に並んで座る。互いに外を眺めていたが、ふと簪が口を開いた。

 

「ねえ…ISと話ができるって、本当なの?」

「さあ、どうだろうね。」

「教えてよ。」

「………声が聴こえたところで、面白い事なんて一個もないよ。」

「いいな…羨ましい。」

「え?」

 

驚いた怜央は簪の方を見る。彼女は視線を合わせることは無かったが、それでも言葉を続けた。

 

「私のISの事、知ってるでしょ。あの子も、色んな目に遭ったから。もしかしたら、私の事も嫌いになっちゃったかもって思って。」

「なんだ、そんな事か。」

「『そんな事』はないでしょ。あなたにとってはどうでもいいだろうけど―」

「乗ればわかるよ。乗って動かせば、機体(そいつ)が自分をどう思ってるのかなんて一発でわかる。コア人格だとか形態移行(フォームシフト)だとか、難しい言葉なんてどうだっていいんだよ。だって、これは理屈じゃないから。」

 

彼は途中から自身の左手を見ながら言っていた。僅かな人しか見た事がない、全ての指に残った指輪の痕。それ以外の他のモノも隠しているグローブを見つめていた怜央の目は、どこか悲しげなものだった。

 

「てか、打鉄弐式にまだ乗った事すらなかったんだ。意外。」

「仕方ないでしょ、色々噛み合わなかったんだから。でも私の方でも少しずついじってたから、来週のクラス代表戦には間に合う…はず。」

「へぇ。」

「何その反応。」

「別に訊いたワケじゃないしね。」

「…バカ。」

 

その言葉以降、再び静かになる車内。怜央は頬杖をつきながら、自身の行いに疑問を持っていた。

 

(何でこんな話してるんだろ。こんな()()()()()()()を。この人といると、自分がおかしくなる気分だ。必要のない会話をずっと…)

 

これの解決方法を幾ら思案しても、彼が今出せる結論は物理的距離を取るという事だけだった。

 

 

 

 

 

「…よし、ファフナーの方はこれで終わりだけど、今日はちょっと延長戦があってね。」

「はあ。」

「こないだの試合、観させてもらったよ。それでさ、君のスーツの穴を埋めてた機材と、腕から生えてきてた結晶。アレを見せてくれないかな?」

「まあ、いいですけど。」

 

目を輝かせているヒカルノに若干引きつつも、怜央はリヴァイヴを展開して以前と同じように接続をする。バチリと音を立ててコネクタが肉体に接続されると、肉体と機体の隙間から結晶が溢れ出る。

 

「終わりましたけど―」

「よし、そのままの状態で解析させて!ファフナー側がひと段落するまでその結晶体とかあの機動がどういった理屈で動いてるのか気になって仕方なかったんだよ!」

 

物凄い勢いで手を引かれ、なすがままになる怜央。彼は半ば押し込まれるように解析機に入れられると、ヒカルノは素早くキーを叩いていく。

 

「ねえ、その結晶って痛くはないの?」

「それならコネクタを打ち込まれた時の方が痛いですね。」

「そのコネクタってどういうモノなの?」

「神経接続って聞いてます。」

「君にも詳しい事はわからない、と…え!?」

 

驚きの声を上げたヒカルノは、ずっと動かしていた手を止めて、困惑しながら怜央へと訊ねる。

 

「君、ISの手足の中に突っ込んだ腕と脚、どうなってんの…?どう解析しても”視えない”んだけど…。」

「今の腕はこっちです。多分、その為の神経接続ですから。」

「いや、そうじゃなくて…待てよ?それなら………。ねえ、一度ファフナーに乗ってみてよ!多分、これ以上の事はそうしないとわからないと思うんだ!」

「…わかりました。」

 

結晶が砕け、コネクタが外れたのを確認してから怜央はリヴァイヴから降りる。彼は腕を広げ、指を大きく広げる。コネクタ接続と同時に発生した現象は、今後このアーカイブを見る者全てを驚かすものだった。

 

 

 

 

 

「同化現象も、あんたらが言う”進化”なんだよな。」

「ああ。同化結晶を媒介にして、パイロットと機体を完璧に同期させるもの。この時機体はパイロット自身へ、パイロットは機体そのものとなる。」

「でも、欠点もあった。完璧な同期を求めたが故に、機体ダメージを痛みとして受ける。それは後遺症にもなり得るモノで、そもそも同化現象自体が相当なリスクを負うものだったんだよな。」

「そうだな。だが、これはファフナーのコアを使った故の代償だ。私の世代の機体は兎も角、最新世代のファフナーはデメリットとしての同化現象は極限まで抑えられている。」

「でも、アイツのマークニヒトとかいうファフナーは旧世代のままなんだろ?しかも自己再構成を行ったせいで、従来のモノより遥かに激しい消耗をパイロットに強いる。ニヒトをあれだけの頻度で使って、よく今まで生きてこれたね。」

「彼の耐久率はどの世代から見てもトップクラスだった。だから彼が選ばれたのだよ。」

「本当にそれだけ?それはアイツ…要怜央があんたの―」

 




キャラが迷子
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