少し遅めの朝飯を食っている間に発車時刻を迎えたようで、電車はゆっくりと動き出す。
いよいよ東京都を脱出して、相模湖駅からは神奈川県を通る。意外かもしれないが、中央本線って、ちょっとだけ神奈川県を通るのだ。関西でいう、福知山線が神戸市を一駅だけ通るようなもんやな。
それと同じように、相模湖駅の次の藤野駅を抜けるとすぐに山梨県に入ってしまう。
そして、某大喜利番組の水色の着物を着ている落語家『(自称)アラ○・ドロ○』の故郷、大月に到着。ここからラインカラーと路線記号も変わり、東京からのE233系もJR線はここまでしか乗り入れず(一部は富士急の河口湖まで)、完全に東京の通勤圏を脱出する。
富士急のホームを見てみると、金色の車体に富士山のシルエットが所々にある電車が停まっていた。あれは確か・・・
「6000系の6700番台だったねー」
ナイス、紗里。この車両は元205系の6000系、その中でも最新鋭?の6700番台だ。この6000系、種車が量産先行車を組み込んだ編成やったり、埼京線内最後の205系の編成やったり、先頭車化改造を施した編成やったりとバラエティーに富んでいて、個人的には結構好きな系列である。
それを横目に大月を出発、いよいよここからは山岳区間に突入して行き、往年に使用されていたスイッチバック構造が、か弱い保線用車のために残っている初狩駅に到着。ホームからはその構造を眺めることができる。
そんなスイッチバックが必要だった程、急勾配な区間を電車はモーターの音を唸らせて、勾配などものともせず進んでいく。
そして、10時23分に山梨一の都市、甲府に到着。
「おし、ここで降りよか」
「え?そーくん、小淵沢まで、まだ結構あるけど」
「いや、そこで乗り継ぐ電車が甲府始発やからな。早いとこ席は確保しとかないとられてまうで」
東海道線程ではないものの、18きっぱーは結構おるからな。
「分かった」
「いやー、総一さん。これだけ乗ってまだ甲府ですか」
「せやねん、よう考えたら中央線の方が普通に乗ってる時間が長かったわ」
実は、東海道線は普通しかない区間は熱海〜浜松間と静岡県内に集中していて、しかも時間帯が合えばホームライナーで半分ほどの区間をショートカット出来るのだが、中央線は高尾、正確には各停区間が始まる立川を出てしまうと、次に快速が頻発している区間は岐阜県の中津川、しかもその快速は4駅しか通過せず、先行の電車を追い抜かない、宝塚線の急行並みの鈍行野郎なので実質は愛知県手前の多治見まで、全ての駅に停車することになる。
(一応中央線でも、瑞浪からはホームライナーが出ているが、土休日は全く走っていないので対象からは除外している)
・・・いや、えぐいな。確かにこれは過酷やな。
「まあ、快速走らせるほどの需要はありませんしね。特急と1時間に1本の普通があればいいってことなんでしょう」
と駅掲出の時刻表を見ながら香里奈が言う。
「それで、次の松本行きは58分発ですか。まだまだ時間がありますね」
「じゃあ、あたし何かお土産買ってくる」
「お土産・・・あ」
うっわ、東京土産買うんすっかり忘れてた。いや、別に家族とかクラスメートからなんか買ってきてくれとは頼まれてないんやけどな。単に俺がごま○まご食べたかっただけなんやけど。
「あはは・・・やっちゃいましたね」
「ハァ、ほな紗里。一緒にお土産買いに行こう」
「え!?いいの?じゃ、一緒に行こっか」
「香里奈はどうする?」
「うーむ、悔しいですが今は無理ですね。今、ふじかわがあそこに停まってるんで・・・」
そう言って香里奈はカメラを構えてここから少し離れた身延線ホームに向かった。多分、今停まってるふじかわ6号を撮りに行ったんやろう。
「よし、買いに行こう」
「せやな。多分、香里奈もすぐ戻ってくるやろう」
いかがでしたでしょうか?
ついに、一行が東京を脱出しました。そろそろこの話のタイトルが詐欺になり始めてるんでね、早く関西に帰らないと・・・ちなみに、部長と圭人は一日観光して翌日東海道線を逆戻りして帰ったことになってます。
次回はなんとか塩尻あたりまで行けたら・・・と思ってます。
それでは次回。感想等お待ちしてます。