関西人の関西人による関西人のための鉄道旅行記   作:柳芽帆奈

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お待たせしました、京阪ARラリー編です!


第十一章「巡れ!ケーハンデンシャ」
第六十五話「シマへ、生まれたての空気(エア)詰め込んで」


 朝が肌寒くなって秋本番を感じさせるようになった11月某日の6時半過ぎ、俺の姿は京阪京橋駅にあった。

 

 今日は体育祭の振替休日ということで平日の鉄旅をしてみることにした。えっ、いつの間に体育祭をやったんやって?ちょっと前にやったんよ。決して作者が体育祭を描くのめんどくさがった訳やないからな(棒)そういう行事はすっ飛ばすのもこの小説の特徴や、よう覚えとき!

 

 そう言うが、まずは旅の必需品を買わねば。

 

 そんな訳で向かったのは改札機横の駅長室。まだ早朝だが既に駅員さんが中にいた。こんな早朝からご苦労さんです。

 

「すいません、フリーチケットって置いてますか?」

 

「こちらでしょうか?1300円になります」

 

「ああ、これです」

 

「ありがとうございました」

 

 手に入れたのは『響け!ユーフォニアム』という宇治の吹部を描いたアニメとコラボした切符。5000枚限定の発売で、発売から既に2ヶ月が経っていたので大丈夫かと思っていたが、そんな心配は杞憂やったようだ。

 

 今回はスマホのアプリを使ったアニメのARラリーも開催されるのでこれにも参加することにした。

 

「おし、ほな行くか・・・ってあれ?」

 

 改札機に切符を入れようとすると、あることに気付く。

 

「ここの改札、IC専用ばっかしやん・・・」

 

 何とズラリと並んだ改札機はそのほとんどがICカード専用。磁気券が使える改札機は僅かに数台しかない。他の会社は『IC専用』と書かれたステッカーを床に貼っていくところばっかりだが、京阪は逆に『きっぷ専用』と書かれたステッカーが貼られていた。一応言っておくが、ここは京阪で一番乗降客数が多い駅の一番大きい改札口なんですけど?時代の流れなんやろうか。

 

 ぐちぐち言っても仕方がないので改札に切符を入れていよいよスタート。

 

 早速京都方面ホームに上がるのだが、まだ電車には乗らない。『腹が減っては戦ができぬ』っていう言葉があるやろ?まずは腹ごしらえや。

 

 という訳でホーム上にあるアンスリーというコンビ二へGOし、名物のフランクフルトを買う。早速食ってみるとケチャップなどがないにも関わらず味が濃く、それ自体がウツボ程の太さがあるので1本だけで腹が満たされた。これで120円は素晴らしい。阪神のミックスジュースに並ぶおすすめやから是非食ってみてくれ。

 

 そして一本目の電車、6時56分発の特急出町柳行きがやってくる。

 

 車両は8000系、ダブルデッカーの階上席に乗り込む。

 

 電車は京橋を出ると複々線をスイスイと進んでいく。普段は乗らないだけに『おはようございます』のアナウンスを聞くのもまた新鮮だ。

 

 そしてまず最初に降りたのは大阪府内最東端の駅、樟葉。

 

 改札には多くのスーツ姿の企業戦士達が自分の仕事を果たすべくIC片手にゲートを通っていく。まあ、せっかくの一日乗車券なので改札を出てみる。しばらく歩いていると萌葱色のジャンパーに身を包んだ男性を見つける。

 

「日本進歩の会、長尾でございます。応援ありがとうございました・・・」

 

 彼の周りには『啖呵を切るより身を切る改革 日本進歩の会』のポスターが立てかけられている。

 

 どうやら先日の衆議院選挙で勝って、有権者の挨拶に回ってるみたいやろうな。それにしても、進歩強かったな・・・淀川の向こうの選挙区では最大野党の副代表が進歩の新人に負けたくらいやし。ちなみに、香里奈のお父さんも旋風に乗って大差で当選したらしい。

 

 まあ、特にめぼしいところもなかったので再び改札内に入る。

 

「そういや、あれが出る時間やな」

 

 次に乗るのは通勤快急中之島行き。

 

 折角樟葉までまで来たのに、すぐに都心に戻るという乗り鉄ならではの行為である。逆に鉄やなくてこんなんやってたら俺でも引いてまう。

 

 京阪は少し前にダイヤ改正を行ってラッシュ時の大幅減便を行っているため、どの電車も大概混むのだが、この通勤快急は樟葉始発なので席は楽に確保できた。勿論、一番前のかぶりつきである。

 

 7時38分に樟葉を出て、きた道をずっと戻っていく。枚方市、香里園と主要駅に止まるにつれて乗客数も増えていき、寝屋川市を出るときには人で6058号車はいっぱいになっていた。これを某知事が見たら絶対『密です!』って言うやろな。

 

 寝屋川市を出ると京橋まではノンストップ。通常の快速急行は守口市にも止まるので朝ラッシュの大阪方面行きだけのレアな経験である。

 

 そんな通勤快急は京橋で満員の客の7、8割を掃き出す。立客はほぼいなくなり、何なら席も少し空き始めた。この電車は中之島行きである。

 

 天満橋を出ると、さらに少なくなって終点の中之島に着く頃の車内は6割ぐらいにまで減っていた。いやー、ここまでとは思わへんかったな。ピークではないとはいえ、朝ラッシュでさえこんなんやから土日の昼間ってどんなんなんやろ・・・

 

 一応説明しておくと、中之島線は2008年にできたばっかりの路線で、当初は出町柳との間で快速急行が毎時二本運転されるほどの看板路線として注目されていたはず。でも、見事に大失敗して11年には早速、昼間の快速急行を捨て、みるみるうちに普通ばっかりになって、今や土休日に至っては優等列車すらないという都会のローカル線と化してしまった。

 

 この路線のために作ったはずの3000系も現在、中之島線には一切入線しない。

 

『シマへ行こう』のフレーズは一体なんやったんやろうか。

 

 取り敢えず周辺を散策しようと俺は改札口へと向かった。

 

 




お待たせしました、4日ぶりの投稿でございます。
予告していた通り、今回からは京阪を乗り潰します。途中、『響け!ユーフォニアム』の要素もブッ込みつつ、鉄分多めに書いていきたいと思いますので応援宜しくお願いします。
さて。いきなりになりますが、現在新作を執筆中!今度は転生もので版権タイトルから書いていきます。執筆中の光景を貼っておくのでどんな話か楽しみに待っていてください。

【挿絵表示】

それでは次回。感想等お待ちしています。
(注)話の中に政党の名前が出てきましたが、実在の人物、政党、政治団体とは関係ありませんのでご留意を。
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