忍と灰と焚べる者と狩人とダンジョン 連載編   作:noanothermoom

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初めにこの話はギャグです
つまりは【この先キャラ崩壊があるぞ】【ご都合主義に気をつけてな】
という事です
それでもいいという方はどうぞ気を抜いてお読みください
ポロリモアルヨ




河童

極東に存在すると言われるモンスター...ではなく
水の恐ろしさを戒める為の空想上の生き物

子どもが水に近寄ることを防ぐために親が語る物語
それは年を取り物事を知れば水難事故を防ぐためだと理解するだろう

だが年を取ろうともこれを恐れるのであればきっとその者は
かつて溺れでもしたのだろう


灰の反抗、或いはダンジョンのそれなりに平穏な日

 

「絶っっっっっっっっっっっっ対に嫌だからな!!」

 

 湯煙を切り裂いてダンジョンの中に灰の絶叫が響く。

 何故こんなことになったのか。

 それを語るには少し時を戻す必要がある。

 

 

 

 

 

「それじゃあ、ありがとうございました」

 

「おう、こっちこそありがとうな。

 ...【リトル・ルーキー】お前には無用かもしれんがこの言葉を送ろう。

 またこの階層(リヴィラの街)に来い。そんときゃもっと歓迎してやるぜ」

 

 最後に出発したロキ・ファミリアの遠征部隊が18階層を離れて一日後。

 漆黒のゴライアス討伐後一日滞在した中でリヴィラの街の顔役、ボールスに気に入られたベルはまた来いと声を掛けられ、ベルはそれに笑顔で応じる。

 そうしてリヴィラの街の住人達との別れを済ませた一行は地上に向けて出発した。

 

 中層での経験からパーティのリーダーとしての振る舞いを身に着けたベル(かっこいい姿のベル君)、そしてそんなベルの姿を見て楽し気にする灰達(機嫌のいい眷族達)

 彼らの主神であるヘスティアもまた、その光景に喜びを隠し切れない様子でダンジョンの中を歩いていた。

 

 そう、ここまではよい空気だったのだ。

 なのに...

 

(ど、どうしてこうなった...?)

 

 ダンジョンの中。

 重い空気にヘスティアは心の中で頭を抱えた。

 

「むぅ...」

 

「そう気を荒立ててはいけませんよ狼」

 

 どこかピリピリとした空気の狼。

 いつもの様に笑っているのに笑っていない九郎。

 

「フン...」

 

「はぁ...」

 

 いつも以上に無愛想な狩人。

 どこか居心地の悪そうな顔の見えない協力者(リュー・リオン)

 

 いっそいつもの様にヘルメス辺りが周囲を盛り上げてくれればいいのに、ヘルメスも妙に大人しい。

 

「...っ!モンスターです!!」

 

「ぐるるる「オラァ!!」」

 

 モンスターが現れればこの空気もマシにはなるのだが、人数()に加えて灰達()まで揃っているのだ。

 戦いはあっという間に終わる。

 そうしてまた重い空気のまま地上への行進が始まる。

 ダンジョンという気の抜けない空間に始めて潜る上に、眷族(ベル君)が無事かどうかわからないという状況に行きも精神が疲労したが、帰り()は別の意味で疲れる。

 

「灰さん。ここらへんで少し休憩しませんか?」

 

「そうだな。ヘスティアに倒れられても困る」

 

 そうしてしばらく歩くとベルが休憩を提案した。

 冒険者達(ベル達)は問題ないが、神達(ヘスティア達)はそうもいかない。

 変に体力を消耗する前に休憩を入れて回復した方が楽に進めるだろうという考えから灰もその提案を受け入れた。

 

(なんだかなぁ...なんだかなぁ!)

 

 各々が周囲を警戒したり、荷物を背負いなおしたり、自分の仕事をこなす中ヘスティアは鬱々とした感情に包まれていた。

 

 自分の眷族(ベル君)が奥手なのは知っていた。

 だからダンジョンまで助けに来たことに感動して「素敵!抱いて!!」なんてことにはならないのは分かっていた。

 だとしても、もう少し自分に構ってくれてもいいじゃないか。

 

 そんな不満を抱くが同時に、眷族(ベル君)にとってこの階層(中層)は決して気を抜いていい階層じゃないことも分かっている。

 だけれど灰君達がいるんだからいいじゃないかという気持ちと、ダンジョンに対して真摯に向き合うベル君が誇らしい気持ち。

 二つの気持ちがぐるぐるする。

 

「なんだい、なんだい。...えい!」

 

 かつて天界に居た頃には感じたことがない苦しい感情に、思わず足元の石に八つ当たりをする(を蹴とばす)

 石は壁に飛んで行って小さく音を立てる。

 

「...はぁ。何やってんだか。ベル君達のもとに帰ろ「ズゴゴゴゴ!!」...え?」

 

 子供のような行動に余計虚しくなる。

 一人で行動するなよと言われたことを思い出し踵を返そうとした時だった。

 石が当たった壁が轟音と共に崩れる。

 

「神様!?」

 

「ヘスティア!?どうした...」

 

「これは...」

 

「こんな所に道があるなんて聞いたことがありませんよ!?」

 

 音を聞きつけてやってきたのだろう灰達も、現れた道に驚きを隠せない。

 幾人かが手持ちのマップで確認するも、どの地図にもこんな道は描かれていない。

 即ち未知の道。

 この道の先には未開拓領域が広がっていることになる。

 

 未開拓領域。

 文字通り誰にも探索されていないエリア。

 誰も見たことがない未知がこの先にはある。

 冒険者としての本能が疼く。

 

 だがこの先に一体どんな危険が潜んでいるのか分からない。

 ここは一度地上に戻ることを優先するべきだ。

 皆の想いが一致した時、道の向こう側から流れてくる空気を嗅いだ(みこと)が急に走り出す。

 

 止める間もなく消えていく姿に、まさか置き去りにするわけにもいかないとその背を追いかける一行。

 

 そうして進んだ一行が目にしたものは立ち上る煙と視界一杯に広がるお湯だった。

 

「おいおい、こりゃあ...」

 

「温泉...ですね」

 

「丁度良い湯加減だな」

 

 流石の歴戦錬磨の灰達も目の前に現れた温泉に気圧されていた。

 だが、いつの間にかグローブを外して温泉に手を突っ込んでいた焚べる者の言葉(温かいお湯)を聞いて黙っていられなかったのが女性陣だ。

 

「「「温泉!?」」」

 

「は、灰君にベル君。ボク温泉に入りたいな!」

 

「ヘスティア様。そんな無茶を。ここはダンジョンですよ?そんな無防備になっていい訳...」

 

「モンスターの気配はないが...」

 

 当然ながらダンジョンの中にはお風呂などない。

 18階層では水浴びをしていたが、それにだって限度という物はある。

 そんな中に現れた温泉(入浴のチャンス)を逃す訳にはいかない。

 

 だがここはダンジョン。

 入浴する(裸になる)など自殺行為でしかない。

 そんなリリルカの懸念は頭から温泉に突っ込み、文字通り温泉を()()()()()()(みこと)を引き上げた狼の言葉によって解消される。

 かくしてヘスティアとリリルカの期待する視線に負けた灰とベルは、休憩の意味も込めて入浴することに決めたのだった。

 

 

 

 

 

 その後も、まさか裸で入る訳にもいかないと悩んでいるとヘルメスがいつの間にかサイズの合った水着を用意していたり、ヘスティアが用意された水着をそのたわわ(母性の象徴)で破壊したり、再起した(みこと)が明らかに間違った入浴の作法を強要したり...まあ色々あったのだが、遂に入浴の準備が整った。

 

「ああ、やっとだ、やっと温泉に入れる...」

 

「すまん...(みこと)も悪意があってやったんじゃないんだ。ただ温泉のことになるとネジが外れるだけで」

 

「おう、じゃあ俺達は警戒してるからゆっくりつかるんだぞ~」

 

「うん、それじゃあ灰君達よろしく...って君たちも入るんだよ!?」

 

 ようやく入浴前の準備を終えたことにヘスティアがげんなりとした口調で呟く。

 温泉に入る前から疲れた...と陰を背負う女神へと、桜花は仲間()へのフォローをする。

 

 何はともあれ温泉である。

 喜び勇んで温泉へと入って行った命の後に続こうとしたヘスティアは、ひらひらと手を振り見送ろうとしていた灰達(灰、狩人、焚べる者)を目にして突っ込みを入れる。

 見れば入浴の準備が整った一同とは違い全員がいつもの服装のままだ。

 

「何してるんだい。温泉だよ温泉。君たちも入るんだよ。さあそんな無粋なものは脱いで...」

 

「はっはっは、俺達のことは気にせず入ってくるといい。後この鎧は絶対に脱がんぞ

 

 ヘスティアは灰を押したり引いたりして動かそうとするが、体格差もあり全く動かない。

 灰達には入浴の意思は無いようだ。

 だがそんなことでヘスティアは諦めない。

 

 そもそもこの温泉に入るのは、18階層での死闘の労いの意味もあるのだ。

 灰達にとって片手間の戦いであったとしても、あの階層で一番活躍したのは灰達だ。

 そんな灰達を仲間外れにするなど、()が許しても女神(ボク)が許さない。

 そう決意するが、灰達の意思もまた硬い。

 

「え~い、こうなったら実力行使だ。ベル君、ヴェルフ君、桜花君、ボクが許すやってしまえ。無理にでも灰君を温泉の中に入れるんだ!」

 

「「「ええっ!?」」」

 

 いきなりの女神の無茶振り(命令)に困惑の声を上げるベル達。

 しばし互いの顔を見合わせるが、意を決しベルが灰を無理やりにでも温泉に入れようとする。

 

 火の無い灰は強い。

 だがそれは一対一での強さだ。

 灰にとって最も恐れる物は大量の敵。

 それが眼前に迫っている現状を見た灰は...近くにあった岩にしがみつく。

 

「「「「「えっ...?」」」」

 

「フハハハハハ。俺は梃子でも動かんぞ。さあどうする」

 

 一同が困惑する中、灰の高笑いが響いた。

 

「いや、何をやっているんですか。そんなことしてないで...強っ!?

 凄い力だ!!」

 

 ベルが引きはがそうとするものの、灰の腕力には勝てない。

 風呂に入りたくないだけでそこまで本気を出すのかとビックリする。

 こうなっては仕方がないと三人がかりで引きはがそうとするものの、まるで動かない。

 

「フハハハハハ!!どうしたどうした。ちょっとは強くなったと思っていたが、お前たちの力はその程度か?」

 

「そういうちょっとカッコイイ台詞はもっと別の時に言ってくださいよ!?」

 

「灰君!!わがまま言わずに温泉に入るんだ!

 見ろ!焚べる者君は大人しく入ったぞ!!」

 

 無駄な努力を続けるベル達を笑う灰だったが、ヘスティアの言葉に視線を温泉へと向ける。

 そこには首まで湯につかった絶望を焚べる者がいた。

 

...ミラのルカティエルです

 

マスク(頭装備)がそのままだから温泉に仮面だけ浮いてるみたいでちょっとシュールだな...」

 

「いや、灰さん(上級冒険者)が岩にしがみついてまでお風呂を拒否している姿以上にシュールな光景なんてないですよ」

 

 そうツッコミを入れるベルへと灰は「これまで言ってなかったがな。実は(不死者)は膝より深い水に入るとおぼれ死ぬんだ」と言い訳をする。

 尤も「またそんな下らない嘘を...」とため息交じりに流されてしまった。

 灰が普段から詰まらない嘘を吐いているのもあるが、目の前で同じ不死者(絶望を焚べる者)が温泉に入っているのだから説得力など皆無だった。

 無駄にハイレベルな無駄に凄い技術を使った無駄な戦いはしばらく続いた。

 

 

 

 

 

 

 

「何をしているんだか奴らは...」

 

「そんなことを言うのなら狩人様は大人しく入ってくださいますね?」

 

 「いや、あいつを平均的な同胞(不死者)と一緒にしてもらったら困る」などと違う方向に弁解を始める灰の姿を見て他人事の様に狩人はうんざりしたように呟く。

 だが、そんな狩人にも声をかける人物がいた。

 華やかな年頃の少女の声。それを聞くと同時に灰と同じく近くの岩にしがみつく。

 そんな狩人のコートを声の主、リリルカ・アーデは引きちぎらんばかりに引っ張った。

 

「待て。小人族(パルゥム)のお前のどこにそんな力があったんだ」

 

「そんなことはどうでもいいんですよ。今日こそその血生臭いコートを脱いで洗濯してもらいますからね」

 

 岩にしがみついていなければ狩人ですらたたらを踏んだだろう。

 狩人はとてもじゃないがリリルカの小さな体から出たとは思えない力に制止しようとするが、リリルカはどこかズレたその言葉に耳を貸すつもりはないようで引っ張り続けていた。

 

「...大体湯が何だ。温かい液体なら毎日返り血を浴びているぞ」

 

「なおのこと脱いでもらいますよ!!」

 

 別に灰程装備に固執する訳でもない。

 たとえ破れたとしても()にするだけのこと。

 だとしてもヤーナムの下水道で拾った以来愛用しているコートを破られたいわけでもない。

 そんな思いから絞り出した狩人の反論はリリルカの腕の力をより強めるだけだった。

 

「そこのあなた。あなたですよフードを被っているあなた。ぼさっとしてないで手伝ってください」

 

「わ、私ですか...分かりました」

 

 しばらく綱引き(コート引き)を続けたリリルカはこのままではらちが明かないと思ったのだろう。

 事の流れを見ていたフードの助っ人(リュー・リオン)に助けを求める。

 

 驚いたのはリューだ。

 リューと狩人の関係を簡単に言い表せば宿敵だ、否だったというべきか。

 血も涙もない凶暴残忍な殺戮者という狩人に対して長年持っていたイメージとは違う面を持つのだと、ベル・クラネル(狩人の後輩)との交流を通してリューは知った。

 だからこそ和解を果たし、今こうして共闘している。

 

 狩人、いやすべての人は自分の知るだけが全てではない。

 そのことは分かっていた。

 だとしても今の狩人の姿はあんまりだった。

 それこそリューが呆然とするほどに。

 

 とは言え呆然と見ているだけという訳にもいかない。

 リリルカに求められるがままに力を貸す。

 

 自分の限界を超えた力を出すリリルカとLV.4の冒険者であるリューの二人がかりで引っ張られた狩人の手が岩から徐々に離れていく。

 もう少し。

 そうリリルカが思った時、急に狩人の抵抗が強くなる。

 一体何が...。

 そう思い湯煙に目を凝らすとぬらぬらと悍ましく濡れた得体のしれない物がコートの下から伸び、近くの岩に張り付いていた。

 

 世界が揺れる

 湯煙の向こう側にうっすらと見えるそれを目の端に捕らえた。

 それだけなのに世界が暗くなる。

 エーン

 薄暗いダンジョンの暗闇から赤子の泣き声が聞こえてくる。

 エーン

 体から血が引いて温泉の蒸気で蒸し暑いはずなのに体中が冷たくなる。

 意識が闇に誘われ...

 「どっせい!!」

 気合いで正気に戻る。

 

「なんですか()()。絶対よくない物でしょう!?どんだけ温泉に入りたくないんですか。猫ですか!!」

 

()だと...!?

 よくも咆えたものだな。言うに事欠いて私を獣と罵るかリリルカ・アーデッ!!」

 

「そんな恰好で凄まれたところで怖くないですよ!!」

 

 幸か不幸か。

 18階層で()()を見た経験が役に立った。

 こういう時に怯え縮こまった所で恐怖から逃げることは出来ない。

 ならばいっそ相手に突っ込んでいく(無謀な行動をする)くらいがちょうどいい。

 

 新たな啓蒙を啓いて──或いは開き直ったというべきかもしれない──しまえば凄む狩人など恐くはない。

 徐々に強くなる抵抗に負けじと引っ張る力を強めれば、狩人もまたコートの袖から新たに触手を出して岩に巻き付ける。

 見るものが居れば発狂するだろう綱引きはしばらく続いた。

 

 

 

 

 

 

「うーむ。まさかこんなことになるなんて...見通せなかったこのボク(女神)の目をもってしても」

 

「...ミラのルカティエルです」

 

 目の前で繰り広げられる阿鼻叫喚。

 その光景を見てヘスティアは小さく呟く。

 呟きに返事をするのは首まで温泉につかった焚べる者。

 翁の面が表情を変える訳でもなし。

 だがどこか不機嫌そうに見える面とは裏腹に名乗りには恍惚が含まれていた。

 

「しかしこんなに灰君達が抵抗するなんてね...うん?九郎君と狼君は何処だ?」

 

「未知とは知らぬものではない。未知とは見えぬもの。

 見えぬが故に想像する。見えぬが故にその形は一つではない。

 故にこそ届かぬ桃源郷に手を伸ばし続ける者は後を絶たない。

 

 ...だが忘れるな。隠された物を手にしようとするのならばその番人を越えねばならぬことを」

 

「おお...よく喋るね。今はそういう時期なんだ...」

 

 何時もならばそろそろ九郎君が仕方がないと言わんばかりのため息をついて狼君に命令する頃合いなのに何もない。

 いや、そもそも自分(ヘスティア)が水着を壊してギャーギャー騒いでいた頃から見た覚えもない。

 一体何処に行ったのか。

 そんな疑問に答えたのは珍しく長文をしゃべった焚べる者だ。

 

 意外かもしれないが、焚べる者はヘスティア・ファミリアではお喋りな方だ。

 ...と言うか喋らないのが会話をする気がない狩人と、むっつり黙っている狼なのだからその二人と比べればほとんどの人はお喋りになるだろうが。

 大抵のことは...ミラのルカティエルですで済ませる焚べる者だが、時々よく喋る時期がある。

 逆に...ミラのルカティエルですしか言わなくなる時期もあるのだが。

 まあどちらにせよ会話になっていないことに変わりはない。

 閑話休題。

 

「...あれはどういう事だい」

 

 僅かな水音と共に温泉より生えた手が差した先を見て困惑の声をヘスティアが上げる。

 

「狼君!!おおかみくん!!は、話せばわかる。話し合おう」

 

「邪なる気を感じた...」

 

 ヘスティアの視線の先には修羅の顔で楔丸を抜いた狼と、そんな狼を相手に腰が引けているヘルメスがいた。

 

「禁忌とは愚者に忌避させると同時に。賢者と救いようのない愚者を誘蛾する。

 知らねば良い物を、覗かねば良い物を。だがそれでもなお好奇の熱は止められぬのだ。

 禁じられた果実はよほど甘いと見える。

 だが喰らった果実の対価は安くない。

 禁忌とは犯すべきではない線引き。ならば禁忌とは即ち聖域であるのだから」

 

「あー...九郎君か」

 

 ヘスティアには焚べる者の言葉は正直な所半分も理解できなかったが、狼の行動理念ならば理解が出来る。

 大方ヘルメスが入浴中の九郎に不埒な視線でも向けたのだろう。

 

「へくちっ...すっかり体が冷えてしまった。早くボクも入ろう」

 

「踊る阿呆に見る阿呆。

 ならぬくもりを堪能すべきだ。

 馬鹿は風邪ひかぬといえども、貪欲者ですら病は望まぬのだから」

 

 自分はお姉さんが好きだと叫びながら逃亡するヘルメスと、もはや言葉はいらぬと言わんばかりに追いかける狼。

 そんな二人を見ていたヘスティアはくしゃみをする。

 体を震わせて自分を抱きしめるようにして体を温めようとする。

 

 幾ら温泉で温められて蒸し暑い空間と言えど元はダンジョン。

 日の光が届かない地下は水着を着ているには冷えすぎている。

 

 未だ灰達を引っ張っているベル達に声をかけ、仲よく入浴していれば楽しそうな雰囲気に誘われて入ってくるかもしれない。

 そんな説明をして一旦力尽くを諦めて温泉に入ることを提案する。

 

「名付けて北風と太陽作戦さ」 

 

「「「おー」」」

 

 パチパチと拍手を受け、楽しそうにヘスティア達は温泉へと入って行く。

 そんな背中を見送った焚べる者は小さく呟く。

 

「パンドラの箱には希望が残った。

 閉じられた中(未知)には常に良い物があると思うは人も不死者も変わらぬか。

 箱ごと壊せば何も得られずとも危険もないが...それを受け入れられるのならば偽りの生にしがみつきはしない。

 そも命を大切にする不死者なぞ笑い話にもならん」

 

 

 

 

 

 

「やっと諦めたか...全く、あいつらもしつこいな」

 

「フン。諦めの悪さについて私達が言える立場でもないだろう。...文字通り死んでも諦めなかったのだから」

 

 楽しそうな声が消えていくのを待ってから灰は縋りついた岩から離れた。

 灰の言葉を詰まらなそうに鼻で笑ったのは同じく岩から離れた狩人だ。

 さりげなく着ているコートが普段着ている血払いのマントがついている物ではなく、マントが外された物になっている辺りリリルカに臭いと言われたのはショックだったらしい。

 

「しっかしまあ、迂闊と言うか、平和ボケしているというか」

 

「よくもまあダンジョンなんぞの温泉に疑いもなく入れるものだ」

 

 ヘスティア達が消えていった方向を見ながら二人は嘆息する。

 

 メッセージと呼ばれている物がある。

 それは灰達の世界において時間と空間を越えて協力する為の物であり、多くの場合は罠や待ち伏せ、或いは隠された道を示す物だ。

 入り組んだ建物の中や視線の通らない洞窟、はたまた複雑怪奇な城において度々別世界からのメッセージに助けられてきた。

 

 また血痕或いは遺影と呼ばれるものがある。

 別世界で死んだ者が死ぬ少し前の動きを見ることが出来る物。

 呼び方は違えどその本質は同じ。

 血痕が大量にあるという事はそこに何か不死者を殺す()()があるという事だ。

 

 この温泉についても狼がモンスターが存在しないことを確かめてはいる。

 だがどうにも手前に大量の血痕がある曲がり角の様な、【この先罠があるぞ】と書かれたメッセージが大量にある部屋の前に立っているような。

 悪辣な罠の()()とでもいうものがこの温泉には漂っている。

 

 そもそも水場と言うのがいけない。

 自身達のしてきた旅において水場と言うのはいずれも難所だった。

 足を取られて満足に走れず、安全な所から遠距離攻撃を受けることなぞよくある事。

 ひどいときは水そのものが毒を帯びていたことすらある。

 閑話休題

 

 だが完全に温泉に入る気になっていたヘスティア達を止めた所で聞かないだろう。

 いや、そもそも罠があるというのも()()()()と言うくらいものだ。

 そんな不確かなもので喜んでいる彼女たちを止めるのは気が引けた。

 ...或いは口舌を争わせるのを面倒くさがったともいえるが。

 

 なんにせよどんな罠だったとしてもまずは真っ向から踏みつぶすのが不死者の流儀だ。

 そんなこんなで止めるのを諦め、何かがあった時はどちらかがヘスティア達の盾になり、残った方が罠を踏みつぶすことにした。

 まあつまりはいつも通りと言う奴だ。

 

 やれやれと灰が首を振った時、ヘスティア達の悲鳴が聞こえた。

 

「出番のようだな」

 

「嫌な予感ほどよく当たる...」

 

 先程まで子どもの様に駄々をこねていた姿が嘘のように()()()になった二人は駆けだす。

 

 

 

 

 

 

 異変に真っ先に気がついたのは狼だった。

 すぐさま追いかけ回していたヘルメスを蹴とばし、その反動で九郎の下へ。

 文字通り飛んできた狼に目を丸くする九郎を抱きしめ、鍵縄を使い空中へと逃げる。

 それと同時に先程まで立っていた場所に殺意が集中する。

 

 防御すら叶わない攻撃。

 文字にするのならば“危”とでも言うべきその気配を感じたからこそ、狼は九郎の安全を確保した。

 そうして空中で狼は殺意の主、狼達を攻撃してきた存在を見る。

 

 平べったい体に頭部から伸びている奇妙な突起物。

 その顔はモンスターであることを差し引いても醜悪で、凶相と言うべき顔つき。

 それを見た九郎が困ったような声音で呟く。

 

鮟鱇(あんこう)...?」

 

 時を同じくしてヘスティア達も異変に見舞われていた。

 と言っても何とも反応に困るというか、馬鹿みたいと言うか。

 だが恐ろしくはある異変だった。

 

 入浴の為の衣装。ヘルメスが用意していた水着がほつれた、いや溶けたのだ。

 悲鳴と混乱。

 そしてそれに乗じたモンスターの襲撃。

 

「やあっ!」

 

「ベル君。凄い!!」

 

 これだけはと装備を脱いでも身に着けていたナイフでモンスターを一刀両断する。

 モンスターが倒されたことを無邪気に喜ぶヘスティアを下がらせながらベルは考える。

 

(もしもこのナイフも手放していたら...)

 

 着ている物が溶けた。

 被害に遭ったのが見目麗しい女性陣の裸体を隠す水着だったことから何とも言い難い状況になったが、たとえば被害を受けたのが自分の愛用する装備だったら?

 先輩達(灰達)からの教えでこの武器(ヘスティア・ナイフ)だけは手放さずにいたが、武器も持っていなかったら?

 温泉の中を自在に泳ぐモンスターに警戒しながら起こり得た最悪を想定し、ベルの背中に冷たいものが流れる。

 皮肉なことにモンスターの襲来が、女性陣が次々裸になっていく状況にパニックになったベルの頭を冷静にさせた。

 

 今するべきことは?

 神様と一緒に下がっていく。

 あのモンスターは外見に違わず、水の中の動きが速い。

 だけれど僕の魔法(ファイアボルト)なら足止めが出来る。

 

 次にするべきことは?

 灰さん達との合流。

 あの人達ならどうとでもできる。

 

 気を付けることは?

 囲まれても慌てない。

 水中での動きは速いがそれでも対処できない程じゃない。

 それにさっき神様が上げた悲鳴は灰さん達にも届いているはず。

 なら耐えているだけでも問題はない。

 

 じりじりと下がっていくベルとヘスティア。

 浅瀬へと近づけばモンスター達は寄ってこれない。

 水中から飛び出し攻撃した所でベルの反射速度なら対応できる。

 このままいけば問題はない。

 そう思った時だった。

 

「グオオオオォォォォ...」

 

「!

 神様、危ない!!」

 

 下腹に響く重い唸り声と共に何か巨大なものが振り下ろされる。

 咄嗟にヘスティアを庇い倒れるように攻撃を避けたベルは何が起きたかを確認しようとする。

 だが何も見えない。先ほどまでは仄かな灯りに照らされていた周囲が暗闇に包まれている。

 何故?

 そう思った時再び明かりがともる。

 否、灯りだと思っていたのはモンスターの一部。

 頭部から伸びる突起物の先についている発光体だった。

 

「「でっかい...」」

 

 見上げる様な。

 それこそ18階層で戦ったゴライアスにも匹敵するような大きさのモンスターに思わず声が漏れる。

 

 恐らくはこの場所はこのモンスター達の縄張りなのだ。

 この環境をモンスター達が作り出したのか、それともこの環境にあったモンスター達が生き残ったのか。

 どちらにせよこのモンスター達は温泉につられた冒険者達を襲ってきた。だからこの場所の情報が知られなかったのだろう。

 

「来ます神様!!避けて!!」

 

「よ、避けてって言われたって...どうしたら...「どっこいしょぉ!!」

 

 攻撃の前兆を受け取ったベルはヘスティアへと警告をする。

 だがろくに戦ったこともない女神にはどうしようもない。

 ワタワタと慌てるヘスティアの後ろから灰の声がした。

 

 掛け声とともに起きた地響きによって巨大なモンスターは体勢を崩し、その周囲を回遊していたモンスター達は空中へと打ち上げられる。

 打ち上げられたモンスターは暗闇から飛んできた矢に射抜かれ次々と爆発四散する。

 

「灰君!?助けに来てくれたんだね」

 

「俺だけじゃない狩人の奴も一緒だ...しっかしでかいモンスターだな。これはなんだ?魚か?」

 

「...アンコウ。海の深くに生息する魚に似ているな」

 

 軽装の二人を庇うように立った灰の疑問に自身が作った血の雨を浴びながら狩人が答える。

 

「アンコウ?なんか美味い魚だと聞いた覚えがあるが...こんだけデカけりゃ何人前になるんだろうな」

 

「こんなものを喰うのか...ゲテモノ食いが。そもそもモンスターは倒せばすべて灰になるだろう。そんなにうまいものが喰いたいのならとっとと倒して地上に戻れ」

 

 辛辣だな。

 そう笑って灰は駆けだす。

 その手には巨大な火球が解放の時を待っていた。

 

「ヴオオォォォ....!?」

 

「大男総身に知恵が回りかね...か」

 

 当然モンスターもただ見ているだけではない。

 攻撃をしようとするも狩人が持つ弓──シモンの弓剣──から放たれた矢によって妨害される。

 

 シモンの弓剣は水銀弾を矢として放つ。

 狩人の持つ水銀弾は狩人の血が混ぜられており、体内に入ればそのものに極大の啓蒙を与え、それに耐え切れず肉体は爆発四散するのだが、余りにも大きすぎる為か体の一部が爆発するにとどまる。

 

 だが問題はない。

 すでに灰は距離を詰め切った。

 

「とりあえず焼き魚になっとけよ」

 

 そんな言葉と共に火球が押し付けられ、モンスターは内側から膨張し破裂する。

 

「よう。無事みたいで安心したぞ」

 

「灰さん...」

 

 爆発によって舞い上げられた温泉が雨となって降り注ぐ中、灰は声をかける。

 その姿を見てベルは思う「敵わないなぁ」と。

 単純な強さだけではない。この人がいれば大丈夫だという安心感。

 今は届かないけど、いつか...。

 そう胸の誓いを改めた時だった。

 

 ポロリと音を立てて灰の鎧から破片が落ちる。

 

「「「えっ」」」

 

「...この温泉は装備を蝕むのだろう?ならば雨に打たれていればそうなるのも当然だな」

 

 コートでベルとヘスティアの二人を雨から庇いながら狩人が言う。

 狩人の装備は血に塗れることを想定した撥水性の高いものだ。

 それ故降り注ぐ雨に蝕まれなかったようだが、灰の鎧はそうでもない。

 

「...」

 

「あ、あの灰君...?」

 

 無言で落ちた破片を眺める灰へと恐る恐るヘスティアが声をかける。

 頭を抱えるようにしてしゃがみこんだ灰は天を仰ぎ、腹の底から叫んだ。

 

「やっぱり温泉なんて大嫌いだ!!」

 

 

 

 




どうも皆さま

私です
おかしい、サクッと読める短編にするつもりが文字数がこんなに伸びました
なんていつもの愚痴はここらへんにしておきましょう

これでこの章は終わりです
次からは新章ですね
もしかしたらちょっと遅くなるかもしれません
気長に待ってください

以降はこの章の登場人物紹介
つまりは読まなくとも問題ない奴です
お暇な方はどうぞ
そうでない方はお戻りください

それではお疲れさまでしたありがとうございました





人物紹介

ベル・クラネル

二つ名「未完の少年(リトル・ルーキー)」NEW
LV.2になり二つ名を名付けられた
中層に挑戦するにあたってパーティの火力不足...と言うよりも自分しか戦えるのがいない実情を変える為ヴェルフを仲間に加えた
中層での経験から一人の冒険者としてだけでなく、パーティのリーダーとしての立ち振る舞いも覚え始めている

人を惹きつける何かを持っており、急激な成長による妬みと同じくらい慕われつつある
実の所灰達の立ち振る舞いを反面教師として、自分より強い人物を素直に慕い、弱い人物には力の限り守ろうとする姿勢が人を惹きつける秘訣

リリルカ・アーデ

中層という新たな領域に潜る為に、何より急成長を遂げるベルに追いつくために灰達に師事する
その果てに狩人より【啓蒙】を灰より【ソウルの業】を学ぶ
未だ未熟なそれに振り回されつつも確かな強さを身に付けつつある

最近の悩みは薄暗がりを見ているとナニカが見えてくる気がすること

ヴェルフ・クロッゾ

魔剣貴族と呼ばれたクロッゾの一人
魔剣を打つことが出来るのだが、自身の鍛冶師としての矜持により打ちたがらない
魔剣を打てる鍛冶師ではなく純粋に鍛冶師としての自分を見てくれたベルに感激しパーティの仲間に入る

未だその矜持を投げ捨てることは出来ない。
だがその矜持を預けるに足る仲間がいる

ヘスティア

自信の眷族である灰達が出払っている時にベルがダンジョンで行方不明になり、探す為にダンジョンに潜った

なんだかんだ言いながら破天荒で必要ならルールを破ることを躊躇わない性格の持ち主

九郎

自信の家族であるベルがダンジョンで行方不明になった為ダンジョンに潜った

18階層では外見に似合わず黒い所を見せたが元々割と黒い

火の無い灰

ギルドからの依頼で【闇派閥(イヴィルス)】をダンジョンの中で探していた
ヘスティアや九郎がダンジョンの中にいる事やベルが中層にいる事を感じて18階層に戻る

今回の出来事に思う所がないと言えば嘘になるがベルや九郎が片を付けたのならそれには何も言わないつもり

月の狩人

ギルドからの依頼で【闇派閥(イヴィルス)】をダンジョンの中で探していた
ヘスティアや九郎がダンジョンの中にいる事やベルが中層にいる事を感じて18階層に戻る

ベルが見た【闇派閥(イヴィルス)】について調べている時に長年の宿敵であるリューと接触
リューが態度を軟化させたことで一応の和解は成立した

絶望を焚べる者

ギルドからの依頼で【闇派閥(イヴィルス)】をダンジョンの中で探していた
ヘスティアや九郎がダンジョンの中にいる事やベルが中層にいる事を感じて18階層に戻る

今回はよく喋る時期だったため色々と喋った
逆にミラのルカティエルしか喋らなくなる時期もある
が...どちらにせよ会話はあまり成立しない



ギルドからの依頼で【闇派閥(イヴィルス)】をダンジョンの中で探していた
ヘスティアや九郎がダンジョンの中にいる事やベルが中層にいる事を感じて18階層に戻る

実の所九郎やヘスティアを危険にさらしたヘルメスには腹を立てており機会が有ったら背中から突き刺そうと狙っていた



桜花

ヘスティアの友神タケミカヅチの眷族の一人
ダンジョンの中で負傷した仲間を助ける為ベル達に【怪物進展(パス・パレード)】を仕掛けた
その後償いの為にヘスティアに協力する

不器用であり、また未熟でもある為
仲間に向かう全ての悪意を受け止めようと露悪的な行動をとることもある
この後狼に無茶苦茶鍛えられた



ヘスティアの友神タケミカヅチの眷族の一人
ダンジョンの中で負傷した仲間を助ける為にベル達に【怪物進展(パス・パレード)】を仕掛けた
その後償いの為にヘスティアに協力する

真っ直ぐな性格でともすれば暴走しがちだが、彼女の周りの人物はそれを好ましいと思っている
この後狼に無茶苦茶鍛えられた

千草

ヘスティアの友神タケミカヅチの眷族の一人
ダンジョンの中で負傷し、彼女の命を助ける為に桜花達はベル達に【怪物進展(パス・パレード)】を仕掛けた
その後償いの為にヘスティアに協力する

引っ込み思案であるが今回の出来事によっていつまでもこうしてはいられないと桜花達の訓練に参加した

タケミカヅチ

ヘスティアの友神
とあるきっかけで狼達と知り合い、狼の修める葦名流にいたく感動する
それ以降自分の眷族達に稽古を付けて貰っていた

自分の眷族が仲間の命を助ける為とは言えベルを犠牲にしたことを深く気にしており出来ることがあれば何でも協力するつもり

リュー・リオン

元冒険者
かつて闇派閥(イヴィルス)によって仲間を失った過去を持つ
また過去の出来事から狩人のことを忌み嫌っていたがベルから零れ聞く狩人の姿に考えを改めた

家族を悪し様に言ったことを謝る為にヘスティアに協力する

ヘルメス

ヘスティアの知り合い
ダンジョンに潜ろうとしていたヘスティアに協力する
本神曰くベル君に興味があったかららしいが詳しい事は語られなかった

飄々とした性格で人を煙に巻くが、灰達(圧倒的暴力)には敵わずひどい目にあった

アスフィ

ヘルメスの眷族
【万能者(ペルセウス)】の二つ名を持つLV.4の冒険者

オラリオ全体で見ても上澄みに位置するだけの実力を持っているのだがどうしても不憫な印象を受ける人物

アイズ・ヴァレンシュタイン

18階層で倒れていたベル達を見つけた冒険者
宴で近くに座ったり一緒に買い物に出かけたりベル(の急速な成長)に興味津々

なにかとベルに張り合っていたレフィーヤがベルと仲良くなったことを喜ぶ一方で何かもやもやとした物を胸に抱いている

レフィーヤ・ウィリディス

ロキ・ファミリアの冒険者
アイズを巡ってのライバルと一方的にベルを敵視していた

しかし窮地に追い込まれた時には年上の自分が守ろう思うなど根はやさしい
ベルに対しては好きじゃないけど嫌いでもないと微妙な思いを抱えている

モルド

冒険者
地上でベルと諍いを起こし、18階層でもこの階層までやって来たベルへと嫉妬する
ヘルメスの助力もありヘスティアを攫ってベルをぼこぼこにしようとたくらむがベルに負けてしまった

九郎とO☆HA☆NA☆SHIしてひどい目にあったなんて思っていたが
九郎がO☆HA☆NA☆SHIしていなかった場合灰達とすることになっていたので実はぎりぎりで助かっている

ボールス

リヴィラの街の顔役
漆黒のゴライアスを相手に指揮を執った
ばらばらの冒険者達が曲がりなりにも戦えたのは彼の存在が大きい

リヴィラの街を守ってくれたベルに深く感謝しており
再び訪れたのなら歓迎するつもりである
モルドのしでかしたことを知った後思いっきり殴り飛ばした
運が悪ければリヴィラの街が灰達によって壊滅していたのでさもあらん

漆黒のゴライアス

ヘスティアの神威に反応して生まれたゴライアスの強化種

リヴィラの街とたまたまそこに居合わせた冒険者達(ベル達も含む)が死力を尽くしてようやく倒せた強敵

一体倒したと思ったらさらにお替りがやってくるという糞ボスっぷりを示したが灰達に片手間で倒された
灰曰く殴ってて楽しい大型ボスは良ボス


...これで全部ですかね
足りなかったりしたら感想なんかで報告して頂けると嬉しいです

それではここまで読んでいただいてありがとうございました
評価、感想お待ちしています

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