関西人の関西人による関西人のための鉄道旅行記   作:柳芽帆奈

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第四十七話「やっぱり鈍行だけは無理っすよ」

「おし、ほな始めよか」

 

 そして裏向けにしてどんな種類か分からないようにしたガイドブックを一つづつ取っていく。

 

 さて、どんなガイドブックが当たったやろか・・・

 

「おっ、なかなかなやつが来たな・・・」

 

 俺が引き当てたのは『タラタラ行こうぜ!ローカル新幹線駅巡り』というもの。

 

 その名の通り、ローカル新幹線駅、つまり一番下の種別しか停車しなかったり、本数が少なかったりする駅を巡るもので、今回は厚狭、新白河、古川、雫石、奥津軽いまべつの5駅が挙げられている。・・・結構ハードなやつちゃう?

 

 紗里が引き当てたのは『バチッと切り替え!デットセクション境界ツアー』。交流と直流が切り替わるデッドセクションの境界駅を巡るもので、村上、黒磯、門司、藤代、南今庄の5駅が設定されている。前半の三駅は主要駅やから行きやすいけど、後の二駅がな・・・

 

 そして香里奈の方を見てみると・・・

 

「・・・」チーン

 

 見事にOTZの体制になっていた。握っているガイドブックを見てみるとそこには『秘境駅探検隊 hard course』という文字があり、指定されていたのは糠南、宗太郎の2駅。なんや2駅かと思う人もいると思うが、この2駅を知っている俺からするとご愁傷様としか言いようがない。

 

「・・・引き直していいですか?」

 

「「ダメよ〜ダメダメ」」

 

「・・・」OTZ

 

 まあ、こんな茶番やっててもしゃあないし、始めるか。

 

 〜1ターン目(5時)〜

 

 このゲームは1ターンにつき、1時間ずつ時間が進む設定になっていてその時間帯に走っている電車を市販の時刻表から見つけ、ルーレットを回して行く駅を決めて乗車するという風になっている。ちなみに、ルーレットは1〜10の数字と終という文字があり、終マークが出るとその電車の終点まで乗ることが出来る。また、ターン中、駅で降りずに電車に乗り続けている場合はそのターンはルーレットが回せない。(例;敦賀5時34分発の播州赤穂行き新快速で終点まで行くと赤穂着は9時42分なので6時分と7時分と8時分のルーレットが回せない)

 

 スタートは5時。このゲームは分単位は切り捨てになるので、5時台の電車なら原則どれでも乗れるのだが、俺はこの5時20分発の始発の沼津行きに乗る。さて、ルーレットを回そうか・・・

 

 クルクル・・・『8』

 

 8駅やから辻堂やな。辻堂到着は6時12分。良かった、次も回せるわ。

 

「よーし、じゃあ行こっか。あ、あたしは山手線を使うね」

 

 紗里は・・・『5』か。山手線で日暮里駅に行ったな。という事は常磐線で藤代駅を狙うんか・・・。

 

「じゃあ、次は私ですね・・・。5時1分の京浜東北線で行きましょう」

 

 次に香里奈がルーレットを回す。

 

「あ、終マークが出ました」

 

 いきなりか!ちなみに香里奈の乗っている京浜東北線は大宮行き。という訳で彼女は大宮までコマを進める。

 

 これで5時台のターンが終了。これが一連の流れだ。

 

 〜2ターン目(6時台)〜

 

 次に俺が出したのは『3』。という訳で6時31分の熱海行きで辻堂の3駅先、大磯へ向かう。大磯って・・・

 

「あたしは・・・『7』だね」

 

 紗里は『7』を出して、6時7分の水戸行きで日暮里の7駅先、天王台駅までコマを進める。これで1つ目のチェックポイント、藤代駅まで後2駅となった。

 

「ふふふ、ここでこれを使います!」

 

 言って香里奈はガイドブックの一番後ろの『新幹線回数クーポン』というページを掲げる。

 

 各々のガイドブックの一番後ろのページにはクーポン券があって、これを使ってゲームを有利に進めることが出来る。今、香里奈が使う『新幹線回数クーポン』は通常では使用出来ない新幹線が最大4つ先の停車駅、または終マークが出た場合は終点まで、計3回まで使用可能なクーポンである。

 

「これでどこまで・・・」

 

 香里奈がルーレットを回す。

 

「やった!終マークです!」

 

 なんと、2回連続で終マークを出しやがった。めっちゃ引きええな・・・

 

「それじゃあ、6時57分のはやぶさで一気に新函館北斗まで飛んじゃいます!」

 

 香里奈は北海道入りを選択した。多分、宗谷本線の糠南駅から先に巡るんやろうな・・・

 

 その代わり、香里奈はこれから3ターン、ルーレットを引けなくなるので、その間に何か対策を打っておかへんといけないな・・・

 

 〜3ターン目(7時)〜

 

 次に俺が回すと『9』が出たのでこれでちょうど熱海まで行くことが出来た。熱海駅のマスは他の駅みたいな白色ではなく、黄色のマスだった。

 

「お、カードが引けるみたいやな」

 

「カード?ここに置いてあるやつのこと?」

 

「そうそう。特定の駅で特殊効果があるカードが引けるんよ。結構役立つことがあるからな・・・おっ、『終点カード』やな」

 

 カードの効果は・・・まあ、名前の通りや。

 

「じゃあ、あたしの番だね。2が出てくればいいんだけど・・・」

 

 言って紗里がルーレットを回す。

 

「うーん、5か」

 

 紗里は目的地の藤代にはたどり着けず、ひたち野うしくまで連れて行かれた。

 

 ていうか、まだ7時台なん?このゲーム、1時台のターンまであるからな・・・先が思いやられる・・・

 




すごろく回、どう終わらせたらええんやろう・・・と思いながら書いております。本当は西日本だけのはずやったんですけど、調子乗って全国規模にしたのはいけなかった(汗)。
そんな訳で最短で終わらせても3、4話はかかっちゃうかもしれません。その後に乗り鉄します。もし、需要があれば三人のデート回も書きますよ!
それでは次回。
追記、新水俣→奥津軽いまべつに変更しました。
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