忍と灰と焚べる者と狩人とダンジョン 連載編 作:noanothermoom
18階層に作られた冒険者の街
時として御禁制の物もやり取りされる
ダンジョンは人の領域ではないという有史以来の法を打ち破ったのだ
人の創った法などいかほどの物か
誤字脱字報告いつもありがとうございます
「べ、ベル君...その街って言うのはまだ遠いのかい」
息も絶え絶えの神様が僕に問いかける。
もう少しですよと励まし歩いていく。
どうしてこんなことになったのかを語るには、昨日の『夜』にまで時間を戻す必要がある。
「...眠れない」
僕は小さく呟く。
ずっと意識を失っていて寝ていたのもそうだし、色々あって目を閉じても気が高ぶって眠気が来ない。
仕方がないので少し散歩でもしようかと、同じテントの中で寝ている神様達を起こさないようにそっと起き上がり外に出る。
「
しばらく歩き、見晴らしの良い丘に座って眼前の光景を見下ろす。
宴は終わり、熾されていたたき火も消されている。
ともすれば寂しさを感じる光景。
だがそんな感傷を吹き飛ばすほどに18階層の『夜』は美しかった。
光を失った
知らない人が見れば、いや知っている僕でもここがダンジョンだなんて信じられない程だった。
何をするでもなく目の前の光景に浸る。
「......っ!誰!?」
今こうしている間にも他の階層では
武器を抜き気配を感じた方へと突きつける。
些か大袈裟な反応だと言われればそうだが、ここはダンジョン。
どんなことが起こるか知れたものではない。
「...ごめん。邪魔するつもりはなかったの」
「っ!アイズさん!?こんな時間にどうしたんですか?」
しかし申し訳なさそうに出てきたのはアイズさん。
思っても見ない人の登場に僕は急いで武器をしまう。
こんな所で『夜空』を見ていた僕が言う事ではないが、夜も更けたこんな時間にほっつき歩いているなんて何かあったのだろうか。
「一人歩いていくのが見えたから...何かあったの?」
「あー...いえ、眠れなくて」
アイズさんの言葉に納得する。
そりゃそうだ。
アイズさんは幾度となく18階層に来ている
僕はアクシデントによって偶々18階層へと来た
心配されるべきは僕だ。
僕の答えを聞いたアイズさんは少しの間僕の顔を見ていたが、納得したのか僕の隣に座る。
座る!?
「ひゅうい!?」
「どうしたの?」
「な、何でもありませんよっ」
思わず変な声が漏れてしまったが、なんとかそれ以上の反応を抑える。
アイズさんはしばらく不思議そうな表情をしていたが、しばらくすると前を向く。
その横顔はとても美しい。
こうして『夜』に一緒に座っているなんて、宴の時で同席したことといい、僕はアイズさんのファンに知られたら殺されかねない。
そんなことを思っていると思い出し方のように、アイズさんが口を開く。
「いつ出発するか決まったの?」
「ええ、
アイズさん達ロキ・ファミリアの遠征隊は遠征からの帰りだ。
ならば
そして僕達も
だが、ダンジョンの中で近いとロキ・ファミリアの戦いに僕達が巻き込まれかねないし、かといって地上まで送ってもらうというのも余りにも厚かましい話だ。
だからアイズさん達が地上に向けて出発してから一日置いてから18階層を出ることにした。
まあこれも先に行ったロキ・ファミリアの人達がモンスターを討伐してくれたら、僕達は安全に進めるんじゃないかという下心があってのことなのだが。
「そっか、じゃあ時間があるんだね...街に行くの?」
「街...?ああ!リヴィラの街ですね。そっか、この階層にあるんでしたっけ」
ある方角を指さすアイズさんの言葉で思い出す。
世界一美しいならず者の街、ダンジョンの中に作られた冒険者達の楽園。
リヴィラの街。
折角18階層まで来たんだ、観光という訳でもないけれど地上でも有名な街だ、一度見に行きたい。
「なら一緒に行こうか?私も用事がある」
「えっ良いんですか」
なんて幸運。
アイズさんからのお誘いに僕は飛びついた。
明日『朝』が来てから落ち合う場所を決めてアイズさんと別れ、テントに戻る。
「随分と楽しそうじゃあないかベル君?そんなに夜の逢引は楽しかったのかい?」
「か、神様?...何で?」
だが浮かれきった僕がテントに戻ると、そこには仁王立ちした神様が。
「へー、ヴァレン何某とデートね。そういう事ならボクも行こうかな?」
「リヴィラの街、ですか。色々と買いたいものもありますし、ご一緒させていただきますね?」
「噂に聞く“りび、りぶ、りう...だんじょんの楽園”...楽しみですね」
「リヴィラな、リヴィラの街」
あっという間に何があったかはかされ、神様達も同行することに。
「俺達を仲間外れにするのはないんじゃないかな」
「私としても少し気になりますのでご一緒します」
更に神様の友神であるヘルメス様とその眷族のアスフィさんも同行することになり。
「あっ!来た来た。おーいこっちこっち」
「ちょっとは落ち着きなさい」
おまけに集合地点に行ってみれば、ティオナさんがこちらに手を振っており、ティオネさんがそんな妹を仕方がなさそうな目で見ていた。
「ティオナ達も買い物がしたいって...どうかした?」
「いえ...何でもありません」
ダンジョンの中で二人だけのお出かけなんてできる訳がない。
少し考えればわかることだ、悔しくなんてない、悔しくないったらない...くすん。
そういう訳で僕達は18階層を進んでいる訳だ。
しかし、それ程進まないうちに神様は息を切らし始めた。
そんな様子を見て九郎がかける心配の言葉に、「大丈夫」と返せたのも最初のうちだけ。
徐々に遅れはじめ、遂にはどこからか拾ってきた木の枝を杖代わりにして歩く始末だ。
僕達は日夜ダンジョンに潜っているうちに慣れて忘れてしまっていたけれど、ダンジョンの地面というのは起伏に富んでいる。
その上
18階層...というよりも見晴らしのいい階層ではなまじ目的地が目視できるものだから、それ程距離がないと思って進んでいった先で高低差や障害物に出くわして迂回している間に疲れてしまうと言うのは、ダンジョンではよくある事だ。
だからこそ冒険者はダンジョンでは見通しのいい階層でもマップを手放さないようにギルドから言われるのだが、神様はすっかりダンジョンの罠にはまってしまったようだ。
心なしか髪の毛も萎れている神様は小さく恨み言を漏らす。
「
「こう見えて俺は旅人だからね。こんな所を歩くのも慣れっこさ」
「私は葦名生まれの葦名育ち。彼の地と比べればこんなもの平地と変わりませぬ」
「や、やっと着いた...」
途中恨み言の返事を聞いた神様がパタリと倒れこむと言うアクシデントはあったが、何とか無事リヴィラの街までついた。
街というには少し小さい気もするが、ダンジョンの中にこれだけのものを作り上げるのには想像を絶する苦難と困難があっただろう。
先人達への感謝を込めて街の入り口をくぐったのだが...
「こ、こんなちっちぇ研ぎ石が1万三千ヴァリス!?」
「このバッグが二万って桁1つ間違えてませんか!?」
リリとヴェルフが手に取った商品を見ながら叫ぶ。
僕は道具に詳しくないが、いや道具に詳しくない僕でも見れば質が悪いことが理解できる。
流石の僕でも分かる。これはぼったくりだ。
だが、お店の人は「嫌なら買わなきゃいい。別の店でな。だがダンジョンの中に他の店なんかないぞ」とそんな僕達を嘲笑う。
そうだ思い出した。
灰さん達が僕にくれた【ダンジョン覚書】
その中でリヴィラの街について注釈で【この先商人があるぞつまり強欲】【ぼったくりに注意】【持ち込みが有効だ】【友を大切にな】と書かれていた。
つまりはこのリヴィラの街というのは非常に物価が高い。言ってしまえばぼったくりが横行している街なのだろう。
そんな地上とは比べ物にならない値段を気にも留めず、アイズさん達は買い物を楽しんでいる。
なるほど、
一つは僕達の様に必死の思いでこの街にたどり着き、なけなしのお金で物資を補充するダンジョンに潜るのに
もう一つはアイズさん達の様に
そう思えばこの街の物価にも理由があるのだろう。
ぼったくりとしか言いようのない値段ではあるが、ダンジョンの中でもお金があればアイテムを買えると思えば安い物だ。
アイテムがあれば助かる命もあるのだから。
しかし値段を気にせず豪遊しているアイズさん達の姿は流石はオラリオ
...そう思えば灰さんの
そんなことを考えていたからだろうか、誰かにぶつかってしまった。
「あっ、すいません」
「あん?てめえは...」
謝った相手は【豊穣の女主人】で僕にパーティに入れと言ってきた冒険者、モルドとその仲間だった。
嫌な相手に出会ってしまった。
言い方は悪くなるが僕がそう思ったのと同じように、
が、僕達の後ろにいるアイズさん達を見ると「【剣姫】と知り合いかよ...やってられっか!」と逃げ出す。
「知り合いかい?穏やかな感じじゃなかったけれど」
「ええ、まあ。そんな感じです」
逃げていく背を見た神様が不思議そうに尋ねる。
「驚かないんですか?」と逆に尋ねれば、「灰君達と一緒にいればあんな言いがかりだけなんて、あってないようなものだよ」とあきらめたように笑う。
ああ、うん。そうですね。
「何もすることがない。もう寝ているのにも飽きたし...どうしよう」
リヴィラの街から帰ってきた僕は特にすることもなくぶらぶらしていた。
というのもリヴィラの街から帰ってくると、ティオナさん達ロキ・ファミリアの女性陣が神様達を誘って湖に水浴びをしに行ったのだ。
神様は「ベル君も一緒に来るかい?」なんて言っていたけれど丁重にお断りした。
ロキ・ファミリアの人達も一緒に入るんだろうに何言っているんだか...いやロキ・ファミリアの人達がいなかったら良いとかそういう訳じゃないけれど。
しかし何かすることはあっただろうか。
装備の手入れはヴェルフがしているし、買ってきた荷物の整理は九郎がしている。
二人共に手伝いを申し出たのだが、人では足りていると言われてしまった。
事実僕が下手に手を出すより、慣れた二人に任せた方が早く済みそうだった。
「ベル君。ちょっといいかい」
「はい?何でしょうか」
そんなことを考えているとヘルメス様に声をかけられた。
ヘルメス様。
神様の知り合いで今回手を貸してくださった男神様。
間違いなくこの方がいなければ、神様達は18階層に来られなかった。
そのことを考えれば大恩人いや大恩神なのだが、神様からは「何かしらの思惑があるみたいだから気を許すんじゃないぞ」と気を付けるように言われている。
そのヘルメス様から僕が一人の時に声をかけられたんだ。
「とりあえずついて来てくれ」というヘルメス様の後をついて行くと木々の前で立ち止まった。
「それで御用は何でしょうか」
「ちょっと待ってくれよ。あんまり時間が無いんだ」
周囲を気にするように周りを見回すヘルメス様に声をかけると少し焦ったような返事が返って来た。
時間がない?ヘルメス様の目的は制限時間が付くようなものなのだろうか。
その割にはこれまで焦っているような様子はなかったけれど?
そんなことを考えながら、木々を見て回るヘルメス様の後ろをついて行くと「これならいいか」と言ってスルスルと木に登り、僕にも登るように言う。
「いいかいベル君。ここから音を立てないようにそっと覗いてごらん」
「なっ...!?」
何か神様達に内緒で話したいことがあるから呼んだのではないのかと僕が聞こうとすると、ヘルメス様は静かにねと言いながら下を指さす。
一体何があると言うのか。
そう思いながら下を覗いた僕は絶句する。
木の枝と生い茂る葉っぱの隙間から見えるのは湖。
18階層に所々存在する湖はこの階層で体を休める冒険者達にとって様々な使い道のある大切なものだ。
だが見えたのはそれだけではない。
神様達だ。
「な、な、何ふぐぐぐ...」
「しーっ大きな声を出しちゃいけない。ばれてしまうだろう?覗きだよ覗き。女の子が水浴びをしているんだそりゃあ男なら覗くに決まってるよな」
「だ、駄目ですよ。こんなことしちゃ」
驚いた僕の口を手でふさぎ、覗きは男の浪漫だと言うヘルメス様。
確かに同じようなことをおじいちゃんも言っていたが、だからってこんなことして良い訳がない。
それに今この下にはアイドル的人気があるアイズさん達がいる。
もしも覗きがバレたのなら僕達は袋叩きにされるだろう。
兎にも角にもヘルメス様を連れて下に戻ろうとした時、足を踏みはずしてしまう。
「「あ」」
間の抜けた声が僕とヘルメス様の口から零れ、僕は重力に引かれて下へつまり今まさに神様達が水浴びをしている湖へと落ちていった。
ざぶんと言う音と共に体が水に包まれる。
「ぷはぁ...はぁ、はぁ」
「あれっアルゴノゥト君?」
「へえーあんた可愛い顔してなかなかやるじゃない」
必死にもがいて水から逃れた僕を迎えたのは、無邪気に僕に近づくティオナさんと、豊満な体を申し訳程度に隠したティオネさん。
「うえっ!?あの、の、の、の...」
「ベル君たら。あんなこと言っておいてやっぱり君も興味があるんだろう?」
「何をなさっているんですか...」
余りにも刺激が強い光景に視線をそらした先にあったのは、文字通り神の如く美しい体を晒してにやにや笑う神様と、そんな神様の背中に隠れて呆れたような視線を向けてくるリリ。
「!...」
謝るべきなのか逃げるべきなのか、いやその前に何処に視線をやればいいのか。
気が動転して何からすればいいのか分からない僕の耳が微かな水音を拾う。
アイズさんがいた。
一糸纏わぬアイズさんがいた。
僅かばかりの、だがはっきりとわかる羞恥の感情を表に出したアイズさんが、自分の体を抱きしめるようにして隠している。
その光景に混乱を極めていた僕の脳内は停止した。
皮肉にも情報が飽和した脳内の思考が全て停止したことで、現状を正しく理解する余裕が生まれる。
「ご、ごめんなさあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああい」
正気に戻った僕がしたのは全力で謝罪しながらの逃走だった。
「はあ、はあ、はあ」
一度走り出した足は止まらず。
気がつけば見覚えのない森の中に立っていた。
いやそもそも18階層に始めてきたのだから、この階層について知っていることの方が少ない。
後ろを振り返り来た道を戻ろうとするが、深い森の中道らしい道もない。
...つまり、これは。
「ま、迷った...?」
不味い。大変に不味い。
この階層が
このままでは野垂れ死んでしまう。
「水音!」
どうするべきか。
どうやってロキ・ファミリアのキャンプ地点に戻ろうか。
考えていると水の流れる音が聞こえた。
水が流れている音がするという事は、この近くにどこかの湖へと繋がる川があるという事だろう。
ならその川に沿っていけば人のいるところまで行けるかもしれない。
助かる可能性が出てきたことに喜んで水音の方へと進む。
「やった抜け「誰だ!!」」
ガサガサと音を立てながら植物の間を進む。
ようやく抜けたようで視界が一気に開ける。
喜んだ僕が見た物は湖とその中にいる人影、そして僕の方に飛んでくる石だった。
「...クラネルさん?」
僕の顔の横を通っていった石が木を貫いたことに驚いて固まった僕へと声がかけられる。
その声に聞き覚えがあった。
【豊穣の女主人】の店員さんにして、神様がダンジョンに潜るのに手を貸してくれた人。リュー・リオンさんだった。
「本当にすいませんでしたぁぁぁ」
「なるほど。経緯は分かりした。もう気にする必要はありません」
正気に戻った僕がしたのは全力での謝罪。
意図したことではないとは言え水浴びをしていた所を覗いた形になるのだ、僕に出来ることなど謝罪しかない。
本当ならさっきもそうするべきだったのに、逃げ出してしまいその挙句に迷子になるのだから、我ながら情けない。
そんな僕をリューさんは許してくれた。
「.........クラネルさん少しついて来てください」
僕が自分のしたことを後悔しているとリューさんは少し考えこんだ後ついてくるように言って、森の中を進んでいく。
「...」
「...」
「...」
「...あ、あの遅くなっちゃったんですけど、こんな所まで助けに来て頂いてありがとうございました」
無言のまま進むことに耐え切れなくなったリューさんへと感謝の言葉を述べる。
本来ならばもっと早く言うべきだったのだろうが、どうにもリューさんは事情があるようで、自分のことを周囲に知られたくないようだった。
顔を隠すような装備もそうだし、18階層で出会った時も、僕と目が合うと口に指をあてて何も言わないように手振りで示した。
それも当然か。中層にも潜れる凄腕、少なくともLV.2以上ではある冒険者がダンジョンに潜らず、
何か訳があるのだろう。
「いえ、お気になさらず。どちらにせよ私もクラネルさんに会って謝りたいことがあったので」
「?それってどういう...」
「着きました。此処です」
リューさんが足を止める。
僕達の目の前には少し開けた場所に土が盛られ、そこに大小さまざまな武器が突き立てられていた。
まさか、これって。
「私の仲間の墓です。私は時々彼女達に花を手向ける為にミア母さんから休みをもらっています」
「それは...」
知識としては知っていた。
ダンジョンで死んだ冒険者というのは、そのほとんどがモンスターの餌になる。
そうでなくともパーティの誰かが死んでしまうような激しい戦いならば、それに巻き込まれて死体が残ることすら稀だとも。
埋葬する遺体が無い、なんて冒険者にはよくある事。
だから生き残った人たちは、その人が使っていた装備なんかを代わりに埋めると。
だが実際目の当たりにすると何とも言えない気持ちになる。
何か一つ違えば今回僕達も同じ様なことになっていたのだろう。
悲しそうな、悔しそうな、後悔と怒りと悲しみと言いようのない感情が混ざり合った表情で墓を見るリューさんに何を言えばいいのか分からない。
何を言っていいのか分からない。
「かつて私のファミリアは敵対していたファミリアにダンジョンで嵌められ、私以外の団員は皆殺されました」
少しばかり昔話に付き合ってくれますか。
そう言って始めたリューさんの昔話は思っていた以上に重いものだった。
かつてのオラリオでガネーシャ・ファミリアと双璧を成すオラリオの警察的役割を果たしたリューさんのファミリアは、オラリオを壊そうとする者達からすれば邪魔者以外の何物でもない。
だからこそ罠に嵌められリューさん以外のファミリアの団員は死んでしまった。
「
「知っていたのですか?」
狩人さんから聞かされた存在が口から零れ落ちる。
少しだけ驚いたような表情をするリューさんへと、
「...一人生き残った私は仲間の敵を討つためにありとあらゆる手段を使い、彼らを殺しました」
しばし考えこんだリューさんは頭を振ると再び話し始める。
闇討ち、罠、奇襲。ありとあらゆる手段で
それは冒険者として活動できないことを意味し、二度と冒険者としてギルドからのサポートを受けられないようになることを意味した。
それでもリューさんは止まらなかった。
そして最後の
仲間を失い、居場所を失い、そして
復讐という愚かな行為を行った者に似合いの末路だったとリューさんは嗤う。
「だけど...そうはならなかったんでしょう?」
「ええ。そんな私に手を差し伸べた人がいた。それがシルです。
彼女は
ミア母さんも他の仲間達も
こうしてリューさんが目の前にいるのだからそのまま死んでしまったという事はないはずだが、語るリューさんの瞳が余りにも暗かったからそのまま死んでしまうのではないかと思ってしまった。
それが無事助けられて話が終わったことに安心する。
「クラネルさん。私は貴方に謝らなければならないことがある。ですが言葉にするだけの勇気が足りなかった。
ここに来たのは仲間達に勇気をもらう為でもあるのです」
胸をなでおろしていた僕とは違い、リューさんはこれからが話の本筋だと口にする。
しかし謝られること?
僕には心当たりがない。
「貴方の仲間を、家族を...狩人を侮辱したことを謝罪したい。
...受け取ってもらえますか?」
「狩人さん...について?」
息を吸ってはいて、目を閉じて開いて。
覚悟を決めたリューさんの口から出た言葉に疑問を覚える。
リューさんが狩人さんを侮辱?そんなことあったっけ。
首を傾げる僕へと【怪物祭】の日、シルに財布を届けてくれるよう頼んだ後の話ですとリューさんは言う。
その言葉で思い出した。
確かにリューさんは狩人という冒険者を知っているのなら危険な人だから近寄らない方がいいと言っていた。
だがそれが侮辱になるのだろうか。
先輩にあたる人への評価ではないと思うが、割と的を得ている。
そんな僕の考えを読んだのかリューさんはさらに言葉を続ける。
「先ほど私は仲間の敵討ちをしたと言いましたが、その時に仲間への暴言を聞いたのも少なくない。
そしてその度に私の胸は切り裂かれたかのように痛んだ。
確かに皆が皆聖人君子だったとは言わない。
だが彼女らと同じ時を過ごしても居ない相手に何が分かるのかと怒りを覚えました。
ええ、
知っていた筈なのに私はその苦しみをアナタに与えた。
謝って許されるものではありません。
ですが私は後悔している。そのことを伝えたかったのです。
狩人は、アナタの仲間は私が思っているような悪逆非道の男ではありませんでした」
「...頭を上げてください。その謝罪を受け入れます」
リューさんが頭を下げる。
その姿は誠意に満ちており、嘘や偽りがあるとは思えない。
ならば許すことに躊躇なんてない。
「ですが私は...」
「リューさんが言った言葉なんて
もう慣れっこです」
「それは...いえ、アナタは強いのですね。
改めて、クラネルさん。アナタは尊敬に値する人だ。
この恩は忘れません」
「恩だなんて、そんな...」
私に出来ることがあれば何でも手助けしますとリューさんは誓う。
何でもなんて言われると少しドキっとするからやめて欲しい...あっ。
「早速で悪いんですけれど...さっき他の人の水浴びも覗いてしまって...どうしたらいいでしょう」
「それは誠心誠意謝るしかないのでは?」
悩みと言えばさっきまでの出来事だ。
経緯を説明するが返ってきたのは呆れたようなまなざしと極々当たり前の返事。
ですよね~。
SIDE レフィーヤ
許さぬ。
許されぬ。
許されるはずがない。
たとえ
レフィーヤ・ウィリディスは魔術師である。
リヴェリアに師事し、森と戯れ生きてきた。
レフィーヤには
だが
「許さない許さない許さない。
アイズさんの裸体を見た罪をその身で贖えベル・クラネルぅううう」
「なんかすっごい怒ってる!?
いや当たり前だけどすっごい怒ってる!!」
白兎水浴び覗き事件(命名ティオナ)は
だがその終わりに納得する者ばかりではない。
アイズを敬愛し、アイズが鍛えたベルをライバル視しているレフィーヤ・ウィリディスもその一人だ。
いや、正確には彼女の怒り狂う姿に、他の怒りに狂う冒険者達は正気に戻ったのだが。
とにかく被害者たちへと謝罪し終えたベルは怒り狂ったエルフに追いかけ回されることとなったのだった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「逃げ足、はぁ、速すぎ、でしょう。おかげでこんな所まで来てしまったじゃないですか!」
レフィーヤのLVは3。
本来ならばLV.2のベルが逃げおおせるはずもないのだが、レフィーヤが
気がつけばキャンプ地点から遠く離れた場所まで来てしまっていた。
そのことに怒りの言葉をぶつけるレフィーヤと、なんて理不尽と世の不条理に震えるベル。
そんな二人のやり取りはどこかからか聞こえてきたモンスターの唸り声によって中断される。
「くっ!ベル・クラネル。とにかくキャンプ地点に戻り...」
「があああ!!!」
モンスターの声はレフィーヤを怒り狂う少女から歴戦の冒険者へと切り替えさせた。
不味い。
自身がLV.3の冒険者と言ってもあくまで
一対一での戦いで本領を発揮できるほど強くはない。
ましてや今は
とにかく今自分がするべきことは
怒りに狂おうともレフィーヤは魔術師である。
「魔術師は常に冷静でなくてはならない」とは
「なっ、モンスター!?まず...」
彼女にとって想定外だったのは二つ。
一つは
「ふう、無事倒せた。大丈夫でしたか?」
そしてもう一つはお荷物と思っていたベル・クラネルが思っていた以上に
「! まさかどこかに怪我を...「寄るな変態、このスケコマシ!!」酷い...」
(な、な、な、なんなんですこの男ぉ~)
どこかに怪我をしてしまったのかと寄って来たベルを罵倒したレフィーヤは混乱していた。
風が吹いたと思ったらすでにモンスターにナイフが突き刺さっていた。
確かに自分は後衛だ。
故に前衛の動きについて詳しいわけではない。
だがロキ・ファミリアの一員として一流の冒険者、いや超一流の冒険者達と肩を並べて戦って来た経験がある。
その経験が今の動きがランクアップしたての冒険者に出来る物ではないと語っている。
情けなく自身に追いかけ回されている姿と、モンスターを前にした冒険者としての姿。
それが結びつかずどういうことなのかと心の中で絶叫する。
レフィーヤの知らぬことではあるが、ベルの戦い方の基本は敵の攻撃を回避してからの一撃でとどめを刺すものだ。
それ故奇襲も得意とする所であり、レフィーヤの魔力に目が行っていたモンスターなど、どこからでも攻撃してくださいと言っているも同然なのだが、まあ話には関係がない。
閑話休題
「さっきも言いかけましたが、キャンプ地点に戻りますよ。ついてきなさい」
「えっ...まだ魔石が「そんなもの置いて行きなさい!!」」
混乱している暇などダンジョンには存在しない。
体に染みついた習慣に従い、まずはこの場所を離れる。
僅かに
「これなら十分でしょうか。アナタはここに居なさい。私は上から周囲を確認してきます」
「分かりまし「ただし、上を見たらコロス」...はい」
しばらく歩けばいい感じの木を見つけた。
遭難した時一番最初にするべきは安全を確保する事。
次にするべきが現在地点を確認することだ。
これだけ大きい木に登れば周囲の確認もできるだろう。
「あの...ウィリディスさんもお気をつけて」
「レフィーヤ」
「えっ?」
「レフィーヤでいいです。
「はい、って早。もう見えなくなった...」
なんなんですか、何なんですか、何なんですか!!
なのに
私がしっかりしなければならないのに、私が守らねばならないのに。
もやもやが心の中に溜まり、その事実に気がついたことで更にもやもやが生まれる。
「ああ、もう。これもそれも全部あいつが悪い!!」
一度咆え気持ちを入れ替える。
(あそこに湖、あそこに大水晶。なら今私達がいるのは東、それも端に近い所ですか。全くこんな所まで逃げるだなんて、
幸いというべきか上った木から見下ろせば、十分に現在地を把握できた。
帰り道に算段が付いたことで気持ちに余裕が出来る。
そうすれば沸き上がってくるのは
とにかくこれで戻れる。
安心すると共に下に降りようとした時信じられない物を目にする。
「あれって...
見覚えのある服装。
この遠征で戦ったあの服装を忘れるはずがない、否忘れられるはずがない。
「あっ...お帰りなさ「明かりを消しなさい!!今すぐ」えっ?あ、はい」
急ぎ木を下りてベル・クラネルが持っていた明かりを消させる。
あたりに暗闇が戻り、その中で周囲を警戒する。
...どうやら気付かれてはいないようだ。
(どうする。どうする!!考えろ、考えなさい!!)
暗闇の中考える。
(狙いが
ならあまり時間はないはず。
だけれど私達が狙いなら仲間が毒から回復する前に襲い掛かればいい話。
ならばたまたまこの階層にいるだけ?
だったらこの機会を逃せば
(確実なのは今すぐ戻って仲間を呼ぶこと。だけれど自爆も辞さない
なら尾行する?
躊躇したのは一瞬。
どちらにせよこの階層に
ましてや森の中に一人で置いておくなど見殺しにするも同然。
結局のところ巻き込むしかない。
「ついて来てください。物音を立てず、気配も消して」
「わ、分かりました」
この決断に誤算があるとすればそれは、
隣を歩いているのに足音1つ立てないそれは、明らかにLV.2の冒険者の立ち振る舞いではない。
とは言え、足を引っ張られるよりはよほどいいのだから気にしないことにする。
“あの、1ついいですか?あの人達って何ですか”
“...知っているか知りませんが
あれが!?と声を出した
男達はまっすぐに歩いている。
ならばこの先に
しかし元々私達がいた場所から更に東に進んでいるのだから、もうすぐ東端の壁に到達してしまう。
一体この先に何があると言うのか。
そんな風に考えながら歩いていたのが悪かったのだろう。
踏み出した足元には何もない事に気がつかなかった
「「なっ」」
落とし穴。
古典的な
「きゃああああぁぁぁぁ... ?」
「だ、大丈夫ですか?」
思わず目を閉じ迫りくる衝撃に備える。
だがいつまで待っても何も感じない。
いや、衝撃はきたのだが予想していたほどではない。それになんだか温かい。
ベル・クラネルの声に目を開ければ、目の前に赤いその瞳があった。
「な、変態!!女の敵!!放しなさい!!」
「いたっ、ちょ、助けたのに。止めて下さ...うわあ!?そ、それ!?」
思わず近くに落ちていた何かで叩く。
所詮後衛腰も入っていない一撃だと言うのにひどく情けない声を出す。
そんな私の考えはベル・クラネルが私の持っている
「きゃあ!!」
悲鳴を上げてその
骨だ。
いや白骨化した死体というべきか。
よく見ればこの落とし穴の底にはいくつもの骨と冒険者の装備、それにモンスターのドロップアイテムが液体につかっていた。
「熱っ!まさかこれ溶解液!?」
「レ、レフィーヤさん。あれ...」
放り出した骨が立てた飛沫がかかった所が熱されたような痛みを持つ。
その痛みにこの穴の底に溜まっている液体の正体に気がつくと同時に、ベル・クラネルが震える声で頭上を指さす。
視線を下から上にあげれば、10
あれだけ高くては流石に
何とか抜け出す方法を考えなければこのまま溶かされてしまうだろう。
だがそんな未来のことを考える前に対応するべき
それをなんと表現すればいいだろうか。
無理に言葉にするのならば鞭と目玉。
だが
「あ、あんなの聞いたこともない、まさか新種のモンスター!?」
(ダンジョンで出会った極彩色のモンスターの同類!?
まさか
なんてこと罠にかかった、いや門番に見つかってしまった!!)
このモンスターが
何も知らずに偶々ここに近づいた冒険者、いやモンスターまでも捕食し秘密を守る守護者。
その手中に、いや文字通り胃の中に落ちてしまった。
「▬▬▬▬▬▬▬▬▬!!!」
「ぐっ!」
「レフィーヤさん!!」
叫び声と共にモンスターが鞭をしならせ襲い掛かる。
金切声に硬直していたせいでもろに食らい、ベル・クラネルが心配そうな声を上げる。
「こっちの心配をしている場合ですか。まずは貴方の心配だけをしていなさい」
「は、はい」
ふざけた話だ。
LV.2の冒険者が
幸い鞭は速さはあれど重さはない。
立ち上がり一喝すれば目の前に迫った攻撃を避け切る。
「はあ!!うわ!?」
「何やっているんです。それでもLV.2ですか!!」
いっそ憎たらしいほどの素早さ。
だが鞭を避けた後攻撃しようとして逆に一撃を食らう。
思わず罵倒するが、仕方のない事でもある。
【
初見のモンスターを相手に戦う経験を積んでいるはずもない。
「いいですか。初見の敵が相手でも、いえ初見の相手だからこそ相手の動きをしっかりと見て攻撃をかわすことに集中しなさい」
「初見の相手...しっかり見て躱す...」
(!? 本当になんなんですこの男。さっきまでの無様な姿が嘘みたいに洗練された動きになった!?)
避ける、避ける、避ける。
先程までの
相手の攻撃、その予備動作、更にその前の動きまで見ることで成り立つ、相手の攻撃が来る前から避ける回避。
──レフィーヤが知る由もないが、
即ち「相手の動きを見続けろ。見て、見て覚えてから反撃しろ」
焦りと混乱から忘却した教えを思い出せば避けられない攻撃ではない──
「はあ!!くっ...レフィーヤさん。僕のナイフじゃ、攻撃が通りません!!」
「仕方ありませんね。なら私が
ベル・クラネルが鞭を避け
だが鞭に弾かれ逆に隙を晒す結果に終わった。
仕方がない。
そもそも大きさも、重さも、速さも違いすぎるのだ。
ならば私の魔法が必要になる。
【解き放つ一条の光、聖木の
「はあ!!ふっ、くっ...」
魔法の詠唱を始めると同時に私へと攻撃が殺到する。
やはり
その攻撃をベル・クラネルが何とか防ぐ。
拙いその防御に焦りの心が生まれかけるが、不安を押し殺す。
魔術師は常に冷静でなくてはいけない。
それが魔術師の仕事。
【汝、弓の名手なり!狙撃せよ、妖精の射手】
「ぐ、ぐわあっ」
【っ!!穿て、必中の矢】
詠唱を続ける。
目の前のあの男が防ぎきれず攻撃を受けても、そのことで焦りが生まれても。
もう少し、あと少しで詠唱が終わる。
「きしゃあああああ」
「くっ...しま...」
なのに迫りくる攻撃に途切れさせてしまう。
目の前に迫るモンスターの鞭。
それに対応しようとした時私の前に立ちはだかる人影があった。
「うおおおおおぉぉぉぉ!!」
「! ベル・クラネル!?」
ベル・クラネルだった。
その手には大戦斧。
一体
私の疑問の答えは
冒険者の遺品。
それを手にベル・クラネルは再び立ち上がった。
「ファイアボルト、ファイアボルト、ファイアボルト!!!」
(な、なんですそれ!?)
一体何回目かもわからない驚愕。
今この男は詠唱も無しに魔法を使った。
いやそれどころか連射すらしてみた。
(なんて出鱈目、なんて無茶苦茶。最早卑怯という言葉ですら間に合わないズルじゃないですか!?)
「...レフィーヤさん、詠唱を。僕の魔法じゃ頭上高くにいるあいつを倒せない。だけどもう後ろには攻撃を通しません。
だから魔法を、あいつを倒せるだけの魔法をお願いします!!」
なんですかそれ。
今日一日で何回思ったか分からない言葉をもう一度だけ思い浮かべる。
私は貴方が嫌いです。
私より弱いくせに恰好を付けて、魔術師の私よりもずっとズルい魔法を持ってて、
だけど。だけどそんなことを言われたら信じるしかないじゃないですか。
信じて魔法を詠唱するしかないじゃないですか。
【解き放つ一条の光、聖木の
「ふぅ!はぁ!!
レフィーヤさんの詠唱に引き寄せられているのなら、来るところが分かっているのなら、防げない訳じゃない。
それに
【汝、弓の名手なり。狙撃せよ、妖精の射手】
モンスターが叫ぶ。
雨のような攻撃が私を襲う。
だけれどその一つも私に届かない。
全て
ああ、本当に。そんなことされたら私もあいつを倒さなくちゃいけないじゃないですか。
【穿て、必中の矢。──アルクス・レイ】
詠唱が完成した。
光の矢が迫る。
それをモンスターは受け止めた。
失敗!?いや。
「だったらどうしたって言うんですか!!押し切りますよ!!」
関係ない。
私の魔法はそんな物じゃ止められない。
ベル・クラネルが稼いだ時間で詠唱した魔法はそんなもので止まらない。
「きしゃあああああ」
「っ!壁が!?
まさかこの穴ごと私達を押し潰す気!?」
止められないと理解したのだろうか。
モンスターが叫ぶと同時に穴が揺れる。
7
関係ない。
その前に撃ち抜いて見せる。
そう思った時に気がつく。
「うおおおおおおぉぉぉ!!ファイアボルト!!!」
火炎が広がる。
見れば
いやあれは
確かに先程までとは違い壁と壁の間は狭まり、やろうと思えば何度も壁を蹴り続けることで高く跳躍することは出来るだろう。
そうして近づけば
「きしゃあああああ!!」
だけど余りにも隙だらけだ。
空中では動くことも、避けることも、方向転換することもできない。
そんな獲物を狙ってモンスターが攻撃を仕掛けようとする。
ああ本当に気に食わない。
何よりベル・クラネルにそんな無茶をさせてしまった私が一番気に食わない。
ふざけるな。
「消し飛べええええええ!!」
「...生きてますか。ベル・クラネル」
「はい、何とか...」
「ごめんなさい。こう戦闘の高揚でテンションがおかしくなって危うく巻き込む所でした」
「いや、僕も射線上に出たのも悪かったですし...」
二人並んで
幸いというべきか。
あのモンスターを倒すと同時に穴から放り出されるように脱出に成功し、私達はこうして生きている。
こうして戦いが終わった後落ち着いて考えてみれば、
謝る私へとベル・クラネルもまた「僕も迂闊でした」と謝罪する。
「何の騒ぎ...お前は【
「まあ、あれだけ暴れればバレ...ますよね」
そうして休んでいると
まあ、当たり前ですよね。
あれだけ激戦を繰り広げていたんですから、バレない方が驚きだ。
「クソっ!!
こっちは立つのもつらいと言うのに。
せめてベル・クラネルだけでも逃がさなくては。
「死ね!!冒険者共!!」
「ベル・クラネル。貴方だけでも「そこのエルフ。クラネルさんとそこにいなさい」え...?」
ベル・クラネルへと逃げるように言おうとした時でした。
目にもとまらぬ斬撃が走り、
まさかアイズさん達が助けに来てくれた?
私の淡い期待は助けに入ってくれた冒険者の姿を見ると同時に砕かれます。
覆面をした見覚えのない冒険者。
彼女は私に動かないように言うと、次々と
「リュー...さん?」
ベル・クラネルの名前を呼んだことからそうだと思っていましたが、やはり彼の知り合いの様です。
次々と
ああ、本当に
どうも皆さま
私です
おかしいですね?
私の予定ではこの話のメインはリューさんになるはずだったのですが
気がつけばレフィーアの話が半分ほどの量を占めています
これから先の展開上18階層に闇派閥がいる必要があったから書いた話のはずが...どうしてこうなった
しかしレフィーアさんヒロインポイント荒稼ぎしていった気がしますね
元々この小説のヒロインはヘスティア様を予定していたのですがいまいち影が薄い気が...
全く物事とは予定通りにはいかない物ですね?
それではお疲れさまでしたありがとうございました