「ハァ・・・ハァ・・・急げ!」
ARラリーが終わって、ふと時計を見ると12時6分。これまた得意の逆算を使うと、次の電車が発車するまで後5分しかないことが判明。
距離的に考えても、走ればギリギリ間に合うのでこうして息を切らしながら走っているのだ。
そんな風に無我夢中で走り続け、やっとのことで駅前のロータリーに到着。しかし、あと1分しかない!
「ヤバいヤバい、急げ!」
歩行者用の信号が青に変わる時間も惜しい。俺は車道の信号が赤に変わるのに合わせて再びトップギアで走り始める。フライングである。これ、大阪駅の横断歩道でやったら他にもフライングする人は若干おるから目立たへんけど、こんなとこでやったら目立つのは必至。
ただ、この11分発を逃すと、次の電車が来るまで16分も待たねばならない。もう信号を待つ時間さえ時間も惜しいのだ。許してクレメンス。
そんな成果もあったのか、発車メロディーが鳴る中、メロスがどこぞの刑場にやって来たようなスピードで車内のスライディング。
それに合わせるかのごとくドアが閉まって電車はゆっくりと動き始める。
「ハァ・・・な、何とか、間に合ったぁ・・・」
動き出した電車の中でゼェゼェと息を吐く。今絶対ひどい顔してるやろ?きっとアヘ顔ダブルピースみたいになっとるんやろな。
そこから人がまばらな席に座って息を整える。何駅か通った頃にはだいぶ息が整って来た。
『中書島、中書島、終点です・・・』
そして、電車は中書島に到着。降りる際に、ふと、乗っていた13001Fの前面を見ると、ヘッドマークが掲げられていた。そういえばこれって・・・
「あ、あれやったんや」
そう、このヘッドマークはARラリーのコンプリート記念のARと同じデザインだったのだ。
成程、どうりでどっかで見たなって思ったんか・・・
モヤモヤが一つ解決して、今度は再び本線を北上する。
ホームで待っているとやって来たのは12時17分発の準急出町柳行き。
こいつで次に向かったのは伏見稲荷駅。
伏見稲荷の名称から分かる通り、お稲荷さんの総本社で、世界遺産の伏見稲荷大社の最寄駅である。
ただ、時間の都合上、本殿の方までは回りきれない。今回は京阪線を乗り潰す旅なんやから、神社に行くのはまた今度や。
なので最近リニューアルした千本鳥居をイメージした駅舎の写真だけ撮ってすぐにホームに入場する。
そして後続でやって来た同じく準急に乗るのだが、一駅先の東福寺で意外な乗客が乗り込んできた。
(え?何で警察の人がこんなところに・・・)
そう、乗って来たのは京都府警の警察官の方々。ちゃんと制服も着ていて、階級バッジは銀地に三本の金色の線。三人全員巡査部長のようだ。一体わざわざ電車に乗って何をしに来たんやろか?尾行やったら絶対私服で来るし、物を届けるにしてもパトカーで来るもんやないんか?それとも、落とし物の回収にでも来たか・・・
まあ、それを聞くわけにもいかないので、今となっては真相は闇の中だが。
ちなみに、余談だが警察官は制服を着ていたり、警察手帳を提示すれば公共交通機関をタダで使えるらしい。勿論、公務中に限って。普段使いでやられたら会社側は溜まったもんやないからそら当たり前の事やけど。
そして、電車は本線の終点、三条に到着した、ここで後からやってきた特急に乗り換える。それにしても、あの警察の人、結局何しに電車乗ってたんやろ。
それは結局分からずじまいやった。
電車は、あっという間に終点の出町柳に到着。まだ結構急いだおかげで時間に余裕が生まれたので、周辺を観光する事に。
「それにしても、バス多いな」
今、出口に出る途中で見つけたバスの路線図を見てるんやけど、結構いろんな行き先があるな。上賀茂神社や北野天満宮など京都市街地の名所に向かうバスもあれば、大原などの市街地から離れた観光地へと向かう路線、そして朽木・・・ん?朽木?
俺はその地名に引っ掛かった。
「こっから朽木って・・・相当遠いで」
というのも、朽木は京都市どころかそもそも京都府内ですらなく、滋賀県は高島市にある旧鯖街道の宿場町やったはず。
調べてみると、どうやらこの朽木行きのバスは冬季以外の土休日の午前中に一往復だけ運転される路線らしい。総距離は44.3km。これは、ほぼ阪急京都線の大阪梅田〜京都河原町間に匹敵するというすごいバスやった。今度乗りに行こうかな?
その後は、鴨川デルタを見に行ったり、上賀茂神社に参拝に行ったりと出町柳を少し散策してまた駅へと戻ってきた。
それにしても思ったんやけど、やっぱり京都ってアニメの聖地多いな。
商店街を歩いてたら至る所に『たまこまーけっと』だの『けいおん!』だののポスターとかが貼ってあったし。何で日本のアニメって大体舞台が京都と東京ばっかりなんやろ。大阪が舞台のアニメを見てみたいな・・・
時刻は昼の2時20分過ぎ。
そろそろ、今回の旅の最大の目的がやってくる時間が近づいてきた。
いかがでしたでしょうか?
本当は『あの車両』はここで出そうと思ったんですけど、長くなったので一旦切る事にしました。
なので、『あの車両』は次の第七十話で出しますが・・・勘のいい人はもうわかりますよね?
とりあえず、この章はあと二話ぐらいで終わるんですけど・・・次は何書こうかな?
何か案あったら、私のメッセージに入れてもらったらありがたいです。(感想欄に入れると怒られるのでご遠慮ください)
それでは次回、またお会いしましょう。