アレスのところに英雄がいるのは間違っている   作:織田三郎ノッブ

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お待たせしました。


観戦、観戦!

やぁ!興奮して朝早くから目が覚めてしまったラクラスだ。開会まで4時間ぐらいあるのだが、どうやって時間を潰すかねー、と絶賛悩み中。鍛錬しようにも今日は闘技大会だから、さすがに周りに止められそう。

 

『ストレッチなどはいかがです?起きたばかりで体が強張っているでしょうし』

 

あら以外。師匠のことだから、てっきり計算を薦めてくるのかと思った。それにしても、なるほどね。ストレッチかー。そういや、今までしたことなかったな。基本グラニコスにしばかれて、腹減ってるから欲望のままに飯を食べて、風呂、というか大浴場に入って寝るみたいな生活だから、考えたこともなかった。子供の体だとだいたい寝たら治るし。いっちょやってみるか、ストレッチ。ベットの上だけど。

 

よいしょっ、と。

おー、硬いわ。俺の体。まじガチガチ。やばいな。よくこんな体で鍛錬してたな。いつ怪我してもおかしくなかったわ。マジでこれからやってかないと。

 

『体が柔らかくなって、悪いことはありませんからね。毎日、欠かさずやることをおすすめします』

 

そうするか。忘れてたら言ってね!レオニダス師匠。

 

『ええ、わかりました』

 

コンコン、と扉をノックする音が響く。

 

お!ゴルゴー達が来たみたいだ。いつもより早いな。

 

「ラクラス様。おはようございます。本日から闘技大会がございますので、今後はこの時刻にお声かけをいたします。御支度ができましたらお声掛けください」

 

扉越しにゴルゴーの声が聞こえる。

 

「わかった」

 

さて着替えるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラキア王国 大闘技場

 

闘技場の中も、闘技場へと通じる大通りも人で溢れている。おそらく、今年の中で1番賑やかであろう。大通りにはたくさんの露店が出ており、人々は談笑しながら闘技場を目指している。なにせ4年に一度の祭典である。この闘技大会はラキアの国民達にとっては貴重な娯楽となっていた。

と言っても18歳以上の部が本命であり、18歳未満の部はあくまで貴族の子息がやっている模擬試合という印象で18歳未満の部はあまり席が埋まらないのが通例であった。

しかし、今回は違った。この国の王子であるラクラス様が出場なさるという噂が市井を駆け巡ったのである。それが意図的に流されたものなのか、それとも流れたものなのかはさておき、それによって例年よりも多くの観客が18歳未満の部にも足を運んだのであった。

 

 

という訳で俺は今、闘技大会が行われる大闘技場にいる。王族とアレスが観戦するために造られた部屋?みたいな場所。めっちゃ高いところから試合が見れるから、すごい良い眺め。それで、闘技場の様子だけど18歳未満しか出場しないから、あまりレベルが高くないと思うんだけど観客はそれなりにいる。それで試合の進め方だけど、さすがに249名もいて考えたのか、闘技場を5つに分ける進めるみたい。で、早く決着がついた所からどんどん戦わせるらしい。それなら、ギリギリ何とかなるのかな?

 

「それでは!今より第9回闘技大会18歳未満の部 第1回戦を始める。総員構え!.....始め!」

 

試合が始まった。5つ行われている試合の内、1つに目がいく。片方は短剣を両手に構えており、もう片方は大剣(といっても彼の体格からしての大剣なので大きさは普通の剣)を両手で持っている。互いに向き合ってどちらが先に仕掛けるか探り合っている。先に仕掛けたのは短剣の方だった。敏捷のステイタスの高さに有無を言わせて、一気に迫る。狙うのは首もと。

 

キィンッ、と短剣が弾かれた。振り抜かれた大剣が少年の肩を抉る。

 

「勝負有り!双方止め!」

 

5つ行われている試合の中で1番早く決着がついた。審判が声を上げ、そばに控えていた医師が駆け寄ってくる。懐からポーションを取り出し、少年にかけた。ザックリと切られていた傷がみるみる癒えていく。万能薬とはいかないもののオラリオ産のポーションである。効能は凄まじい。

 

「それにしても一瞬で片が付いたな」

 

そう呟いたのは俺のパパンこと国王マルティヌス。

 

「ステータスの差が圧倒的でしたな。おろらく力のアビリティは最低でもCはあるかと」

 

それに返したのが我らがグラニコス大先生。

 

見てた感じだと、どう考えても力量に差があった。あれほどの高さのステイタスの持ち主は18歳未満の部にはそうそういないだろう。

 

「彼の名は?」

 

おー、ナイス!それは俺も気になる。

 

「グレン・ザミッド」

 

「すると、ザミッド将軍のご子息か」

 

「ええ、日ごろから自慢を口にされていましたが、あの強さなら納得ですな」

 

「それより、残り4つはまだ続いておりますし、今試合が終わった所も別の選手達が試合を始めます。何せ、今回は人数が桁違いですからな。休む間もない」

 

「まったく、貴族共ときたらこれだから。他人の顔を汚すことしか頭にないのだから」

 

父上達が話している内容について、その時はよくわからなかったが、後々気になってゴルゴーから話を聞くとなんか俺に勝って王家の面子を潰したかったていう狙いがあるらしかった。知らんけど。

 

あの後も当然、闘技大会は続いてゴルゴーとリベルテも出場していた。もちろん、2人共危なげなく3回戦に勝ち上がった。勝ち方が華麗すぎて、例のグレン君と同じくらい目立ってたと思う。後、目立っていたというか、強そうだと思ったのはとアマゾネスの女の子かな?

そういえば、男尊女卑の傾向があるラキア王国なんだけど、アマゾネスの彼女は侮られている様子はなかったんだよね。それで疑問に思ってラム爺に聞いたんだけど、なんかラキア王国がクロッゾの魔剣持って調子に乗っていた頃、アレスの命令で闘国(テルスキュラ)に攻め込んだことがあったらしい。案の定というか当たり前というか、LV3とLV4がいる国にいくらクロッゾの魔剣があるとは言え相手になる訳もなく、ボコボコにされたと。そのせいで、結構な数のLV2(将軍)を失ったらしい。ただ、その経験によってグラニコス含めた大将軍3人はLV3になることができたらしいから何とも言えんけど。

 

そう言えば、俺たちはリラックスしながら観戦ができてるけど、アレス様を含めた神様達は188回ステイタスを更新しなきゃいけないからヒィヒィ言って大変そうだった。もしかしたら、あの時が一番アレス様に対して国民が感謝してるときなんじゃないかな。

 




次回はラクラスも戦います。
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