関西人の関西人による関西人のための鉄道旅行記   作:柳芽帆奈

39 / 72
第三十九話「3Dアニメなのに一人だけ2D作画のあの人」

 東京ビッグサイト駅からは豊洲行きに乗って終点の豊洲まで行き、有楽町線に乗り換える。

 

 やって来たのは西武線直通石神井公園行きの各停。車両は西武の最新鋭、40000系やった。車内はあの始発ほどではないものの、始発の新木場から乗って来たと思しき乗客が多く乗っていて既に席は優先座席以外ほとんど埋まっていた。まあ、次で降りるから関係ないんやけど。

 

 電車は2分ほどで月島駅に到着。この辺りはもんじゃ焼きで有名で、ここから少し離れた佃地区は40年間休まず連載し続けた漫画の主人公の祖父が住んでいる場所としても有名だ。

 

 名前は・・・両津勘兵衛やったかな。

 

 そして、少し歩いて着いたのは『(たまき)』というもんじゃ焼き屋。結構な老舗で味は確からしいのでここを予約した。

 

「いらっしゃいませ!」

 

 応対してくれたのは黒いジャケットに青と白のボーダーシャツとエプロンを纏った若い女性の店員さん。

 

「5人で予約した岸辺です」

 

「岸辺様ですね、こちらへどうぞ」

 

 言って6番という札が置いてある座敷に案内される。

 

「ほな、なんか注文しよか」

 

「一応、お好み焼きもあるみたいですけど、やっぱりもんじゃ焼きですか」

 

「まあ、友達が散々ゲロやゲロや言うてたけど、うまなかったら人気にはならんからな。ほな頼もか。すいませーん!」

 

 部長が手を挙げてさっきと同じ店員さんに注文すると、喜八洲の包装スピード並みの速さで具材が入ってくる。

 

「あ、あたしやってみたい」

 

「別にええけど、ちゃんと作ってや」

 

「ふふん、この紗里ちゃんに任せなさいっと」

 

 言って紗里は早速スプーンで具材をすくって、鉄板で炒め始める。

 

 ・・・手際良くないっすか?めちゃくちゃ上手に焼いているんやけど。

 

 言ってる間に紗里は既に土手を作り終わって出汁を流し込んでいた。

 

 そして、もんじゃ焼きが完成。見た目は本当に美味そうで、店の人が作ったんちゃうんかと言う程の出来栄えだった。

 

「じゃあ、お疲れさん言うことで食べましょう!」

 

「「「「はーい!」」」」

 

「・・・なんやこれ。めっちゃ美味い」

 

 しかも味も一級品。材料がええ言うのもあるかもしれないが、それ以上に紗里がうまく作ったので端的に言うと、めっちゃ美味い。

 

 その出来栄えに、どうやら店員さんも感嘆したようで・・・

 

「キミ、すごいね!うちで働いてみない?」

 

「いやー、あたし、家が佃らへんにあるんですよー」

 

「佃⁉︎いいじゃん、そこなら定期代ぐらいこっちで出せるよ。時給も弾むよぉ〜」

 

「マジですか⁉︎ じゃあ、ちょっと定期代調べますね」

 

 もう気付いている人がいると思うが、紗里が言っている佃は『大阪市西淀川区』の佃で店員さんが言っている佃は『東京都中央区』の佃である。無論定期券代はアホみたいに高いに決まっていて・・・

 

「出ましたー」

 

「どれどれ・・・」(°Д°)チーン

 

 金額を見た店員さんが失神してしまった。金額は阪神・JR西・FLEX2区間・JR東・東京メトロの1ヵ月定期を合わせて41万4700円。そら、失神するやろ・・・

 

 その後、事情を説明してなんとか誤解が解け、打ち上げを続け、終わったのは大体19時過ぎぐらいだった。

 

「ありがとうございましたー」

 

 精算を済ませて外に出る。

 

「ほな、ホテル戻るか」

 

「あ、すいません。私、ちょっと撮りたいものがあるので、後で帰って来ていいですか」

 

 全員で戻ろうと駅まで戻り、電車に乗っている途中、香里奈がそんなことを言い出す。

 

「別にええけど、帰ってくる時にはMINEで連絡しといてくれ」

 

「分かりました」

 

 そう言って香里奈は有楽町で降りていった。何を撮るんやろう・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜香里奈side〜

 

 さて、今私は有楽町から京浜東北線に乗ってある場所に向かっています。その場所とは・・・

 

『御徒町ー、御徒町ー。ご乗車ありがとうございました』

 

 上野駅の一駅手前、御徒町駅です。時刻は20時25分。一体なんでこんなところに撮影にきたんやって思いますよね。実はレアな電車がもうすぐやってくるんです。

 

 撮影場所を構え、カメラの準備を済ませるとまずやって来たのは、常磐線快速の成田行き。実は成田線開業120周年記念のスカ色帯のマト139編成が連結されてるんです!さっき、すきま時間に運用表を調べてたらこれを見つけて私大興奮です!

 

 そんな訳で早速撮影。いい写真が撮れました。

 

 そして、いよいよ本命がやって来ます。

 

 やって来たのは湘南帯のE233系。ここまでなら普通の光景ですが、行き先表示には『普通 黒磯』と書いています。これが本命。

 

 実は黒磯行きと言うのは小山以南では1日1本しか走っていません。ていうか小山〜宇都宮間も数本しかなく、こんな長編成で走らないので激レアなんです。昔は沢山走ってたんですけどね。しかも、熱海始発で宇都宮以北の最終という属性てんこ盛りの電車です。赤髪ツインテールで主人公の妹で秘密組織の司令官の某精霊みたい。

 

 私は絶対に逃すまじとシャッターを切ります。撮影成功でした!

 

 でも、スカ色帯の編成と1日1本の黒磯行きとどっちが本命かわかんなくなりますね。どっちでもいいか。

 

 そんな訳で大満足の私は急いで総一さんにMINEを送ってホテルに帰りました。

 

 




今回はもんじゃ焼き屋での打ち上げ回でした!
ちなみに、もんじゃ焼き屋の店員さん、誰か分かりましたか?ヒントは『環』という店名を英語にすると出てきます。最大のヒントはこの店がある場所が『月島』であること。かな・・・
書いてて自分でもいつ終わるかわかんないんですよね。果たしてあと何話で関西に帰れるのやら・・・
それでは次回。感想お待ちしてます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。