もしも転生者が緑谷と爆豪を仲良くさせていたら   作:かっちゃ

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ヒロインは耳郎ちゃんとトガちゃんで迷って僅差でじろちゃんになりました。ちなみに雄英入るまでじろちゃん出てきません。対戦よろしくお願いします。


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 ヒロアカ世界に転生した。とは言えもう14年は昔の話、ストーリーなんてほほ覚えていないし、そもそもそこまで熱狂的なファンという訳ではなかったはずだから、この知識はほぼ役に立たないだろう

 転生については説明する必要は無いでしょ。いまや仏教としての意味より創作としての意味の方が有名な気もするし。前世の記憶を思い出したのは7歳の頃。なんの前触れもなく、それを思い出した。

 理由は……なんなんだろうか、引っ越したことかな。そう、引っ越して主人公とライバル──緑谷出久と爆豪勝己の家の近所に引っ越してきたことが理由なのかもしれない。

 

 まあおれの話はここら辺にしておこう。そんなヒロアカ世界に転生してきたおれは、今──

 

「ヘイバカゴーくん、君は突っ込むことしか脳がないのかい!? 牛さんかよ、出荷されな!!」

 

「んだとゴラァ! 誰が牛じゃああああ!!!」

 

 ばくごーくんをおちょくっていた。

 

 

 

 

 

「あー負けた負けた。やっぱばくごーくん強いわ。賢い牛って感じ」

 

「誰が牛じゃもっかいぶっ倒すぞ青目ん玉ぁ!!!」

 

「まあまあ、落ち着きなよかっちゃん」

 

「黙れやデク! こちとらくそ落ち着いてんぞゴラァ!!」

 

「ばくごーくん変なマウント取り出してるw どう見ても冷静じゃないのにね、いずくんも大変だねぇ」

 

 黙れや目ん玉!! という言葉を聞き流しながらおれたち──いずくん、ばくごーくん、おれの三人は、怪我して泥だらけになりながら仲良く(?)帰路に着いていた。ちなみにばくごーくんはほとんど怪我してなかった。

 いやまってくれ、ちゃんと説明するから石は投げないでくれ。

 

 まずは怪我+泥だらけの件。これは簡単で、いずくんがヒーローになりたいって言った時に「じゃあ体鍛えなきゃだね!」ってどっかのアホ(おれ)が言いだして、なんやかんやあって毎週金曜に個性、道具の使用以外なら何でもありな組手──試合をしているから。で、おれといずくんはばくごーくんに転がされてきたところ。これだから才能マンは。

 

 次にばくごーくんといずくんが仲良しな件だけど……まあ、あれだ。ちっちゃい時に不意打ちでばくごーくんを押し倒して(意味浅)馬乗りになって(意味浅)説得(意味深)をしたからだ。内容は……ちょっと早めの中二病入ってたからパスで。くっせえセリフ吐いたんだよなぁ……。

 

 で、最初はおれといずくんだけだったトレーニングにばくごーくんも参加しだして、なんやかんやあって組手をすることになった。ちなみにばくごーくんはタイマンなら無敗、おれはいずくんに六割くらいで勝ってる。序列だと おれ+いずくん≧ばくごーくん>>おれ≧いずくん って感じになってる。二人がかりに対して勝率四割は化け物だと思うんだよばくごーくん。もっと自重しろ。

 

 

 

 さあさあ日付が変わりまして土曜日。まず朝起きていつものトレーニングを終わらせる。

 ランニングから始まり、インターバルランニング、筋トレ、タイマンドッヂボールetcを行ったらそれぞれ汗を流してお昼をたべて、いずくんの家に集合。そこで昨日の組手の録画を見る。

 

「おい、今んとこちょっと巻き戻せ」

 

「巻き戻してください、だろ? ばくごーくんよ」

 

 軽口を叩きつつ、素直に10秒戻す。投げ飛ばされて体勢を崩したおれをいずくんが殴ろうとして逆に腕を引っ張られ体勢を崩されたところだ。

 

「ここ、攻撃が大振りすぎる。隙を作ったのはわざとだろ、目ん玉。サラッと受け身っぽい動きして衝撃逃がしてるしよ。そんくらい実戦の中でも見抜けるようにしろやタダでさえお前はハンデあんのによ」

 

「う……たしかに、ここしっかり手をついてるし、重心も下の方にある……僕の取り柄は観察眼なんだ、個性がない分他のみんなよりも遅れている。もっと早く認識、対応を考えることをがんばらないと。出来ないことを羨むんじゃなくて出来ることを伸ばしていこう。そうなるとどう練習すればいい? 組手だけでも身にはつくけども……」

 

「だぁぁうっせえなデク! まだビデオ残ってんだろうが!!」

 

 こうやってワイワイと騒ぎながら反省点、改善点を述べていく。反省、改善は主におれといずくん、ばくごーくんはこうすりゃいいだろってアドバイスを飛ばしている。うーん、ばくごーくんのアドバイスは的確だけど言い方がヤバすぎて心にくるんだよなぁ……。

 ちなみにこの組手、ばくごーくんも得るものがあるらしく、自分の動きの反省点を机の中のノートに纏めている。ストイックだねぇ。

 

「てめ、なんでその事知ってんだよ!!??」

 

「ほら、こないだばくごーくんちに遊びに行ったでしょ? いずくんと一緒に」

 

「あれは押しかけたって言うんだよ!」

 

「で、そんときにちょこーっとね、ほら、思春期BOOK(エロ本)でもねえかなって部屋を隅々まで見させて貰いましてね」

 

「クソみたいな個性の使い方してんな! 視認じゃなくて盗撮に個性届け変えてこいやぁ!」

 

 おれ──雲渡 見斗の個性は視認。見えないものを認識することができる。物理的に見えないものも、スピリチュアルな感じで見えないものも。ただ、常時オンにしてると疲れるから基本は切ってる。あと、スピリチュアルなものを見てる時は目が青くなるらしい。

 

「かっちゃん、僕らとの組手から得られるものがあるなんて……」

 

「何泣いてんだデクゥ! きっしょいわぁ!!」

 

「お、今嬉しさで泣いてるね、色がピンクっぽい。ばくごーくんは赤いね、カルシウムとりな?」

 

「何ナチュラルに心読んでんじゃボケェ!!!!」

 

 言っただろう、見えないものを見ると。ただ、心なんてものは千差万別。大雑把にしかわからんし色の説明もない。ピンクは嬉しさ、喜び。赤は怒り、激情。青はナーバス、後悔。そんな感じでしかわからない。

 あとたまに幽霊が見えたりする。だいたい優しくて、手を振ると振り返してくれる。このあいだなんて美人なお姉さんの幽霊のスカートの中が……ま、ガワだけだから真っ暗だったけどね。妄想が……こう……ね? 

 

「おい、クソ青目聞いてんのか。てめぇの反省点だよ。んだこのクソみてぇなフェイント。こんなん引っかかんのは三下だけだ。同格には通用しねえよ。デクが引っかかってない時点でダメだろうがよ」

 

「おう、そこは甘かったわ。ここはもうちょい露骨に引くべきだったか?」

 

「そしたらそれこそフェイントだってバレんだろうが、バカか。てめぇは嘘つくのしか取り柄ねえんだから上手い具合のを考えとけよ」

 

「おうよ。ところで今お前の部屋の辺り見てたんだが、あそこに隠してるんだな」

 

「あ? なんの話だよ。ここでお得意の嘘つかなくていいんだよボケが」

 

「なるほどな、自分の部屋じゃないのか。そりゃ自室だったらおれに見られるもんな」

 

「は? おい、ちょっと待てクソ青目!! おま、まさか!!!俺見てニヤニヤすんな気色悪ぃ! あっおい、ベランダから出るとか、おいゴラァァ!!」

 

 ばくごーくんのお宝本、ゲットだぜ! しなきゃ!!!!!!! 

 

 

「あれ、出久? 二人は?」

 

「いつものじゃれあいだよ。どうせすぐ戻ってくるよ、ジュースありがとう」

 

「ええ。……出久、いい友達をもったわね」

 

「うん。……"いい"友達かどうかは、わからないんだけどね」

 

 その後、爆豪は性癖バレし、雲渡は普段の組手の5倍はボロボロになって緑谷家に戻ってきた。

 

 

 

「そろそろ、対個性の訓練もしたいんだ」

 

 おれらが帰ってきたあと、いずくんはそんなことを言い出した。

 とはいえ、どうしてもハンデは生まれてしまう。個性の有る無しは、それほどまでに大きいのだ。

 と、いうことをばくごーくんに話すと

 

「お前バカか。なんのためにサポートアイテムがあると思ってる」

 

「あっ……」

 

「足りねぇなら補えばいいだろうがよ。道具ってのは機能の拡張のためにあんだよ。なんもねえやつが持ってるやつに勝つためには手前の力だけじゃ無理だ。だからアイテムだ」

 

 でも、とばくごーくんが言葉を続ける。

 

「俺は道具頼りなんてのは意味ないと思うがな。それにクソ目見みてぇに遠くから触れる*1奴とかに奪われたらなんも出来ねぇ。少なくとも目玉に勝ち越せるくらいになんなきゃ意味ねぇだろうが」

 

「うーん、でも道具の扱いは一朝一夕では身につかないでしょ。ナイフにしろ棒にしろ、身につけるまで一年はかかると見ていい。今からやんなきゃ付け焼き刃以下の技術で雄英受験になるでしょ。道具使ってるプロヒーローもいるわけだしさ」

 

「そういうやつらは道具使わなくてもある程度やれるんだよ。土台がなってねえやつが道具使って勝てるかよ」

 

「うーん、土台はそろそろ出来てきたと思うよ。普段のトレーニングもするけどちょっとは道具を使う練習しないと間に合わないんじゃない?」

 

「……チッ、青目に10戦中6勝しろ。そうすりゃ道具使っていいことにする。ここが落とし所だ、どうだ青目」

 

「んにゃ、それでいいよ。いずくんは……ってなんでまた泣いてんの? え、やっぱばくごーくん怖いの? そうだよねぇ、ヴィラン顔だもんねぇ」

 

「ちが、ちがくて! 僕のために、二人がこんなに真剣に話し合ってくれるのが嬉しくて……」

 

 心の色はピンク、そして黄色。嬉しさとやる気、決意ってところかな? 口には出さない。あくまで心の中に留めておく。

 ばくごーくんはケッと吐き捨ててるけど、色はピンク。照れ隠しだなんてウブだねぇ。それでおれは、多分ピンクだろう。

 泣いているいずくん、照れてるばくごーくん、笑ってるおれ。

 これは、おれらがヒーローになるまでの物語。そして、おれが創られた運命に抗う物語。

*1:
見えるんなら触れるよね? という訳分からん論理で雲渡を中心に半径10メートルくらいのものを触れる。心を触ろうとすると弾かれる。それでも強引に触ろうとすると相手の心は揺らぐが雲渡はしばらく個性を使えなくなる




考えれば考えるほど爆豪くんヘドロに負けなさそうなんだけど。爆風器用に使ってヘドロ払ったりそもそも体に纏われた時点でぶっ飛ばしてそう。というかそもそも路地裏通らんやろ
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