忍と灰と焚べる者と狩人とダンジョン 連載編   作:noanothermoom

35 / 73
成果

結果 収穫

どんなことにも成果はある
例え何も得ていないとしても
例え持っていたものすら失ったとしても

そこから何を得るかは自分次第だ
最もどんな成果を得るかも自分次第だが


特訓の成果

 世界が暗い。

 何も見えない。

 何も聞こえない。

 

 何があった?

 何が起きた?

 いや、僕は何をしていた?

 

 何があったかを思い出そうとする。

 そうだ、アイズさんとの特訓を終えた僕が廃教会(ホーム)に戻ると、灰さん達とリリがいたんだ。

 リリは自分が死んだことにする為の準備をしていて、灰さん達はその手伝い...というかリリの警護──灰さんはリリを餌にしてちょっかいを出そうとする人をつり出すと言っていた──をしていたから、こうして顔を合わせるのは久しぶりだった。

 

 リリの方は何も起きなかったのかとか、僕の方はダンジョンの上層に軽く潜って来た所だとか、色々と話していると、灰さんが突然「ベル、今から手合わせをしてやろう」と言った。

 唐突でビックリしたけれど、アイズさんとの特訓の成果を試す絶好のチャンスだ。

 僕は灰さんの誘いに頷き、それから...どうしたんだっけ?

 僕だその後のことを思い出そうとしていると、灰さんの声が聞こえてきた。

 

 「...返事がないな...死んだか?」

 

 「...勝手に、ゴホッ...殺さないでください」

 

 「おお、生きてたか。今回復してやろう」

 

 あんまりな言葉に思わず叫ぶ、いや叫んだつもりだった。

 しかしながら、僕の口から出たのは、掠れた弱々しい声。

 灰さんは、僕が意識を取り戻したのに気が付くと、祈るように何処からか取り出したタリスマンを握り、【大回復】を発動する。

 周囲が光で満たされ、体が軽くなる、暗かった視界がはっきりとする。

 

 「うわっ...あんなに重かった体が一瞬で軽くなりましたよ...」

 

 「そうか、よかったな。じゃあ、次は私相手に戦闘訓練だ」

 

 僕の隣からリリの声が聞こえる。

 見ればリリが自分の体を見ながら、ドン引きしたような顔をしていた。

 うん気持ちは分かる。

 灰さんはちょっと祈っただけで、長い詠唱をしたわけでもないのに、ポーションよりずっと早く、たくさん回復するんだから、そんな顔にもなるよね。

 

 引きつった顔で灰さんを見ていたリリは、後ろから狩人さんに声をかけられたことで、その顔をもっと引きつらせる。

 でもそれは一瞬だけで、すぐに「じょ、上等ですよ!今日の恨み100倍返しです!!」と、意気込んでいた。

 これから何が起きるかは大体察せるけど、何もできない弱い僕を許してほしい。

 

 「おチビのことを気にしている場合じゃないぞ。ベル、お前もさっきの反省をするぞ」

 

 狩人さんに連れていかれるリリを見送っていると灰さんに「することがあるだろう?」と怒られてしまう。

 反省かぁ...さっきの灰さんとの手合わせはかなり上手く行った...と思う。

 灰さんの魔法にもうまく対応できたし、距離を詰めてすぐ一撃を狙いに行くんじゃなくて、まずは体勢を崩しに行くのも上手く行った。

 ただ最後がなぁ...

 

 「さっきのはなかなか上手く行っていたな。だが、最後は褒められんな」

 

 僕の考えを読んだかのように灰さんは評価する。

 うう...最後の最後。体勢を崩した灰さんへと一撃を入れようとした時に警戒を怠り、灰さんの魔法を受けてしまいそのままひっくり返されてしまった。

 もちろん灰さんが手加減をしていたのは分かっているけれど、これまでで一番惜しい所まで行った戦闘だった。

 だからこそ小さなミスでひっくり返されてしまったのが悔しい。

 灰さんも僕の悔しさを感じ取っているのか、細かい所まで評価してくれる。

 

 「...しかし随分と強くなったな...【剣姫】との訓練は楽しかったか?」

 

 「はい、丁寧に教えてくれて...あっ!!」

 

 戦いの評価を総括した灰さんが何気なく言った言葉に答えてから思わず口を押えるが、言葉は戻らない。

 

 「...知ってたんですか?」

 

 「いや、推測しただけだ

 お前の構えが前より僅かに下がっていた。

 俺達より背の低い奴を相手にしていただろう?だが小人族(パルゥム)やドワーフのような極端に背が低い種族でもないな。

 お前の戦い方が手数重視になっていた。

 俺の様に防御を重視したタンクでは無く、狩人の様に身軽な奴を捕まえる為の戦い方だ。

 後はそうだな...お前に訓練してやれる奴となれば、LV.3以上の冒険者になるだろう。

 そこらへんから、お前相手に訓練をするような奴を探していけば、おのずと答えは出るさ」

 

 「...そうなんですね。...やっぱりこれって「と、言うのは嘘だ」えっ...?」

 

 何を言われたのか理解できず呆然とする僕を見て、ケタケタと楽しそうに灰さんは笑う。

 

 「さっき言ったのは全部嘘だ。俺が【剣姫】の名前を挙げたのはあてずっぽうだよ」

 

 ...つまりは、灰さんは鎌をかけ、僕は見事にそれに引っかかったということらしい。

 思わず頭を抱える。

 いや、そういうことする人だと知っていたけれど、まさかこんな時にするとは思わなかった。

 

 「...えっと、それで訓練のことなんですが...やっぱり不味いですよね?」

 

 軽く頭を振って気分を変える。

 今気にするべきは灰さんの為人じゃなくて、アイズさんとの訓練についてだ。

 自分のファミリア(ヘスティア・ファミリア)以外の人、それも高名な冒険者であるアイズさんとの訓練。

 どう考えても他の人たちに知られれば、厄介なことになるに違いが無い。

 

 「いや?別にそんな気にする必要はないだろ?

 ギルドがファミリア外の冒険者と訓練するなと定めているわけじゃない。

 訓練している時間が時間だけに近所迷惑かもしれないが、外周市壁の上だろ?そんなとこに住んでる奴はいない。

 ロキ・ファミリアの奴らは気にするかもしれんが、それはロキ・ファミリアの問題だ。少なくともお前が気にすることじゃないな」

 

 しかし僕から訓練をすることになった経緯を聞いた灰さんは、「別にお前悪いことしてないだろ」と僕の考えを否定する。

 確かに、灰さんの言葉もその通りと言えばその通りではある。...少なくとも灰さんの「俺等のいつもの行いと比べれば、お前に落ち度はないだろう」という言葉に頷くことはできる。

 というか、いつもの()()自分に落ち度があるの分かってたんですね。

 

 「けど...」

 

 「けども、だけどももない。

 【剣姫】がお前に目をかけている、それだけの話だ。

 どうしても【剣姫】に迷惑がかかることが気になるのなら

 強くなれベル。

 それが【剣姫】が受けるだろう苦労にお前が報いる唯一の方法だ」

 

 それでももやもやする物を抱えた僕の言葉を灰さんが一刀両断する。

 ヘルムの奥から僕を見つめる灰さんの瞳は酷く鋭い、だが温かな光で僕を照らしていた。

 

 強くなる。

 

 僕が【怪物祭】の後心に決めたように、僕を支えてくれる人たちの為にも強くなる。

 その支えてくれる人達の中にアイズさんを含めて、支えてくれている人達に恥じないように頑張る、それでいいのだろうか。

 僕の疑問に答える様に「お前が何か背負い込むなんて早すぎんだよ」と灰さんに小突かれる。

 

 「そんなことより...ほら、さっさと着替えてこい。飯にするぞ。飯を食うのも、体を休めるのも、訓練するのと同じくらい強くなるには大切だからな」

 

 「...はい!」

 

 灰さんの火球を受けたことや、灰だらけ...というか灰しかない灰さんの部屋で倒れたこともあって、僕の服はかなり汚れている。

 強くなると決めた。なら、灰さんの言う通りたくさん食べて、沢山休もう。

 着替える為に僕は急いで自分の部屋に向かった。

 

 

 

 

 

SIDE 火の無い灰

 

 最近ベルの様子がおかしい。

 ...とまで言えば、リリルカ・アーデ、あの新入りの小人族に「おかしいのは灰様の頭の方ではありませんか?」と言われるだろう。

 幼いころから裏の世界で一人で生きてきた──まあ、俺らからすれば入口も入り口、薄暗がりでおっかなびっくり暮らしていただけだが──だけはあって、なかなかにイイ性格をしている。

 先輩への敬意が足りない、なんて思う奴もいるかもしれないが。

 あれこれ隠し事をするくらいなら、いっそ率直な方が俺としては好感が持てる。

 

 閑話休題

 まあ実のところ、ベルが朝早くというより夜明け前にどこかへと出かけ、ダンジョンに潜ったわけでもないだろうに、ぼろぼろになって帰ってくる理由は大体察しはついている。

 とは言え、あくまで察しでありそこに確信を抱くまでは至らなかった...がベルへの稽古によって確信へと変わる。

 

 

 

 

 

 

 「準備は良いか?じゃあ...頑張れよ!」

 

 一面の灰景色(俺の部屋)でベルと向かい合う。

 俺とベルとの間は5M(メドル)程。その間に落ちる様に火球を投げ、更に投げた火球に隠れる様に小さい火球をばら撒く。

 無論ロスリックを旅していた頃や、この間10階層でオーク相手に使った物より手加減してある。とは言っても、直撃すれば意識を刈り取る位の威力はある。

 さて、ベルはどうする?

 

 初回は火球にビビり、逃げ回っているうちにスタミナが切れ、火球が直撃した。

 その次は最初の火球をナイフで弾いた所まではよかったが、後ろに隠れていた小さい火球を捌き切れなかった。

 武器を軽く構え、ベルの出方を窺う。

 

 「ファイアボルト!!」

 

 ベルの指先から炎が放たれる。  

 俺の放った火球とぶつかり、爆発が起きる。

 ...呪術に魔法で対応か?

 狙いは悪くないが、俺のFPが切れるよりも、ベルがマインドダウンを起こす方が早いだろう。

 何より俺がばら撒いた小さな火球はまだ健在だ、このままでは小さい火球を捌き切れなかった、さっきの二の舞だぞ?

 

 「ッ!!」

 

 ほー。なかなかやるじゃないか。

 俺の火球とベルの魔法がぶつかり、生まれた煙からベルが飛び出してくる。

 ベルの奴、火球を相殺した後、俺がばら撒いた小さい火球の下を滑り込むようにして走り抜けたな。

 おまけに小さい火球が起こした爆風を背に受けることで、更なる加速をした。

 ...とは言え、いつまでも面白がっていられない。

 火球が攻略されたことで、俺とベルとの間の距離を詰める妨害はもうない。

 

 ヘスティア・ナイフ(ヘスティアの名前を冠したナイフ)を振るい、俺へと攻撃を仕掛ける。

 ...だが、その攻撃にこの一撃で倒すという重みも、鋭さもない。容易く弾ける軽いものばかり。

 代わりに狼を相手にしている時のような、じわじわと体の芯から揺るがされるような感覚がある。

 

 ふーん?

 少し見ない間に、随分と小細工に頼るようになったじゃないか。

 渾身の一撃から軽い一撃に変わったことで、打ち払おうと思えば幾らでも打ち払えるが...可愛い後輩の成長だ。

 しばらくベルの小細工に付き合ってやるのも悪くない。

 

 弾く、防ぐ、受ける、避ける、弾く、受ける、避ける。

 ...と言えばベルの攻撃を防ぎきっているように聞こえるだろうが、実際には手数の多さから少なくない被弾をしている。

 これは仕方がない。俺が今担いでいるのは黒騎士の剣だ。

 武器の性質の違いはいかんともしがたい。

 

 考えなしの(スタミナ)が続く限りのラッシュ。

 一見これまでのベルと同じ様に、ひたすら攻撃し続けているようにも見えるが、細かい所でフェイントや休憩をはさみ、体力の消耗を抑えている。

 これまでも時々こういう小細工はしてきたのだが、その練度が違う。

 

 これまでは、小細工を意識しすぎてむしろ隙を増やしていたというのに、知らん間に随分と上手くなっている。

 そんなことを考えていると、俺の意志に反してガクンと膝が崩れる。

 思えば、俺達(不死者)は幾らダメージを受けようと、致命傷を受けるまで元気に動きまわる。

 だが、幾ら不死者と言えど、肉体を支えているのは二本の足だ。

 ならば、体幹を崩す狼の戦闘技術は、不死者との相性がバツグンにいいのかもしれない。

 

 呑気なことを考えている俺へと、絶好のチャンスをものにする為ベルが突っ込んでくる。

 体力の関係上、戦闘が長くなればベルは不利だ、だからこそ此処で決めるつもりだろうが...少し甘いぞ?

 俺がヘルムの下でほくそ笑んだのを感じたか、ベルは踏み込んだ足で後ろに下がろうとするが、遅い。

 ベルの足元から巨大な火柱が吹きあがる。

 

 【炎の嵐】

 イザリスの魔女の一人、クラーナの伝えた原初の呪術のひとつ。

 本来なら、複数の火柱を吹き上げさせる呪術だが、今回は手加減で一本だけだ。

 

 少し大人げないかもしれんが、しっかりと警戒していれば、俺が攻撃を受けながらも呪術を使ったことも、自分の足元の違和感にも気が付けたはずだ。

 チャンスに警戒を緩めた。まだまだ経験が足りてないな。

 なーんて終わったふうに思っていたが、吹き飛ばされたベルは、空中で何とか体勢を変え着地しようとしている。

 吹き飛ばされる瞬間の、咄嗟の防御が間に合っていたのか。

 

 ベルは守りが弱い。これは事実だ。

 いや、新米にしては十分すぎるだけの防御技術を持っているが、攻撃技術に比べれば非常に劣る。

 理由はいろいろある。

 

 例えば俺達の技術。

 その中でも防御方面の業は、その多くが紙一重での切り返しだ。

 狼の弾き、俺達(不死者)のパリィ、狩人の銃パリィ。

 ほんの一秒後に命が失われたとしても、自分の命が失われるより一瞬でも早く、相手を殺せればそれでいいという狂気。

 ...流石の俺達だって、こんなもんをベルに教え込む訳にはいかないことぐらいわかる。

 

 例えば俺達の攻撃。

 当然ながら、ベルに戦いを学ばせるために相手をするのは俺達だ。

 はっきり言って、俺達の攻撃を、冒険者になって僅か一ヶ月にも満たないような新米に受けさせるというのは、かなり酷だ。

 だからこそ、俺達はベルが俺達の攻撃を受けるのではなく、避けようとするのを咎めることは無かった。

 むしろ、見えていない所からでも攻撃が来れば避けられるように教え込んだ。

 

 例えば俺達とベルとの体力差。

 俺達は継続戦闘能力に長ける。

 不死者である俺と焚べる者は、致命傷で無ければどれだけ傷ついたとしても問題なく動くし。

 上位者へと至った狩人は、多少の傷なら相手を殴って血を取り込めば治る。

 狼だって不死者(俺達)上位者(狩人)と比べれば肉体的にはただの人だが、その精神力は傷ついた程度では揺らがない。

 そんなのを相手にするんだ。

 ベルが防御を固めてチャンスをうかがうことよりも、速さと不意打ちによる初見殺しを選択するのはある意味必然と言えるだろう。

 

 だが、ベルはその弱点をある程度克服し、俺相手に喰らいつけていた。

 ...よほどいい教師を見つけたと見える。

 いつの間にやら、自身の弱点をカバーできるようになったことに少し感慨深くなるが、それはそれ、これはこれ。

 打ち上げられ、身動きの取れないベルへと向かって火球を投げる。

 迫りくる火球に気が付いたところで空中では何もすることが出来ず、ベルは「マジですか...」と呟き、火球に飲み込まれた。

 

 

 

 

 

 「おーい、まだやるか?...返事がないな、死んだか?」

 

 「...たとえ冗談でも、言うべきで無いことというのはありますよ、灰様...」

 

 いくらか焦げたベルへと声をかけるが返事はない。

 思わず漏れた言葉に、息も絶え絶えといった様子のおチビ(リリルカ)が突っ込みを入れる。

 さっきまで狩人に追いかけ回されて、今にも死にそうな顔で倒れたというのに、律儀に突っ込みを入れるあたりこいつからは苦労人の匂いがするな。

 

 何も、狩人はいじめるつもりでおチビを追いかけ回していた訳じゃない。

 ヘスティア・ファミリアは和気あいあいとした、仲の良いファミリアです、いじめはありません...なんてな。

 ベルの為に強くなりたいというおチビのいじらしい願いに応じて、鍛えていただけだ。

 

 小人族であろうと、サポーターであろうと、体力をつけて無駄になることは無い。

 だから体力をつける為に走り込みをさせていただけだ、新しくファミリアに入って来た後輩にさせるトレーニングとしては、ありふれた物だろう。...後ろから火炎放射器を構えた狩人が追いかけていたのが他所とは違うだろうが。

 時折火であぶられながらも、泣き言は言わなかったあたり、なかなか見上げた根性だ。

 

 「...勝手に、ゴホッ...殺さないでください」

 

 「おお、生きてたか。今回復してやろう」

 

 おチビについて考えているとベルが意識を取り戻した。

 【大回復】を使って、ベルとついでにおチビも回復してやる。

 おチビは死にそうだったというのに、一瞬で回復したことに「なんですかこれ...」とドン引きしていたが、狩人によって再び引きずられていった。

 頑張れ、俺達の訓練の中ではまだ優しい方だ。

 

 「なかなか悪くなかったぞベル...ただ最後の攻撃は褒められんな」

 

 「うう...反省しています...」

 

 俺はベルとさっきの戦いの反省をする。

 さっきの戦いでベルが犯したミスは、最後に警戒を緩めたことぐらいだろう。

 とは言え、最後の最後。止めを刺せるという時にこそ、相手は悪あがきをするものだから気を抜くのは間違いだ。

 

 俺の言葉をうなだれながら、ベルは聞いている。

 その様子を見ていた俺が、【剣姫】との訓練は楽しかったか聞くと、ベルは面白いくらい動揺していた。

 別に俺が見ていたわけでも、狼あたりが隠れていた訳でもない。

 ベルに稽古をつけられそうな冒険者の名前を適当に上げただけだったのだが、この反応は想定外だ。

 どうやら秘密にしていたらしい。

 

 ベルの言葉を聞けば、【剣姫】に迷惑がかかることを心配しているようだ。

 オラリオでも有数の冒険者に訓練してもらって、相手に迷惑が掛からないか心配するなんて...生意気な。

 笑って、心配いらないことを伝えるが、ベルの顔は曇っている。

 着替えて飯にするよう言えば、ようやく前向きになったようだ。

 まだまだ手のかかる後輩だな。

 

 

 

 

 

 ベルが部屋から出ていくのを見ていると、ズルズルと何かを引きずるような音がする。

 見てみるとおチビを引きずりながらこちらへと狩人がやってきていた。

 

 「ベルを鍛えていたのは【剣姫】だってよ」

 

 「そうか...こちらから挨拶に向かうべきだと思うか?」

 

 「いやー挨拶する方が、迷惑がかかるだろう」

 

 「それもそうか」

 

 ベルがボロボロになって帰ってくるのを気にしていた狩人に教えると、安心したように息を吐く。

 

 「アイズ・ヴァレンシュタインとの訓練か...神ヘスティアが知れば荒れそうだな」

 

 「流石にそれは...あるかもしれん...」

 

 狩人の言葉を否定しようと思ったが、ベルが【憧憬一途】(レアスキル)を発現させたときの様子と、おチビと組んだばかりの頃おチビのことばかり話していたことに嫉妬していた様子を思い出し、否定できなかった。

 どーすっかねこれ。

 

 「そんなことより、どうしたの()()

 

 めんどくさいことを後回しにして、気を失っているおチビについて聞く。

 何でも戦闘訓練で飛びかかって来た所に【ガラシャの拳】がイイ感じに入って、気を失ったらしい。

 

 「回復しろ」

 

 「別にほっときゃそのうち気が付「...」分かったよ、そんな睨むなって」

 

 こいつ意外と過保護だよな。

 そういう他の奴を心配している姿を見せれば、血も涙もない処刑人みたいな扱いはされねえだろうに。

 俺の考えがバレたか、睨まれながら【大回復】を使う。

 やれやれ、手がかかるのは後輩だけじゃなかったか。




どうも皆さま

書きたいことはあるのに、その前に書かなくちゃいけないことがあって、そこまでたどり着けない私です

書いても書いても届かないというのは先人様方が良く嘆いていますが、実際に書いてみる側になると分かります
本当に書きたいところまで届かない

本当はもっと狼とか焚べる者も出したいんですが、適当なこと喋りながら話し進める灰と、真面目にシリアス&バイオレンスする狩人が使いやすすぎる...

全く本文とは関係ありませんが何となく思いついたのでリリの呼び方でも書いておきましょうか

ベル    リリ
灰     おチビ
狩人    アーデ、或いはリリルカ
狼     リリルカ
焚べる者  リリルカ
ヘスティア サポーター君

それではお疲れさまでした、ありがとうございました
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。