関西人の関西人による関西人のための鉄道旅行記   作:柳芽帆奈

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今回から日常編突入です。


第二章「鉄分糖分マシマシな日常」
第五話「俺の彼女は同業者」


大回りをした翌日の朝5時半、毎朝この時間に設定しているアラームで起きた俺は布団を片付けて、朝食を作るためにキッチンへ向かう。両親が家にいた時は作ってもらっていたが、今はどちらも出張に行ってしまったので、俺が朝食を作ることになっているのだ。

 

 朝食は先に食べてしまって、遥を起こした後は学校の用意をする。

 

「ほな、いってくるからな。ええ子にしとくんやで」

 

「ん・・・、いってらっしゃい」

 

 遥の返事を聞いて家のドアを閉め、学校へ向かう。

 

 これが白庭家の朝の日常である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺が通っている私立長堀学園高校には様々な部活があり、同好会まで含めると70以上あると言われていて、野球部や吹奏楽部といったTHE・高校のメジャーな部活から、空耳映画研究会や経営部といったマイナーな部活、挙げ句の果てにはスケット団やSOS団といったどう考えてもアニメに出てきたであろう名前を冠した部活まである。

 

 ここで『と言われている』と濁したのは、学園長の意向で部活の設立かつ部費が支給される条件が部員二人以上かつ顧問一人とかなり緩く、さらにレポートをきちんと書いていれば顧問もいらないという超ゆるゆるなもので、実際には自費で活動している非公認の部がもっとあると言われて、全生徒の9割がなんらかの部活・同好会に所属しているという調査結果もあるのだ。(生徒会調査記録2017年版より)

 

 そんな部活の中に鉄道部というものがあり、俺はそこに入部している。というかそれ狙いでここの入試を受けた口もある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キーン、コーン、カーン、コーン・・・

 

「・・・はい、じゃあ委員さん、挨拶よろしく」

 

「起立、礼」

 

「「「ありがとうございました」」」

 

 それを言うと同時に俺を含んだほとんどの生徒が教室を後にする。

 

 まあ、大体は部室に行くのだろう。

 

 俺もその大体に漏れず鉄道部の部室へと足を進め・・・

 

「総一さん」

 

 る途中で呼び止める声がしたので振り返る。

 

 そこには、腰まで届く長い銀髪にダイヤモンドの様な白銀の瞳、白い肌という人目見れば誰もが惚れてしまう様な美少女の姿があった。

 

「お、香里奈か」

 

「部室行くんですか?一緒に行きましょうよぉ」

 

「別にええけど、学校ん中で恋人繋ぎは勘弁してや・・・。それやる度に怨嗟の視線がひどなるんやから・・・」

 

「そんなの気にしたら負けですよぉ。ただでさえ昨日は会えてないんですから」

 

「うーん・・・そういや、昨日は何をしてたんよ」

 

「まあまあ、それは部室で話しますよ」

 

 どうやら話をしているうちに部室に着いていたらしい。俺たちは部室の中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 紹介が遅れたが、彼女の名前は朝潮香里奈。俺の彼女兼同業者(鉄道マニア)である。ジャンルは撮り鉄。同じく撮り鉄の父の影響で幼い頃からカメラに触れてきたらしく、全国的な鉄道写真コンテストで最優秀賞を獲るほどの腕前がある。

 

「はい!昨日はこれを撮りに行ってたんですよ」

 

 そんな彼女が一枚の写真を見せてくる。

 

「ん?これは・・・⁉︎」

 

 その写真には、227系を平べったくした様な前面で、銀色の車体に黄色があしらわれた気動車がどこかの工場内に佇んでいる様子が写されていた。

 

 DEC700形。JR西日本が開発した新型電気気動車である。

 

 そういえば、確か出場は昨日やったな・・・

 

「でも、これ近すぎひんか?川重の敷地の中からとった気がするんやけど」

 

「いえ、超望遠スコープで一番近くのビルから撮影したんですよ」

 

「・・・」

 

「どうしました?」

 

 ホンマか?と問いたい気持ちもあるが、香里奈のカメラの腕前は知っているので外から撮ったんやろうなと納得することにした。

 

「いや、なんもない。そういや、他の奴らは?」

 

「まだ来てないですね。授業が終わったばかりですし、もうちょっと待ってみますかぁ」

 

「せやな」

 

 




いよいよ彼女が登場しましたよ!
これからは学園要素が混じってきますが、タイトル詐欺にならないように鉄道旅行も入れていくので応援よろしくお願いします。
後、設定集を活動報告に載せたのでそちらもどうぞ。
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