〜side部長〜
ここは総理大臣官邸の真裏にあるビジネスホテル。既に日付を回っていて、廊下も真っ暗だ。俺、岸辺弦一郎は昨日の10時間の行軍の疲れを少しでも取ろうとぐっすり眠ろうとしていた。しかし、あのバカップルによって事件が起こる。
「部長、どないしたんですか」
「どないした?やないねん。俺はもう電気を消して寝てたんや。そこにバカップルのキミ達がだぁ!ドアをノックしまくって何やと鍵開けたら、なんであんたらが入って来て『腹を割って話そう』って言いに来たんよ!ちゅうか待て。なんでカメラ回してるんや。学校に流すつもりか。よし、分かった。全校生徒と教職員と読者に訴えてやろうやないか。今日ここで何があったんかをな」
「「部長、メタいです」」
尚も俺はまくし立てる。
「あんたらに言われたないわ。そんで、読者のみなさんもご存知、俺達は東海道線を大阪から東京まで10時間半かけてやってきたんや。みなさん見たやろう、私は青山町から実質、12時間も電車に乗り続けた弦一郎さんですよ。クッソ重い荷物で東京に行って、一駅分歩いて、地下鉄を乗り換えてこのホテルに着いたんですよ。着いたのは夜の7時過ぎや。もう家出てから14時間も経ってたんや。そっからあんたらが「サ⚪︎ゼ行きたいです」って言って一駅隣の赤坂見附まで行って飯を食って、もうくたくたでホテルに戻る途中で道に迷ったせいで時間はもう9時過ぎや。それで明日の確認とシャワー浴びてさあ寝ようとおもたんが10時半や。ぐっすり寝ていたのに突然やってきたんがこのバカップルっちゅう訳ですよ」
もうお分かりだろう、某テレビ番組のごとく総一と香里奈のカップルが浴衣姿で部屋にやってきたのだ。しかも香里奈の方は少し色っぽくなっている。・・・こいつらヤルことヤってここに来たんか・・・
「何をとち狂ったかは分からへんけど、このアホどもがやって来て、別に話すこともないのに『腹を割って話そう』とこのバカップルは俺の部屋に乱入したゆうわけや」
「別に俺はこいつらになんの蟠りもない、頼もしい後輩や。別に腹割って話すことなんてないはず。ところが彼は俺に『腹を割って話そう』と言ってここに居座って・・・時計見てくださいよ」
俺はベッドの上にある時計を指差す。
「今、0時54分や」
既に乱入から1時間近く経ってるんや。
「もう彼らは1時間ここから離れようとしないんや。せやろ?まだあるんですよ。それで私は再三『帰れ』って言ってるわけや。もう可愛くて、有能で、俺が引退しても鉄道部を任せられる。そんな奴らなんですよ。しかも俺はこいつらに一度も叱ったこともない」
「そんな人達にさっきから俺は『アホンダラ!』『帰れ!即刻帰れ!』と再三罵声を浴びせているにもかかわらず、帰らないんですよ。そして私は苦肉の策として別の部屋にいる、これまたアホのギャルなんだけども、平林にぃ!電話をしたわけですよ『バカップルが帰らへん。部屋に戻してくれへんか』と。そしたらね、彼女なんて言ったか分かります?『そうなんだー。わっかりました。じゃあ、カメラ回そっか』ていって今、平林はスマホのカメラを回してるんです!どうですか皆さん、おかしいでしょ?この人達はぁ!」
「どうもー、平林紗里でぇす」☆〜(ゝ。∂)
「俺はね、寝かしてくれっていってるわけですよ。皆さん、俺達が何時に起きなあかんかご存知ですか?俺は4時にぃ!!4時にコミバの最終確認をして始発でりんかい線の国際展示場駅まで行くんですよ!この時点で私の睡眠時間は3時間です。いやこれね、本家よりひどいよ」
本家は5時起きやからね。しかも、これで三バカどもは大爆笑。
「しかも、こんだけ電車に乗り続けてまだ疲労が抜けきってない。なのにぃ!このアホンダラは大爆笑しながらまだ俺と腹を割って話そうとしてるんですよ!この状況をどう思いますかぁ!」
一通りジタバタして、叫び終わると、今度は香里奈が口を開く。
「いや、私達が言いたいのは、明日の朝4時に起きなきゃいけないっていう『確認』に来たんですよ。明日始発で行きますから」
「あー、はいはい」
「急いでくださいねっていう・・・」
「それやったらそう言ってくれたら良かってん。何もな、『腹を割って話そう』と息巻いて入ってこんで良かった話やん」
「4時やからね、決して遅れへんようになって事を言いに来たんです」
「そーですよ」
こんな風に適当に受け答えしてたら飽きて帰るやろ・・・と思っていたが、
「言いに来たら、なんか部長が・・・腹を割って話そうと」
香里奈の一言でまた話が振り出しに戻ってしまった。
「ちーがーうだろ、違うだろ!それは全然ちゃう!別に俺は何も話すことはない!」
〜10分経過〜
「ええか?ある男がな、夜中の0時にや。もう4時に起きなあかん男やねん。もう10時半回ってたから寝ようかと、それでぐっすり寝ていたところに『腹を割って話そう』と言って入って来たカップルが1時間居座ってるわけや」
現在俺は2回目の説明タイムに入っている。もうこいつら分かってるやろ。
「「「wwwwwww」」」
「そんなアホに『おい帰れ!』と言ったことはなんの不思議もないんや!」
「いや、ですから。部長が怒ってないって言葉を聞かせてくれたら・・・」
〜さらに5分経過〜
「ハァ、わぁった。朝潮、明日4時に起きるんやんな?」
「はい、4時起床です」
「あっ、てことはあ、後3時間しかないわ。こらいかん。申し訳ない」
お互いに失笑するが、俺の目は全く笑っていない。
「ですよね?私達は早く寝て朝に備えてくださいねって言いに来たんです」(^ω^@)
「そうか、早く寝ないと大変だよってわざわざ1時間もかけて説いてくれたんやな。そらありがとう。やっと分かったわ」
〜20分経過〜
「もう話すことはありませんか?」
「うんうん、もう聞きたいことは全部聞いたから」
「頑張ってください、部長」
「ぶちょー、がんばってねっ☆」
「うん、明日売って売って売りまくるからな。いよーし、よしよし・・・」
「ほな、4時にお願いしますね。おやすみなさい」バタンッ
1時間40分ぐらい居座ってようやく帰っていった。流石に本家みたいに二回目は来ないと信じたい。あいつらも4時起きやし・・・
〜総一side〜
時刻は2時ちょうど。今、俺は部長の部屋の前にいる。もちろん、香里奈とカメラ役の紗里も一緒だ。俺達は再び部屋に侵入して電気をつける。
「すんません、部長」
「「www」」
部長はぐっすり寝ていたようだが電気がついてすぐに苦笑混じりに起き上がる。
「あれ?どないしたん?」
「あっ、鍵持ってったんか」
「そうそう、部長の部屋のカードキーとうちの部屋のカードキー間違えちゃったんです。夜分にすいませんね」(゚ノ∀`゚)゚。アヒャヒャ`
「「「ハハハッ」」」
そこから少し経って・・・
「帰りなさいよ」
「帰りなさいよやないですよ!今、この鍵を間違えてね・・・」
そこからまた10分が経ち・・・
「ハァ、トランプでもあったら夜を明かせるんやけどな。後、どうせ出来ひんと思うけど4人で卓を囲みたいな・・・」
「トランプ・・・はないですね。でしたら、スマホ持ってます?」
「スマホ?ああ、あるけど」
部長がそばにあったスマホを手に取る。
「トランプは出来ませんけど、麻雀やりましょう!」
「ハァ?いやな、確かに俺は麻雀出来るよ。でも、そういう意味で言うたんちゃうんけど・・・何もこんな丑三つ時に麻雀するこたないやん・・・」
「「ええやん(いいね!)やろうやろう!」」
これで部長以外の3人が賛成。これでもう断られへんやろ・・・
「ハァ・・・分かった。やるよ、やったろうやないの」
ついにやる気になったようだが、なんか部長の様子がおかしい気が・・・
「乗り気になってくれましたね部長。それでどうしますか?もう夜ですし、一局清算でも・・・」
「・・・いや、一荘戦や」
「「「⁉︎」」」
部長の言葉に俺たちは戦慄した。というのも麻雀は東一局から南四局まで八回対戦する
「そ、そーくん。アタシ達とんでもないことになる気が・・・」
「奇遇やな。俺もそう思うわ」
現に部長の周りにはドス黒いオーラが漂っている・・・
「ハハっ、散々人を寝かさずによう弄んでくれたわ・・・」
「「「・・・」」」ワナワナ
「さあ、今夜は寝かさへんで」
「ロン!立直・一発・三暗刻・対々和・連風牌・ドラ×6!締めの数え役満、48000点や!」
「「「・・・」」」チーン
え?あの後どうなったかって?部長がバーストモードになってオーラスまでトップ独走や、俺たちの最終持ち点を合わせても10000点いかへん。部長の完全勝利やった・・・
「ハハハッ、やっぱりあんたらとおると楽しいわ!一生飽きへんな、これ!」
「さ、さいですか・・・」
今、部長は頭のネジがぶっ飛んだようでめちゃくちゃ元気になっている。
ハハッ、やっぱり人の寝込みに乱入するもんやなかったな・・・
いかがでしたでしょうか?
半日近く電車に乗って疲れ果てた状態でビジネスホテル・・・こうなったらあれやんな。
という事で『水曜どうでしょう』の名場面『腹を割って話そう』で書いてみようと思ったらまさかの3000字突破しました・・・最後のところはオリジナル展開なんですけど、これがためにどうでしょうタグが付く事に・・・
そんな訳でいよいよ鉄道部がコミバへ向かいます。
それでは次回。
あ、香里奈のコスプレ書いたんで見てってください。
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