関西人の関西人による関西人のための鉄道旅行記   作:柳芽帆奈

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第三十六話「日本一警備の厳重なホテル(多分)』

 有楽町からはJRには乗らずに隣にある東京メトロ有楽町線の入り口に向かう。今回泊まるホテルはとんでもない場所にあるのだ。ヒントは『日本一警備の厳重なホテル(多分)』。

 

 これで分かるかな?

 

 俺達は事前に渡された黄色い切符で改札内に入る。この黄色い切符は『Tokyo Subway Ticket』というもので、なんと通常の一日乗車券よりもかなり割安な値段で、東京メトロ・都営地下鉄が一定時間乗り放題になるというお得なチケットなのだ。

 

 しかも、このチケットには24時間有効、48時間有効、72時間有効の三種類があるが、今回はその中で一番有効期間の長い72時間有効のチケットを使う。

 

 ちなみにこれを手配してくれたのは漫画研究部。委託販売のお返しらしい。

 

 ・・・しかし、一つ疑問がある。

 

 このチケットは、基本的には関東1都7県以外のコンビニと旅行代理店で手に入るのだが、このうち、コンビニでの販売は、現時点では関西エリアでは一切行われていない。しかも、旅行代理店ではパックツアーとの抱きかかえでしか売っていない。俺達は個人旅行なのでもちろん対象外だ。一応スマートEXの特典で買えんことはないが、もちろん在来線で来たので対象外。

 

 となると、アイツらはどないして買ったんやろか・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・まあ、ええか。そんなん気にしてもしゃあないし。

 

 そんな事を考えている間に、他の4人は既にホームに入っていたので俺もそれに続く。

 

 それと同時にやってきた34分発の石神井公園行きに乗りこむ。車両は有楽町線開業から走り続け、ついに全車引退が発表された7000系。

 

「お、7000系やん」

 

「やったー、結構珍しいやつだ」

 

「あれ?平林、7000系ってまだ結構走ってると思うんやけど・・・」

 

 部長が紗里にそう問いかける。

 

「そうですよ。でもねぇ、有楽町線ではあんまり見かけないんですよ」

 

「?」

 

「実はですね、7000系って8両編成と10両編成があるんですけど、10両編成の本数自体がかなり少ないんですよ。しかも、10両編成は副都心線にも入る・・・」

 

「はぁ・・・」

 

「さらにっ!有楽町線は10両編成しか運用されません。そんな訳もあって、この路線で7000系を見かけるのはすっごく難しいんです。元々、有楽町線用の車両だったはずなのに副都心線が出来て、そっちに回されて、古巣ではほとんど見かけない・・・皮肉な結果ですよ」

 

 紗里は、普段の彼女では見られないような真面目な口調で部長に説明する。読者の諸君は忘れてるかもしれないが、紗里は車両鉄なので車両についてはかなり詳しい。鉄になって1年ぐらいしか経ってないのにどうしたらこんな成長を遂げるんやろか・・・

 

「そ、そうか。ありがとな」

 

「いえいえ、車両鉄ならこれぐらいは知っとかないとねっ☆」

 

 説明し終わると、元のギャルっぽい口調に戻る。

 

 そんな事を話していると乗り換え駅である市ヶ谷駅に到着。ここからは南北線に乗り換えるのだが・・・

 

「香里奈ー、行くで」

 

「ちょっとだけ待っててください、もう撮れるんで・・・」

 

 さっきの紗里の話に触発されたのか、香里奈がカメラを構えて撮影していた。しかも、わざわざ、人の迷惑にならないようなスペースを見つけて。ようそんなとこ見つけたな・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 香里奈が撮り終わるのを待って、少し歩いて南北線ホームに到着。

 

 この路線のホームには大阪ではニュートラムぐらいしか見かけないフルスクリーン型のホームドアがあるのでみんな興味深そうに見ていた。まあ、後2年ぐらいしたら大阪駅でも見られるようになるんやけど。

 

 次に乗るのは50分発の白金高輪行きの普t・・・各駅停車。関西では南海以外で各停ってあんまりないからな。言いなれへん。

 

 それに揺られてホテルの最寄り駅である溜池山王駅に到着。そこから少し歩いて今回泊まる大手チェーンのビジネスホテルに向かう。

 

 で、これのどこがとんでもない場所にあるかっていうと、このホテルのある場所は『溜池山王官邸裏』。

 

 もう名前でわかったやろ、このホテルはなんと総理大臣官邸の裏っ側にあるのだ。嘘やない、ほんまにあんねん。

 

「ほ、本当に官邸が目の前にあるんですね・・・」

 

「この中に時の総理が・・・」

 

「しかも、バリケードあるじゃないですか。これどうやって通るんですか・・・」

 

 そう、ホテルへ向かう道にはなんと警察官が見張りしているバリケードがあるのだ。流石、官邸の隣だけある。しかも、後で調べたらこれ、24時間体制だとか。これが冒頭に出したヒント『日本一警備の厳重なホテル(多分)』の正体だ。

 

「すいません、ホテルに泊まるんですけど」

 

「ホテルですか?どうぞお通りください」

 

 俺がホテルに泊まる旨を伝えると警察の人がバリケードをどかしてくれた。なんかすごい。

 

 そんな訳でホテルには7時ぐらいに到着。

 

 今回は夏休みシーズンで4部屋しか取れなかったので、恋人関係である俺と香里奈が同じ部屋に泊まることになった。

 

 そして、その辺のサイ⚪︎リヤで夕食をとってすぐにホテルに戻る。

 

 そして、時刻は深夜の0時50分、事件は起こる。

 

「それじゃあ、始めるか・・・」

 

「ええ・・・」

 

 




いかがでしたでしょうか?
本日2回目の投稿でございます。本当は普通のビジネスホテルの予定だったんですけどね、ホテルを調べてたら官邸の隣にあるホテルを見つけたんでそれをぶっ込んでみました。泊まってみたい。
そして、次回は事件が起こります。ヒントは『0時50分』。多分これで分かる人いると思うかも。
それでは次回。
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