自分より強いのがいないから育てた   作:師刃

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戦闘シーン書くの苦手だー!
あとOD-8がキツすぎて無理。俺は諦めます。ナニアレー


メランサと模擬戦

 

 

 

 

「すみません、師匠」

「いいよ。最近はやってなかったし」

 

ロドスの外、何もない荒野にて。メランサと師匠二人は刀を持って向かい合っていた。

 

「まあ、かかってきなさい。ちょっとでも善戦できれば、ご褒美をあげます」

「わかりました。⋯いきます」

 

 

 

白目剥いたドクターに注射器を刺したあと、アーミヤはドクターに話しかける

 

「ドクター」

「どうしたんだいアーミヤ」

「いえ、その、メランサさんはともかく、あの人はそんなに強いのですか? 威圧感もありませんし」

 

アーミヤが見つめる画面の中、優しく微笑む男。刀を腰に提げ、構える事なく自然体で立っている。

彼のことは有名だった。上級オペレーターのメランサさんの師匠であり、嘘か実か分からない噂のある人。

 

「まぁ、彼の戦っているところを見た人は少ないだろうね。私だって一度しか見たことはないよ。ただ」

 

一度言葉を切ったドクターは、モニターの中を見て

 

「デタラメな存在っているんだなって思うよ」

 

そう呟いた。

 

 

 

 

(まずは、これ!)

 

鞘と鍔の間から刃が煌く。居合を極めた先に出来た技、全く同時に10回斬る。幼き少女は、他の世界の刀の達人たちが生涯をかけて生み出した技を容易く習得し、昇華した。

けど

 

「うん、いい感じ。前までは8回しか出せなかったもんね」

 

メランサは見た。10回の斬撃を手を添えて逸らし、空いた穴に身を滑らせたのを。

 

 

 

「え、あの、今何が」

「メランサが遠距離から、彼を斬ろうとしたんだろうね。前後左右から同時にやったようだけど、逸らされたか」

「??????」

 

アーミヤには見えなかった。いや見える方(ドクター)がおかしい。

目を凝らして見ていたのに、初動すら分からなかった。

 

「この時点で速さと身のこなしはロドスの中でもトップ。メランサの普通の攻撃でも卓越した能力がなければ無傷では済まない。出来るとすればスカジ、ヘラグ、ラップランドくらいか。だが、先程の攻撃を避けれる者はいないだろう。防ぐ事もできたかどうか」

 

アーミヤはドクターの言ってる事を聞き、嘘だろと戦闘中の男を見る。ワクワクと楽しそうに笑顔な男を。

 

 

 

 

「小手調はこんなところでいいだろ? さあ、来なよ」

 

メランサが線となり男に斬りかかった。急加速と気配を周囲へ分散したことにより目では捉えられないはずのメランサを、男はジッと見て、刀の腹を押す事で防ぐ。

超至近距離からの居合の連撃。秒間90回襲いかかる斬撃を残像となって避け、顎に手を添えて唸っていた。

 

「いやぁ、早くなったなぁ。昔は3回同時が限界だったのに、今では10回を連続。ただまぁ、同時攻撃ばかりじゃなくてフェイントや時間差とかも出来る様にならないとね」

「まだ!まだ! 私は! やれる!」

 

前後左右の斬撃に下から、上からの斬撃が追加された。更には当たらない場所にも置くことで、回避する範囲を狭めた。

あえて2回同時と5回同時、8回同時など回数をバラバラにし、抜刀するタイミングをずらし、読みづらくした。

なのに全て当たらない。刃が避けてるのかと思うほどに。

 

「いいよいいよ。抜刀術はほぼ極めたと言ってもいいね。じゃあ、こっちも攻撃していくから、注意してね」

 

師匠が刀に手を掛けた。

 

刃が煌めく

 

「ぐ、ぅぅぅぅぅぁぁあああ!!!!」

 

いつのまにか目前まで迫っていた刃を峰で受け止めなんとか弾く。腕が痺れるけど、目は逸らせられない。

顔を下げ身をかがめる。耳が当たるかどうかのスレスレで刃を避け、回転するように跳んで足下にくる刃を回避し、地面に手をつき更に跳ぶ。

 

そして上から落とされる刃を受け止め、地面が凹む。

 

「おお、いいぞ。その調子。前より反応が早くなってる」

「し、しょう! はや、すぎ、です!」

 

弾いて距離を取り、全身に感じた悪寒を受け居合をした。

ギッと一回の音。だが、十数回分の音が重なりかなりの音量で周囲へ響く。限界が近い。目を師匠の方へ向ける。居合の構えが見えた。

 

「さ せ る かぁぁぁ!」

 

上段からの全力の振り下ろし。光をも超える速度で振り下ろされた刃による斬撃は空間を越え、師匠へと直撃し砂煙を上げた。

 

けど、そこまで。師匠は素手で斬撃を受け止め、ニコニコとしていた。

 

「うん。強くなったね。これで模擬戦は終了。お疲れ様」

 

笑顔で言う師匠に緊張が解け力が抜け、地面に倒れた。

意識が飛ぶ寸前、師匠が抱きかかえてくれたような気がした。

 

 

 

 

「ふふっ、いやぁ、成長したなぁ」

 

メランサを抱き上げ、アーミヤ達の方へ行く。たった10数秒の戦いとはいえ、少し荒れてしまったなぁと新たに生まれた谷を見た。メランサの斬撃がこのレベルに達したのは本当に嬉しい。後はもっと少ない力でこれが出来るかどうか。

 

「それに、本当に久々に、怪我をしたし。満足満足」

 

「もう治ってるけど」と一人で言って笑い、ドクター達の方へ向かった。

 

 

 

この後、アーミヤからは軽く注意を受け、ドクターからはメランサを診てあげるように言われた。

そしてメランサが起きた時にまた一悶着あったとかなんとか。

 

 

 

 

 

 

 




メランサ
この後、自室に2人きりというまさかのシチュで顔真っ赤になって沸騰しまた倒れた。

師匠
とってもニコニコ。まだ強くなるのは分かってるので、どこまでいくのか見届けたい。自分を倒せるようになるまでずっとそばにいる予定。

ドクター
OD-8の攻略に頭を使いすぎて廃人化するも、お注射で元通り!
周りは「なんだまたか」と思っている

アーミヤ
メランサと師匠さんよ強さがヤバくて引いた。
あと、模擬戦の場が凄いことになってて更に引いた


何もない荒野
メランサの渾身の一撃により谷が出来た。荒野は泣いてもいい

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