羽戸山緑地の展望台を出て、俺は坂を駆け下りる。
次のチェックポイントは宇治駅周辺らしいがせっかくやし、一ヶ所追加で寄ってみることにする。
アプリの地図で大まかな経路を確認し、バイパスのアンダーパスに沿って走る歩道を歩いていく。
それを渡り終えてしばらく歩いて、宇治川の方へと向かう道に入るのだが・・・
「あれ?確かここのはず・・・」
角の突き当たりには階段などなく、水道橋の設備があるだけ。
一応、階段もあるにはあるのだが、その前には立ち入り禁止の看板が掲げられた柵があるので、それを登るわけにもいかない。さてどうしたものか・・・
「ハァ、時間は食うてまうけど、戻って違う筋から・・・あ」
ふと見てみると、違う角から何やら土手のほうに向かう通路が伸びていた。ただ、土手に上がる階段も置石もない。まさか、土手を直接登れと・・・?
「・・・しゃあないか」
迂回路もかなり遠いのでとりあえず登る。あれ?思ってたより結構急やん?
「あ、あかん。これ足滑らしたらヤバいやつや」
足をかけても大丈夫な場所を手探りならぬ足探りで探すので時間がかかる。ただ、足を滑らせるとアスファルトに真っ逆さま。打ち所が悪いと大変なことになるので慎重に登る。
そして、1分半ぐらい経って・・・
「ふぅ、着いた」
何とか土手の上の道路まで登り詰めた。時間はかかったものの、迂回路を通るよりはマシやったかな?
後、疲れたわ。ちょっと土手に座るか。
この土手は観光地である宇治橋からは結構近いのだが、住宅街の中なのでとても静かである。きっとアニメの人物もここで癒されてたんやろか?知らんけど。
「そういえば、今何時やろ・・・」
スマホの時計を見てみると時刻は11時2分を指していた。近くにある三室戸駅の時刻表は確認してへんかったけど、さっき降りた黄檗駅の時刻表のパターンと所要時間から逆算したら、次の電車は・・・6分ぐらいか!
「あかんあかん、急がな!」
急いで身支度をして土手を三室戸駅の方に向かって走る。
それから土手を降りても重い荷物を背負いながら走り、三室戸駅に着いたのは11時6分前。
これを逃すと、次は15分後やからな・・・一駅とはいえ、楽して移動したい。
電車は俺のほぼ予想通りの11時7分に到着。これに乗って終点の宇治駅へと向かう。
そして、電車は発車した・・・が。
『まもなく、宇治、宇治、終点です・・・』
あれ、もう終点?近くないっすか?
まだ三室戸駅の駅舎が後ろにくっきり見えているのに、もう宇治駅のホームが見えてきてるんですけど。
これやったらあんだけ走らんくても、宇治駅まで歩いても変わらへんかったんや・・・
(あー、疲れ損や)
そんなことを心の内で呟きながら電車を降りたのだった。
宇治駅を降りると、すぐそこに観光名所である宇治橋が見える。
日曜とか祝日になると観光客とかがわんさかやってくるんやけど、今日は平日であるためか、人は少なめである。
そういえば、次のチェックポイントってどこやったっけ・・・喜撰橋?
どうやら喜撰橋というのは、宇治橋の山側にある中洲に架かる朱塗りの橋で、劇中ではここで主人公の久美子は同じ吹奏楽部の塚本秀一に告白したという。ただ、振られたんやって。5963。早速、10円玉の表の絵柄でお馴染み、平等院鳳凰堂への参道を進んでいく。
途中、中洲の方に向かう道が分岐するのでそれを進んでいくと喜撰橋は目の前に。
スマホを出し、アプリを起動してチェックイン完了。これでARラリーのチェックポイントは残り一か所、さわらびの道を残すのみとなった。
ただ、さわらびの道は地図によると喜撰橋を渡ってしばらくしたところにあるらしいので、この橋を渡ることに。
さらにもう一つの朝霧橋を渡って宇治川の対岸に到着。
ただ・・・さわらびの道が具体的にどこの範囲からなのかが分からない。
なので、チェックポイントの反応頼りにしばらく歩いていくと、チェックインボタンが押せるように。
勿論、チェックインボタンを押して三つ目のさわらびの道をクリア。画面には『おめでとうございます!』のメッセージとコンプリート景品の加藤葉月、鈴木さつき、鈴木美玲の三人が描かれたARが贈られた。
「よーし、これで制覇や」
せっかくなので、このコンプリート記念のARを使って写真を撮っておく。
それにしても、このARの絵柄、どっかで見たことあんねんな・・・
そんな事を考えながら宇治駅へと引き返すのだった。
えー・・・四日ぶりの投稿でございます。
現在、もう一個の小説を書いているんですけど、かなり難航していて、こちらもそれに引っ張られる事態になってしまいました。
もしかしたら、リアルの予定も相まって、今後も投稿期間が空くかもしれないので、気長に待ってくれればありがたいです。ちなみに、次回はいよいよあの車両が登場します。
それでは次回、感想等お待ちしています。