関西人の関西人による関西人のための鉄道旅行記   作:柳芽帆奈

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第九話「同人誌を作ろう!」

 7月7日といえば仕事そっちのけでイチャイチャした末に天の川で隔てられたバカップルが一年に一度会うことが許された所謂『七夕』の日として有名であろう。

 

 そんな日に俺達鉄道部の面子は部室に全員集合していた。

 

 その訳とは・・・

 

「ほな、始めるか」

 

 そう言って部長が目の前のホワイトボードにこんな事を書く。

 

『コミバに向けて!同人誌 記事アイデア』

 

「ま、今年も恒例の夏の同人誌を書く訳なんやけど、なんか案あるか?」

 

「せ、先輩・・・同人誌って?」

 

 そう質問するのは顔が少し前髪で隠れているいかにもオタク感を匂わす男子生徒。

 

 鶴見圭人。今年、東京から転校してきた一学年下の模型鉄である。

 

「ん?ああそうか、圭人は今年からやったから知らんかったんやな。俺達、長堀学園高校鉄道部は毎年夏に鉄道をテーマにした同人誌を発行するんよ」

 

「エッ・・・そうなんですか」

 

「せや」

 

 さらにと部長が続け、

 

「この同人誌はコミックバザールっていう同人誌の即売会に出すんよ。それを売って部費の足しにすんねん」

 

「す、すごい・・・」

 

 因みに、コミックバザールというのは、夏休み真っ只中の8月中旬に東京ビッグサイトで開催される国内最大規模の同人誌即売会のこと。今年で開催30年を迎えるが、俺たちの高校のサークルは24年間連続で出展していて、界隈では重鎮とも呼ばれている。まあ、甲子園の鉄道部版みたいなものである。

 

「だから、毎年この時期になったらね、こうやってアイデアを出し合うんだよ☆」

 

 そう返す少しギャルっぽい女子生徒の名前は、平林紗里。彼女も二年生でその見た目に反して、車両の研究が趣味の車両鉄である。

 

「そんなわけで何かアイデアあったら手ェ挙げてくれ」

 

「はい」

 

「朝潮か。言うてみ」

 

「えっとですね・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこから一人づつアイデアを出し、纏めるのは去年居なかった鶴見以外はみんな事前に考えてきたのもあってだいたい1時間程度で終わった。

 

 それが終わると今度は担当を決める。今年はそれぞれの好きなジャンルが分かれたので一人一つの記事を制作することになった。ちなみに鶴見は部長が一緒にフォローに回るらしい。

 

 ちなみに部長は『世界の鉄道ファン』を、紗里は『阪急7000系のリニューアルがヤバすぎる件について』を、圭人は部長と一緒に『鉄道模型虎の巻』を、香里奈は表紙とそれぞれのの記事で使う写真の撮影を担当する。

 

 勿論、俺にも担当が割り当てられているが、それについてはまた話そう。

 

「おし!ほな割当ても決まったことやし、今日はこれで解散や。各自しっかり頑張ってや」

 

 こうして今日の会議はお開きに。あしたから鉄道部の戦いが始まるのだ。

 

「ふう、今年も楽しみやな」

 

「はい!明日から頑張っていきましょうね!」

 

「もう、あたしも忘れないでよぉ」

 

「さ、紗里。どないしたんや」

 

「えぇ?あたしも一緒に帰ろっかなって」

 

 そんなこと言われても香里奈がなんと言うかな・・・と思いながら彼女の方を振り返ると

 

「フフフフフ・・・ダメですよ?一緒に帰ってもいいのはこの私だけなんですから」

 

 何と言うことでしょう。コトノハ様のごとく俺の彼女様がハイライトがない目で微笑んでいるではありませんか。

 

「いいじゃん、ケチィ」(・ε・)ムー

 

 こんなやりとりをしながら帰途についていくのだった。




さぁ、今回から新章がスタートしました。
不定期投稿と言っておきながら一日一話の投稿がつづいている柳芽帆奈でございます。
皆さんお変わりはないでしょうか?
さて、今回から新しいキャラが登場しましたが、実はこのキャラが今回の追加タグの鍵となります。
ヒントは小説以外にもあるので探してみてください。
それではまた。
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