関西人の関西人による関西人のための鉄道旅行記   作:柳芽帆奈

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第三十二話「薩埵峠」

 島田には13時12分に到着。ここからは乗り換えだが、今降りたホームは1番のりば。一方、始発電車は向かい側の3番のりばから出発するので、跨線橋で渡らないといけない。

 

 ありがたい事に、今から乗る電車は乗り換えなしに熱海まで直通してくれるので、実質走るのはこれで最後になる。(上りの熱海乗り換えはすっごいラク)

 

 そして、ドアが開いて俺達は一斉に走る・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・えーっと、結論から言うと、なんとか5席分は確保出来ました。ていうか、混雑回避法というものの、この方法は18きっぱーにとってかなり有名になっていて、さらに、今度は313系がこれまた単独3両で待ち構えていたこともあって、俺たちが座る頃には乗車率はほぼ100%になり、立ち客も出てきた。彼らはここから熱海までは1時間50分、距離にして103.2kmを立ったまま。しかもこの状態で静岡駅に向かうのだ・・・

 

「もし、私達がああなっていたと思ったらゾッとしますね・・・」

 

「せやな・・・」

 

 そして、13時24分に島田を出発。この先、熱海までは乗り換えはないので安心だ。

 

 しばらくは住宅地が続いていくが、焼津から静岡市内最初の駅、用宗まではトンネルがあったり、結構距離があったりする。駅の数のわりに乗っている時間が長いのはそういう事。

 

 13時39分、静岡に到着。県内第二の都市だけあって多くの客が降りていくが、それと同じくらい、むしろさっきより多い乗客が乗ってきて、日曜昼間の御堂筋線ばりの大混雑を見せる。幸い、数駅先の清水で少し緩和されたものの、依然としてまだまだ客は乗っている。

 

 そして浜松から乗って途中で降りたあの電車の終着駅、興津に到着。ちなみに東京から帰る時は浜松行きはここ始発が多いので、逆にここで乗り換える事になる。

 

 ちなみに、他の部員はというと・・・

 

「「「「zzz・・・」」」」

 

 俺以外全員が寝ていた。しかも俺もかなりやばくなっている。ただ、俺が起きてたのには理由があった。

 

「うーん、香里奈。起きろ・・・」

 

「ふわぁぁぁ、・・・総一さん?もう熱海についたんですか」

 

「まだやけどな、アレを見せたくて」

 

「アレ?」

 

 すると、電車は興津を出てしばらく走っていたトンネルを抜け・・・

 

「あ、富士山・・・」

 

「そう、ここを見せようと思ってな」

 

 右には太平洋、遠くには富士山がくっきりと見える。今通っているこの場所は薩埵峠(さったとうげ)といい、東海道新幹線、国道1号線、東名高速道路、そして東海道本線が集結する交通の要所。あの歌川広重の浮世絵『東海道五十三次』に描かれるほどのビューポイントで、俺と香里奈が座っている海側の座席で富士山が見える数少ない場所でもある。

 

「結構くっきり見えるんですね」

 

「ほんまは冬の間が空気も澄んでて見えやすいんやけど、今日はちょうど見えるねん」

 

「これ見せるためにずっと起きてたんですか?」

 

「まあ、それもあるな・・・」

 

「ふふっ、ありがとうございます。確かに、ここは有名な撮影スポットですけど行ったことはありませんでしたね」

 

「さすがにお父さんの付き添いでも行ったことはないか」

 

「はい」

 

 そんな会話を小さい声で交わす。

 

 ちなみに、俺たちよりはるかに富士山を見るチャンスがある山側の座席に座っていた部長、紗里、圭人の三人が起きたのは由比から7駅東京側にある原駅。そこからでも富士山は見えんことはないが、だいぶ東に行ってしまったので、すでに見えにくくなって、あとで「なんで起こしてくれなかったんや」って言われた。いや、混雑してたっちゅうのに出来る訳ないやん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんながあって、某・太陽輝くスクールアイドルの聖地でおなじみ、沼津に到着する・・・かと思えば、なんとホームはまだ先なのに電車が減速し始める。一瞬、俺の頭の中に人身事故の四文字がよぎるが、そんな心配はすぐに吹っ飛んだ。

 

『この電車はこの駅で前に電車を繋ぎます・・・』

 

 なんや、増結やったんか・・・。アナウンスの通り、沼津駅のホームには211系の増結2両が待ち構えていて、係員の誘導でドッキング。ここから熱海までは5両編成となる。言うてあと3駅なんやけど。それでも座りたい人はいるのか、立っていた人はゾロゾロと増結した2両へと向かっていった。

 

 函南駅を出て、東海道本線最長の丹那トンネルを通過すると、伊東線の来宮(きのみや)駅が見え、長かった長かった静岡県区間もクライマックスを迎える。

 

 そして、15時14分。

 

 

 

『熱海、熱海です。ご乗車ありがとうございました・・・』

 

 静岡県内最後の駅、熱海に到着。そしてほぼ6時間お世話になったJR東海ともお別れ。いよいよ首都圏を抱える日本最大の鉄道会社、JR東日本のエリアへと入っていく・・・

 

 




いかがでしたでしょうか?
結局、東京まで一話で書けませんでした・・・
実は、この旅は私自身やったことがないので、一から運用とか調べるのでめっちゃ手間が掛かるんです・・・
しかも、放送も分からない部分は想像で補っているので、もしこれが正しい!ってご存知でしたら是非ご一報ください。
ちなみにタイトルなんですけど、話の中でルビも振りましたが、これで「さったとうげ」と読むらしいです。
次回はようやく東京まで行きます。
それではまた。よければ感想お待ちしてます。
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