関西人の関西人による関西人のための鉄道旅行記   作:柳芽帆奈

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祝、30話!


第三十話「ウィーアーストッビングアット・・・」

 大垣に着いたのは9時53分。去年まではここからムーンライトながらで東京へと向かっていた。特に下りのながら到着時に見られた座席争奪戦『大垣ダッシュ』は今回のような大荷物を背負っていたので座席を取れず、米原まで立席をする羽目になった。ながらがあった時ほどの勢いはないもののダッシュは現在も大垣止まり・始発の普通と快速とかにステージを移して行われている。まあ、こいつは豊橋まで直通なのでそんな事を考えなくても良いのだが。

 

 この駅では3分停車して56分に発車。しばらくは第三セクターの樽見鉄道樽見線と並行。やがて樽見線は北へと分かれていくがその際に揖斐川を渡る。ちなみに樽見線の揖斐川橋梁は元々、御殿場線にあった橋梁を寄せ集めて作ったものだとか。そしてその次の穂積を出るとまた橋梁。今度はムーンライトながらの名前の由来となった長良川。ここの鮎食ったことあるけど、美味しいよね。

 

 そこから岐阜までは各駅に停まり、岐阜からいよいよ快速運転がスタート。

 

「意外と速いですね、総一さん」

 

「まあ、最高120km出るからな。西の新快速ほどやないがSpecial Rapid Serviceを名乗るだけあるな」

 

「そこだけ発音ええな」

 

「確か、こっちの新快速はNew Rapidって言ったよねー」

 

「紗里よ、お前もか」

 

 部長が何やらツッコミを入れている。

 

 岐阜を出るとまた川を渡る。今度は木曽川である。この川を渡ると愛知県に突入、快調に飛ばしていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 15分くらい走っていると住宅も増えてきて、遠くには高層ビルの姿も。都会を1両で走るくせに起点と終点以外は全線高架で複線という色々ツッコミどころがあるローカル線、城北線が分岐する枇杷島駅を通過すると、次はいよいよ中京都市圏の中心、名古屋・・・のはずなんやけどほんまに次は名古屋なのかと疑いたくなるほど枇杷島駅周辺は閑散としていた。ここ、三大都市圏やんな?ただ、本当に名古屋についたので俺の目はおかしくなかったようだ。そんな訳で10時28分、名古屋駅に到着。大都会の駅らしく、乗客がどんどん入れ替わっていくがきっぱーらしき人もちらほら残っている。ここまで来ると席に少しではあるが空きが出始める。

 

 ここで車窓を眺めているとみんなの声が聞こえなくなっていて、何やら暖かい感触がすることに気付き、反対側を見てみると俺以外の鉄道部員はみんな寝ていた。特に香里奈は俺に抱きついていてあろう事か胸が押しつけられている。これでは動けないのでなんとか香里奈の腕を動かそうとすr・・・

 

「ん、だいしゅき・・・」

 

 あ、無理や。こんな可愛い寝言呟かれたら動かしたなくなる。ただ、こんな暖かい感触で適度に涼しい車内。俺も一気に睡魔が押し寄せてきて・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ん?」

 

 いかんいかん、寝てたみたいや。なんかどっかの駅を通過しているようなのでそこの駅名標を見ると『大高』という文字が。大高駅は名古屋駅から10分ぐらいで通過するはずなので俺も大体10分寝ていたようだ。

 

「ん・・・おはようございます。寝ちゃってましたね」

 

 香里奈も起きて眠い目を擦り、はにかみながら俺に話しかける。

 

「大丈夫や。俺もさっきまで寝てたから」

 

「ところで、ここは?」

 

「確か、大高すぎたあたりやったはず」

 

「そうですか、ありがとうございます。ところでさっきから気になってるんですけど、あの変なスペースなんなんですか?」

 

 香里奈が指差す方を見ると線路の横にもう2線分線路を敷けそうなスペースがある。

 

「これ?これなぁ、南方貨物線っていう貨物線になり損ねたやつ。いわゆる『未成線』ってやつやな」

 

「未成線・・・頓挫したんですか」

 

「せや。もう後は線路引くだけってところだけまで完成してたとこもあったんやけど、そのタイミングで国鉄が金がないって言って予算を出さなくなってな、平成になったらトラック輸送が主流になって結局、建設を止めてもうた」

 

「へぇ、そうなんですね」

 

 まあ、もうちょっと話す事はあるんやけど、詳しくはWikiで見てくれた方がいい。

 

 そんな話をしていると時間は過ぎていき、刈谷、安城、岡崎と南へ下るほど沿線の風景は田畑ばっかりになっていく。ちなみに香里奈以外の面子は岡崎を出たあたりで全員夢の中から戻ってきた。

 

 そして、

 

『ご乗車ありがとうございました、まもなく終点、豊橋、豊橋です・・・』

 

「あ、やばいやばい。早よ準備せな」

 

 車掌さんが棒読みの英語アナウンスとともに降車を促してくるので急いで準備をする。

 

 豊橋には11時27分に到着。ここから地獄のロングシート区間、静岡県へと突入していく。

 

 




いかがでしたでしょうか?
今回は大垣から豊橋、岐阜と愛知を中心に書きました。ちなみにタイトルはJR東海がやっている英語の肉声アナウンスが元になってます。次回はいよいよ18きっぷの難所、静岡県に入っていきます。
よければ、感想お待ちしてます。
それでは次回。
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