「次はどこに行くんですか?」
野田阪神に着いてからは、特にみるところもなかったので俺達は折り返しの電車を待っていた。
「せやな・・・ほな難波行くか?ここまであんまり高校生のデートらしくないところ行ってるし」
普通の高校生のカップルは宮原の操車場とか野田阪神の幻のホームとか絶対行かへんからな。いくらお互いに鉄だとしてもコレはちょっとまずい。
「あはは・・・そういえばそうでしたね」
香里奈も今気づいたかの如く、苦笑混じりに返してくる。
「でもこういうデートも好きですよ。何てったってあなたとこうやって趣味を共有するのが一番楽しいんですから」
「香里奈・・・」
ああもう、そんな笑顔で言われたらもっと好きになってまう・・・
「ふふっ、いま『もっと好きになってまう』って考えてましたね?」
どうやらお見通しだった様だ。
「分かってたみたいやな。ほな、一旦阪神で梅田まで行ってそっからバスで行くか?地下の景色ばっかりやったら流石に見飽きてくるやろ」
「そうですね」
そんな訳で梅田に向かうことにした。
阪神梅田から通路を歩いて俺と香里奈がいるのは大阪駅前バスターミナル。12の乗り場から大阪市内各方面へ21路線(IKEAのシャトルバスを含めると22路線)が伸びる市内屈指の規模を誇るバスターミナルである。
因みにその横の国道176号線の高架下からは阪急バスが申し訳程度に園田への路線を走らせているがこれはまた別の話。
「これに乗るんですか?」
香里奈が指差しているのは『88 天保山』と表示された白を基調に黄緑色の帯が巻き付いたバス。
「そう。野田から直接地下鉄で行っても良いんやけど、早よ着いてまうし、バスで行ったら丁度ええかなって」
「なるほど。じゃあ、乗りましょうか」
乗り込むと二人がけシートが丁度空いていたのでそこに座る事にした。
しばらく待っているとバスが動き出す。休日の昼間ということあってかかなり利用客は多く、途中でも乗ってきたりしたので車内は満杯になっていた。
しかし、天保山まで後10分ほどというところで・・・
「s、総一さん・・・ちょっと気持ち悪くなってきました・・・」(´π`) ウグゥ
「えっ!後10分やで、我慢出来るか?」
「10分なら何とか・・・」ウウッ
「頼むで・・・ここでreverseは洒落にならんからな・・・」
その後はグロッキー状態の香里奈を介抱して休ませた後、天保山周辺を散策。ファミレスで昼ごはんを食べた後は、再び乗りつぶしを再開。
今は大阪市を南北に貫く谷町線の終点、八尾南駅というところにいる。
「八尾南って噂には聞いてましたけどこっちから出ると本当に何もないんですね・・・」
この八尾南駅には二つ出口があり、表には立派な駅ビルが立っているものの、改札以外は乗務員関係の施設が占めており、線路の終端の方角を見つめると生駒山地がくっきりと見え、もう一つの出口から出ると、そこには枯れ草が広がった空き地だけが広がっているという大阪メトロの駅だとは思えないほど長閑な駅になっている。まあ、この駅自体が車庫の用地を確保するために作られた様なものなので仕方ないのではあるが。
そろそろ帰ろうかと駅にもどって、やって来た電車に乗って帰途につく。
「でも、今日は楽しかったです。まあ、途中吐きそうにはなりましたけど」
「ハハっ、でもそれもまた思い出に残ったんちゃうんか?また今度デートしようや」
「はいっ!いつでも呼んでください」
「ほな、またな」
「さよなら」
やっぱりデートを描くのは難しかった。ちょっと強引になった気もしますがいかがだったでしょうか?
最初は総一だけの予定だけだったんですけどね、書いてるうちに、鉄の恋愛も書いてみたいという欲望が出てきて、それが香里奈ちゃんを生みました。まあ、これからもこんな駄文ですが応援してくれたら幸いです。
ではまた次回。
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