大阪から10時間と28分と半日近く電車に揺られ、ついに東京駅に到着。
さっきまでの疲れは何処へやら、気付けば鉄道部員全員が元気120%になっていた。
一体、有楽町ぐらいまで爆睡していたこの4人は、どないしたらこんな短時間で元気になれるんや。
「部長・・・それで、これからどうするんですか・・・」
「せやな・・・まず毎年恒例の記念撮影や」
東京駅での記念撮影は鉄道部の東京遠征の毎年恒例のオープニングイベントだ。毎年、東京駅のどこかの出入り口で記念撮影を行うのだが、それを選ぶ方法は・・・
「それじゃあ、部長。どうぞ引いてください」
香里奈がリュックから中に紙が入った小さな透明な箱を取り出す。もう分かったか?
せや、くじ引きや。
この箱の中には東京駅の全出入口のうち、『丸の内口』、『八重洲口』、『日本橋口』、『京葉地下丸の内口』の4つの出入り口の名前が書かれた紙が入っていて、その年の部長がくじで引いた出入口で記念撮影をするという慣例になっている。参考に過去4年のくじの結果は・・・
2017年 八重洲口
2018年 日本橋口
2019年 日本橋口
2020年 丸の内口
となっている。
さらに、丸の内口は丸の内口でも、『京葉地下丸の内口』は一番のハズレくじ。東京駅の構造をよく知らない人は『同じ丸の内口なんやから近いんちゃうん?』と思う人もいるかもしれないが、この出入口は「ぬわぁぁぁぁっ!京葉が当たってもうた〜〜!」・・・一番のハズレが当たってもうたみたいや。現に、部長の顔色は真っ青になっている。
「あ、朝潮・・・引き直していいか?」
「ダメです♪」ニコッ
「クソがッ!」
「・・・お、落ち着いてください・・・」
「そーだよ、ここ駅のホームだよ」
「ハッ!」
紗里の言葉で部長は我に還ったようで、キョロキョロとホームを見回し、自分に視線が集まっているのを自覚して、顔を真っ赤にする。
「それで・・・今年は京葉地下丸の内口か。ここ数年は出てへんかったはずなんやけど」
と言って頭を抱える。ちなみに最後に京葉丸の内口が当たったのは7年前の2014年。上野東京ラインが出来てからは一度も当たっていなかった。
「はぁ、とりあえず行こか」
「ええ・・・」
そんな訳でその改札口がある京葉線ホームへ向かう。ところがその京葉線ホームというのは鉄ならご存知の通り、アホみたいに遠い。もともと新宿方面に延伸できるようにつくられた成田新幹線用のホームを流用したせいで普通に500mぐらい離れているのだ。これは東京メトロ丸の内線の新宿〜新宿三丁目間(約300m)の方が短いという酷い有り様。
しかも、大荷物を背負っているのでかなりしんどい。エスカレーターの上にある表示には「あと350m」の文字が。
「あと、350mか・・・まだ歩くんやな」
「しんどーい」
見回すといっぱい人が歩いていて、中には某夢の国に向かうと思しきネズミの耳のカチューシャをつけたミーハーどももちらほら見かける。しかし、そんなもんは俺達には関係ない。
「あ、歩く歩道だ」
しばらく歩いていると梅田でよく見る歩く歩道が見えてくる。もちろん使う。ああ、ラクや。
そこからは、また少し歩いてようやく京葉地下丸の内口に到着。徒歩20分もかかった。
「ようやく着いた・・・」
「いやー、大変やった」
「ほな、早速で悪いけど香里奈、撮影頼む」
「任されました!よいしょっと・・・」
そう言って香里奈は愛用のカメラバッグからD6を取り出す。
「じゃあ、皆さんちょっと移動してください」
そして、人の迷惑にならない場所に移動して、香里奈がバッグから三脚を取り出し、立てる。・・・ようそんな華奢な体で重い荷物ばっかり持ってこれたな。
「はい、じゃあ撮りますよ」
タイマーを設定し終わって、香里奈が戻ってきていよいよ準備完了。
カシャ
「あ、確認するんでちょっと待ってくださいね」
「写真、大丈夫やった?」
「はい、見てください、バッチリです」
カメラの画面には全員がしっかり改札口の全景に収まっていて、完璧な集合写真になっていた。
「おし、これで記念撮影は撮れたな」
「じゃあ、次行きましょうか」
今回は京葉線ホームを取り上げてみました!最近は東京に行ってないんですけど、ここの乗り換え、相当遠かったってことはめっちゃ覚えてるんですよね・・・
この調子だと、東京遠征編はあと10話前後続くかもしれません・・・
かなりグダグダになるかもしれませんが、そこは多めに見てください。
遠征編が終わった後のリクエストと感想お待ちしてます。
それでは次回。